59 / 100
第59話
しおりを挟む
我々の服装について説明しておく。
まず私はリーマンスーツさらに上等にした感じの服装で、ボタンが金色だった。
リーマンスーツじゃなくてフォーマル スーツだっけ? 正直その方面には疎くスーツにも興味も知識もない私にはよく分からない世界だ。
そしてハルカは白を、アヤメは黒をそれぞれ基調としたドレスを着ている。
共に金糸の刺繍が入っていて胸元や肩が露出してるドレスだ。
ちょっと目のやり場に困る私だ。
「それではお客様、我が主がお待ちしておりますのでこちらへついてきて下さい」
ミスラの言葉に従い再び彼女の後について行く。
その後に続き進みながらお城の様子を見てみる。
先ほど集まったドラゴンメイドさん達がお城を掃除していたりと色々している場面を何度か見た。
こういう妙に生活感が垣間見えるのって悪くない、それにしてもあのレッドドラゴンとやらは私たちを城に連れて来て一体何がしたいんだろうか…。
「ハルカ、あのレッドドラゴンの目的って一体何なんだ?」
「目的までは分からないわ、ただこちらに害などがある気配もないからそこまで警戒する必要はないと思うわ」
「そうそうせっかく来たんだし少しはこのお城を楽しみましょうよ!」
アヤメは本当にお気楽だね。
けどなんとなく気持ちが落ち着いたような気がする。
するとミスラから声をかけられる。
「到着しました。こちらです」
私たちの目の前には両開きの立派な門があった。
その入り口は開かれていて、足元から先には細かな刺繍がされた赤い絨毯がまっすぐに引かれている。
その絨毯の先には段差がありその一番上にはこれまた立派な玉座があった。
そこにあのレッドドラゴンが座っている。
ここっていわゆる王様の間じゃないのか?
本当にこんな作りになってる部屋があるだなんて、まるでゲームの中に入ったかのようだ。
ここでずっと玉座に座ってるのて寒くはないのだろうか?
いやここ火山な訳だし、むしろ…まあそんなことはどうでもいいだろう。
ミスラが門の端っこに立って先に進めとアイコンタクトをしてきた。
まあ行けと言うなら行きますか。
私たちは歩を進める。
赤い絨毯の上をトコトコと歩く私たち、やがてレッドドラゴンが座っている玉座の数メートル手前まで来た。
こういう場面の時って、普通だったら左右に貴族とか護衛の騎士だとかがズラリと並ぶイメージだったが、そういう人たちは1人もいない。
まあ彼女自身が本当にドラゴンであるのなら護衛なんて確かにいらなそうだしな。
ドラゴンってやっぱり強くてかっこいいイメージがある。
私たちが前に立つとレッドドラゴンが口を開く。
「ダンジョンの主よ、よく我が城に来たな…」
「まあ…いきなり連れて来れましたからね」
「そもそもワタシたちを連れてきて何がしたいわけ?」
「そろそろ話を聞かせてくれると嬉しいのだけれど…」
なんかちょっと向こうが何かしらの役に入ってる感じだったけど、こちらとしてはいい加減話をして欲しいので空気を無視してさっさと質問をした我々だ。
「む~少しは私に付き合えと言うのだ…」
唇を尖らせぶーたれる美女。
これはこれで絵になりそうな姿である。
美人って何をしても絵になるものだ。
こちらの言葉にレッドドラゴンは溜め息を一つついて答える。
「まあ我が城に連れて来た理由のついては先に言っただろう、わざわざこちらの存在を教えてやったのに全然来ないから連れて来たのだ」
「それではこの城に連れて来た事自体には理由はないと?」
「いやっそもそも何か質問の一つも本当にないのかお主たちは?」
質問はさっきからしてます、まあいいか。
正直それなら色々ある。
例えばこのレッドドラゴン、まるで長年この火山と城の主ですって感じでいるが、私からすると数日前のダンジョンの成長で出現した火山に既に主がいるってなんなの?
彼女がレッドドラゴン、つまり人間なんぞより長年生きてそうな存在である。
そんなのが本当に数日前にいきなりダンジョンの火山と共に新たに生まれたというのだろうか。
そう言えば彼女が解放だのなんだのと口にしていた、あれはどう言う意味なのだろうか。
そんな疑問があるにはあるが…。
「私たちとしては貴女達がこちらに害意とかがないのならそれ以外は特に気にする事はないですよ?」
「……まあ。その懐の広さはある意味美徳なのだろうな」
レッドドラゴンとバトルとかさすがに勘弁だしね、敵対するつもりとかがないのならそれだけで十分である。
それ以外の謎なんて誤差の範囲だろう、気にしない気にしない。
まず私はリーマンスーツさらに上等にした感じの服装で、ボタンが金色だった。
リーマンスーツじゃなくてフォーマル スーツだっけ? 正直その方面には疎くスーツにも興味も知識もない私にはよく分からない世界だ。
そしてハルカは白を、アヤメは黒をそれぞれ基調としたドレスを着ている。
共に金糸の刺繍が入っていて胸元や肩が露出してるドレスだ。
ちょっと目のやり場に困る私だ。
「それではお客様、我が主がお待ちしておりますのでこちらへついてきて下さい」
ミスラの言葉に従い再び彼女の後について行く。
その後に続き進みながらお城の様子を見てみる。
先ほど集まったドラゴンメイドさん達がお城を掃除していたりと色々している場面を何度か見た。
こういう妙に生活感が垣間見えるのって悪くない、それにしてもあのレッドドラゴンとやらは私たちを城に連れて来て一体何がしたいんだろうか…。
「ハルカ、あのレッドドラゴンの目的って一体何なんだ?」
「目的までは分からないわ、ただこちらに害などがある気配もないからそこまで警戒する必要はないと思うわ」
「そうそうせっかく来たんだし少しはこのお城を楽しみましょうよ!」
アヤメは本当にお気楽だね。
けどなんとなく気持ちが落ち着いたような気がする。
するとミスラから声をかけられる。
「到着しました。こちらです」
私たちの目の前には両開きの立派な門があった。
その入り口は開かれていて、足元から先には細かな刺繍がされた赤い絨毯がまっすぐに引かれている。
その絨毯の先には段差がありその一番上にはこれまた立派な玉座があった。
そこにあのレッドドラゴンが座っている。
ここっていわゆる王様の間じゃないのか?
本当にこんな作りになってる部屋があるだなんて、まるでゲームの中に入ったかのようだ。
ここでずっと玉座に座ってるのて寒くはないのだろうか?
いやここ火山な訳だし、むしろ…まあそんなことはどうでもいいだろう。
ミスラが門の端っこに立って先に進めとアイコンタクトをしてきた。
まあ行けと言うなら行きますか。
私たちは歩を進める。
赤い絨毯の上をトコトコと歩く私たち、やがてレッドドラゴンが座っている玉座の数メートル手前まで来た。
こういう場面の時って、普通だったら左右に貴族とか護衛の騎士だとかがズラリと並ぶイメージだったが、そういう人たちは1人もいない。
まあ彼女自身が本当にドラゴンであるのなら護衛なんて確かにいらなそうだしな。
ドラゴンってやっぱり強くてかっこいいイメージがある。
私たちが前に立つとレッドドラゴンが口を開く。
「ダンジョンの主よ、よく我が城に来たな…」
「まあ…いきなり連れて来れましたからね」
「そもそもワタシたちを連れてきて何がしたいわけ?」
「そろそろ話を聞かせてくれると嬉しいのだけれど…」
なんかちょっと向こうが何かしらの役に入ってる感じだったけど、こちらとしてはいい加減話をして欲しいので空気を無視してさっさと質問をした我々だ。
「む~少しは私に付き合えと言うのだ…」
唇を尖らせぶーたれる美女。
これはこれで絵になりそうな姿である。
美人って何をしても絵になるものだ。
こちらの言葉にレッドドラゴンは溜め息を一つついて答える。
「まあ我が城に連れて来た理由のついては先に言っただろう、わざわざこちらの存在を教えてやったのに全然来ないから連れて来たのだ」
「それではこの城に連れて来た事自体には理由はないと?」
「いやっそもそも何か質問の一つも本当にないのかお主たちは?」
質問はさっきからしてます、まあいいか。
正直それなら色々ある。
例えばこのレッドドラゴン、まるで長年この火山と城の主ですって感じでいるが、私からすると数日前のダンジョンの成長で出現した火山に既に主がいるってなんなの?
彼女がレッドドラゴン、つまり人間なんぞより長年生きてそうな存在である。
そんなのが本当に数日前にいきなりダンジョンの火山と共に新たに生まれたというのだろうか。
そう言えば彼女が解放だのなんだのと口にしていた、あれはどう言う意味なのだろうか。
そんな疑問があるにはあるが…。
「私たちとしては貴女達がこちらに害意とかがないのならそれ以外は特に気にする事はないですよ?」
「……まあ。その懐の広さはある意味美徳なのだろうな」
レッドドラゴンとバトルとかさすがに勘弁だしね、敵対するつもりとかがないのならそれだけで十分である。
それ以外の謎なんて誤差の範囲だろう、気にしない気にしない。
3
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる