沈黙のメダリスト
淳一は、神戸の下町で生まれ育った。父は震災で亡くなり、再婚した母も十五才の時、病気で喪う。義父は新たに再婚したので、高校から一人暮らしを余儀なくされる。水泳部で記録を伸ばし、駅伝にも出場して好タイムで走り注目される。
高二の時、生活費が途絶え、バイトをしながら学校に通う。担任の吉見から励まされながら防衛大を目指すが合格できず、奮起して国立の六甲大文学部に入学する。
大学では陸上競技部に入部し、長距離選手として頭角を現す。足を痛めて病院に行き、医師の次女、由佳と出会う。彼女は聾学校三年で同級生からの暴行事件で心を閉ざしていたが、淳一と知り合い、彼の走りを支えることで立ち直る。
淳一は、ロンドン五輪に出たいと由佳に打ち明け、神戸マラソンで二位、びわ湖毎日マラソンでは日本人一位になり五輪出場の夢を果たす。由佳にメダルを渡したいという一心で、二位入賞を果たす。帰国した夜、初めて淳一と由佳は結ばれる。
夢はかなったが、手話能力や生活環境の違いで二人の溝が露わになってくる。由佳は看護学校をやめてアメリカで学ぶ夢を持ち、淳一は仕方なく了承する。渡米してまもなく由佳は、現地の学生と関係を持ち妊娠してしまう。淳一は由佳の両親から経緯を知らされ自暴自棄になるが、高校の吉見から水泳部で淳一に思いを寄せていたみどりを紹介される。彼女のサポートを受け、再び陸上の世界に復帰する。
四回生の七月、かつて由佳が応援してくれた競技場で、五千mを走り、日本新記録を達成する。淳一は由佳の記憶を留め、次の目標に向かうことを決意する。
高二の時、生活費が途絶え、バイトをしながら学校に通う。担任の吉見から励まされながら防衛大を目指すが合格できず、奮起して国立の六甲大文学部に入学する。
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