メサイアの灯火

ハイパーキャノン

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運命の舵輪編

神威、炸裂!!

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 読者の皆様方こんにちは、ハイパーキャノンと申します。

 ここまで物語を読んでいただきまして誠に有難う御座いました、皆様方にはセイレーン編が終わった後で何故またこんな話を書いたのか、どうしてこの様な状況、設定、そして一連の話の流れ、内容になったのか、私やこの物語自体に対する失望、落胆、疑念、怒り等があろうかと思われますが、今回はそれに付きましての説明責任を果たしたく、ここに筆を執らせていただきました次第です、正直に言って“巫山戯るな!!”、“何だよ今更!!”とは思われるかも知れませんが、どうかお願い致します、最後までお付き合い下さいませ。

 先ずは最初に一言、申し上げさせていただきたいと思うのですけれども、もう既に御存知の方々もいらっしゃられるかとは存じますが、この物語の主軸であり柱そのものと言っても過言では無い、正真正銘の中心人物であります主人公とメインヒロイン、即ち“蒼太君とメリアリアちゃん”には元になったキャラクターが存在しているのです。

 そうです、ドラクエ5の主人公(リュカ)とビアンカの両名なのですけれどもただし、これはハッキリとお断りさせていただいているのですが確かに、元にはさせていただいてはいるのですがこの物語自体はあくまで私のオリジナルであり、だからその全てをそのまま、再現したりしている訳ではありません(だってそれならば単なる“パクリ”になってしまいますし、それにそもそも論として別に、それならば私の小説を読む必要はありません。素直に“ドラクエ5”そのものをプレイした方が早いですから)。

 だから大元の部分であります、彼等のキャラクター性やお互いへの思いや愛情、絆、そして関係性や世界観等を意識しつつも、それでも全体と致しましては全く別の物語となっている訳なのですけれども、そんな中におきまして、物語の中盤辺りから、“カインとメイル”の二人組が登場して参ります。

 恐らくではございますけれども読者の皆様方及び、“同志”の皆様方の中には“コイツらのモデルになったのは、ドラクエ5のジャミなんだろう?”とお考えになられる方々もいらっしゃられるだろう、とは思いますがしかし、元々の彼等の姿と言うのは実は全然、全くと言って良いほどに違っていたモノだったんです。

 と言うのはジャミをモデルにしたキャラも出るには出るのですがそれは、本来であれば、もっとずっと後になってから登場させるバズでした(皆様方の中には物語の序盤において、蒼太君の父である“清十郎”が任務の途中で死んでしまった、と言う話があった事を覚えておられる方もいらっしゃられるだろう、とは思いますが、その原因となったのが“ソイツら”なのです。そう言うわけでして当然、今後に於いては“ゲマ”や“ゴンズ”をモデルにしたキャラも出て来る予定です)。

 では元々、“カインとメイル”とは何者であったのか、と申しますと、実はこの二人は物語開始時点では、本来であれば主人公とヒロインの(即ち蒼太君とメリアリアちゃんの)“正統派ライバルキャラの一組”として登場させるつもりでいたキャラクター達だったのです(もっと言ってしまいますと、そもそもの元ネタになったのは栃木県に屯している“田舎のヤンキーグループ”そのものでした、と言うのは私は父親の実家が栃木県にありまして、だから子供の頃に帰省した際等には、彼等の姿は良く目にしておりました。だから彼等が二人組なのも、気分が昂ぶったりした時に思わず方言を話しちゃったりするのもその名残なんです)。

 ですので当初はそのつもりで二人の性格や戦法、魔法にお互いに対する掛け合いなど、細かい所に対する設定も自分の頭の中で考え出しては構築して行ったのですがしかし、開始早々でいきなり問題が発生してしまいました、と申しますのはそれだと実質、主人公とヒロインとが二人ずつ存在しているかのような状況に陥ってしまう上に(要するに物語としての中心核がブレてしまう上に)、私としては蒼太君とメリアリアちゃんの関係やいちゃラブに注力したかった事、そして何より自身の精神力的にもうこれ以上新しいキャラクターを創り出して活躍させる余力が無かった事等の事情があって最終的には、それらを断念せざるを得ませんでした。

 ですが折角創り出したキャラクターを、そのまま消してしまうのは惜しい、と言う思いから、彼等にはチョイ役として“セイレーンに潜入していた他国の工作員”、そして更にはその正体は“問題行動を起こして故郷を追放されたダークエルフ族の戦士”としての役割を与え(それに当たって彼等の性質や性格と言ったモノを、元々のそれよりもかなり弄くったんです、それで今の彼等の原型が出来ました)、物語の中へと組み込んだのです。

 ですので当初は、彼等の活躍というのはそんなに大したモノでは無くて精々(別に本人達がそこまで意図したわけではないのですけれどもそれでも)、一時とは言えども“蒼太君とメリアリアちゃんが離れ離れとなってしまう、その遠因を作った存在”、ただそれだけの存在理由を秘めていたキャラクターとして登場させるつもりでしか無かった筈だったのですが。

 所が物語を書き進めている内に些か状況が変わって来てしまいました、と申しますのはこの物語の主人公とメインヒロインであります、“蒼太君とメリアリアちゃん”はそもそも、開始時点からお互いのお互いに対する物凄い確かな思いと絆とで結ばれている訳なのですけれども、では“どうしてメリアリアちゃんは蒼太君の事がこんなにも好きなのか”、“どうして蒼太君はメリアリアちゃんの事がこんなにも好きなのか”、そして何よりそれ以前の段階の話と致しまして(当たり前と言えば当たり前の事なんですけれども)“そもそもどうして二人はこんなにもお互いにお互いの事を好き合っているのか”、“どうしてこんなにも深く愛し合っているのか”と言うことを、皆様方に説明しなければならない状況が生じて参りました(それはつまり、ただ“愛してる”、“大好き”では無くて“具体的に”、“どれ位好きなのか”、“何故そんなにも愛し合うようになったのか”と言うことを、皆様方に見ていただかなければならない状況が生じて来た訳です)、そしてその為には。

 当然の帰結と致しまして、二人の出会いからお互いを深く思い合うようになって行った過程を描く、所謂(いわゆる)“過去編”と呼ばれる物語を書かなければならなくなった訳なのですけれども(これは実際に、物語を読んで下さった方々にはお解り頂けているかと存じますけれども)、元々が気心が知れていて、仲の良い幼馴染同士であった二人はだから、日常生活を通して普段のお互いの姿や在り方、そしてなにより自分に対する相手の気持ち、接し方と言ったモノに、どんどん心を引かれて行きます。

 しかしそれだけではありません、共に“セイレーン”という名の秘密組織に属していた彼等はだから、そう言う背景もあって幾度となくお互いにお互いを支え合って、励まし合って、数々の過酷な戦場を潜り抜けて来た“戦友”であり、はたまた上から与えられる、時としては非情なまでの無茶振りとも言える任務、役割を果たし続けてきた“同志”でもあったわけです。

 そしてその最中においては文字通り“生きるか死ぬか”と言う極限状態にまで追いやられる事も何度かあった訳なのですけれどもそれでも彼等は決してめげずに常にお互いを助け合い、庇い合い、手を取り合ってそれらを乗り越え、そしてその度にお互いへの愛を、思いを、絆を深めて確かなモノへとしていったのです。

 これは決して難しい話ではありません、何故ならば人というモノは凡そ、追い詰められた極限状態においてこそ、その秘めたる本音や本性が、明らかとなるモノだからです、そしてー。

 それに加えてもう一つ、ハッキリとした形で顕現して来るモノがあるのですがそれが、その人の秘めている本当の力、所謂(いわゆる)“底力”と言われているモノです。

 極限状態にまで追いやられた人間はその瞬間、“後先”と言うモノを考えなくなります、要するに意識が“今、この瞬間に”だけに完全に集中し尽くして行くのですが、そうすると余計な雑念が消えてその結果、脳が著しく活性化して行くと同時に自分の深い部分と直結(脳が活性化すると同時に意識できる領域が無意識の内にまで拡大して行き、そしてその結果として、自身のより深い領域に眠っている“力”や“能力”と言ったモノを感じて発揮できるようになるためだと言われています)する事で普段はセーブしてしまっている力を、思う存分発揮できるようになるのです(日本でも“火事場の馬鹿力”と言う諺がありますね?あれがそうです)。

 二人はそう言った、極限状態における相手の姿を目の当たりにして、そして全身で感じ取っているのです、自分に対する本当の思い、深い愛情、暖かい気持ち、そう言ったモノをです。

 それだけではありません、蒼太はメリアリアの、そしてメリアリアは蒼太のそう言った、秘めたる凄まじさと言うべきか、真の能力、魂の煌めきとでも言うべきモノを実際に目撃している訳でして、それが二人をして余計に、お互いへの信頼、尊敬へと繋がって行く訳です(ただし正直に申し上げまして、蒼太君に関しましてはそれだけではダメなのです。これは“本編”を読んで下さっておられた方々には解っていただけるかと思いますけれども、彼は元々優しすぎるんです。特に少年時代はそれをずっと引き摺っておりまして、だから“エルヴスヘイムの冒険”を通して確かに戦士としては身も心も成長してその結果、ようやくにして“闘いに対する気構え”のようなモノも出来始めてはいたのですが。それでもどうしても、心の何処かでは“自分の攻撃を受けた際の相手の痛み、心情”と言ったモノを感じて考えしまうんですね。ですのでこれは、あくまでも“攻撃的な力の作用”と言う話に限れば、と言う前置詞は付くわけなんですけれども、そんな彼の底力を遺憾無く発揮させてやる為にはどうしても、“極限状態に陥る事”それ以外に更に幾つかの要素が必要になります。例えば“恋人からの心からの応援に勇気付けられて心が奮い立った”だとか、また或いは“相手に対するこれ以上無いほどの怒り、憎しみと言った、所謂(いわゆる)敵意に身も心も燃え上がらせている”だとか。それらがあって初めて、彼はその“秘めたる力”を存分に発揮する事が出来るようになるのです)。

 そしてそんな二人の前にある日、“ヒュドラのヴェルキナ”と言われる存在が立ちはだかってくる訳なのですが、彼女は“エイジャックス連合王国”の誇る魔法騎士団“レウルーラ”の、その配下に籍を置くウィッチ、所謂(いわゆる)“魔女”の少女です。

 私は当初、このヴェルキナにこそ宿敵としての立場を与えていたのですがしかし、書いていてどうしても違和感を覚えたと言いますか、“盛り上がりに欠けるな”と思ったんです、正直に申し上げましてやはり、如何に本人が強かろうとも“女の子が宿敵”と言うのはどうにも締まらないと申しますか、ある種の肩透かし感を覚えて困惑してしまいました、そこで。

 やはりどうあっても“男性のキャラクター”を新規に登場させる必要が出てきました、それも単なる男性ではありません、ある程度以上に鍛えられていて魔法や術式に対する心得も持ち合わせており、尚かつそれなりに闘いの場数も踏んでいる、横暴の権化のようなキャラクター、そう言った存在を出さなくてはならなくなってしまったんです。

 “しかし”と同時に思いました、“またそんなキャラを作らなければならないのか”と。

 正直に言って嫌でした、(ある程度は致し方ないと思いますが)何故ならばそんなキャラクターを創り出して行く度に、自分の世界にどんどん、暴力や無法が蔓延って行く感じがしてどうしても気が進まなかったのです、そんな時に。

 思い出したのがカインとメイルの存在でした、元々が主人公達のライバルキャラであった彼等はだから、“そう言った意味”においても自分の中では非常に応用の効いた、所謂(いわゆる)“潰しの効くキャラ達”だったのです。

 蒼太君やメリアリアちゃんよりもやや年上で実力も近く、でも彼等よりは未熟な部分も多くあり荒々しくて傲慢で、その上。 

 その癖、本当に大切なモノが何なのか、と言う事が解っていない、即ちそれらを持っていないキャラ達。

 まさに敵役としてはピッタリでした、しかも彼等はちょうど“エルヴスヘイムの戦闘”後は一命は取り留めたモノの、その戦傷が酷かった為に(人間形態の時、即ちセイレーンに潜伏中の際には周囲にはの“任務の最中に傷を負った”と言うことにしていた)第一線を退いて後方支援を主に担当している、との描写が出来上がっていた為に(要するに“オフ状態”だったので)登場させても別段、困ることはありません。

 そう言うわけでもう一度、彼等を無理矢理引っ張り出して来たんですのですけれども勿論、ただ無闇矢鱈(むやみやたら)と戦いの場へと引き戻した訳ではありません(それでは意味がありません。何故ならばこの時点で既に、蒼太君はエルヴスヘイム時代よりも相当、パワーアップしていますし、しかも今度は相方としてメリアリアちゃんが付いています、そう言うことも相俟って、以前のカインとメイルのままではあっさり撃退されてしまい、それでは何にもならない、と思ったからです)、何某かのパワーアップを施していなければなりませんでした。

 そこで考え出されたのが“ジャミ戦”での要素を取り入れる事でした、先にも書かせていただきましたけれども、人というのは本当に、極限状態に置かれた時にこそその人の本音や本性と言ったモノが、表れて来るモノなのです(即ち本当の姿や思いと言うモノが表れて来るモノなのです)、これは何故かと申しますと人というのは本当に追い詰められて生死の掛かった場面になると、余計な事を考えたり、言ったりしなくなるからなのですが(ハッキリと申し上げさせていただきますと、冗談抜きで自分自身の実体験としての経験があるから解ります)、あの時。

 ビアンカはリュカに止めを刺そうとするジャミとの間へと割って入り、躊躇う事無くその身を挺してリュカを庇い、助けましたがその時の彼女の思い、姿、心情と言ったモノを、この物語にも取り入れたいと思ったからです(勿論、そこには“自分を見捨てずにいてくれたんだ”、“自分の為に、こんな危険な場所にまでなり振り構わず来てくれたんだ”と言うリュカが見せた彼女への思い、行動があったからに他なりませんがいずれにしても、二人はどこまでも一途で真摯なお互いへの愛と思いと信頼と、そしてそれ故に発動させる事が出来た、自身の奥底に宿っていた本物の光の波動と底力とでも言うべきモノを一気に十全に解放させては顕現させて、お互いを助けて危機を乗り越え、その身と運命とを守り切ったのです)。

 そしてそれ故に(その状況をなぞるために)、当初カインはメイルによって施されていた結界を貼り付けたままで二人と戦うような流れになっていた訳なのですけれどもしかし、先程から繰り返し述べさせていただいている通りで元々は、彼等はジャミとは何の縁もゆかりも無い、全くと言って良いほど別物の、やや拗ねた感じのアウトロー的存在にしか過ぎなかった訳なのです(ただし一応、お断りさせていただきますけれども、彼等にジャミの要素を付け加えた事に付きましては、これは“まるっきりの冤罪”と言う訳でも無いんです。と言うのは確かに、彼等自身は魔物でも何でも無いんですけれども。それでもやはり、自分の中でも“彼等だったならこういう事を言ったりやったりしてもおかしくないな”と思う部分がありまして。そう言った性格と能力とを併せ持ったキャラ達ではありました)。

 そう言った事もありましてだから、自分の中でも少しずつ、“彼等がジャミでも良いのかな”と思うようになりました、そもそも論として“無理をして後半に、ジャミをモデルにしたキャラを出させる必要がない”上に(ハッキリと申し上げさせていただきますけれども。バリアが無くなった後のアイツって特筆すべきモノが何も無いんですよ冗談抜きで。あんまり手こずった記憶が無いのです、なので後半になってから無理矢理出してももう、その時には蒼太君の能力や装備の方が、圧倒的なまでに向こうを上回っている訳でして)、なによりかによりの理由と致しましては(皆様方に対する手前もありまして)“一旦、その役割を背負わせてしまった以上はもう、後戻りは出来ない”と思ったんです、だから。

 “彼等にはこのまま、この世界のジャミとして死んでもらおう”と思いました、“これ以上無理をしてでも後半にジャミを出させる必要は無い”と考えるに至った訳なのですけれども、その一方でー。

 どうしてもやはり、自分の中にある違和感と言いますか、罪悪感を拭う事はできませんでした、と申しますのは確かに、野蛮で粗雑な所も多々ありましたけれども(そう言う風に改変したのは私なんですけれども)元々は、彼等はちょっとやんちゃな所もあるけれども、基本的には人畜無害なキャラクターとして設定されていたのです(主人公達のライバルキャラとして生み出した手前もありまして、それなりの思い入れを持っていました)、それを無理矢理引っ張り出して来た挙げ句に“最後は魔物として殺してしまう”、本当にそれで良いのだろうかと思いました。

 それはやはり“いくら何でもあんまりだろう”と、流石に考えさせられましたし、それになによりかによりとして、彼等に意識を向けた瞬間に、物凄い悲しそうな表情を浮かべてこちらを見つめ返して来るのです(自分の中では彼等に対する、それなりのイメージがありますから)、そして“止めて欲しい”と、“俺達は魔物じゃねぇんだ!!”って来るんですよ。

 それで急遽、予定を変更することに致しました、散々迷ったのですけれども当初、彼等は完全に“魔物化”してしまうはずだったのを中止して、“肉体は変貌してしまったけれども魂はまではその輝きを失う事はなかった”と言うことにしたのです(要するに魔物としてでは無くて、れっきとした人として、もっと言ってしまいますと“ダークエルフとして”死なせてやろうと思ったのです。これに付きましては第一に、二人は蒼太君達にとっての“宿敵”としての地位を確立させてしまっておりましたから、そう言った彼等の関係性自体にキチンとした形での決着を着けさせてやる必要性があったため。そして第二点目と致しましては、これは蒼太君が指摘しておりましたけれども彼等は“妖精の力”を扱えるようにはなっておりましたから、その影響で妖気、瘴気を身体へと向けてどんどん取り込んでしまうようになっていたのです。そしてその結果として元の姿を失ってしまったんですね。それに加えて挙げ句の果てには、妖怪や妖精の本拠地である“トワイライトゾーン”の中に入っていた事も手伝って、だから肉体を持っている生命体としてはもう、どうすることも出来なくなってしまっていたのです。そしてそう言った諸々の諸事情や悪条件が幾重にも重なり合ってしまった結果、彼等の人生それ自体は終焉を迎えざるを得なくなってしまいましたが、それでもなんとか“輪廻転生の輪”の中には戻って生まれ変わり、即ち再生への道を歩み始める事が出来るようにはなったのです)。

 それにやはり、ジャミと言うのはキッチリと始末しなければなりません(アイツは所謂(いわゆる)、“罪穢れと不浄の象徴”のような存在ですから。それになによりかによりと致しまして、この物語そのものに魔物の力を撥ね除ける、或いは魔物を始末する力を持たせる、と言う事の為にも、ハッキリとした形で抹殺する必要があるのです、ですのでキッチリと出してキッチリと殺します!!)。

 そう言う諸々の思いが積み重なった結果といたしまして、こう言う形となりました、些か今後のネタバレを含んでしまって申し訳ないのですが、この物語(“因縁との対決~神威、炸裂!!”までのお話の事なのですけれども)はそう言った、自分自身の葛藤、逡巡の中で生み出されたモノなのだ、と言う事をご理解いただけたならば幸いです。

 また決してこちらの本意では無かったとは言えども、それでも皆様方にはいらぬ失望、落胆、混乱、疑念を抱かせてしまいましたこと、苦しみを与えてしまいましたことをこの場を借りて深くお詫び申し上げます、誠に申し訳御座いませんでした。

 今後とも何卒、私こと“ハイパーキャノン”と、この物語の事を、どうかよろしくお願い申し上げます。

                   敬具。

             ハイパーキャノン。
ーーーーーーーーーーーーーー
 “トワイライトゾーン”の瘴気は徐々にその強さを増していった、それと同時にー。

 現実世界との剥離も著しいモノになって来つつあったがしかし、今の蒼太達にとってはそれは大した問題では無かった、彼等が考慮するべきなのはなによりかにより先ずは、二匹の巨大なる“鬼蜘蛛”の処理だったのだ。

 瘴気と魔界の力によって元の姿を失ってしまった二人を元に戻してやるためには早急に、その身を毒している瘴気と妖気を蹴散らした上で“癒やしの光”を、その根源生命体たる魂へと向けて送り込んでやるしか道はない。

「・・・・・」

 “仕方が無いな”、と蒼太は思うがこうなったなら“神力”を上げて“覚醒モード”を使わざるを得ない、つまりー。

 より強く、ハッキリとさして形で“神の力”を顕現化させるしか無いのであるが、それをやる、と言う事は即ち、自身の精神力をやや強めなレベルで削ってしまう事を意味するのであって、つまりはそれは余り間をおかずに“短期決戦”で全てを決しさせなければならない、と言う事であった。

「ギチギチギチギチッ、ギチーッ!!」

「ギシギシギシギシッ、ギシギシ・・・ッ!!」

 腹を決めた蒼太が己の神力を高めに掛かっていた、その時。

 不意に二匹の鬼蜘蛛の口から極めて太くて粘着性のある、“妖気の糸”が放出されてはそのまま蒼太の放っている、光のオーラとトワイライトゾーン全体に充満している瘴気と妖気の空気の境目、即ち“力場の境界面”に沿って巻き付いて行くモノの、やがてー。

 それは巨大なる“糸玉”とでも言える程の大きさとなってその場に吐き出された大量の糸ごと、無言で地面に佇んでいたモノの、その上からもー。

 二匹は更に吹き付けた糸を巻き付けて行き、何重にもグルグル巻きにすると今度は口から、何やら汚らしい唾液のようなモノを分泌させてはそれを糸を伝わらせるようにして、糸玉目掛けて走らせて行くモノの、その正体は極めて強力な酸であり、現に糸から滴り落ちた何滴かは地面に付着してその瞬間、そこには“ジュワッ”と言う音と同時に、パワーショベルで掘り抜いたかのような、深くて大きな穴が開く。

「・・・・・っ!!?」

(そ、蒼太・・・っ!!!)

 少し離れた台地の上からその光景を目撃していたメリアリアは心配の余りに思わず両手で口を押さえつつ、その瞳を見開いたまま彼氏へと向けていたのであるが、次の瞬間ー。

「ギチイイイィィィィィッッッ!!!!!」

「ギギイィィーーーッ!!!!!?」

「・・・・・っ!!!」

 “ああっ!?”と思わずメリアリアが叫ぶが二匹の向かっていた糸玉が裂けてそこからは強烈なまでの突風と稲光が放出されていくモノの、それと同時にー。

 二匹の鬼蜘蛛は遙かな先にまで吹き飛ばされて行き吹きかけられていた大量の糸もまた、完全に雲散霧消してしまっていた、その残骸からは煙が立ち上っており所々に焼け焦げたような跡が付いている。

「・・・・・?」

(い、今のはなに?炎熱系。ううん、それとは違うっ。閃光系の技か何かかしら、だけど・・・)

 メリアリアは思うがそれにしても、蒼太からは呪文や術式を精製していたような気配は一切、感じられなかったし、それにあの一瞬のエネルギーの迸りは一体何だったのかが非常に気になる現象だった、ほんの僅かな間だったけれども彼女にはそれでも、“風”と“雷”の力が感じられたのであり、それも自然現象等では決して有り得ない程の恐ろしい程に集約された、苛烈で鋭い怒濤のような波動の迸りであったのだ。

 そしてそれは今まで、即ち“ダークエルフ”であった二人の全身から発せられる濁った瘴気の力場を切り裂き、彼等を遙かな彼方へと吹き飛ばしていた“見えないけれども確かに存在している力の発現”そのものに他ならなかったのだ。

「・・・・・っ!!!」

(す、凄いっ、これが“神人化”の力っ。まるで大いなる自然そのものが具現化したような。それでいてまるでマグマのように熱くって、圧倒的で力強くて・・・っ!!!)

 メリアリアがそう考えていると次の瞬間、崩壊した糸玉の中から光のオーラを放っている蒼太がゆっくりとその姿を現した、その全身から立ち上る波動はこの上も無いほどに静かにして精妙、それでいてー。

 その周囲にはまるで、暴れ狂う強大なる風雷のエネルギーのうねりが、激しくて荒々しい渦を巻いていたモノの、しかしー。

「ギチチチチチッ。ギチギチッ、ギチチチイイィィィッッッ!!!!!」

「ギシーッ、ギシギシギシギシッ。ギシシシッ、ギシシシシシーーーッッッ!!!!!」

「・・・・・」

 そんな彼へと向けてそれでも、尚も遠くまで吹き飛ばされてしまった二匹は、手間取りながらも何とか自力で起き上がっては再び襲い掛かって来るかのような構えを取りつつ、貪欲なまでの殺気を放つが確かに、全身にダメージを負わされてしまった彼等はしかし、吹き飛ばされると同時にこのトワイライトゾーンの中に充満している妖気、瘴気の思念を吸収して瞬く間にその妖力と傷とを癒して回復、“獲物”として認識した蒼太へと向けて再度の突進を開始しようとしていたのである。

「ギチギチギチギチ、ギチチチチチ・・・ッ!!!」

「ギシーッ、ギシギシギシギシッ。ギシシシ・・・ッ!!!」

「・・・・・」

(語り掛ける事も、出来なくなったか・・・)

 蒼太は彼等の心魂へと意識を向けて見るモノの、その光は既に弱々しいモノになっており強大なる瘴気によって蝕まれようとしていた、恐らくは元からが“妖精王”、もしくは“妖精女王”としてその身やオーラに妖気をタップリと取り入れた挙げ句、深い部分で混ぜ合わせていたために“妖怪化”が加速度的に悪化したモノと思われるが、しかし。

(もうこうなると猶予は無い・・・っ!!!)

 二人の状況を見極めると蒼太は再び両脚を開いて踏ん張りを効かせ、それと同時に胸の前で両手を合わせて“合掌”するようにした、そしてそのままー。

 己の身から発せられる光のオーラとその周囲に渦を巻いている、強大無比なる風雷のエネルギーとを奥の奥のそのまた奥の、根源の輝きに至るレベルで混ぜ合わせて練り上げ、それをー。

 自身の前方の空間で、小さな光の玉になるまで極集約させるとそこに名前を授けて命を吹き込み、この世界へと顕現させると一気に、二匹の鬼蜘蛛目掛けて解き放った。

「神威、“黄雷雪花”!!」

 それは刹那の刹那のそのまた刹那、人間の意識では決して感じ取る事が不可能なまでの非常に僅かな“時空連続体”の中の“認識的なブランク”の合間に行われた詠唱であったがその意味する所は“力強い確かさ”に満ち満ちており、そしてそれは0.0000000001秒にも満たない間に現実化して二匹を襲った、“神力の光球”が煌めいたかと思うと殆ど同時に俄に上空が曇り始めて荒れ狂う真空の巨大な刃と凄まじいまでの稲妻の束が二匹を襲い、その身を焦がして触覚と節足とをバラバラに切断し尽くし、地べたに腹這いに平伏させる、しかし。

 次の瞬間にはもう、その傷付いた箇所へと向けて瘴気が吸い込まれるように集中して行き、十秒と経たない間に完全回復を果たした挙げ句にその妖力も、元のそれ以上にまで増大していた。

 それだけではない、全身から放たれている禍々しさもそれまでとは比べ物にならない位に濃くて強いモノへと変貌を遂げていたモノの一瞬だが確かに、それでも蒼太は(メリアリアもだが)しっかりと感じ取っていたのだ、自身の放った“神威”によって彼等に纏わり付いている“負の思念”が、その波動力場ごと著しいまでに減少し尽くしていったのを。

 正直にいってここがもし、“トワイライトゾーン”の中でさえ無いのならば、勝負はこの一瞬で付いていたであろうモノの、しかし。

「ギチギチッ、ギチギチギチギチッ。ギチギチ、ギチイイイィィィィィッッッ!!!!!」

「ギシシシッ、ギシギシギシギシギシギシッ。ギシーッッッ!!!!!」

「・・・・・」

 彼等は以前、健在でありしかもこのままでは埒が空かない、そう考えた蒼太は“神威”を間髪入れずに連発させて、二人の魂をその汚れた身体から解き放つ事にしたのだ。

「神威、“王雷絶華”!!」

 蒼太がその名を叫ぶとまたもや、刹那の合間を置くことも無く今度は二匹の上空に、“超”が幾つか付くほどに巨大で純白なる“龍の住み家”、所謂“積乱雲”が発生してその直後。

 その中央部分からは幅が実に百メートルはあろうかという巨大で強力なる稲妻の柱が二匹目掛けて落着するモノのそれは、“神力”によって発現させられた、電圧実に“一億ボルト”に達しようかと言う雷電の集合体であり、それが激突した瞬間、地面はまるで火山の火口のように抉られ、その只中には流石に真っ黒焦げとなった二匹が蹲っておりな、もはや節足一つ動かさす事は無くなっていたのであるが、そこへ更にー。

「神威、“神翼天翔”!!」

 蒼太が唱えると同時にその上空に漂っていた、神力混じりの“ハイパーセル”は上に向けて差し出された彼の右手の掌目掛けて一気に超極集約して行くとそこへ、球体状にまで圧縮された“真空の暴風雨”を顕現させた、それをー。

 蒼太が二匹に向かって投げ掛けるとその球体が、彼等に命中するかしないか、その直前でー。

 轟音と共に爆ぜるとそこには、以前の雷を遥かに凌ぐ、200メートル級の超凄絶なる真空の竜巻が精製されており、しかも上空からはいつはてるとも無く轟き続ける稲妻が走ってその内の何本かは、地面へと向けて落着していた、その只中へと。

 飲み込まれて行ってしまったカインとメイルの蜘蛛の身体はバラバラになるまで切り裂かれた挙げ句に、更に粉微塵にまで粉砕されて行き、やがてはようやく、その瘴気の呪縛から解放されて元の光の粒子へと立ち返っていったのだ。

「・・・・・」

「・・・・・っ!!」

(終わったの・・・?)

 と遥か後方に聳える台地の上からその光景を目撃していたメリアリアは思わず彼の側へと駆け寄ろうとするモノの、その直前で。

(まって、メリーッ!!)

「・・・・・っ!!?」

 頭の中に、直接的に蒼太の声が響き渡って来るモノの“神人化”した彼は所謂(いわゆる)“精神感応”を扱うことが出来るのであり、それを使って彼女に話し掛けていたのだ。

(・・・一応。まだ“結界”の中から出ないでくれ!!)

「蒼太!?でも・・・?」

(一応、と言うこともあるだろうからもう少しだけ、そこに居てくれ!!)

「・・・解ったわ、蒼太」

 “貴方がそう言うなら”、とメリアリアは応じるモノの確かに、自身に施されている“超時空結界”はバカにならないほど強力であり、どうあがいてもそこからは、抜け出る事は出来なかった、恐らくはこれは単なる三次元的なそれのみならず文字通り、多次元からの攻撃、侵入までをも防衛、阻害してくれる代物なのだろう、非常に高度で完成された力を感じる。

「・・・・・」

 一方の蒼太は恋人との感応を終えると暫しの間、その場において油断無く“残心”を取っていたのであるが、やがてフゥッと一息付いたように肩の力を抜いたと思ったら、次の瞬間ー。

「・・・・・っ!!?」

(ええっ!?あ、あれ・・・っ?)

「こっちだよ、メリー・・・」

「えっ、うそっ!?」

 パッとその場から姿が消えてしまっていた、驚愕したメリアリアが思わず結界の、“力場の境界面”へと摺り付きながらも必死になって彼の姿を追っているとー。

 何と背後から声が聞こえてそこにはいつものような優しい、穏やかな微笑みを浮かべた恋人の姿があった。

「・・・っ。え、ええっ!?」

「ちょっとした“跳躍”の一種だよ、この国では“縮地”と呼ばれているけどね・・・」

 そう言うと同時に彼は右手で拳を作り、その甲の部分でまるでノックをするかのように、軽く“コツン”と“超時空結界”の“力場の境界面”を叩くが、するとそれと同時にあれ程までに徹底的に時空間を断絶していた結界が一瞬で崩壊してしまい、光の粒子となって空へと消えていってしまった。

「蒼太っ。ああ、蒼太っ!!」

 ようやく全てが終わった事を悟ったメリアリアはそのまま神人と化している恋人へと抱き着くが、その時の彼の雰囲気や感触は普段よりも更に力強くて温かく、不思議なしかし、確かなる安らぎに満ち溢れたモノだった。

「終わったのね・・・?」

「ああ・・・」

 “終わったよ”と蒼太が告げるとメリアリアは再びその胸の中へと顔を埋めてそして、そのままー。

 彼を見つめて何度となく軽いキスを交わすが、やがてそれは舌と舌度を絡め合う、深くて本格的なモノへと変化して行き、程なくして激しい口付けの応酬が開始される。

「んむ、ちゅむっ、ちゅぷちゅむっ。ちゅぷ、ちゅぷ、ちゅぷ、ちゅぷっ。ちゅるるるるるるる~っ♪♪♪♪♪ちゅぷちゅぷ、レロレロ、レロレロ、レロレロッ。クチュクチュクチュクチュクチュクチュ~・・・ッ!!!ちゅ、ちゅぱっ。ちゅるちゅる、じゅるるる~っ。じゅる、じゅる、じゅる、じゅるっ。じゅるるるるるるるっ、じゅるるるっ。じゅるるるるるるるるるるるるるるるる~っっっ❤❤❤❤❤❤❤」

「ん、んむっ。ちゅる、ちゅくっ。んむ、んぷっ。ちゅるるる~っ!!ちゅぷちゅぷ、レロレロ、ちゅぷ、ちゅくっ。クチュクチュクチュクチュッ!!ちゅ、ちゅぱっ。じゅるるる、じゅるるるるるるるっ!!!ぷはっ。ふうふう、ふうぅぅぅ・・・っ。メリー・・・」

「ハアッ、ハアッ。ハアッ、ハアッ、ハアァァァ・・・ッ❤❤❤なぁに?蒼太・・・」

「もうちょっと、我慢しててくれる・・・?」

 恋人からのその言葉にウットリとした眼差しを彼に向けつつも、それでもキョトンとした顔を見せる彼女に蒼太が“ここから、出なくちゃいけないから”と尚も告げるとメリアリアは少し寂しそうな、それでいて残念そうな表情を浮かべてそれでも“しょうがないわね”とでも言うかのように渋々、その身を彼から離すがすると直後にー。

 蒼太はまず、周囲へと向けて意識を巡らせては両脚を開いて踏ん張りを効かせ、再び両手を胸の前で合わせて合掌させるとトワイライトゾーンの虚空へと向けて構えを取る、そうしてー。

「神威、“経津御霊ノ剣”!!」

 自らに神々しいまでの輝きに満ちた光を纏うとそう叫んで一度右手を天高く振り上げてから、今度はそれを思いっ切り下へと向けて振り下ろして見せた、その途端にー。

「・・・・・っ!!!」

(こ、これは・・・っ!!?)

 背後で見ていたメリアリアが思わず驚愕してしまうがなんとその場の時空間が、幾重にも重なり合った次元の隙間の断層が切り裂かれるかのようにして別たれて行き、そしてそれらの向こう側ではー。

 いっそ懐かしさを覚えるようなどこまでも広がる青空と照り付ける太陽の温もりが、人々の活気と喧騒とに満ち溢れている現実世界の明るさが二人を導くかのようにして漏れ出でては、異空間の底の底たる“トワイライトゾーン”にまで差し込んで来ていた。

「・・・・・っ!!!」

「帰ろう、メリー・・・」

「・・・うん!!」

 恋人からの言葉に満面の笑みでそう頷くと、差し出されたその手を取ってメリアリアは彼共々、勢い良くその場を跳躍して行った、彼等が無事に現実世界へと帰還した後は、その道筋は縫い合わされるかのようにして塞がれて行き、世界は再び別たれる事となった。
ーーーーーーーーーーーーーー
 ちなみに神人化している際の蒼太君の攻撃や結界、光のオーラと言った所謂(いわゆる)“神の波動”は時空間を遥かに超えて、実に“八次元の表層部分”にまで作用します。

 だから例えばやろうと思えば、現実世界から異次元空間である“トワイライトゾーン”の中に潜んでいる妖怪や魔物等をも直接討ち果たす事等も可能なのですが、今回は対象が同じ“トワイライトゾーン”の中にいたために時空を超えての攻撃である、所謂(いわゆる)“超次元法撃”と言うモノは行われませんでした。

 ちなみに作中で使用した神威よりも、もっと強力な攻撃、呪縛、封印用のそれだったり、反対に浄化、解放、回復の為のモノ等も複数存在しておりますが(そして蒼太君はそれらも扱う事が出来ますが)、それらについてはおいおい、明かされて行く事になろうかと思われます。
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