★【完結】ポワゾンと呼ばれた女(作品231110)

菊池昭仁

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第4話 物足りない行為

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 功介がマンションに帰ると、美香が待っていた。

 「遅いっ! 電話にも出ない、LINEもしないで何してたのよ!」
 「ごめん、中々部長が放してくれなくてさあ」

 功介に近づき、匂いを嗅ぐ美香。

 「うっ、何なのこの変な匂い! おばさんの香水の匂いがする!」
 「小早川部長の香水だよ、キツイ匂いだろう? 俺にまで移っちゃったな?」

 功介は嘘を吐いた。
 功介はこの香りにすっかり魅せられてしまっていたからだ。
 

 「臭い臭い! 早くお風呂に入って来なさいよ! まるで頭からその香水をバケツで被ったみたい!」
 
 美香の言う通り、功介は全身にポワゾンを浴びていた。
 麗華の温もりと残り香が、カラダに沁みついている。


 熱い湯舟に浸かりながら、麗華との情事を想い出していた。

 今まで味わったことのない感触と快感。性愛とはあのような行為を言うのだろうか?
 ポワゾンの、あの蛇のようにカラダを這いまわる舌、そしてそれに追従するやわらかな唇。
 まるでその内部に別の手があるかのような、あの女性器の内部構造。

 時に強く、時にやさしく、強弱を繰り返しながらペニスをより奥の子宮へと導いてゆく。

 特にフェラチオのそれは、到底美香の及ぶものではなかった。

 巧みな言葉攻め。私はポワゾンに翻弄され、何度も何度もその快感に打ち震えた。
 まさに自分がポワゾンの飼い犬のようだった。


 風呂から上がると、美香が誘って来た。

 「功介、早く一緒に寝よう」

 セミダブルのベッドに入ると、すぐに美香がキスをしてきた。
 功介は落胆した。

 (これじゃない、こんな青臭いキスじゃない。
 ポワゾンのキスは)

 いつもなら美香の口づけに応える功介だったが、今夜はそっけなくそれにつき合うフリをした。


 美香のパジャマを脱がした。
 ブラはつけてはいなかったが、白と水色のストライプのコットン・パンティを見た時、自分の股間が萎えてしまった。
 麗華の身に付けていた、あの大人の白いサテン生地のお洒落なレースに彩られた下着とは、明らかに子供じみていたからだ。
 ロリコン趣味の男ならいざ知らず、綿製のショーツほど男をがっかりさせる物はない。

 薔薇の花が開くような、妖艶な麗華の反応とは異なり、美香の反応は固い蕾のままだった。
 功介は遂にその行為を中断した。

 「ゴメン、酒を飲み過ぎたせいか、あそこが言うことを訊いてくれないみたいだ。
 指でイカせてあげるね?」

 功介は美香の乳首を転がすように舐めながら、中指を1本だけ美香の蜜口に挿入し、優しく出し入れを繰り返した。

 「痛くない?」
 「大丈夫、もう少し強くていいかも」

 功介は親指でクリトリスを摩りながら、入口付近のざらついた部分を執拗に攻め続けた。
 すると、功介の背中に美香が強く腕を回し、

 「あっ、イクかも・・・、イキそう!」

 ガクガクと小刻みに痙攣し、美香はエクスタシーを迎えた。

 功介は美香を優しく抱きしめ、いつの間にか眠ってしまった。

 「功介? もう寝ちゃったの? もう! これからがいいところなのに! 功介のバカ!」

 美香はそれだけでは満足できず、ひとりで自分を慰めた。

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