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本編
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「ラ、ラルクさん!?私はリーネです」
は?
抱きしめた相手の顔を見るとそこには赤の他人がいた。
あれ?確かにレフィの声が聞こえたような気がしたんだけど・・・腹部に激痛が走る。
「うっ!」
ラルクは刺された腹を抑えて蹲った。
「無理しないで下さい、また傷口が開いてしまいますよ」
リーネはラルクの肩を掴んで彼女をそっとベッドに寝かせた。
ラルクにはあの後の記憶がない、どうやら気を失ってしまったようである。まああれだけ出血していたのだから無理も無い、現に今だって貧血で頭がくらくらする。
ラルクはベットに転がって天井を見上げた。
今頃レフィはオーク達に犯されてるに違いない。そう思うと胸が張り裂けそうになる。すぐに助けに行ってやりたい、でもこの体では無理だ。悔しさで自然と奥歯に力が入る。
リーネはそんなラルクを心配した。
「ラルクさん、まだお腹が痛むのですか?」
「ああ、痛てぇよ。思いっきりぶっ刺されたからな。それよりも何で刺したあんたがあたしの看病してんだよ?」
「デュナス王子の計らいです、あの方から全てを聞きました。私はロギーニャ様に良いように利用されていたと。騙されたとはいえラルクさんには申し訳ないことをしました。どうかこのリーネめに償わせて下さい」
「いや・・・まあ、姫をさらったあたしにも非はあるけどさ。つうかお前の声レフィに似てるな、目瞑ってたら全然分からねぇよ?」
「一応これでもスティアーナ様の影武者ですから、壁越しなら国王様も欺けます」
「きっと今頃本物のレフィはオーク共に酷い目に合わされてる、くそ!・・・こんな体じゃなければすぐにでも飛んで行って助けに行くのに」
「それでしたらご心配なく、丁度今、デュナス様がスティアーナ様の救出部隊を募っているところです。騎士と民兵を合わせた大部隊でオークの里を撃ち滅ぼしに行くと」
「本当か!?だったらあたしも志願する!」
ラルクは再び起き上がる。
「ラルクさん!その体では無理です、大人しく寝ていて下さい」
「うっせぇ!あたしは何が何でもレフィを助けに行く、そう約束したんだ」
ラルクはリーネの制止を振り切って部屋を飛び出した。
今、王国は未曾有の危機に直面している。来訪していた他国の皇子、アロルドが殺された。やったのはオーク、しかしそれで相手国が引き下がる訳がない。アークス帝国は領土野心に燃える戦争大国だ、ただでさえ諸外国にいちゃもんをつけては戦争を吹っ掛けているのにその皇子が他国で死んだとあれば黙ってはいないだろう。せめてやったオークの首を差し出さねば戦争は免れない。オクタビウス王は気が気ではなかった。
「父上、お呼びでしょうか?」
「おぉ、デュナス、それで部隊の編成はどうか?」
「はい、着々と進んでおります。我が軍に加え、賞金稼ぎ、有志の民兵を加えた大部隊、例えオークと言えどこの数に押し切られては一溜りもないでしょう。残る問題はスティアーナをどうやって無傷で救い出すか」
「えぇ~い!あのアバズレ娘のことなどどうでも良い。あの黒いオークの首が欲しいのだ、でなければこの国は終わりだぞ!!」
デュナスは小さくため息をつく。父は浅はかだ、皇子を殺したオークの首を差し出せば帝国が大人しく引き下がると思っている。まあ今の自分達にはそうする他無いのだが、それでも帝国との戦争は想定しておくべきである。だが小心者の王にはそれが出来ない、アマルティアがアークスに戦争で勝てるなんてこれっぽっちも思っていない、もっともその通りなのだが仮にも王なのだから娘を取り返して戦争にも勝つくらいの威勢は欲しいものである。
そろそろ見限り時か、最早父に王としてこの国を引っ張っていく資格はない。そうデュナスが思うと突然、バタン!と扉が開いた。
何事か!?
王とデュナスが見る。
「レフィの兄ちゃんはいるか?」
何とも不躾な輩が入って来た。
リーネはラルクを羽交い絞めにする。
「何やってるんですかラルクさん!やめて下さい、王様の御前ですよ?」
「知るかそんなもん。あぁ~いたいた」
ラルクはデュナスに手を振った。野心に燃えていたデュナスの頭がたちまちこんがらがる。
王は眉間にしわを寄せて言った。
「何だ貴様は?衛兵、その無礼者をひっ捕らえよ!」
衛兵がラルクを取り囲む。
「お待ちください父上」
「どうしたデュナス、まさか知り合いか?」
「はい、あれは私の女です」
「はっ!?」
ラルクと王の言葉が重なる。
待て待て待て!いつあたしが王子の女になった?とラルクは心の中で思った。そして
「お前何言ってんだ!?」
そう言いかけるとリーネがラルクの口を塞ぐ。
王は指を差しながら、
「お、お、お、女、女だと!?お前と言う奴は、今まで散々婚約破棄してきたくせに、またこんなどこの馬の骨とも知らない女に惚れて、これで何人目だと思っている?」
「はて、何人目でしょうか?」
王は顔を真っ赤にして言う。
「111人目だ!恥を知れぇ!!」
は?
抱きしめた相手の顔を見るとそこには赤の他人がいた。
あれ?確かにレフィの声が聞こえたような気がしたんだけど・・・腹部に激痛が走る。
「うっ!」
ラルクは刺された腹を抑えて蹲った。
「無理しないで下さい、また傷口が開いてしまいますよ」
リーネはラルクの肩を掴んで彼女をそっとベッドに寝かせた。
ラルクにはあの後の記憶がない、どうやら気を失ってしまったようである。まああれだけ出血していたのだから無理も無い、現に今だって貧血で頭がくらくらする。
ラルクはベットに転がって天井を見上げた。
今頃レフィはオーク達に犯されてるに違いない。そう思うと胸が張り裂けそうになる。すぐに助けに行ってやりたい、でもこの体では無理だ。悔しさで自然と奥歯に力が入る。
リーネはそんなラルクを心配した。
「ラルクさん、まだお腹が痛むのですか?」
「ああ、痛てぇよ。思いっきりぶっ刺されたからな。それよりも何で刺したあんたがあたしの看病してんだよ?」
「デュナス王子の計らいです、あの方から全てを聞きました。私はロギーニャ様に良いように利用されていたと。騙されたとはいえラルクさんには申し訳ないことをしました。どうかこのリーネめに償わせて下さい」
「いや・・・まあ、姫をさらったあたしにも非はあるけどさ。つうかお前の声レフィに似てるな、目瞑ってたら全然分からねぇよ?」
「一応これでもスティアーナ様の影武者ですから、壁越しなら国王様も欺けます」
「きっと今頃本物のレフィはオーク共に酷い目に合わされてる、くそ!・・・こんな体じゃなければすぐにでも飛んで行って助けに行くのに」
「それでしたらご心配なく、丁度今、デュナス様がスティアーナ様の救出部隊を募っているところです。騎士と民兵を合わせた大部隊でオークの里を撃ち滅ぼしに行くと」
「本当か!?だったらあたしも志願する!」
ラルクは再び起き上がる。
「ラルクさん!その体では無理です、大人しく寝ていて下さい」
「うっせぇ!あたしは何が何でもレフィを助けに行く、そう約束したんだ」
ラルクはリーネの制止を振り切って部屋を飛び出した。
今、王国は未曾有の危機に直面している。来訪していた他国の皇子、アロルドが殺された。やったのはオーク、しかしそれで相手国が引き下がる訳がない。アークス帝国は領土野心に燃える戦争大国だ、ただでさえ諸外国にいちゃもんをつけては戦争を吹っ掛けているのにその皇子が他国で死んだとあれば黙ってはいないだろう。せめてやったオークの首を差し出さねば戦争は免れない。オクタビウス王は気が気ではなかった。
「父上、お呼びでしょうか?」
「おぉ、デュナス、それで部隊の編成はどうか?」
「はい、着々と進んでおります。我が軍に加え、賞金稼ぎ、有志の民兵を加えた大部隊、例えオークと言えどこの数に押し切られては一溜りもないでしょう。残る問題はスティアーナをどうやって無傷で救い出すか」
「えぇ~い!あのアバズレ娘のことなどどうでも良い。あの黒いオークの首が欲しいのだ、でなければこの国は終わりだぞ!!」
デュナスは小さくため息をつく。父は浅はかだ、皇子を殺したオークの首を差し出せば帝国が大人しく引き下がると思っている。まあ今の自分達にはそうする他無いのだが、それでも帝国との戦争は想定しておくべきである。だが小心者の王にはそれが出来ない、アマルティアがアークスに戦争で勝てるなんてこれっぽっちも思っていない、もっともその通りなのだが仮にも王なのだから娘を取り返して戦争にも勝つくらいの威勢は欲しいものである。
そろそろ見限り時か、最早父に王としてこの国を引っ張っていく資格はない。そうデュナスが思うと突然、バタン!と扉が開いた。
何事か!?
王とデュナスが見る。
「レフィの兄ちゃんはいるか?」
何とも不躾な輩が入って来た。
リーネはラルクを羽交い絞めにする。
「何やってるんですかラルクさん!やめて下さい、王様の御前ですよ?」
「知るかそんなもん。あぁ~いたいた」
ラルクはデュナスに手を振った。野心に燃えていたデュナスの頭がたちまちこんがらがる。
王は眉間にしわを寄せて言った。
「何だ貴様は?衛兵、その無礼者をひっ捕らえよ!」
衛兵がラルクを取り囲む。
「お待ちください父上」
「どうしたデュナス、まさか知り合いか?」
「はい、あれは私の女です」
「はっ!?」
ラルクと王の言葉が重なる。
待て待て待て!いつあたしが王子の女になった?とラルクは心の中で思った。そして
「お前何言ってんだ!?」
そう言いかけるとリーネがラルクの口を塞ぐ。
王は指を差しながら、
「お、お、お、女、女だと!?お前と言う奴は、今まで散々婚約破棄してきたくせに、またこんなどこの馬の骨とも知らない女に惚れて、これで何人目だと思っている?」
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王は顔を真っ赤にして言う。
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