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リリアーナが振り返ると、そこにはランドルフの姿があった。
自分がしゃがみ込んだままであること気付き、リリアーナは慌てて立ち上がろうとする。しかし、すぐにランドルフが足早に近寄ってきて、リリアーナの前で片膝を地面についた。そのままリリアーナを抱きしめる。
「ラ、ランドルフ殿下?!」
驚くリリアーナの耳元で、ランドルフが甘えるような声を出した。
「さっき、僕のことが好きだと言っていた。本当は別れたくないとも。あれは本心か?」
「え? あ、いえ、あれは……」
「答えてくれ、リリアーナ。君の本当の気持ちを知りたい」
これまでエスコートとダンスの時以外、互いの体に触れたことなどなかった二人である。それがいきなり抱きしめられて、リリアーナは恥ずかしさのあまり真っ赤になってしまった。気も動転してしまう。
ランドルフは美しいと評される顔を更にリリアーナに近付けると、甘さを増した声色で返事を強請った。
「本当は婚約解消なんてしたくない? それは僕の妻になりたいと思ってくれているということか? 」
「そ、それは……」
言ってはいけない、と口を噤むリリアーナを抱く腕の力をランドルフは強くする。
「答えてくれ、リリアーナ、お願いだ」
抱きしめられたまま見つめられ、全身を真っ赤にしたリリアーナの頭は沸騰状態である。おかげで言うつもりのなかったことを、ついぺらぺらしゃべってしまうことになった。
「わっ、わたしっ、わたしは殿下のことを」
「僕のことを?」
「お、おお、お慕いしていますっ」
「いつから?」
「はじ……は、はじめ、てお会いした時から、です」
「今も好きか?」
「好きです、ずっと好きですっ」
「嘘偽りなく? 本当に?」
「うっ、嘘ではありません。誰よりも殿下を大切に思っています!!」
そこまで聞いて、やっとランドルフが安堵の息を吐いた。
「良かった、嫌われたわけではなかったんだな」
「そんなっ、わたしが殿下を嫌いになるなんて、ありえません!」
「だったらどうして婚約を解消しようとしたんだ。さっき言っていたな、僕に幸せになってもらうためだと。あれはどういう意味?」
「あっ、あれは、その……」
「教えてくれ、本心を」
有無を言わせぬランドルフの気迫に、諦めたような顔でリリアーナが小声で答えた。
「知ってしまったからです。わたしが殿下に好かれていないことを」
「……どういうことだ?」
ランドルフの眉間にシワが寄り、同時に形良い眉尻が吊り上がる。それに気付くことなくリリアーナは必死に説明した。
「わ、わたしはくじで選ばれただけの婚約者なのですよね。確かに特に突出したところもありませんし、殿下に好きになっていただけないのも当然です。でも、だからこそ思ったのです。こんなわたしより、殿下が心から好きになれるような、もっと素晴しい方を婚約者にするべきだと。そのためには、わたしの存在は邪魔です。だから……」
「だから、婚約を解消しようとしたわけか」
リリアーナが頷くと、ランドルフが大きく肩を落としてため息を吐いた。
「なるほど、つまりは僕が悪かったのだな。くそっ、先週の話が中途半端になったばかりに……」
「殿下が悪いことなんて何一つありません! 殿下は誰よりも素晴しい方です!」
リリアーナは必死に首を振りながら言い募った。
「殿下以上に素敵な人に、わたしは今まで会ったことがありません。他の人がどう思うか知りませんが、少なくともわたしにとっては世界一の人です!」
それを聞いたランドルフの表情がゆるむ。どうしてこんなに愛しいのだろうと、リリアーナを抱く腕に力が入った。
大切な大切なリリアーナ。初めて会った時から気になって、その後は時間を経るごとに好意はどんどん大きくなっていった。
自分でも不思議なくらいリリアーナのことが大切で愛しい。
ランドルフは我慢ができず、リリア―ナの顎を指で上向かせると、そのまま互いの唇を重ね合わせた。
「っ?!」
驚きのあまりリリアーナは硬直してしまう。
それをいいことに、ランドルフは何度も何度もキスを重ねた。
「好きだ、リリアーナ。僕も君のことがずっと好きだった」
自分がしゃがみ込んだままであること気付き、リリアーナは慌てて立ち上がろうとする。しかし、すぐにランドルフが足早に近寄ってきて、リリアーナの前で片膝を地面についた。そのままリリアーナを抱きしめる。
「ラ、ランドルフ殿下?!」
驚くリリアーナの耳元で、ランドルフが甘えるような声を出した。
「さっき、僕のことが好きだと言っていた。本当は別れたくないとも。あれは本心か?」
「え? あ、いえ、あれは……」
「答えてくれ、リリアーナ。君の本当の気持ちを知りたい」
これまでエスコートとダンスの時以外、互いの体に触れたことなどなかった二人である。それがいきなり抱きしめられて、リリアーナは恥ずかしさのあまり真っ赤になってしまった。気も動転してしまう。
ランドルフは美しいと評される顔を更にリリアーナに近付けると、甘さを増した声色で返事を強請った。
「本当は婚約解消なんてしたくない? それは僕の妻になりたいと思ってくれているということか? 」
「そ、それは……」
言ってはいけない、と口を噤むリリアーナを抱く腕の力をランドルフは強くする。
「答えてくれ、リリアーナ、お願いだ」
抱きしめられたまま見つめられ、全身を真っ赤にしたリリアーナの頭は沸騰状態である。おかげで言うつもりのなかったことを、ついぺらぺらしゃべってしまうことになった。
「わっ、わたしっ、わたしは殿下のことを」
「僕のことを?」
「お、おお、お慕いしていますっ」
「いつから?」
「はじ……は、はじめ、てお会いした時から、です」
「今も好きか?」
「好きです、ずっと好きですっ」
「嘘偽りなく? 本当に?」
「うっ、嘘ではありません。誰よりも殿下を大切に思っています!!」
そこまで聞いて、やっとランドルフが安堵の息を吐いた。
「良かった、嫌われたわけではなかったんだな」
「そんなっ、わたしが殿下を嫌いになるなんて、ありえません!」
「だったらどうして婚約を解消しようとしたんだ。さっき言っていたな、僕に幸せになってもらうためだと。あれはどういう意味?」
「あっ、あれは、その……」
「教えてくれ、本心を」
有無を言わせぬランドルフの気迫に、諦めたような顔でリリアーナが小声で答えた。
「知ってしまったからです。わたしが殿下に好かれていないことを」
「……どういうことだ?」
ランドルフの眉間にシワが寄り、同時に形良い眉尻が吊り上がる。それに気付くことなくリリアーナは必死に説明した。
「わ、わたしはくじで選ばれただけの婚約者なのですよね。確かに特に突出したところもありませんし、殿下に好きになっていただけないのも当然です。でも、だからこそ思ったのです。こんなわたしより、殿下が心から好きになれるような、もっと素晴しい方を婚約者にするべきだと。そのためには、わたしの存在は邪魔です。だから……」
「だから、婚約を解消しようとしたわけか」
リリアーナが頷くと、ランドルフが大きく肩を落としてため息を吐いた。
「なるほど、つまりは僕が悪かったのだな。くそっ、先週の話が中途半端になったばかりに……」
「殿下が悪いことなんて何一つありません! 殿下は誰よりも素晴しい方です!」
リリアーナは必死に首を振りながら言い募った。
「殿下以上に素敵な人に、わたしは今まで会ったことがありません。他の人がどう思うか知りませんが、少なくともわたしにとっては世界一の人です!」
それを聞いたランドルフの表情がゆるむ。どうしてこんなに愛しいのだろうと、リリアーナを抱く腕に力が入った。
大切な大切なリリアーナ。初めて会った時から気になって、その後は時間を経るごとに好意はどんどん大きくなっていった。
自分でも不思議なくらいリリアーナのことが大切で愛しい。
ランドルフは我慢ができず、リリア―ナの顎を指で上向かせると、そのまま互いの唇を重ね合わせた。
「っ?!」
驚きのあまりリリアーナは硬直してしまう。
それをいいことに、ランドルフは何度も何度もキスを重ねた。
「好きだ、リリアーナ。僕も君のことがずっと好きだった」
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