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学院編
91 小テスト
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授業の終わりを告げるチャイムが鳴ったので僕達は自習ルームを出て元の教室へ戻った。
次は計算の授業なのだが、アーサーは始まる前から憂鬱そうな顔をしている。
いや、アーサーだけでなく、僕を除いたほとんどの生徒が、と言ったほうが早いだろう。
どうやら皆、掛け算割り算だけでなく、足し算引き算も苦手なようだ。
始業のチャイムと同時にディクソン先生が教室に入って来る。
「それでは授業を始めます。終わりの二十分でテストを行います」
途端に教室内がざわめくけれど、ディクソン先生はそんな事はお構い無しに授業を進めていく。
僕にとっては小学生の時に受けたような授業で退屈極まりないけれど、なるべく目立たないように真面目に授業を受ける。
授業が後半になるとディクソン先生は公約した通り、計算のテストを始めた。
テストの問題は四則演算の計算式がズラリと並んでいた。
問題を見た途端、悲壮な顔をしている生徒もいた。
足し算引き算はともかく、大きな数字の掛け算割り算は横に小さく筆算を書いて計算した。
インクなので消す事は出来ないが、別に残っていても問題はないだろう。
「はい、終了です。テスト用紙を提出してください」
微かにため息を漏らす生徒もいたが、それぞれテスト用紙をディクソン先生の所へ提出していった。
皆が提出を終えたと同時に終業のチャイムが鳴り、ディクソン先生は教室を出て行く。
途端に皆は脱力したように「はぁー」と大きなため息をついている。
アーサーがバタバタと僕の所へやって来た。
「エド、どうだった? 僕は時間が足りなくて最後の問題が解けなかったよ」
がっくりと項垂れるアーサーに僕はどう答えていいのか迷う。
「そうなんだ。僕は一応全部は書けたかな…」
こんな当たり障りのない答えしか出来ないが、今は勘弁してもらおう。
計算の授業が終わるとお昼の休憩の時間だ。
皆、学食をとるためにぞろぞろと食堂に向かう。
学年によって生徒数がバラバラなので、全校生徒が集まっても十分な広さの食堂が完備されている。
別け隔てがないと言いつつも、やはり自然と上級貴族と下級貴族と分かれて席に着く。
上級貴族側の入り口に近い席に人だかりがしている。
おそらくあそこにエドワード王子が座っているのだろう。
側近に加えてもらおうと他の学年の上級貴族達がエドワード王子の所に群がっているのに違いない。
授業中は自己アピールなんて出来ないからね。
おちおち食事もゆっくり摂れないなんて、王子サマも大変だな。
それを考えると僕が『王子』という立場にならなくて本当に良かったと思う。
配膳口で食事が載せられたトレーを受け取ると、僕とアーサーは下級貴族が集まっている一画に腰を下ろした。
この世界の食事は洋食が中心で、和食や中華にはお目にかかった事がない。
食には特にこだわりがないと思っていたが、時折和食が恋しくなる。
食べられないとわかると余計に食べたくなってくるんだよね。
お米はあるみたいだから、シンプルに塩むすびでも良いから食べたいな。
アーサーと向かい合って食事をしていると、僕の横に誰かが立った。
「隣は空いているか?」
僕達は四人がけのテーブルに植わっていたので、当然隣の席は空いている。
だが、他にも空いている席はあるのに、わざわざここに来なくても良いのに…。
そう思いつつ「良いですよ」と答えようとして顔を上げた僕は、その場で固まった。
そこに立っていたのはマーリン先生の姿をしたオーウェンと、見知らぬ茶髪の男性だった。
僕が口を開けたまま固まっていると、アーサーが嬉々として返事をした。
「マーリン先生もこちらで食事を摂られるんですね。どうぞどうぞ、座ってください」
アーサーの返事を受けてマーリン先生が僕の隣へ、茶髪の男性がアーサーの隣に座る。
僕は斜め向かいに座った男性をチラリと見て観察をする。
茶髪に深い碧の瞳をしている。
その瞳に見覚えがある気がしてじっと見つめると、その男性の口角が微かに上がった気がした。
その口角の上がり方に僕は思わず叫びそうになり、慌てて唇を噛み締めた。
アーサーの隣に座っている男性は、ヴィンセントだった。
次は計算の授業なのだが、アーサーは始まる前から憂鬱そうな顔をしている。
いや、アーサーだけでなく、僕を除いたほとんどの生徒が、と言ったほうが早いだろう。
どうやら皆、掛け算割り算だけでなく、足し算引き算も苦手なようだ。
始業のチャイムと同時にディクソン先生が教室に入って来る。
「それでは授業を始めます。終わりの二十分でテストを行います」
途端に教室内がざわめくけれど、ディクソン先生はそんな事はお構い無しに授業を進めていく。
僕にとっては小学生の時に受けたような授業で退屈極まりないけれど、なるべく目立たないように真面目に授業を受ける。
授業が後半になるとディクソン先生は公約した通り、計算のテストを始めた。
テストの問題は四則演算の計算式がズラリと並んでいた。
問題を見た途端、悲壮な顔をしている生徒もいた。
足し算引き算はともかく、大きな数字の掛け算割り算は横に小さく筆算を書いて計算した。
インクなので消す事は出来ないが、別に残っていても問題はないだろう。
「はい、終了です。テスト用紙を提出してください」
微かにため息を漏らす生徒もいたが、それぞれテスト用紙をディクソン先生の所へ提出していった。
皆が提出を終えたと同時に終業のチャイムが鳴り、ディクソン先生は教室を出て行く。
途端に皆は脱力したように「はぁー」と大きなため息をついている。
アーサーがバタバタと僕の所へやって来た。
「エド、どうだった? 僕は時間が足りなくて最後の問題が解けなかったよ」
がっくりと項垂れるアーサーに僕はどう答えていいのか迷う。
「そうなんだ。僕は一応全部は書けたかな…」
こんな当たり障りのない答えしか出来ないが、今は勘弁してもらおう。
計算の授業が終わるとお昼の休憩の時間だ。
皆、学食をとるためにぞろぞろと食堂に向かう。
学年によって生徒数がバラバラなので、全校生徒が集まっても十分な広さの食堂が完備されている。
別け隔てがないと言いつつも、やはり自然と上級貴族と下級貴族と分かれて席に着く。
上級貴族側の入り口に近い席に人だかりがしている。
おそらくあそこにエドワード王子が座っているのだろう。
側近に加えてもらおうと他の学年の上級貴族達がエドワード王子の所に群がっているのに違いない。
授業中は自己アピールなんて出来ないからね。
おちおち食事もゆっくり摂れないなんて、王子サマも大変だな。
それを考えると僕が『王子』という立場にならなくて本当に良かったと思う。
配膳口で食事が載せられたトレーを受け取ると、僕とアーサーは下級貴族が集まっている一画に腰を下ろした。
この世界の食事は洋食が中心で、和食や中華にはお目にかかった事がない。
食には特にこだわりがないと思っていたが、時折和食が恋しくなる。
食べられないとわかると余計に食べたくなってくるんだよね。
お米はあるみたいだから、シンプルに塩むすびでも良いから食べたいな。
アーサーと向かい合って食事をしていると、僕の横に誰かが立った。
「隣は空いているか?」
僕達は四人がけのテーブルに植わっていたので、当然隣の席は空いている。
だが、他にも空いている席はあるのに、わざわざここに来なくても良いのに…。
そう思いつつ「良いですよ」と答えようとして顔を上げた僕は、その場で固まった。
そこに立っていたのはマーリン先生の姿をしたオーウェンと、見知らぬ茶髪の男性だった。
僕が口を開けたまま固まっていると、アーサーが嬉々として返事をした。
「マーリン先生もこちらで食事を摂られるんですね。どうぞどうぞ、座ってください」
アーサーの返事を受けてマーリン先生が僕の隣へ、茶髪の男性がアーサーの隣に座る。
僕は斜め向かいに座った男性をチラリと見て観察をする。
茶髪に深い碧の瞳をしている。
その瞳に見覚えがある気がしてじっと見つめると、その男性の口角が微かに上がった気がした。
その口角の上がり方に僕は思わず叫びそうになり、慌てて唇を噛み締めた。
アーサーの隣に座っている男性は、ヴィンセントだった。
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