上の階のおにいちゃん

らーゆ

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「わわっ」
抱っこなんてもうそんな年じゃないと言う間もなく、奏斗は運ばれていく。
慌てて奏斗は尚の首に手を回してしがみついた。裸の胸と胸がぶつかってほんわり温かい。腰と尻をしっかりと抱えあげられたのとは違う感覚が、尚が動くたびに尻にぶつかって落ち着かない。
(なんだろう……? ちょっとぬるって冷たい)
尚が歩くたびこつんこつんと。聞いていいのだろうか。
「……おにいちゃん、あの……なんか当たってる、け……ど」
「だな」
まるで当たり前のことのように言われて、奏斗は自分が変なことを言ったのだろうかと黙り込んだ。
「奏斗があんまり可愛いから興奮しちゃった」
さっきから繰り返される可愛いという単語が居心地悪い。尚は自分のことを小さな子供と思っているんじゃないだろうか。そう気づいたら不満気な声が出ていた。
「おれはかわいくなんか」
「奏斗は可愛いって言われるの、嫌なの?」
「だって女の子みたいじゃん」
口を尖らせる奏斗の様子に、尚は困ったなぁと苦笑した。せっかく気持ちよくなってくれていたのに、機嫌を損ねたくない。だから必死で語彙を絞り出した。
「そう? んー、じゃあ、チャーミング、色っぽい、素敵で綺麗」
「会ったばっかり」
「うん。会ったばっかりでそう思った。あんまり魅力的だから触れたい、えっちなことしたいって」
真正面から賞賛されて、今までそんな経験のない奏斗は一瞬にして耳まで真っ赤に染まった。
(み、魅力的って、……おれが!?)
そのまま恥ずかしそうに尚の首元に顔を埋めた奏斗を、尚は軽々と運び、ぽすんと下ろした。急に奏斗の周りに尚の匂いが広がる。
抱きしめられていた時とまた違う包まれる感覚に動揺して縋るように見上げると、尚もまた奏斗を見つめていた。
その瞳が弓を形作る。
「だーいじょーぶ」
奏斗のうえに大きな影が落ちた。尚の大きな手が奏斗の前髪をかきあげ、さらけ出されたあどけない額にちゅっとリップ音がした。
「おにいちゃん……?」
「素敵な奏斗。こうやってもっと気持ちよくなろ?」
自分を見下ろして微笑む尚に、奏斗の胸が驚くほど大きな音を立てた。尚に聞こえているかもしれないと思うほどに。
(素敵って、そんなの言われたことない。……恥ずかしい)
身を小さくして戸惑う奏斗の脚の間に陣取ると、尚は己の下腹部を彼のつるつるの下腹部に擦り付けた。そこにいじらしく勃ちあがっていた奏斗の尖りがくにゅりと押しつぶされる。じくっとした疼きが広がった。
「あっ♡♡」
甘い声をあげた奏斗を尚はそのままベッドに押し付けると、下から上へと腰を振り始めた。重なり合うペニスが引っかかりながら擦れる。尚の下生えがむず痒い。尚と奏斗がお互いに吐き出したぬるぬる滑る体液が抵抗を減らして、なめらかに尚が動くたびに、ずくんずくんと痛いほどの快感が奏斗を襲った。
「あっ♡あっ♡」
(ちんちんこすれる、おにいちゃんのちんことっ)
脚を広げられ律動に合わせて縦に揺れる奏斗は、尚の腕に縋りつき初めてのキツい快感をどうにか逃がそうと頭を振っていた。
(ぬるぬるしてきもちいい♡)
「動いたら、あっ♡♡いやぁ♡♡」
気持ちいい、けれど気持ち良すぎる。口からは拒絶の言葉が出るのに、腰は尚を求めて激しく揺れてしまう。ぬちぬちとあられもない音が重なり合った場所からしていた。
「あうっ♡ゆすらないでぇ♡あんっ♡♡」
「揺すってるの、奏斗だよ」
「ちが、……あ♡ああん、ん、ん♡」
「違わないでしょ。ほら」
尚の言うとおり、奏斗の腰は奏斗の意思を無視して懸命に揺れていた。もっともっと擦れあいたい、尚から与えられる刺激が恋しいと。
「あああ♡♡おにいちゃん、いい♡♡きもちいい♡♡」
「奏斗、そのまま腰を浮かせて」
「んっ♡」
言われたとおりに腰を持ち上げると、脇腹を尚に掴まれた。そのままゴリゴリと擦り合わされ揺さぶられた。
ふたりの腹の間で、小さなペニスが逃げ惑うようにくねくねと踊っている。尚の腰が押し付けられるたびにずきずきと快感を伝えてくる。
「ああん♡あっ♡あっ♡いい♡♡」
奏斗は今度は自分から尚にペニスを擦り付けた。腰を回すようにして。自分からも動かすとさらに気持ちよかった。
「あは♡あ♡きもちい♡」
「上手だよ、俺も気持ちいい」
(おにいちゃんもきもちいいの?)
「ぬるぬる、するぅ♡」
「うん。気持ちいいね。もっとゴリゴリしよ」
「うん、する♡いっぱいする。おにいちゃんきもちいいよう♡もっとちんちんこすってぇ♡♡」
奏斗は尚にしがみつくと、もっと押し付けてと言うように腰に脚を絡みつけた。
「あっ♡おにいちゃん、おにいちゃん♡♡」
「奏斗、揺するよ」
そう言うと、尚は奏斗の身体を自分の下に抱え込み閉じ込めた。そうして下から突き上げるように激しく腰を振り始めた、挿入する時のように。
「あーっ♡♡」
ふたりの先走りがぐちょぐちょと卑猥な音を立てる。いやらしい響きに興奮がいっそう増した。
「ああ、イきそう。イく♡おにいちゃん、イくっ♡♡んっ♡♡」
ぐちゅぐちゅと突き上げられたまま、奏斗は絶頂へ駆け上がった。幼いペニスはなにも吐き出さず、小さな身体が不自由な場所で跳ねるだけだったが、それは自分でも驚くほど性急で甘美だった。
腕の中で浅い息を吐く奏斗の額に口付けが落ちてくる。まぶたに、こめかみに、鼻に。
「またイったの? 何回目? いやらしくてすごく素敵だ」
口では意地悪なことを言いながら与えられる口付けは、うっとりするほど甘く優しかった。
「……おにいちゃん♡」
「言わせて。かわいい、奏斗」
今度のかわいいは嫌じゃなかった。むしろ心地よくて嬉しかった。
「あっ♡待って。おれ、まだ」
「びりびりしてる?」
はにかみながら返事の代わりにこくこくと頷いた奏斗の上で、尚の身体がまたグラインドを始める。ふたりの間では吐精のないまま達したばかりの小ぶりなペニスが、またくにくにと蹂躙されていた。じくじくと疼き始める。
「えっ、あーっ♡♡」
奏斗は絶叫に近い喘ぎをあげ、手元のシーツを力一杯握りしめた。そうしなければ。
「そんなっ♡こすったら♡♡」
「気持ちいいね、奏斗」
快感を堪えてつらそうに目をきつく閉じる奏斗を尚は容赦なく揺すぶった。いやいやとうわごとのように言いながら、懸命に腰を振る奏斗の淫らなさまが好ましく、もっともっと喘がせて縋らせたいと思うほどには可愛くて仕方がなかった。
「きもちっ♡きもちぃ♡♡すぐイく、おれすぐイっちゃう♡♡またイくうっ♡♡♡」
「イっていいよ、ほらイって」
幼い姿で何度も絶頂する奏斗は大人がそうなるよりも艶やかで扇情的に尚には映った。
「かわいい」
「あーっ♡♡あーっ♡♡やぁ、こすっちゃやぁっ。ちんちん変になるぅ♡」
「うそ。擦るの好きでしょ。ほら、イって」
「あうっ♡あんっ♡♡おにいちゃん、イく、きもちくてイく♡♡またイくっ、イくからぁ♡♡あーっ♡♡♡」
奏斗がまた大きく跳ねた。背を反らせたまま、痙攣したかのようにビクッビクッと何度か震える。それでも吐精していないことを確認すると、まだ大丈夫と尚はまた奏斗を追い上げ始めた。
繰り返すキツい快感に放してと涙目で訴える奏斗をなだめすかしながら、自身が射精するまで尚は奏斗を責め立て続けた。
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