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第10章
第221話
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「では、行こうか?」
「あっ、はい……」
剣術部隊の坂岡銀次郎の誘われ、奧電の町へ向かうケイたちは同行することになった。
とは言っても、馬は人数分しかおらず、ケイたちが乗る用の分はない。
そう思っていると、隊員の一人が魔法の指輪から荷車を出してきた。
その荷車に乗るように言われて仕方なしに乗ると、馬に繋ぎ始めた。
どうやら馬に轢かせるつもりらしい。
乗り心地はあまり良さそうではない上に、荷物扱いをされているようにも思える。
義尚とかいう奴を伸した腹いせを、今してきたのかと疑いたくなる。
「気分悪いな……」
善貞もケイと同じ思いらしく、小さく文句を言う。
彼らが現れてから、善貞の様子が微妙に変になった。
何故か彼が身分を隠していることに関係しているのかもしれない。
そう思ったケイは、源次郎たちに善貞のことを偽名で紹介したのだ。
どうやらその選択は正解だったかもしれない。
善貞の小さい呟きは、何だか棘のある感じだ。
「そう言うなよ。ずっと変わらない坂道を上るよりは楽でいいだろ?」
「…………」
荷車での移動に、BGMでドナドナでも流れてくるような感覚になるが、変わらない樹々の景色の坂道を登っているよりかは気が楽だ。
あまり機嫌が良さそうでない善貞をなだめ、荷車に座ったケイはキュウとクウを撫で始めた。
魔物が出ても彼らが勝手に倒してくれるため、特に文句も言われずのんびりしながら緒伝山の山を越えて行ったのだった。
「源次郎様」
「んっ? 何だ?」
「なぜ奴らを連れて行こうとなさったのですか?」
一行は緒伝山からすぐに悠楽山の山越えへと変わる。
そこで、いい意味でも悪い意味でも思ったことを行動に移す義尚は、上官の源次郎にケイたちを連れて行く理由を尋ねた。
隊の他の者たちも聞きたかったことなので、本来は上官へ許可なく質問する義尚を咎める所なのだが、源次郎も機嫌を悪くしたように見えないのでそのまま流した。
「あのケイという男はかなり強い」
「そのようですね」
みんなが聞き耳立てているのが分かり、列の前の方にいて離れているケイには聞こえないと思った源次郎は、仕方なく部下たちに聞かせるように説明を始めた。
「猪の群れを1人で潰せるような者がこの中にいるか?」
「我々では無理ですが、源次郎様なら……」
猪の大群なんて、準備をして集団で連携を取りながら戦うのが基本だ。
それを1人で倒しきってしまうなんて、とてもではないがまともじゃない。
そんなことができる人間は、恐らくこの隊の中にはいない。
だが、源次郎なら出来るのではないかと、義尚は思ったことを口にする。
「俺でも厳しいかもしれないな……」
「そんな……」
この隊の誰も源次郎の全力を見たことがない。
それゆえ、源次郎の言葉を聞いた義尚が、信じられないと言ったような表情へと変わる。
源次郎自身、本当に自分ができるかはいまいち分からない。
日向の国は、刀と魔力で戦うことを美徳としている部分がある。
源次郎たちもそのように育ってきているため、魔力を使っても魔法を使うことはない。
そのため、接近戦しか選択肢がないため、猪の群れの相手なんて危険でしかない。
「最近魔物の動きがおかしいのは知ってるか?」
「北の地で魔物による事件が起こったという噂ですか?」
魔物の大繁殖は最近他の地でもあった。
この西の地のように、山や森が多い場補には魔素が溜まりやすい。
とは言っても、こう見事に時期が重なるなんて、珍しいというよりおかしく思える。
「一つの村が壊滅寸前になったとか?」
「そうだ」
先週、北の地で魔物の手によって一つの村が潰れかかった。
北の大名の指示によって、その配下の剣術部隊が始動。
その者たちの力で何とか死人を少なく抑えることに成功したらしい。
「この西の地は今不安定だ」
「……ハイ」
半世紀近く前に起こった事件によって、この西の地は少し荒れた。
前の大名家が世継ぎがいなくなり、養子を迎えることでとりあえず繋いだというのが現状だ。
その養子、つまりは源次郎たちの主人は頭が悪く、色々と面倒なことを起こし、市民からの信頼は薄い。
現領主の代わりに市民からの信頼が高いのが、前領主の側近だった家だ。
「彼を上手く使ってそれを解消する」
「奴を利用して、八坂家を抑え込むということでしょうか?」
「言い方が悪いが、その通りだ」
たまたま知り合った異国の者を使うのは、微妙に気が引けるところだが、背に腹は代えられない。
自分たちの地位のことを考えると、人気者の八坂家を潰さなければ、いつ寝首を掻かれるか分かったものではない。
いざという時のためにケイたちと交流を計り、仲間に引き入れておくに越したことはない。
それを遠回しに言っていたのだが、義尚の真っすぐな物言いに、源次郎は苦笑した。
【……って、いってるよ】
列の戦闘の方で、馬に轢かれている荷車に乗っているケイたち。
源次郎の所までは距離があるが、そんなこと関係なく、キュウは源次郎たちが話す内容をケイに教えた。
魔物の餌と言われるほど弱小魔物のケセランパサラン。
そのケセランパサランであるキュウは、危険察知をするために耳が良い。
とは言っても、普通のケセランパサランならこの距離で聞こえることはないが、魔力を使えるキュウは、魔力を使って集中すれば聞こえない距離ではない。
義尚が源次郎に近付いて行ったのを確認したケイが、暇つぶしがてら盗み聞きをするようにキュウに頼んだのだ。
源次郎の狙いが聞くことができたのは僥倖だった。
「ありがとなキュウ」
【えへへ……】
いい話を盗み聞きしてくれたキュウへ、ケイはお礼として撫でまわしてあげた。
ケイに褒められて撫でられたことで、キュウは嬉しい気持ちで一杯になったのだった。
「俺たちを利用しようってわけか……」
善貞にも小声で話したので、機嫌がさらに悪くなったように思える。
「まぁ、状況を見て適当に相手してやろう」
利用しようとしているなら、それはそれでケイとしては構わない。
こちらはこちらで、源次郎たちを利用させてもらうつもりだ。
この国のことは、この国でどうにかするのが当たり前。
ケイとしては関わり合うつもりはない。
場合によっては、転移魔法を使うことも辞さないつもりだ。
20代に見えてももう50歳を過ぎたおっさんだ。
源次郎程度の若造に使われるほど馬鹿ではない。
奧電に着いたら、色々調べることに決めたケイだった。
「あっ、はい……」
剣術部隊の坂岡銀次郎の誘われ、奧電の町へ向かうケイたちは同行することになった。
とは言っても、馬は人数分しかおらず、ケイたちが乗る用の分はない。
そう思っていると、隊員の一人が魔法の指輪から荷車を出してきた。
その荷車に乗るように言われて仕方なしに乗ると、馬に繋ぎ始めた。
どうやら馬に轢かせるつもりらしい。
乗り心地はあまり良さそうではない上に、荷物扱いをされているようにも思える。
義尚とかいう奴を伸した腹いせを、今してきたのかと疑いたくなる。
「気分悪いな……」
善貞もケイと同じ思いらしく、小さく文句を言う。
彼らが現れてから、善貞の様子が微妙に変になった。
何故か彼が身分を隠していることに関係しているのかもしれない。
そう思ったケイは、源次郎たちに善貞のことを偽名で紹介したのだ。
どうやらその選択は正解だったかもしれない。
善貞の小さい呟きは、何だか棘のある感じだ。
「そう言うなよ。ずっと変わらない坂道を上るよりは楽でいいだろ?」
「…………」
荷車での移動に、BGMでドナドナでも流れてくるような感覚になるが、変わらない樹々の景色の坂道を登っているよりかは気が楽だ。
あまり機嫌が良さそうでない善貞をなだめ、荷車に座ったケイはキュウとクウを撫で始めた。
魔物が出ても彼らが勝手に倒してくれるため、特に文句も言われずのんびりしながら緒伝山の山を越えて行ったのだった。
「源次郎様」
「んっ? 何だ?」
「なぜ奴らを連れて行こうとなさったのですか?」
一行は緒伝山からすぐに悠楽山の山越えへと変わる。
そこで、いい意味でも悪い意味でも思ったことを行動に移す義尚は、上官の源次郎にケイたちを連れて行く理由を尋ねた。
隊の他の者たちも聞きたかったことなので、本来は上官へ許可なく質問する義尚を咎める所なのだが、源次郎も機嫌を悪くしたように見えないのでそのまま流した。
「あのケイという男はかなり強い」
「そのようですね」
みんなが聞き耳立てているのが分かり、列の前の方にいて離れているケイには聞こえないと思った源次郎は、仕方なく部下たちに聞かせるように説明を始めた。
「猪の群れを1人で潰せるような者がこの中にいるか?」
「我々では無理ですが、源次郎様なら……」
猪の大群なんて、準備をして集団で連携を取りながら戦うのが基本だ。
それを1人で倒しきってしまうなんて、とてもではないがまともじゃない。
そんなことができる人間は、恐らくこの隊の中にはいない。
だが、源次郎なら出来るのではないかと、義尚は思ったことを口にする。
「俺でも厳しいかもしれないな……」
「そんな……」
この隊の誰も源次郎の全力を見たことがない。
それゆえ、源次郎の言葉を聞いた義尚が、信じられないと言ったような表情へと変わる。
源次郎自身、本当に自分ができるかはいまいち分からない。
日向の国は、刀と魔力で戦うことを美徳としている部分がある。
源次郎たちもそのように育ってきているため、魔力を使っても魔法を使うことはない。
そのため、接近戦しか選択肢がないため、猪の群れの相手なんて危険でしかない。
「最近魔物の動きがおかしいのは知ってるか?」
「北の地で魔物による事件が起こったという噂ですか?」
魔物の大繁殖は最近他の地でもあった。
この西の地のように、山や森が多い場補には魔素が溜まりやすい。
とは言っても、こう見事に時期が重なるなんて、珍しいというよりおかしく思える。
「一つの村が壊滅寸前になったとか?」
「そうだ」
先週、北の地で魔物の手によって一つの村が潰れかかった。
北の大名の指示によって、その配下の剣術部隊が始動。
その者たちの力で何とか死人を少なく抑えることに成功したらしい。
「この西の地は今不安定だ」
「……ハイ」
半世紀近く前に起こった事件によって、この西の地は少し荒れた。
前の大名家が世継ぎがいなくなり、養子を迎えることでとりあえず繋いだというのが現状だ。
その養子、つまりは源次郎たちの主人は頭が悪く、色々と面倒なことを起こし、市民からの信頼は薄い。
現領主の代わりに市民からの信頼が高いのが、前領主の側近だった家だ。
「彼を上手く使ってそれを解消する」
「奴を利用して、八坂家を抑え込むということでしょうか?」
「言い方が悪いが、その通りだ」
たまたま知り合った異国の者を使うのは、微妙に気が引けるところだが、背に腹は代えられない。
自分たちの地位のことを考えると、人気者の八坂家を潰さなければ、いつ寝首を掻かれるか分かったものではない。
いざという時のためにケイたちと交流を計り、仲間に引き入れておくに越したことはない。
それを遠回しに言っていたのだが、義尚の真っすぐな物言いに、源次郎は苦笑した。
【……って、いってるよ】
列の戦闘の方で、馬に轢かれている荷車に乗っているケイたち。
源次郎の所までは距離があるが、そんなこと関係なく、キュウは源次郎たちが話す内容をケイに教えた。
魔物の餌と言われるほど弱小魔物のケセランパサラン。
そのケセランパサランであるキュウは、危険察知をするために耳が良い。
とは言っても、普通のケセランパサランならこの距離で聞こえることはないが、魔力を使えるキュウは、魔力を使って集中すれば聞こえない距離ではない。
義尚が源次郎に近付いて行ったのを確認したケイが、暇つぶしがてら盗み聞きをするようにキュウに頼んだのだ。
源次郎の狙いが聞くことができたのは僥倖だった。
「ありがとなキュウ」
【えへへ……】
いい話を盗み聞きしてくれたキュウへ、ケイはお礼として撫でまわしてあげた。
ケイに褒められて撫でられたことで、キュウは嬉しい気持ちで一杯になったのだった。
「俺たちを利用しようってわけか……」
善貞にも小声で話したので、機嫌がさらに悪くなったように思える。
「まぁ、状況を見て適当に相手してやろう」
利用しようとしているなら、それはそれでケイとしては構わない。
こちらはこちらで、源次郎たちを利用させてもらうつもりだ。
この国のことは、この国でどうにかするのが当たり前。
ケイとしては関わり合うつもりはない。
場合によっては、転移魔法を使うことも辞さないつもりだ。
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源次郎程度の若造に使われるほど馬鹿ではない。
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