王子様に重めに愛されてます

朔月ひろむ

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第一章 出逢い

10 ★

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「なんでっ…?」
投げられたユクシーは、ベッドに柔らかく受け止められる。
起き上がろうとするが、ユクシーの上にリオネルがのしかかる。
「ユクシー、離れるなんて許さないからな」
「んんっ」
ユクシーの手をベッドに縫い付け、リオネルがユクシーに口付ける。
「ふっ…リオ…ネル…?」
息継ぎの合間にリオネルの名を呼ぶが、リオネルは怖い顔をしてユクシーを見下ろしている。
「んんっ」
ユクシーが喋るのを許すつもりはないのか、リオネルが深く口付けをする。
「ユクシーは…他のヤツとは違うだろ……」
ユクシーは初めての口付けに息をするのが精一杯で、それも息するのさえも苦しいくらいに口付けしてくるから、ユクシーは気付けばリオネルのシャツを握ってすがっていた。
飲みきれない唾液がユクシーの口の端から溢れる。

「はあ……リオ…ネル……っ」
荒い息を吐きながら、ユクシーはリオネルを見上げる。
「ユクシーは俺のものだ…誰にも渡さないっ」
ブチッという音がして、ユクシーのシャツのボタンが弾けて取れた音だろう。
「リオネル…お願い…話を…」
「イヤだ…ユクシー、どこにも行くなっ」
リオネルが激情を顕に、ユクシーのことを力いっぱい抱きしめる。
ユクシーの上に乗るリオネルの体重がもろにかかり、リオネルに抱きすくめられてしまってユクシーはくぐもった声をあげる。
だけどリオネルはユクシーの状態には気付いていにいらしい。
リオネルの片手が離れたと思ったら、ユクシーのズボンのバックルを外しにかかっている。
「リオネル…お願い、やめて……」
ユクシーの声が聞こえないのか、聞く気がないのか、リオネルはユクシーの胸をはだけさせる。
「うっ…」
リオネルのゴツゴツとした手がユクシーの素肌をなぞる。
「ユクシー……ユクシー…好きだ、俺のものだ」
「いっ!?」
晒された胸元から見える鎖骨にリオネルが噛みつく。
ペロリと舐められる感触にチリリとした痛みが伴う。
もしかしたら血が出てしまっているかもしれない。

「はあ……やめ…」
リオネルの愛撫の手が肌に吸い付く唇が、だんだんと下に下がっていく。
下履きをズボンと共に取り払われてしまう。
「リオネルッ!!」
この先まで進むと後戻りできなくなってします。
ユクシーはリオネルの腕を掴むが、彼の行動を阻むことはできない。
「リオネル…ねぇ…お願い…話をしましょう」
まだ自分たちは想いを伝い合っただけだ。
何も考えずに体を繋げて言い訳がない。
「リオネルッ、やぁ…」
グチュリと勃ち始めたユクシーのそれを、リオネルが手でこする。
「僕が…僕が悪かったから…リオネル…お願い…」
「ユクシーが謝る必要はないよ。ただ、ユクシーは俺のモノだってわかって欲しい…」
「ああ…あっ…あっ」
鈴口を親指でこすられ、先走りが先端から溢れ出す。
「おねが…リオネル…」
急所を他人に好きにされている恐怖と、目の前のリオネルが欲情した雄の顔をしていて、逃げるように体をベッドの上方へともがく。
「ユクシー、好きだよ」
「うくっ…んん…」
リオネルはユクシーを見ているはずなのに、視線が合わない。
一方的に囁かれる好きという言葉に、ユクシーは話をしたいと叫ぶがリオネルは聞いてくれない。
この状況はユクシーの自業自得の面もある。
ユクシーはリオネルに想いを告げられてからも曖昧な態度を取ってきた。
恋人のように甘い時間を持とうとするリオネルを拒絶してしまった。
ユクシーの迷いが、先程のケイセルからの手紙でリオネルを一気に不安にさせてしまったのだろう。
今のリオネルは、まるでお気に入りのおもちゃを取り上げられまいとするコドモだった。

「リオ…ネル…」
リオネルはユクシーが出したもので濡れた指を後あなへとつき入れた。
「っっ……」
無理矢理ねじ込まれた指は、ユクシーに痛みを与える。
「痛い?ごめんな…やり方は知ってるから…」
痛いのはユクシーなのに、リオネルの方が辛そうな表情をしている。
「ごめん…なさい…リオネル…大丈夫だから……」
ユクシーはリオネルを拒めない。
こんな強姦まがいに組み敷かれていても、拒みたくないと思ってしまう程にはユクシーはリオネルのことが好きだ。
痛そうに呻くのにそれでも受け入れようとするユクシーを見て、リオネルはハッとする。
「すまない、すまない。俺は…なんてこと…」
辛そうなリオネルの顔をユクシーが両手で包む。
「つ、続き…しましょう……僕を貴方のものにして下さい…」
言ってはみたものの、恥ずかしくて首元まで真っ赤になってしまっているのが自分でもわかる。
「ユクシー、かわいい」
破顔したリオネルがユクシーの頬や口にキスを落とす。
ようやくリオネルと目が合った気がした。
先に目線を外していたのはきっとユクシーだった。
ちゃんと目の前のリオネルのことを受け止める、それが今ユクシーがすることだ。

「ちょっと待ってて…」
リオネルがベッドから離れて、どこかでガサゴソとしてすぐに戻ってくる。
リオネルが手に持っていたのは香油だった。
「俺…初めてだから…痛い思いさせる」
「いいよ…リオネルなら…」
香油が臀部に垂らされる。
冷たいそれを指ですくい、リオネルがユクシーの後孔へと指を入れる。
香油の助けより先程よりスムーズに入った指が抜き差しされる。
男性同士の閨の作法も貴族であれば常識だ。
ユクシーはその見た目から学園の頃からそういった対象に見られていた。
何度か誘われたし、卒業後は愛人の打診もあった。
ユクシーが侯爵家の人間でなければ断りきれないような強引な誘いも中にはあったが、ユクシーはすべての誘いを断った。
性的な意味で体に触れられるのに、嫌悪を感じたからだ。
でも、リオネルの手は違う。
最初はリオネルの乱暴な触れ方に恐怖はあったが、触れられるのが嫌だという気持ちは起きなかった。
「どうした…?」
不安そうにこちらを伺うリオネルがユクシーの思考を戻す。
リオネルはさっきまで強引にコトを進めようとしていたのは大違いだ。
「大丈夫だから、きて……」
安心させるように微笑んだのだが、リオネルは不満そうに唇を尖らす。
「なんかユクシーは余裕そうだ」
ユクシーは初めてじゃないのだろうと、そう言っているようだ。
「余裕なんて無いよ。こんなことするのはリオネルが初めてなんだ…」
「えっ、そうなのか?俺はてっきり…」
ちゃんと言葉で伝えないと、圧倒的にユクシーがリオネルに伝えているものが少なすぎる。

投げ出されたユクシーの白い太腿をリオネルが撫でる。
そこには幾度もリオネルが口付けたアトが散っている。
「だから、優しくして…」
「さっきは乱暴にしてごめんな」
そう言いながら、リオネルは熱を持って起立した自身をユクシーを穿った。
「くぅっ……」
リオネルがナカに入ってくる。
「ああ……」
「ごめ……もうちょっと…」
しばらく動かなかったリオネルがゆるゆると律動を始める。
「あっ…ぃ……あ…」
ユクシーの喘声がリオネルが動くのに合わせて漏れる。
「ユクシー……くっ…」
リオネルの律動が早くなり、一際大きく奥を突いてリオネルがナカで果てる。
リオネルがユクシーの上へと体を倒す。
「……僕、ちゃんと貴方のものです」
ユクシーは愛おしそうにリオネルの体を抱きしめた。
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