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Mission 20*誓い
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しおりを挟むすんなり書いてもらえるとは思っていなかったけれど、躊躇されると不安になる。
「伊織。蒼さんにも咲さんにも承諾はもらってる。仕事に影響はないよ」
二人とも、祝福してくれた。
咲さんには、寿退社はさせないと言われた。
伊織には重要な役職を準備している、とも。
「今回の件が片付く前に、ちゃんとお前を俺のものにしたい」
婚姻届を急ぐ最大の理由。
木島と決着がついた時、伊織が結婚を渋るのではないかと思ったから。
伊織がどう頑張っても、木島は無傷では済まない。最悪、笠原さんは未婚の母として、一人で木島の子供を産んで育てることになる。
そんな状況で、伊織が自分の幸せに浸ることはないだろう。
SIINAでの仕事を終えてT&Nに戻ったら、俺たちは今までのようには会えなくなる。
婚約期間をだらだらと長引かせたくなかった。
急なプロポーズと急な婚姻届に、伊織が困っているのはわかっていたが、どうしても引きたくなかった。
「俺さぁ……」
みんなの視線が伊織に集まる中、長谷川が呟いた。
「高校の時、古賀のこと好きだったんだよね」
視線が一斉に長谷川に移る。
「だからさ、婚姻届書くのやめない?」
「はぁ? お前、何言ってんだよ!」
「略奪愛!?」
「長谷川、マジかよ!」
見ると、伊織が唇を噛んで長谷川を見ている。
おい……。
何か……。
「リベンジしていーい?」
冗談っぽく言っていたが、長谷川の目は真剣。
「いいわけないだろ! 伊織、早く書け。すぐ出しに行くぞ」
「うわ、エラそー」
「うるせー! お前なんかお呼びじゃないんだよ!! 二度と伊織に会わせるか!」
「ところが、そうはいかないんだよなぁ」と言いながら、長谷川が伊織の隣に移動してきた。
あづみに席を代わるように、言う。
「古賀さぁ……」
長谷川はテーブルに頬杖をついて、伊織の顔を覗き込んで言った。
「俺の名前、知ってる?」
「え……?」
至近距離で、二人が見つめ合う。
ムカつく。
「長谷川……くん」
「下の名前は?」
「……」
ザマーミロ!
名前も憶えられてないくせに、俺から伊織を奪おうなんざ――。
「え? もしかして……」
伊織がハッとして言った。
「ベストシステムの長谷川晃大……さん?」
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