【ルーズに愛して】指輪を外したら、さようなら

深冬 芽以

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9.面倒臭い快感

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 素股、というやつで、比呂のモノは私の少しだけ湿った入口のすぐ上に乗っかっている。足は担がれているから、閉じられない。

「すぐ終わるから、握ってて」

 そう言うと、比呂はゆっくりと腰を前後に揺らし始めた。

「比呂っ、これ――」

 比呂の手で上から押さえられているから、手を離せない。

 比呂が動く度に、クリトリスが擦れて気持ちいい。比呂の先走りが滴り、私の茂みを濡らす。そして、湿った茂みが彼に絡みつき、裏筋とクリトリスを同時に刺激する。

「ヤバ――ッ」

 比呂がギュッと目を閉じ、熱い息を吐き出す。

「待って、これ――」

 比呂のモノで繰り返し刺激を与えられ、クリトリスが熱く膨らんで痛いくらいに気持ちいい。

 グッと両腿を持ち上げられ、擦れる角度が変わると、私から滴る蜜が比呂を濡らし、滑りが良くなった。

 クチュッ、と水音が響きだす。

「千尋……」

 気持ちいい。

 舐められているみたいに、粘液が絡みついて気持ちいい。

「あ……、んっ――」

 もっと気持ち良くなりたくて、手に力がこもる。自ら比呂を自分の気持ちいいところに押し当てて、同時に彼の被膜をギュッと握って刺激する。

 不意に両胸を揉みしだかれて、あれっと思った。

「そのまま、握ってて」

 比呂の手は私の手を離れていた。なのに、私は手を緩めるどころかきつく握っている。

 指で胸の先端を摘ままれ、挿れられていないのに子宮の入り口が刺激されたように収縮を始め、背筋を通って脳に快感が伝達される。

「イ――」

 イク寸前、無意識に腰を浮かせて比呂により擦りつけると、彼は倍速で腰を振り、すぐに動かなくなった。

「うっ――!」

 小さく呻くと、彼の先端からびゅっと白濁が発射された。全身を痙攣させて身体を丸めた私のお腹の上に、白く濁った水溜りができる。

 私の手の中のモノが大きく脈打って、ほんの少しだけ柔らかくなった。

 本当に一瞬のこと。

 比呂がどれだけ私を欲していたか、どれだけ我慢していたか、わかった。

「泊ったホテルで――」と言うと、比呂はごくりと唾を飲んだ。

 ベッド脇のティッシュの箱から三枚ほど引き抜き、私のお腹の上を拭く。私は足を担がれたままで、力なく膝を曲げていた。

「お前に似た後姿を見つけたんだ。そしたら、もう――会いたくてたまんなくなって……」

 肩で大きく息をする。

 丸めたティッシュをドアの横のごみ箱目指して放り投げるが、かすりもせずにドアの前に落下した。けれど、比呂はそんなことには目もくれず、ベッド脇の引き出しからゴムを取り出し、封を切った。

 ゴムを装着するのに要した時間は、およそ三秒。で、五秒後には私の膣内なかに挿入された。
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