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学院編
90 真実
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だけど、どうやって聞いたらいいんだろう?
『あなた達はいつから恋人同士になったのですか?』
なんて、直球で聞いてもいいものだろうか?
いや…。
そもそも、こうして時間を止められる事が出来るオーウェンに対して、魔法が使えるとは言え人間であるヴィンセントが勝ったと言うのが信じられない。
一体、どんな戦いをしたんだろう?
まずはそれから聞いてみる事にしよう。
「…あの…。この国の歴史で『ヴィンセント・アルズベリーがエルフのオーウェンに勝った褒賞としてこの国を譲り受けた』と習ったのですが、どのような戦いをされたんですか?」
僕は至って真面目な質問をしたのに、ヴィンセントとオーウェンは互いに顔を見合わせるなり大爆笑を始めた。
そんなに笑うような質問をしてしまったのだろうか?
戸惑う僕をよそに二人はまだ爆笑を続けている。
二人はひとしきり笑った後で、ようやく笑うのを止めた。
オーウェンが目尻の涙を拭いながら口を開く。
「失礼。そういえばそんな展開にしたのだと思い出しましたよ」
「実際には戦ってはいない。私はただの冒険者でね。あちこち旅をしている途中でオーウェンに出会ったんだ」
ヴィンセントが当時を懐かしむような顔をしてみせる。
「そこで意気投合したんです。最初は普通に友人同士でした。だから私からヴィーに持ちかけたんです。『この国の王にならないか』とね。ただ譲っただけじゃ箔が付かないでしょう? だから『戦って勝利した』という事にしたんです」
泊を付けるって…。
そりゃ確かに譲られたよりは箔が付くかもしれないけどね。
まあ、自分の良いように物事を改ざんするっていうのはわかるけどね。
「そこで、私はこの国の王となって治める事にしたんだ。その後、結婚し子供も生まれて、子供が成人してから王位を譲って隠居した。その後、妻に先立たれて落ち込んでいるのをオーウェンが慰めてくれたんだ」
ヴィンセントがオーウェンを見やるとオーウェンは「フッ」と笑みをこぼす。
「私もまさかヴィーとこんな関係になるとは思っていませんでした。でも、こうしてヴィーといられる事に感謝しています」
だから!
そうやって見つめ合うのを止めてくれないかな。
それはともかく、ヴィンセントが子孫を残すためだけに女性と結婚してのではないとわかってホッとした。
貴族社会では政略結婚が多いのはわかっているけれど、どうせなら思い合った人と結婚した方が良いよね。
なんて、彼女に裏切られた僕が言う言葉じゃないかな。
「オーウェン。そろそろ時間を元に戻さないと不味いんじゃないか?」
「ああ、そうでした。エドアルド君と話すのが楽しくてつい…」
ヴィンセントに促され、オーウェンが自分の手のひらに魔力を集めだした。
「それでは、エドアルド君。また授業でお会いしましょう」
ヴィンセントとオーウェンの身体を光が包んでいく。
「ヴィンセント王、お会い出来て嬉しかったです!」
僕が慌ててヴィンセントに声を掛けると、ヴィンセントはニコッと微笑んだ。
「私もだ。また会おう」
ヴィンセントが言い切るなり二人の姿は光と共に消えた。
途端に教室内に時間が戻ってくる。
周りの生徒はそれぞれの行動を再開し、隣で突っ伏しているアーサーは「はぁー」とため息をついている。
そのまま顔をこちらに向けたアーサーが怪訝な顔になる。
「どうしたんだ、エド。そんなに疲れた顔をして。何かあったのか?」
時間が止まっていたアーサーにとってはほんの一瞬でも、僕はずっとオーウェン達と話をしていたからね。
「なんでもないよ。それより今度、掛け算のコツを教えてあげるからさ」
「えっ、ホント!?」
ガバっと身体を起こすとアーサーは僕の手を握りしめる。
「ありがとう。やっぱり持つべきものは友達だな」
予想通りの言葉に僕は「ははっ」と笑ってみせた。
『あなた達はいつから恋人同士になったのですか?』
なんて、直球で聞いてもいいものだろうか?
いや…。
そもそも、こうして時間を止められる事が出来るオーウェンに対して、魔法が使えるとは言え人間であるヴィンセントが勝ったと言うのが信じられない。
一体、どんな戦いをしたんだろう?
まずはそれから聞いてみる事にしよう。
「…あの…。この国の歴史で『ヴィンセント・アルズベリーがエルフのオーウェンに勝った褒賞としてこの国を譲り受けた』と習ったのですが、どのような戦いをされたんですか?」
僕は至って真面目な質問をしたのに、ヴィンセントとオーウェンは互いに顔を見合わせるなり大爆笑を始めた。
そんなに笑うような質問をしてしまったのだろうか?
戸惑う僕をよそに二人はまだ爆笑を続けている。
二人はひとしきり笑った後で、ようやく笑うのを止めた。
オーウェンが目尻の涙を拭いながら口を開く。
「失礼。そういえばそんな展開にしたのだと思い出しましたよ」
「実際には戦ってはいない。私はただの冒険者でね。あちこち旅をしている途中でオーウェンに出会ったんだ」
ヴィンセントが当時を懐かしむような顔をしてみせる。
「そこで意気投合したんです。最初は普通に友人同士でした。だから私からヴィーに持ちかけたんです。『この国の王にならないか』とね。ただ譲っただけじゃ箔が付かないでしょう? だから『戦って勝利した』という事にしたんです」
泊を付けるって…。
そりゃ確かに譲られたよりは箔が付くかもしれないけどね。
まあ、自分の良いように物事を改ざんするっていうのはわかるけどね。
「そこで、私はこの国の王となって治める事にしたんだ。その後、結婚し子供も生まれて、子供が成人してから王位を譲って隠居した。その後、妻に先立たれて落ち込んでいるのをオーウェンが慰めてくれたんだ」
ヴィンセントがオーウェンを見やるとオーウェンは「フッ」と笑みをこぼす。
「私もまさかヴィーとこんな関係になるとは思っていませんでした。でも、こうしてヴィーといられる事に感謝しています」
だから!
そうやって見つめ合うのを止めてくれないかな。
それはともかく、ヴィンセントが子孫を残すためだけに女性と結婚してのではないとわかってホッとした。
貴族社会では政略結婚が多いのはわかっているけれど、どうせなら思い合った人と結婚した方が良いよね。
なんて、彼女に裏切られた僕が言う言葉じゃないかな。
「オーウェン。そろそろ時間を元に戻さないと不味いんじゃないか?」
「ああ、そうでした。エドアルド君と話すのが楽しくてつい…」
ヴィンセントに促され、オーウェンが自分の手のひらに魔力を集めだした。
「それでは、エドアルド君。また授業でお会いしましょう」
ヴィンセントとオーウェンの身体を光が包んでいく。
「ヴィンセント王、お会い出来て嬉しかったです!」
僕が慌ててヴィンセントに声を掛けると、ヴィンセントはニコッと微笑んだ。
「私もだ。また会おう」
ヴィンセントが言い切るなり二人の姿は光と共に消えた。
途端に教室内に時間が戻ってくる。
周りの生徒はそれぞれの行動を再開し、隣で突っ伏しているアーサーは「はぁー」とため息をついている。
そのまま顔をこちらに向けたアーサーが怪訝な顔になる。
「どうしたんだ、エド。そんなに疲れた顔をして。何かあったのか?」
時間が止まっていたアーサーにとってはほんの一瞬でも、僕はずっとオーウェン達と話をしていたからね。
「なんでもないよ。それより今度、掛け算のコツを教えてあげるからさ」
「えっ、ホント!?」
ガバっと身体を起こすとアーサーは僕の手を握りしめる。
「ありがとう。やっぱり持つべきものは友達だな」
予想通りの言葉に僕は「ははっ」と笑ってみせた。
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