家に帰ると推しがいます。

4.同棲

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　一度性器に触れると、全身の熱がじくじくと性器に集まってくる。先走りが分泌され、それを塗り広げるようにして、性器を刺激する。

「んっ……はぁ……」

　総司の呼吸は荒くなる。久しぶりの自慰に、身体は貪欲に快感を拾いあげた。総司自身はむくむくと勃ちあがっていく。

（イオくん、イオくん……）

　総司は枕を引き寄せて、顔を埋め、思いっきりイオの匂いを吸いこむ。イオの匂いは総司の脳を興奮させ、総司の手の動きを速くさせる。先走りが次々と流れ出し、にちゃにちゃと淫らな水音が部屋に響いた。

「あっ、……イオ、くんっ……」

（イオくんの全身に隈なく触れて、きめ細かい肌を堪能して、白い肌に跡をつけて、小さな口に舌を入れて……）

　総司の脳内では、イオが暴かれていく。イオに対する申し訳なさはあったが、妄想は止まらない。見たことのないイオの身体を想像して、それをおかずにする。総司の性器は完全に勃起していた。

（薄い胸板の乳首を舐めて、わき腹や太ももを撫でて、性器に優しく触れて、そして……）

　男同士のセックスは詳しくは知らないが、どこに何を入れるかくらいは、総司は知っていた。

（イオくんの細い腰を掴んで、突き入れたら、イオくんはどんな顔して、どんな声で……）

　普段のイオとは違う、乱れたイオの表情を想像して、総司は絶頂に向けて手を動かす。

「っ……、イオくん……んっ」

　腰をびくっと揺らして、総司は射精した。久しぶりの射精に、どろりと濃い精液が総司の手を汚す。総司はベッドに寝転んだまま、しばらく快感の余韻に浸っていた。しかし、賢者タイムが訪れると、慌ててベッドから起き上がった。

「やばっ」

　ベッド脇のティッシュで手や性器を拭いた総司は、慌てて下着とスウェットを履き、換気するために寝室の窓を開ける。キッチンに移動すると、汚れたティッシュをゴミ箱の奥底に突っこんだ。心を落ち着けるため、コップ一杯の水を一気に飲み干す。しかし、落ち着けるわけもなく、総司は頭を抱えた。

「あーー！どうしよう！」

　イオに疚しい気持ちを持ってしまっただけでなく、自慰のおかずにしてしまった。後悔と背徳感が一気に襲う。

（本当に最悪だ、俺……。明日からイオくんとどうやって顔合わせればいいんだろう……）

　キッチンで途方に暮れた総司は、その後シーツを新しいものに取り換え、寝室に消臭スプレーをしまくり、眠りについた。その夜の睡眠は浅く、翌日は見事に寝不足の総司だった。