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3 Let me think about it

「まさかそんな」

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頭の中が非常に混乱していて、私はおそらく呆けた顔をしていたのに違いない。
テオがますます言いにくそうに続ける。


「昨日、お前に言われてちょっと調べてみたんだが…あの子爵令嬢の婚約破棄の件…その子息が連れてきた新しい恋人の名前がーーーだった」


今度こそ本当に呼吸が止まるかと思うくらいの衝撃を受けた。


__________________________________



テオはテオで非常に驚いたのだという。

アウグストとは何年も喋っていないので動向を知らないのは当然として、ラウラと一緒にいるところを見なくなったものの、2人の関係が終わったという話も聞かないし、その割にはオイレンブルグ家がアウグストを早く結婚をさせようとしているという噂がまことしやかに貴族間で囁かれていたらしく、爵位がかなり違う間柄だから実際婚約という運びになるには「花嫁修行」など色々とあるのかな、くらいに思っていたらしい。

彼がそう思うのも不思議なことではない。

実際オイレンブルグ家は国随一の力があると言われている公爵家だ。公爵家直々に我が家に婚約申し入れがあり、望まれて婚約者になった私にさえ、彼らが求めてくる「未来のオイレンブルグ公爵夫人」への要望は凄まじかった。12歳の時から始まった私への公爵家特別プログラムの花嫁教育は、何をせずとも淑女らしさを備えた姉と妹も若干ひいていたくらいだ。あれだけ外で遊ぶのが好きだった私の活発さは年々なりを潜めていき、側でそれを黙って見ていたテオも公爵家の求める花嫁像がどれだけ難航不落の高さなのかよく知っているはずである。男爵令嬢であるラウラは間違いなく「花嫁修行」なしではあの親戚一同に受け入れられることはないだろう。アウグストの一存だけではどうにもならないのがオイレンブルグ公爵家である。

とはいえ、元の小説の中では全ての困難を振りきって、駆け落ち結婚したくらいの2人だ。
婚約破棄を告げた夜も、アウグストは私が冷たい心の女だ、と責めて、ラウラのような女性と結婚する権利があるはずだ、と言ったくらいだったので、あの瞬間は2人は熱い恋に燃え上がっていたはずだ。

しかしそれがまさか数年後に破綻していたとは……

(そもそも…あの小説は関係なかったの…?いや、そんなはずはない)

「俺がもっと早く気づいていたら、お前に早く教えてやれたよな、悪かった」

テオはそうやって真摯に謝ってくるが、最初の衝撃から立ち直って冷静になると、彼が謝る義理など何もない。

「数年前に聞いたところで、私がから出れないのは同じだから」

「でも…お前はずっとアウグストとラウラ嬢の婚約話に怯えていただろう」

それは否定はできない。
あれだけ自分のプライドを深く深く傷つけられたのだ。
やはり2人の婚約話を聞くのは怖かった。

今となっては、2人が婚約したとしても、なんの感慨も湧かない話であるが。

それより。

「テオ、子爵令嬢の話の方がショックで…」

あの子爵令嬢は私の手紙を受け取ってくれただろうか。
信じてくれただろうか。
実行してくれただろうか。

何より、

2回も沿


テオはさすがに昨日の今日で、子爵令嬢の件は全貌は分からなかったし、またきちんと調べてみる、と私に約束して帰っていった。
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