9(ノナ)! TACTIC部!!

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12月のメインイベント

雷之丞の要求

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校長室へ呼ばれた、TACTIC部キャプテンの空町まちの。

空町
「空町です。」

雷之丞
「入りなさい。」

空町
「……」

ガチャ...... 空町は扉を開け中へ入る。

空町
「失礼いたします。」

雷之丞
「TACTIC部の方、ご苦労様だ。
 君も主人公君も上手くやっているようで
 何よりだ……と、さて。」

空町
「……」

雷之丞
「二つ、話がある。まず一つ……
 前に話した、リビドーの件だが、
 そろそろ手伝いを頼もうかと思う。」

空町
「な……え、えっと、
 それって、つ、つまりですね……
 
 リビドー放出は、その……
 性の放出であると、……聞いたのですが、
 そういうことなのですか?」

雷之丞
「そうだね。しかし別にいやらしい意味で
 捉えることはない。説明した通り、
 これは必要なことなのだから。」

空町
「そんな!
 セクハラどころの話じゃないですよっ!
 
 年頃の女の子にそ、そんなこと言うなんて
 言うばかりじゃなく要求するなんて――」

雷之丞
「うん? 年頃と言ったって……
 もしかして空町クンはまだなのかい?」

空町
「――!!?
 な、な、そ、そんな、……そんなことっ」

雷之丞
「ふーーむぅ、そうなのか……
 ここまでまだ未経験で、
 女子ばかりのこの学園で三年間……
 それも辛かろう。
 ならば、尚更ちょうど良――」

空町
「そっ、そこまでにっしてくださいっ!
 これ以上は……ゆ、許されざることですよ?
 
 上の、学園連の人達に
 報告しないといけなくなります。」

雷之丞
「アハハアッハ!」

雷之丞は高らかに笑った。

空町
「……!?」

雷之丞
「ふーむ。君には残念ながら、
 これは学園連も公認のことなのだよ。
 
 というか、私自身、学園連上層部。
 私には逆らわない方が……いい。」

空町
「そんなこと……
 納得できません。人間として!」

雷之丞
「な……」

空町
「そんなのだって、
 性のはけ口ってことじゃないですか。
 納得できません。人間として!」

雷之丞
「フ。言うじゃないか。しかし……
 
 じゃあ、どうだ?
 君も楽しめばいい。」

空町
「な ななな……っ」

雷之丞
「いいや楽しむべきなのさ。
 勿体ない。青春の時間の無駄だよ。」

空町
「も、もういい加減に……!」

雷之丞
「すぐにそうなるさ。
 愉しいぞう。セックスは……
 フフフゥ。」

空町
「な、そん、な、…………」
 
 必要ならばっ、
 ご自分でなさればいかがでしょう?
 わ、私……失礼しますっ!」

雷之丞
「……フ。
 なかなか可愛いじゃないか、空町君……
 フフフゥ。
 
 草馬! 草馬 灯くん!」

校内放送
「草馬! 草馬 灯くん!
 校長室へ、すぐに来なさい。……」

……

草馬
「……」

学園内・廊下。

校内放送
「草馬! 草馬 灯くん!
 校長室へ、すぐに来なさい。……」

空町
「……な、
 なんで雷之丞が草馬さんを?」

草馬
「……」

空町
「! 草馬さん……
 気を付けた方がいいわ。雷之丞は――」

草馬
「どいてくれる?」

空町
「えっ…………」

草馬は空町の脇をすり抜け、足早に駆け去ってしまう。

空町
「あ、草馬さ――」

空町は草馬を追って校長室まで戻るが、既に扉は閉まっており……

雷ジュニB
「おねーーさん!
 どしたの?」
雷ジュニC
「雷之丞サンは、取り込み中だよ。
 色々とね。えっへっへ……」

空町
「…………」

雷ジュニD
「何? なんかエッチな想像してない?」

空町
「! し、してな――」

雷ジュニB
「なんか変な声とかでも聴こえる?
 なんならホラ。」

空町は雷ジュニに腕を引かれ、扉の前まで引っ張られる。

空町
「あ、…………
 …………」

雷ジュニ達
「ニヤニヤ。ニヤニヤ」

閉ざされた扉の向こうは、しんとして、音もない。
よく耳を澄ますと、かすかな話し声が聴こえるが、内容は聴き取れない。

空町
「…………」

雷ジュニB
「なー?
 怪しい様子なんて全くないだろう?」

空町
「…………」

雷ジュニC
「雷之丞サンは、生徒達の進路相談を
 真面目に受けてるだけなんだよ?」

空町
「……そ、そうなんだ。」

雷ジュニD
「そうなのさー。
 予約で一杯なくらい、人気でね。」

雷ジュニ達は、そう言うと空町を扉から離した。

雷ジュニB
「じゃ、ね。」

空町
「あ……うん……。
 …………
 ……あ、そう言えば、
 4人じゃなかった……?」

雷ジュニB
「あー。おれ達のことね。」
雷ジュニC
「そだよ。」
雷ジュニD
「あいつ、最近ちょっと、な。」

空町
「……?」

雷ジュニB
「何か? 気になるの?」

空町
「いえ、全然……
 聞いただけです。
 ……それでは、失礼しました。」

雷ジュニ達
「ニヤニヤ。ニヤニヤ
 カワイーなー。空町ちゃん♪」
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