【R18】えっちな百合小説短編集

茶木千秋

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別れる前にエッチする百合カップル(1/2)

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「最後に一回だけ、エッチしようよ」


 別れ際に恋人の本性がわかるとは言うものの、目の前で事もなげにそんなことをいうアキはある意味裏表がないのかもしれない。
 そして、うんざりするくらい潔い。思い切りの良いところが好きだった。


 決定的な理由があったわけではない。何となくすれ違って、何となく気持ちが冷めていく。
 どこのカップルだって似たような理由で別れを選ぶ。
 それがどれだけ最上の相手であったとしても、恋は一貫して、最後まで、人を盲目にする。

 別れてしまうまで、恋人が本当はどんな存在だったか正しく認識できないのだ。相手のことも自分のことも見えていない。


 思考を戻すように、アキとどれくらセックスしていないのだろうと、逡巡する。
 仕事が忙しくなったタイミングでそんな気持ちになれない日が続き、断ることが増えた。
 自然とアキから誘われることがなくなった結果、別れ話になるまでの3ヶ月ほどキス以上のことはしていない。

 3ヶ月前。そうだ、アキの誕生日。お祝いと称した旅行も夜までは仲良く居られた。
 けれど、翌朝私が大寝坊をやらかしてしまったせいで、アキはすっかり不機嫌になってしまって。
 どう宥めすかしても機嫌をなおさないアキにつられるように、自分の機嫌もどんどん傾いてしまった最後の旅行の思い出。

 あれは、私が良くなかったな。とやっと冷静になっていると、首の後ろにアキの腕が回った。

 ああ、キスされるんだと自然と目を閉じる。軽く合わさって、少し濡れた唇が啄むように続けて触れた。
アキが誘っているときのキスだ。
 薄く空いた唇は簡単に舌の侵入を許してくれる。軽く上顎をなぞると計算されたかのようにアキの鼻から息が漏れる。

 別れを決めたのに、どうしたってその息に堪らなく興奮する。キスの合間、当たり前のように右手がアキの身体を這い始めていた。
 これは仕方がない。犬がベルの音を聞いたら涎を垂らすように、条件付けされてしまっているのだ。
 ベッドに身体を倒しながら薄く目を開けると、アキの口の端が上がっていて少し悔しくなった。
 同い年なのに、いつもアキに簡単にやり込められてしまう。別れを切り出したのも勢いに任せたところがあった。


「手、止めないで、もっとして」

 思考がトリップしかけていると掴まれた手首が、アキの胸もとに運ばれる。
 誘惑に応えない理由は今までで一番たくさんあるのに、本能に従うしかなかった。もうすでに控えめな胸の頂点は主張するように服を押し上げている。
 手のひらでそっと撫でると、もっと固くなった。
 指先で縦になぞり、したからくすぐるように撫で上げる刺激を繰り返していたらもじもじと足を擦り合わせる。まだ、そこには触らない。


「んっ……んぅ」

 漏れ出そうな声を抑える姿によりそそられる。
 性急に服を捲りあげて、薄ピンクのそれに吸い付くとアキの大きく身体が大きく跳ねた。
 胸から脇にかけてのラインも、皮膚の薄いところはどこも性感帯。指先でくすぐりながら、突起を柔らかく舐めると甲高い声が上がった。
 悲しいことにアキのイイところが手に取るようにわかる。
 アキが果てたら終わってしまうのだろうか。丸めこまれたくせに、最後のこの触れ合いを終わらせたくない。

 今日で最後というイレギュラーなシチュエーションに興奮しているのか、長らくアキとのセックスでは感じていなかった熱。
 身体の奥がじんとあつくなって、潤むのを感じた。


 失うからこそ、惜しくなるのか。
 腕の下で乱れゆくアキの身体に舌を這わせながら、少し視界がぼやけた。




つづく
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