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精霊の加護
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国に帰ってきて、一週間経った。
家族やリアーナ、そしてブライリー様と過ごす日々はあっという間で、王宮にいたころの何倍も早いスピードで、一日が終わってしまう。
……今日は、少しだけ、緊張していた。
「久しぶりだなぁ。教会で検査を受けるのは。魔力が減っていないといいけど……」
「大丈夫ですよ。ブライリー様、すっごく努力してましたから。私……。ずっと隣で見ていたから、わかります」
「そうかい? ありがとう」
リアーナとブライリー様の後ろを、私は歩いている。
どう見たって、お似合いのカップルだ。
……ここに、私がいていいのだろうか。
リアーナはきっと、二人きりが良いはずなのに。
本当は、教会での検査も、私一人が受ければいいはずだったのに、二人が一緒に行くと言ってくれた。
気を使わせているなぁと思ってしまう。
固有スキルの件は、まだ二人には話していない。
今日……。バレてしまうことになる。
別に、後ろめたいことなんて、何もないけれど、黙っていたことが、なんとなく申し訳なくて。
そんなことを考えている間に、教会に着いてしまった。
まずは、ブライリー様が検査を受ける。
「こ、これは……!?」
神父様が、検査の結果を見て、驚いている。
「し、神父様。僕の体に、何か悪いところが?」
「いえ……。全くその逆でございます……。ブライリー様。そなたは――。剣神として、覚醒しておられるようです」
「……えっ?」
その場にいた、私を除く全員が、唖然としていた。
「おめでとうございます! ブライリー様!」
リアーナが目を輝かせながら、ブライリー様を祝福した。
突然のことに、まだ状況を飲み込めていないのか、ブライリー様は、戸惑っている様子だ。
「僕が……。剣神?そんな。恐れ多い。まだ未熟者なのに」
……ミゲルの時とは、偉い違いだ。
彼は剣神として認定された時、当たり前だと言い放ったのだと言う。
空気も冷めないままに、今度はリアーナが検査を受けた。
「なななっ! なんと!」
「えっ、ど、どうされたのですか?」
「……リアーナ様。そなたは、賢者です」
「……はい?」
思わず聞き返したリアーナ。
……魔法の腕が利くリアーナだから、そうだろうなとは思っていた。
再び歓声が上がる。一日に二人も特別職が生まれたのだから、当然の盛り上がりだ。
……この流れで、私が検査を受けるわけか。
リアーナとブライリーが、何かを期待するような目を私に向けてくる。
残念ながら、私は特別職を得ることはない。
だが、その代わりに――。
「な、なななな……」
「……固有スキル、ですよね」
「その通りじゃ! ……ん? ベネット様。知っておられたのか?」
どう答えたものか……。
私はとりあえず、愛想笑いを浮かべてみた。
王宮で学んだテクニックが、初めて役にたったかもしれない瞬間だった。
家族やリアーナ、そしてブライリー様と過ごす日々はあっという間で、王宮にいたころの何倍も早いスピードで、一日が終わってしまう。
……今日は、少しだけ、緊張していた。
「久しぶりだなぁ。教会で検査を受けるのは。魔力が減っていないといいけど……」
「大丈夫ですよ。ブライリー様、すっごく努力してましたから。私……。ずっと隣で見ていたから、わかります」
「そうかい? ありがとう」
リアーナとブライリー様の後ろを、私は歩いている。
どう見たって、お似合いのカップルだ。
……ここに、私がいていいのだろうか。
リアーナはきっと、二人きりが良いはずなのに。
本当は、教会での検査も、私一人が受ければいいはずだったのに、二人が一緒に行くと言ってくれた。
気を使わせているなぁと思ってしまう。
固有スキルの件は、まだ二人には話していない。
今日……。バレてしまうことになる。
別に、後ろめたいことなんて、何もないけれど、黙っていたことが、なんとなく申し訳なくて。
そんなことを考えている間に、教会に着いてしまった。
まずは、ブライリー様が検査を受ける。
「こ、これは……!?」
神父様が、検査の結果を見て、驚いている。
「し、神父様。僕の体に、何か悪いところが?」
「いえ……。全くその逆でございます……。ブライリー様。そなたは――。剣神として、覚醒しておられるようです」
「……えっ?」
その場にいた、私を除く全員が、唖然としていた。
「おめでとうございます! ブライリー様!」
リアーナが目を輝かせながら、ブライリー様を祝福した。
突然のことに、まだ状況を飲み込めていないのか、ブライリー様は、戸惑っている様子だ。
「僕が……。剣神?そんな。恐れ多い。まだ未熟者なのに」
……ミゲルの時とは、偉い違いだ。
彼は剣神として認定された時、当たり前だと言い放ったのだと言う。
空気も冷めないままに、今度はリアーナが検査を受けた。
「なななっ! なんと!」
「えっ、ど、どうされたのですか?」
「……リアーナ様。そなたは、賢者です」
「……はい?」
思わず聞き返したリアーナ。
……魔法の腕が利くリアーナだから、そうだろうなとは思っていた。
再び歓声が上がる。一日に二人も特別職が生まれたのだから、当然の盛り上がりだ。
……この流れで、私が検査を受けるわけか。
リアーナとブライリーが、何かを期待するような目を私に向けてくる。
残念ながら、私は特別職を得ることはない。
だが、その代わりに――。
「な、なななな……」
「……固有スキル、ですよね」
「その通りじゃ! ……ん? ベネット様。知っておられたのか?」
どう答えたものか……。
私はとりあえず、愛想笑いを浮かべてみた。
王宮で学んだテクニックが、初めて役にたったかもしれない瞬間だった。
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