★【完結】ポワゾンと呼ばれた女(作品231110)

菊池昭仁

文字の大きさ
3 / 9

第3話 覚醒した野生

しおりを挟む
 鮨屋を出てタクシーに乗った私たちはお台場へ向かった。
 レインボーブリッジからは蛇のように走る「ゆりかもめ」と、まるで夜に咲く大輪の華のような観覧車の夜景が見えていた。

 「私ね、この夜景が凄く好きなの。
 観覧車のイルミネーションって素敵よね? ゆっくりと回転して頂点に向かい、そしてまたゆっくりと降りて行く。
 人生みたいなものでしょう? 知らぬ間に人生の時は過ぎてゆく。
 私の人生はすでにピークを過ぎ、これからは落ちて行くばかり。
 でもあなたはこれから。どんどん上に昇って行くわ。
 私がそうさせてみせる」

 耳元で囁くポワゾンの吐息に、功介は女を感じていた。
 彼の太腿に置かれたポワゾンの手が、股間に向かって微かに動いた。
 すでに硬直しているそこを、ポワゾンはフェザータッチを繰り返した。
 
 「あらどうしたのこれ?
 石でも入っているのかしら? こんなに硬くなって」

 功介の頭に美香の顔が浮かんだ。

 「浮気したら殺すからね」

 その声が徐々に遠のいて行った。



 タクシーは外資系ホテルのメインエントランスに到着した。

 「さあ降りなさい。
 これから夜のミーティングを始めるわよ」

 遂に功介は魔性の女、ポワゾンと夜を共にすることを覚悟した。



 テーブルの上に部屋のカードキーを置いたポワゾンは、功介にやさしくキスをした。

 「シャワーを浴びてくるから、いい子にしているのよ。
 それとも私と一緒に入る? うふっ」
 「僕も一緒に、いいですか?」

 功介は麗華の誘惑に完全に落ちた。
 もちろん美香に不満があるわけではない。
 本当につき合ったのは美香が初めてだった。
 それは美香も同じだった。
 ふたりはバージンと童貞だった。SEXに関してはまだお互いに初心者同士だった。
 功介は高校時代につき合った彼女はいたが、キスもしたことがない。

 風俗とAVしか知らない自分には、性に対するコンプレックスがあった。

 (今夜だけ、今夜だけ許してくれ。
 僕はもっと美香を満足させてやりたいんだ)

 功介は心の中で美香に詫びた。
 そしてそれは自分に対する言い訳でもあった。


 ポワゾンは服を脱ぎ、ハンガーへ服を掛け、下着姿になると椅子に座り、ストッキングを脱ぎ始めた。
 微笑むポワゾン。

 功介も服を脱ぎ、ボクサーパンツになった。

 「こっちにいらっしゃい」

 ポワゾンと唇を重ねた。
 ポワゾンは功介の下着を、そのまま足でカーペットに落した。

 後ろ手に自分でブラのフォックを外すと、形の良い乳房が露わになり、乳首が硬くなっているのが分かる。

 「私も脱がせて頂戴」

 功介は彼女の白いTバッグをゆっくりと下した。
 霞のようなアンダーヘアだった。

 功介たちはバスルームへと移動し、シャワーを浴びた。
 ボディーソープをたっぷりと付けて、ポワゾンは功介を洗った。もちろんあそこを重点的に。

 「若いのね? もうこんなになっちゃって。かわいい」
 「小早川部長のせいですよ、僕がこうなっているのは」
 「部長はやめなさい。麗華と呼んで」
 「麗華、さん・・・」
 「うふっ さあ、ベッドでミーティングを始めるわよ」

 ポワゾンは石鹸を洗い流し、ベッドへ移動した。


 「功介、経験人数は?」
 「ひとりだけです。今の彼女が初めてです」
 「でしょうね? 私が教えてあげるからラクにしなさい」

 麗華はベッドから立ち上がるとバックから小瓶を取り出し、それを頭上に噴霧すると、それを全身に纏った。
 『Poison』だった。

 ベッドに戻ると麗華は言った。

 「この香りがないと、燃えないの」

 ポワゾンはそのまま功介と舌を絡ませ、功介の乳首を舐め、ペニスに触れた。

 「うっ」
 「どうしたの? もう出ちゃうの? ふふっ」

 この淫靡で華麗な香りとシルクのような白い美肌。そして繊細な指使い。
 功介は今にも欲望を噴出させてしまいそうだった。
 このままでは情けない状態になると判断した功介は、ポワゾンの一番敏感であろう足の付け根に顔を移動させた。

 「ちょっと強い、最初はやさしく。
 そう、上下に丁寧に。
 いいわよ上手。そのまま続けて・・・」

 次第にラブジュースの量が増えて来た。

 「あ、あ、今度は、そこを、強く吸って」
 
 功介は皮のめくれた陰核を、音を立てて夢中で吸った。

 「今度は、今度は、そのまま舌でレロレロするのよ、はう、あ、あっ! もっと強く! そうそれ! そのカンジ!」

 ポワゾンの太腿が功介の顔を締め付ける。

 「いくっ・・・」

 ポワゾンのカラダがガクンと仰け反った。

 「じゃあ、今度は私がお返ししてあげる」

 ポワゾンは功介のそれを口に咥えると、頭を激しく上下させた。

 ジュボジュボと淫らな音が部屋に広がる。
 功介はポワゾンの頭を両手で掴んで言った。

 「もう駄目です、出ちゃいそうです!」

 するとポワゾンはそれを一旦口から離し、

 「お口の中に出してもいいわよ、飲んであげるから」

 そして行為を再開した。

 「うっ、出ます・・・」

 遂に功介は耐えきれず、ポワゾンの口の中に出してしまった。
 脈打つ陰茎。
 ポワゾンの動きが停止し、喉にそれが飲み込まれていくのが分かる。
 美香もしてくれるが、飲んでくれたことはない。
 僕は心地良い開放感と罪悪感が入り交じり、自分自身に意識を集中させた。
 初めての快感だった。

 ポワゾンは功介のいきり立ったそれを丁寧に舐めてくれた。

 「彼女さんとはご無沙汰だったの? 大分溜まっていたようだけど」
 「すみません・・・」
 「何も謝ることは無いでしょう? いいのよ、若いんだから。
 あら凄い、まだ立ってるのね? じゃあ今度は私を気持ち良くして」

 功介がいつものように乳首を吸おうとすると、

 「それは後でいいから。とりあえず入れて」
 「ちょっと待って下さい。コンドームを着けますから」
 「馬鹿ね、そのままでいいわよ。
 外に出せば大丈夫、生理はまだあるけど私は妊娠しにくい体質だから」
 「わかりました」

 功介はポワゾンの足を開かせると、十分に潤んだそこにペニスを当てがった。

 「どう? 素敵ないい香りでしょう?
 このエロティックで知性と冒険に満ちた香り。
 私はこの『Poison』が大好き。
 そしてこの香りに抱かれて男を食べ尽くすの。
 さあ、いらっしゃい、私のかわいい坊や」

 何という不思議な香り。とても美香のような純朴な女の子には操れない香りだった。
 功介はまるで魔法にかかったかのように、麗華に吸い寄せられて行った。

 挿入を開始すると、温かく濡れた膣の中の凸凹がペニスを刺激した。
 襲い掛かる激しい快感とポワゾンの香り。

 じゅぶじゅぶ

 麗華の溢れる愛液に、功介は軽い酩酊状態となっていた。

 「いいわ、すごく、いい・・・、さあ、もっと強く! 激しく奥まで突いて!」

 功介はバックスタイルを取り、麗華のそこを高く上げて狙いを定め、自分のそそり立ったペニスを侵入させると、子宮口に到達するくらいにそれを突き入れ、パンパンと音がするほど麗華の洪水のように潤んだ蜜口を攻め続けた。

 功介は射精を望んだが、まだ出したばかりだったので、中々射精することが出来ない。
 その代わりに麗華の声は増々大きくなって、ついにその瞬間を迎えたようだった。

 紅潮した頬、ガクガクと倒れ込み痙攣を繰り返す麗華のカラダに、功介はある種の達成感に包まれていた。

 いつもクールなポワゾンを征服した喜びに、功介の心は震えた。
 そして功介はその時初めて、自分の中に潜む野獣を、野に解き放つことが出来た解放感に浸っていた。

 サバンナを駆けて行く功介の野生。
 功介もやっと2回目の射精に漕ぎ着くことが出来た。

 功介は遂にポワゾンの女を知ってしまった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

続『聖パラダイス病院』

菊池昭仁
現代文学
『聖パラダイス病院』の続編です。こんな病院なら入院生活も悪くはありません。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

処理中です...