【ルーズに愛して】指輪を外したら、さようなら

深冬 芽以

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12.嫉妬

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「打ち合わせの後、飯食って帰ろうぜ」

「……仕事を残してきているので、一度戻ります」

「直帰って言っただろ」

「有川主任は直帰してください」

「ちーひーろー」

「……」

「悪かったって!」

「嘘! 反省なんてしてないじゃない!」

 ようやく仕事モードを解いたと思ったら、勢いよく叱られた。

「してるって」

キスマークコレ消えるまでセックスしないから」と言って、首元を押さえる。

「今日も! 帰りに明日の服買って帰るから、先に帰ってて」

「えーーー……」

 首元を隠せて仕事に着られる服がないらしく、千尋は今朝から機嫌が悪い。今日の服装も、気に入らないらしい。

 俺は可愛いと思うし、仕事に不向きだとも思わないのだが。

 白のハイネックのニットにグレーのジャケット。きちんと隠されていると、それはそれでそそられる。

「買い物、俺も付き合ってやるよ」

 ついでに、エロい下着なんかも買ってやろうと思った。

「ご遠慮いたします」

「いやいや。こうなった責任を取って、是非とも――」

「――責任感じてるなら、セックスなしで!」

「むーりー」

 そんな会話をしているうちに、気づけば目的地に到着していた。

 顧客について、何の話もしないまま。

「ホテル!?」

「ああ。顧客の職場だ」

HOTEL NEW LIBBERホテル ニュー リバー』は、北海道では名の知れたビジネスホテル。最近では、上層階をスイートルームに改築したりして、高級志向を目指している。打ち合わせに指定された『HOTEL NEW LIBBER THE・TOWERザ・タワー』は、昨年完成、オープンしたばかりで、『Empire HOTELエンパイア ホテル』を意識した高級、高層ホテル。

「泊まりはキツイけど、飯くらいなら食えそうじゃね?」

「無理ね。札幌最高峰を目指しているらしいから、最安値のコースでも一万五千円だってよ?」

 ほんの二十分前に思い立ったから、料金は調べていなくて驚いた。

「マジで!? ってか、詳しいな」

「陸が言ってた。Empire HOTELエンパイア ホテルの支配人だからね」

「陸って、インテリ? マジでインテリか。Empire HOTELエンパイア ホテルのスイートルームに半額で泊まらせてくれたりしないか?」

「しません!」

「ちぇー」

 ホテルの地下駐車場は、ご丁寧に宿泊客用と食事客用、仕事用の駐車スペースが分けられていて、俺は仕事用の駐車スペースに入れた。すぐさま係員がやって来て、会社名と用件を聞かれた。
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