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第二部 10章
加護とレベルとコテージ
ガルドさん達はレベルが三十ほど上がり、各それぞれパパ達の加護を一つもらったらしい。
グレンは元々のレベルが高いため上がりにくいのに、レベルが二十も上がったそう。
ジルはレベルもそうだけど〝セナの家族〟って称号をもらったと殊更嬉しそうに報告してくれた。
「神の加護なんて……ヨタ話じゃなかったのかよ……」
「ヨタ話?」
ガルドさんの独り言に私が反応すると、コルトさんが教えてくれた。
神の加護なんてすごいものは通常ならもらえるワケもなく、伝説や空想の話として扱われている。称号を得られたと言われているのは揃って歴史に名を残した人。ただそれも言われているだけで、実際に称号を得ていたのかはわからない。そのため、そんな称号は存在しないとも言われているそう。
「そうなんだ。でもガイ兄が説明したとき、ガルドさん何にも言ってなかったよね?」
「あれは言葉のアヤだと思ったんだよ……はあ……お前さん、重大さがわかってねぇだろ……俺達に加護が与えられたとすると、お前さん全員からもらってるんだろ?」
「うん。パパ達の加護はダメなの?」
「違う。そうじゃねぇ……偉大すぎるんだよ。神の加護なんて大層なもんみんな欲しがるに決まってんだろ? 権力者にバレたら何がなんでも自分の手元に置きたがる。例え拘束してでもな」
「えぇー!?」
そんなの聞いてない! 私は隠蔽されてるけど、ガルドさん達が危ないじゃないの!
(なんでガルドさん達のステータス隠蔽してくれなかったの!?)
「あぁぁ! ステータスの称号の欄が〝隠蔽中〟になったよー!」
ずっとステータスボードとにらめっこしていたジュードさんが叫んだ。
「本当ですね……自分のも変わっています」
「俺のもだな……お前さん何かしたのか?」
心の中でパパ達に文句を言ったくらいで、特に何もしていない。
「よく神界から見てるらしいから、それで付けてくれたのかも!」
ガルドさん達が危険に晒されないことに安堵した私がニコニコしながら返すと、ガルドさんは「そうか……」とだけ呟いた。
(今度会ったときにパパ達にお礼言わないと! その前にコテージのロッカーに何か入れようかな?)
『(主様。主様はステータス、ちゃんと見なくていいの?)』
パパ達のご飯のことを考えていると、クラオルから小声で尋ねられた。
クラオルの言い方に引っかかりを覚えた私は再びステータスボードを開く。
前回と比べてレベルは四十ちょい上がってる。さっき不思議に思ったのは称号の位置。前回文字化けしてたのは……おそらくおばあちゃんの加護だ。
名前を知らなかったからか、存在を認識していなかったからか……は、わからないけど、多分コレ。
スキルについては全体的に上がってカンストが増えたくらい。それにしても……
「あんまり戦ってないのにレベル上がりすぎじゃない? こんなにポンポン上がるなんて……」
グレンのレベルに追いつくのも時間も問題な気がする。
〈あのダンジョンは稀有だ。普通はこんなに一気に上がらないぞ〉
「そうなの?」
「はい。通常ですと、毎日狩りをしたとしても数ヶ月に一つレベルが上がればいい方です。レベルが上がれば上がるほど、その一つを上げることが大変になります」
『主様は神達の加護があるから上がりやすいのよ。ガルド達も加護を受けたなら以前よりは格段に上がりやすくなってるハズよ』
「なるほど……」
不思議そうに首を傾げているガルドさん達にクラオルの言葉を教えてあげると、ガルドさんは「そういうことか」と納得したように呟いた。
何が〝そういうこと〟なのかはわからないけど、ガルドさん達は目と目で会話して頷き合っている。
ジルに冒険者の目安的なレベルを聞いてみると、一人前の冒険者と扱われるCランクが二十五らしい。
ショックを受けると共に私はチートなんだと再認識させられた瞬間だった。
◇ ◆ ◇
グーさん宅を出たのがお昼すぎていたため、森で一泊。
次の日のお昼に王都に戻ってきた私達は冒険者ギルドに顔を出し、戻ってきたことを報告。
今は宿の私の部屋に全員集合。
〈覚悟はいいか?〉
グレンの脅しにガルドさん達はゴクリと喉を鳴らした。
「そんなに脅さなくても……」
「大丈夫だ。セナの規格外はわかってる……つもりだ」
〈ククッ。その言葉忘れるなよ? セナ〉
ガルドさん達を脅して楽しそうなグレンに促されて、〝規格外〟発言をされた私はむくれながらコテージへのドアを出す。
何もなかった場所にいきなり現れたドアを見て、ガルドさん達はビクッと反応した。
「んと、これが私の空間魔法のドアね。危険は全くないから大丈夫だよ」
〈ククク〉
「いや……それは全く心配してないぞ」
「あれ? そうなの?」
危ない場所だと思われているのかと思ったけど、予想はハズレたらしい。
それなら大丈夫かとドアを開けると、ガルドさん達がヒュッと息を飲む音が聞こえた。
「いらっしゃ~い!」
ドアをくぐり、後ろを振り向くとガルドさん達は固まっていた。
〈ほら。さっさと入れ〉
「あ、あぁ……」
グレンが後ろから追い立てて中に入ったはいいけど、再びフリーズ。
数分後思いっきりため息を吐かれた。
「まさかここまでとは思ってなかったぞ……」
「いやー! すごいねー!」
「こんなキレイな場所見たことありません……」
「……可愛い」
最後のコルトさんの発言に首を傾げる。
この空間に可愛さはなくない?
放心気味のみんなをコテージに連れていくと、玄関で再び固まってしまった。
グレンは笑ってるし、ジルは「特別なセナ様の特別な空間なのです」と信者発言。
「ハハッ! ハハハ! さすがセナっち! ここすごいねー! 貴族の邸みたい!」
「そうですね。この置物も可愛らしいです」
ジュードさんが突然笑いだして驚かされた。ジュードさんは笑いながらガルドさんの背中をバンバンと叩いている。
モルトさんが見ているのは……プルトンとジルが作った私のミニチュア像。精霊の国でロクロを作ってもらったときのやつだ。
「はあ……セナは俺達の予想の遥か上を余裕で越えてくるな……」
〈だから言ったではないか〉
「……中見てもいい?」
「もちろん!」
ガルドさんをグレンがニヤニヤとからかったところで、気にしていないコルトさんが聞いてきた。
無表情だけどちょっと楽しそうな雰囲気だからワクワクしているのかもしれない。
コテージ内を案内すると、再びジュードさんはキッチンに大興奮。ジュードさんの様子にいつもの調子が戻ったのか、ガルドさんがゲンコツをお見舞いしていた。
書庫や作業部屋にも驚かれ、部屋のある二階に上がったころには「次は何かなー?」とジュードさんを筆頭に楽しんでくれている。
私も驚いたのが、すでに部屋のドアにガルドさん達のネームプレートが貼り付けられていたこと。ガイ兄が作ってくれていたらしい。
「わぁー! これ、オレっち達も使っていいのー?」
「うん! みんなの部屋だよ。好きにいじっていいからね」
「本当にいいんですか?」
「もちろん! っていっても、私がいないとこの空間に来られないから、貴重品とかはちゃんと持っててね?」
「ありがとうございます」
ジュードさんもモルトさんも嬉しそう。
やっぱり笑顔が一番! 何か必要そうなモノがあれば作ってあげよう! 私じゃ無理ならタルゴー商会とデタリョ商会があるしね!
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