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第十二章:留学
12-31大魔導士杯第二戦目その2
しおりを挟む「なんじゃこりゃぁッ!?」
私は大魔導士杯第二戦目の「体力」勝負で着替えをいつの間にかさせられていたけど、まさか体育着で無く水着を着させられていたとはぁっ!!
「そんな、なんで水着!?」
「あら、リルのそれも良く似合ってるわよ? もうそのままお持ち帰りしたいくらいにね」
「そうですわねぇ、その青い果実のボディーを私好みに開発したくなりますわねぇ~」
薄緑色を基調に黄色いフリフリがついたワンピース。
胸元に大きめのリボンがついていて胸の小ささをうまくカバーしてくれるのは好いけど、結構切れ込みが強くお尻なんかピッチピチ。
ルラも似たようなデザインだけど、こっちは黒を基調としたピンクのフリフリ。
黒とピンクのコントラストは鮮やかで、活発な印象の強いルラに良く似合っていた。
私はヤリスとアニシス様を見る。
「ぐっ!」
王族の二人はエルフではないかと思う程白い肌でスタイルが良く、美しい顔立ちだからヤリスの青い髪に合わせた藍色のビキニにワインレッドのストライプのラインが入ったものは彼女の魅力を更に押し出す。
ついでに胸部大胸筋が押し出されていて、やや布面積が小さい三角形の上部水泳着から零れ落ちそうなのはうらやまけしからん。
アニシス様も大人の水着で、何とチューブブラ!
もともと大きなアニシス様の大胸筋は動くごとに大暴れ。
赤みのかかった金髪に合わせたかのような真紅の水着は着るものを選ぶも、アニシス様には最初からその為に合わせたかのようにしっくりと合っている。
しかも超ハイレグ。
女の私でさえ思わず見とれてしまうようなそのスタイルはなんかあの黒龍のコクさんをほうふつさせる。
「ぐぅぅぅぅ、なんで水着なんか……」
ヤリスとアニシス様の水着姿と幼児体形の私の水着姿は比べるまでもなく劣等感が強くなる。
くそうぅ、せめて揺れるくらい大きければ……
「ねえお姉ちゃん、水着で何するんだろうね?」
「分からないわよ…… はぁ、なんで水着姿だなんて……」
私はそこまで言ってふと気づく。
参加者全員が観客の前で水着の姿……
正直恥ずかしくなってくる。
「あの、この姿で舞台に立たなきゃいけないんですか?」
「そうなりますね、そろそろ時間です。スタンバイよろしくお願いします!!」
生徒会実行委員会の女性スタッフにそう言っても始まらないのは分かっているけど、思わず聞いてしまった私にスタンバイをするよう言われる。
「よっしぃ、行こうかリル!」
「うふふふふふ、両手にリルさんとルラさん。可愛らしい水着に囲まれて私たぎってまいりましたわ!!」
「お姉ちゃんそろそろ出番だって~」
ヤリスたちにもそう言われて私は大きくため息を吐いてら舞台に向かうのだった。
* * *
『皆様お待たせしました、選手一同の着替えが完了いたしました!!』
うぉおおおおおおぉぉぉぉっ!
ものすごい歓声が上がる。
とくに男性の声が大きい。
こいつら、知っていたな水着だってことを……
渋々ステージに上がると、先に来ていたスィーフチームの面々が観客にサービスで手を振ってたり投げキッスしていた。
当然彼女たちは皆ビキニ。
もう狂暴な大胸筋がブルンブルン暴れている。
「くっ、ここだけインフラ整備がおかしいわよ!!」
思わずそんな事を言ってしまう私。
そしてチラ見するとイザンカチームも同じくビキニになっている。
確かリーダーのシャスミナさんは私と同じ年。
チームのエルモアさんなんか一個年下のはずなのにかなりご立派な大胸筋だ。
「うふふふふ、眼福ですわぁ~。 スィーフチームの皆さんは勿論の事、イザンカチームのシャスミナさんやエルモアさんも良いですわ~」
「確かに、私もエルモアはいける口だわね、可愛いし」
ブレないアニシス様とヤリス。
他のチームの女の子に容赦なくその猛禽類のような瞳を向けてじっくりたっぷりねっとりと愛でる。
「なんで人族は皆ご立派なモノしか持っていないのよ…… ん?」
しかし私はあるチームに目が行く。
それはホリゾンチームで、女性が三人、男性が一人のチームだった。
女性三人のうち二人はなんか頭についている。
いや、腰からも何かが……
「って、もしかしてあれって獣人族? うわぁ~、初めて見た」
「あれ? リルって獣人族見るの初めて? ガレント王国にも最近は結構移住者がいるのよ」
「うちのティナの街にもいますわねぇ~。私の部屋にも仕えてくれる子がいますが、あのもふもふの尻尾とかの触り心地は天下一品ですわ~、勿論耳ももふらせてもらいますけど、そうするとその後は美味しく楽しませていただくので…… うふふふふですわぁ~」
いや、アニシス様怖いって!
ヤリスもアニシス様も流石はエルハイミさんの血筋、どうも同性に対して容赦なく襲いかかっているみたい……
危険だ、やっぱりあまり近付かない様にしよう。
「獣人かぁ~、初めて見るねお姉ちゃん!」
「う、うん。でも確かにあの尻尾とか触ったら気持ちよさそう……」
なんか犬?
いや、目つきも鋭いしちょっと銀色が勝っている毛並みはオオカミかな?
それとあの太い尻尾に丸っこい耳はもしかしてたぬき??
ホリゾンチームのその二人を見ていて私は他にも気づく。
いや、もう一人の人族の女性もそうだった。
ホリゾンチームの女性陣は私よりはふくらみが大きいけど揺れない。
いや、あれって絶対に揺れない!!
「なんかホリゾンチームには親しみを感じます」
「ん? リルってエルフだから森の動物とかとも仲いいんで獣人にも興味あるの?」
ヤリスのその言葉に私は何となく頷いてしまった。
「はい、なんか親近感がわいてきます」
「なっ!? まさかリルって獣人の女の子が良いの!?」
「違いますって!!」
しっかりとヤリスのボケに突っこみを入れる私だったのだ。
* * *
『さぁ、それでは【大魔導士杯】第二回戦のお題発表だぁ! 今回は選手一同水着になっている事からお分かりのように久しぶりにこのお題、【水上障害物競争】だぁ!! 各対戦チームは順番にここ特別水上障害物コースに設置された障害を魔術を使いながらクリヤーしてチームの誰か一人でも先にゴールすれば勝利と言う競技だぁ! なお今回もプールの水は海水の為水生生物の発生もランダムで起こる可能性がありますのでご注意を。今回の試合は相手チームへの妨害はご法度です。どれだけ上手に障害を越えて先にゴールできるかが勝敗の決め手ですので、体力魔力と駆使してゴールを目指してください!』
今回のお題についていよいよ発表がなされた。
まあ、昔テレビで見たことのある芸能人のプールでの水着大会みたいな感じだ。
となると、ビキニ組ってポロリもあるってこと?
道理で観客席のお客さんが男性が多いわけだ。
「障害物レースってことね? だったら余裕ね、今の私に障害物なんか意味ないわよ!」
「あたしもそうだよ! ヤリス、勝負しようよ、どっちか先にゴールできるか! あたしに勝ったらまたおっぱい触らせてあげるよ~」
「やる!」
「こらこらこら! ルラ、なんて事言い出すのよ!! ヤリスもヤリスです! 何ルラのおっぱい触りたがってるの!!」
思わずルラを叱る私。
いくら同性だからっておっぱいを賭けに使うな。
と言うか、ルラってもしかしてそっちに目覚めちゃったの?
だめっ!
いくら元は男の子でもそれはまずい!
歪んだ思想にだんだんと染められて行くルラを私が守らなければ!!
「とは言え、この障害物魔道によるトラップもありますわ。解除魔法や中和させる相殺魔法を駆使して行かないと少々厄介なモノもありますわよ?」
ヤリスの魔の手からルラを守ろうとしていたらアニシス様が何やら呪文を唱えてコースを見る。
そしてそういうアニシス様に私は首をかしげながら聞いてみる。
「障害物に魔道の物が使われているのですか? よくわかりますね」
「【魔力感知】魔法ですわ。詳細までは分かりませんが、【大魔導士杯】で普通のトラップと言う訳ではないでしょうですわ。私はヤリスと違い覚醒者でないので後方支援に徹しますわね」
そう言うアニシス様にヤリスも頷く。
「よっし、これに勝てば予定のベストフォー、これで面目は保たれるわ。今回はアイシス姉さまが来られているからこれに勝ちさえすれば怒られる事は無くなるわね!」
「あら、お忙しいはずのアイシス様が来られているのですの? 後でご挨拶に行かなければですわね」
「へぇ~、ヤリスのお姉さんが来てるんだ」
「アイシスさんって、確かヤリスの所の一番上のお姉さんで、第一王女でしたね?」
ガレント王国の国賓でどうやらアイシス第一王女様が来ているらしい。
うーん、私には関係ないけどヤリスは何としてもベストフォーに入らないとまずいらしい。
仕方ない、今回は私も可能な限りルラとヤリスのサポートにまわろう。
私は会場に準備されている海水プールを見るのだった。
応援ありがとうございます!
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