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第一章 種付けおじさんになった男
4 抗ってやる
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ぼく、ジオ・ネヅタケンサ!
6さいです!
でも、みためはおじさんです!
よろしくおねがいします!
〇
「……頭おかしくなりそうだ」
実年齢六歳という事実に頭がおかしくなりそうになりながら、そして吐き気を我慢しながら、ジオ少年のこれまでの人生、経歴に目を通していた。
端的に書いていくと、こうだ。
・望まれない妊娠と出産。放棄、孤児としての人生の確定。
・それでも多くの自分と似たような環境の子供たちとの交流、優しい先生たちの手厚い好意で、寂しく過ごすことはなかった。
・六歳のある日、地母神によって「多産の祝福」を授かり『肉体が中年男性と化してしまう』
・変貌した瞬間を誰も見ていないため、全裸の中年男性と化したジオ少年は不審者として追い回される。
・優しかった先生や友達だったはずの子供たちから向けられる怯えと敵意。逃げ回っていく時にさらされる周囲の好奇と侮蔑、憐憫の眼。
・六歳の少年には受け入れられない現実、ついこの間まで優しかった人たちの『ある程度の知識と常識を考えれば理解できるが、子供には決してわからない』変貌は、彼の心をズタズタに引き裂いていった。
・傷だらけで逃げ続け、気が付いた時には……。
「シゲさんに助けられた……か」
経歴の途中に書かれていたジオの心情が痛々しくて、見ていて辛い。
ついこの間まで普通の少年だった男は、突然、気味の悪い中年男性になってしまった。
普段通りにふるまおうとする彼の言動や行動は子供じみて見えてしまって……ああ、なるほど。
「作中の気持ちの悪い発言は、全部……普段通りの彼だったのか……」
六歳なのに、それが許されない。
気持ち悪いといわれ、子供みたいといわれ、でも実際は子供なのに、それが許されなくて……。
「あ……そういうことなのか……」
繋がっていく。
ジオがラスボスとして立ちはだかるルートで、ジオが倒された際のセリフが有名だ。
『――どうして誰も愛してくれないんだ!』
『僕を愛してほしいのに……だれも愛してくれない……』
『奪わないと……ほしいのに、だれもくれない……』
『だれか……ぼくを……あいして……』
そうして完全に消失する。
魂すら残らない、世界からの完全退場。
そんな終わりを迎える。
このセリフは賛否両論だったりしたが……事情を知ると、この言葉はあまりにも重たい。
そうか、そういうことだったのか、と全てが繋がっていく。
姿見の前に立つ。
肥満体で禿げた頭、テカる顔と団子鼻、厚い唇。
俺の知っている、ジオだ。
ジオ・ネヅタケンサ。
四十代の終わり、五十代の中頃のおっさんにしか見えない。
でも、その正体は女神の祝福で強制的に大人にされた少年だった。
ただの……誰かに助けてほしい六歳児だった。
今俺がジオになったのは、元になったジオ少年の心が死んで、消えてしまったからではないか。
もし、そうならば。
ならば。
「……決めた」
そういう運命が、彼を深く傷つけ、やがて、そういう最低の存在にさせようというのなら。
俺が、この世界の色々を知っている俺が、変えてやる。
最低最悪の存在になっていくのなら――。
「――抗ってやる」
これは、NTR竿役に転生した男が、その運命に抗っていく、お話である。
第一章 了
第二章に続く――。
6さいです!
でも、みためはおじさんです!
よろしくおねがいします!
〇
「……頭おかしくなりそうだ」
実年齢六歳という事実に頭がおかしくなりそうになりながら、そして吐き気を我慢しながら、ジオ少年のこれまでの人生、経歴に目を通していた。
端的に書いていくと、こうだ。
・望まれない妊娠と出産。放棄、孤児としての人生の確定。
・それでも多くの自分と似たような環境の子供たちとの交流、優しい先生たちの手厚い好意で、寂しく過ごすことはなかった。
・六歳のある日、地母神によって「多産の祝福」を授かり『肉体が中年男性と化してしまう』
・変貌した瞬間を誰も見ていないため、全裸の中年男性と化したジオ少年は不審者として追い回される。
・優しかった先生や友達だったはずの子供たちから向けられる怯えと敵意。逃げ回っていく時にさらされる周囲の好奇と侮蔑、憐憫の眼。
・六歳の少年には受け入れられない現実、ついこの間まで優しかった人たちの『ある程度の知識と常識を考えれば理解できるが、子供には決してわからない』変貌は、彼の心をズタズタに引き裂いていった。
・傷だらけで逃げ続け、気が付いた時には……。
「シゲさんに助けられた……か」
経歴の途中に書かれていたジオの心情が痛々しくて、見ていて辛い。
ついこの間まで普通の少年だった男は、突然、気味の悪い中年男性になってしまった。
普段通りにふるまおうとする彼の言動や行動は子供じみて見えてしまって……ああ、なるほど。
「作中の気持ちの悪い発言は、全部……普段通りの彼だったのか……」
六歳なのに、それが許されない。
気持ち悪いといわれ、子供みたいといわれ、でも実際は子供なのに、それが許されなくて……。
「あ……そういうことなのか……」
繋がっていく。
ジオがラスボスとして立ちはだかるルートで、ジオが倒された際のセリフが有名だ。
『――どうして誰も愛してくれないんだ!』
『僕を愛してほしいのに……だれも愛してくれない……』
『奪わないと……ほしいのに、だれもくれない……』
『だれか……ぼくを……あいして……』
そうして完全に消失する。
魂すら残らない、世界からの完全退場。
そんな終わりを迎える。
このセリフは賛否両論だったりしたが……事情を知ると、この言葉はあまりにも重たい。
そうか、そういうことだったのか、と全てが繋がっていく。
姿見の前に立つ。
肥満体で禿げた頭、テカる顔と団子鼻、厚い唇。
俺の知っている、ジオだ。
ジオ・ネヅタケンサ。
四十代の終わり、五十代の中頃のおっさんにしか見えない。
でも、その正体は女神の祝福で強制的に大人にされた少年だった。
ただの……誰かに助けてほしい六歳児だった。
今俺がジオになったのは、元になったジオ少年の心が死んで、消えてしまったからではないか。
もし、そうならば。
ならば。
「……決めた」
そういう運命が、彼を深く傷つけ、やがて、そういう最低の存在にさせようというのなら。
俺が、この世界の色々を知っている俺が、変えてやる。
最低最悪の存在になっていくのなら――。
「――抗ってやる」
これは、NTR竿役に転生した男が、その運命に抗っていく、お話である。
第一章 了
第二章に続く――。
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