★【完結】猫になった銀次郎(作品241122)

菊池昭仁

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第5話

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 「どうかしたのちくわ? 元気ないわね?」

 純連ちゃんが俺を抱っこしてそう呟いた。

 「ニャア(心配かけてごめんニャ、純連ニャン)」
 「そうだ、大韓航空のナッツ姫みたいな「いなば食品」の娘のところで作っているチャオチュールだけど食べる?」
 「ニャアニャア(いらないニャ)」

 せっかく純連ちゃんの出してくれたチャオチュールも食べる気がしなかった。
 そこに一平がやって来て、チャオチュールに飛び掛かるように舐めていた。

 「どうしたのかしらねえ? あんなに好きだったのに。腎臓でも悪いのかしら? ママ、ちくわ大丈夫かなあ?」
 「モン・プチとかあげてみたら?」
 「あげたけど食べなかったの」
 「そう、どうしたのかしらねえ? 今日は日曜日だから明日、ママが獣医のぽぴんず先生のところに連れて行ってみるわ」
 「ありがとうママ。心配だなー、ちくわ。マルみたいになっちゃったらどうしよう・・・」

 純連は涙ぐんだ。

 (純連ちゃん、ママさん、心配かけてすまないニャ。とにかく今はそっとしておいて欲しいニャ)

 「ニャオーン(どうした銀? まだニャ(悩)やんでおるんか?)」
 「ニャン(そうなのニャ)」
 「ニャオニャオ(そんなん悩んでも仕方あらへんで、「猫生」楽しまニャ。ペロペロ)」
 
 俺は外に出たいと思った。秋になって少し寒くはなっては来たが、猫撫組のみんなやジュリアに会いたくなったのである。

 (今頃みんなどうしているだろう? アイツら)

 銀次郎は窓から外を見て、思いを巡らせていた。


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