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第一章 種付けおじさんになった男
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薄暗い地下室に、一人の美女と、一人の醜い男がいた。
共に一糸纏わぬ姿だった。
『ぶひひひ!今から僕のお嫁さん奴隷にしてあげるからねえ!』
男の言葉に、美女は涙目で嫌々と首を振り始める。
『大丈夫だよ~……僕のちんちんは、どんな処女でも奴隷にしてあげる魔法のちんちんだからねえ~』
そういっていきり立つ一物を見せつけながら、少しずつ美女のアソコへと――。
そんな光景を見ながら、男は呟く。
「あー、やっと終わったー……スチル回収終わり~……」
〇
男はマウスでスキップと書かれた部分をクリックし、凄まじい速度でセックスシーンを飛ばしていく。
これはいわゆるPCでプレイできるエロゲで、もはや古と化したモニターでプレイするタイプのもので、販売から十数年経った今でも(一部の層に)人気のあるエロゲ『エッドクエストⅢ』だ。
VR没入が主流になった現代において、最後のブラウザエロゲともいわれている。
色んな伝説を生んだりもしているが決してクソゲーではなく、しかし神ゲーでもない。
スルメゲーというにも、中途半端で……最後のエロゲという看板だけで評価されているものだと正直思っている。
「……あ」
スキップが終了した。
設定で「見ていないシーンは止まる」にしていたので、最後のスチルが画面いっぱいに映る。
先ほどの醜い男を中心に、美女や美少女が裸で侍っている。
その手前で死にかけの主人公が、悔し気に寂し気に一人一人の名前を言いながらフェードアウトしていき、最期に見た光景は、主人公の義理の母親と妹が醜い男の一物に情熱的なキスをするというもので真っ暗になり、物語は終わった。
画面前の男は伸びをする。
「あー……ようやく完クリした……しかしまあ、これは酷いな」
いわゆるエロゲのNTRエンドの最も酷いパターンである「全NTR」というエンディングだ。
主人公と交際できるヒロイン及びサブヒロイン全てがNTR竿役に取られるという、一部の方だけが喜ぶエンディングだ。
このエンディングは他エンドを見ていないとルートに入れないという、どうあがいてもプレイヤーの脳みそを破壊するための順番になっていて、純愛派はブチ切れていた有名なやつだ。
コンプリートしないと見れない情報とかがあるゲームで、これは正直、ひどい。
しかも、公式は何をトチ狂ったのかこれを「真エンド」と紹介し、更に炎上。
裁判にもなりかけたが、結局どうなったかは誰も知らない。
別段NTRは嫌いじゃないし純愛派でもないが、それでもこれをフルプライスで買った人には同情する、と男はそんなことを思いながら、本来の目的を果たすためにゲームを再起動する。
このゲームには都市伝説がある。
完全なクリアをした後に再起動し、設定画集の最後の項目にある『とある文字』が見えたら『ゲームの世界に転生』できるという「なんで転生したことがわかるんだよ」というオチ付きの都市伝説だ。
男はそれを確かめたいがために、知り合いにこのゲームを譲ってもらったのである。
「さあて、本当かどうか……お、これか……?」
確かに設定画集の項目の最後に、英語のような、日本語のような、作中にも出てきてない文字が見える。
そして。
男にはそれがなんて書いてあるのか――わかってしまった。
「……たねづけ、おじさん?」
その言葉を発した瞬間、男の肉体、そしてPCそのものが発光し、その光が収まると。
そこには何も残っていなかった。
何一つ、残ってはいなかった。
〇
そうして気が付いたら、男は生まれ変わっていた。
「ジオ・ネヅタケンサ……」
鏡に映る自分の姿が、先ほどまでプレイしていたエロゲのNTR竿役であるキャラに。
いわゆる『種付けおじさん』に、変じていた……。
これはNTR竿役になってしまった男が、どうにかして運命に抗おうとするお話。
共に一糸纏わぬ姿だった。
『ぶひひひ!今から僕のお嫁さん奴隷にしてあげるからねえ!』
男の言葉に、美女は涙目で嫌々と首を振り始める。
『大丈夫だよ~……僕のちんちんは、どんな処女でも奴隷にしてあげる魔法のちんちんだからねえ~』
そういっていきり立つ一物を見せつけながら、少しずつ美女のアソコへと――。
そんな光景を見ながら、男は呟く。
「あー、やっと終わったー……スチル回収終わり~……」
〇
男はマウスでスキップと書かれた部分をクリックし、凄まじい速度でセックスシーンを飛ばしていく。
これはいわゆるPCでプレイできるエロゲで、もはや古と化したモニターでプレイするタイプのもので、販売から十数年経った今でも(一部の層に)人気のあるエロゲ『エッドクエストⅢ』だ。
VR没入が主流になった現代において、最後のブラウザエロゲともいわれている。
色んな伝説を生んだりもしているが決してクソゲーではなく、しかし神ゲーでもない。
スルメゲーというにも、中途半端で……最後のエロゲという看板だけで評価されているものだと正直思っている。
「……あ」
スキップが終了した。
設定で「見ていないシーンは止まる」にしていたので、最後のスチルが画面いっぱいに映る。
先ほどの醜い男を中心に、美女や美少女が裸で侍っている。
その手前で死にかけの主人公が、悔し気に寂し気に一人一人の名前を言いながらフェードアウトしていき、最期に見た光景は、主人公の義理の母親と妹が醜い男の一物に情熱的なキスをするというもので真っ暗になり、物語は終わった。
画面前の男は伸びをする。
「あー……ようやく完クリした……しかしまあ、これは酷いな」
いわゆるエロゲのNTRエンドの最も酷いパターンである「全NTR」というエンディングだ。
主人公と交際できるヒロイン及びサブヒロイン全てがNTR竿役に取られるという、一部の方だけが喜ぶエンディングだ。
このエンディングは他エンドを見ていないとルートに入れないという、どうあがいてもプレイヤーの脳みそを破壊するための順番になっていて、純愛派はブチ切れていた有名なやつだ。
コンプリートしないと見れない情報とかがあるゲームで、これは正直、ひどい。
しかも、公式は何をトチ狂ったのかこれを「真エンド」と紹介し、更に炎上。
裁判にもなりかけたが、結局どうなったかは誰も知らない。
別段NTRは嫌いじゃないし純愛派でもないが、それでもこれをフルプライスで買った人には同情する、と男はそんなことを思いながら、本来の目的を果たすためにゲームを再起動する。
このゲームには都市伝説がある。
完全なクリアをした後に再起動し、設定画集の最後の項目にある『とある文字』が見えたら『ゲームの世界に転生』できるという「なんで転生したことがわかるんだよ」というオチ付きの都市伝説だ。
男はそれを確かめたいがために、知り合いにこのゲームを譲ってもらったのである。
「さあて、本当かどうか……お、これか……?」
確かに設定画集の項目の最後に、英語のような、日本語のような、作中にも出てきてない文字が見える。
そして。
男にはそれがなんて書いてあるのか――わかってしまった。
「……たねづけ、おじさん?」
その言葉を発した瞬間、男の肉体、そしてPCそのものが発光し、その光が収まると。
そこには何も残っていなかった。
何一つ、残ってはいなかった。
〇
そうして気が付いたら、男は生まれ変わっていた。
「ジオ・ネヅタケンサ……」
鏡に映る自分の姿が、先ほどまでプレイしていたエロゲのNTR竿役であるキャラに。
いわゆる『種付けおじさん』に、変じていた……。
これはNTR竿役になってしまった男が、どうにかして運命に抗おうとするお話。
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