雑魚で貧乏な俺にゲームの悪役貴族が憑依した結果、ゲームヒロインのモデルとパーティーを組むことになった

ぐうのすけ

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第82話 銃の評価

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 マナが収納から大きなバックパックと機関銃を取り出した。

 カシャン、ガチャリ!

 バックパックからレール上に繋がれた魔法弾を機関銃にセットする。

『おお! バックパックは弾倉か』
『俺ガンナーなんだけど、あのバックパックだけで皆が思っているより遥かに重いぞ』
『機関銃はロマンがある。でも何故か見ないよな』
『今はソウルランクが高い冒険者はアサルト、ランクが低いとハンドガン使いが多い』

 アサルトもハンドガンも同じ魔法弾を使っている。
 そしてハンドガンの命中精度も魔力で補正するためアサルトとあまり変わらない為火薬の銃に比べてハンドガンは有効だ。

 それでも慣れたガンナーは弾数の多いアサルトを好んで使い、サブでハンドガンを持つ人が多い。

 ハンドガン=携帯性能に優れる。

 アサルト=弾数が多い。

『重装備のマナが可愛い。マナが小さく見える』
『機関銃のバラマキはロマンがある』
『機関銃がメインで使われにくい理由はな』
『おい、始まるぞ!』

 俺がオーブに触るとウサギの群れが現れた。

 ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガがガガガがガガガガガガガガガガガガガガガガ!

『おおおおおおお!ツエエエエエエエエエエエエエエエ!』
『マナが輝いておる!』
『今回は神回だぞ、無双が凄すぎる!』
『機関銃使いマナが爆誕した!』

 ウサギが全滅すると、マナが考え込んだ。

「装備したまま撃つと疲れるわね。次は寝ころんで撃ちたいわ」
「いいぞ、どんどん行こう」

 マナがバックパックをしまうと、四角いケースを取り出してバックパックをしまった。
 銃に2本の足を銃に取り付けてケースからジャラジャラと魔法弾を取り出しガチャンとセットする。
 うつ伏せになって狙撃体勢が整った。

「いいわよ」

 俺はオーブを触る。
 100体の牛が出てきた。

 ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガがガガガがガガガガガガガガガガガガガガガガ!

『銃撃に華があるね』
『マナの姿勢がどんどん本格的になっていく』
『全滅させるの早くね!』
『機関銃はあまり使われてない。理由があるんだよ』

「……機関銃はもういいわ」
『えええええええええ! かっこいいし強いだろ!』
『使わない理由が分からない! 無双してただろ』
『マナは機関銃を使われにくい理由が分かったようだ』
『強いだろ!』

「マナ、どうして使わないの?」
「命中精度と威力の弱さね」
「ガンナーさん、コメントをどうぞ」

 さっきから言葉をさえぎられていたガンナーにリツカがパスを出した。

『マナの言った通りだ。機関銃は連射特化だ。その分命中精度と威力が落ちる。もっと言うと命中精度の影響で有効射程も狭い。機関銃は無駄に弾を使うコスパの悪い武器だ』
『質問! 魔法弾はハンドガンでもアサルトでも機関銃でも同じ弾を使っているよね? それでも命中が悪いなら連射無しで撃てばよくね?』

『連射機構がある機関銃は1発1発連射無しで撃っても命中率は下がる。そして同じ弾でも弾の威力が落ちる。そもそも連射前提で作られた機関銃で連射をしない時点で持ち味を殺している』

『ガチガンナーやん!』
『説得力が凄い』
『もっと言うとこんなに100体のモンスターがまとめて出てくる事は稀だ。機関銃は携帯装備に向かず、弾を浪費する微妙なロマン武器だ』

 マナは機関銃をしまって6連グレネードを取り出した。

『おお! グレネードか!』
『グレネードは専用弾で着弾と同時に爆発する! これならモンスターの群れに有効だぜ!』
『ガンナー先生、コメントをお願いします』
『うむ、結論俺なら使わない。撃ち終わった後に詳しく言おう』

「マナ、オーブを触っていいか!」
「いいわよ!」

『アキラが楽しそうだな』
『銃が嫌いな男ってあんまいりいないだろ』
『俺も楽しいぞ』

 マナがグレネードを撃ちだす。

 ポン!ポン!ポン!ポン!ポン!ポン!

 チュドドドドドドーン!

『おおお!モンスターが吹っ飛んでいく!』
『爆発がかっこいい!』
『マナがハンドガンで攻撃し始めたぞ!』

 パンパンパンパンパンパンパンパン!

「ガンナーさん、コメントをどうぞ」
『グレネード弾は価格が高い。そして撃ってもモンスター全部を倒しきれないから結局最後はアサルトかハンドガンで全滅させる事になる』
「ガンナーさんはグレネードも使わないのかな?」

『いや、俺自身はアサルトの砲身下に1発だけ撃てるグレネード銃を取り付けている。グレネードはサブウエポンだな』
『グレネードは確かに高いかもしれない、でもまとまったモンスターに撃ち込んだり、大型モンスターにダメージを与えるなら有効だと思うの。6連グレネードはアリだと思う』

『確かにここに出てくる5メートル級や10メートル級にグレネードは有効だしまとまったモンスターを一瞬で倒せるメリットはある。が、普通にゲートに入ってモンスターの群れが固まって出てくる状況はかなりのイレギュラーだ。モンスターが100体まとめて出てくる事は殆どない。それとグレネード1発が高い』

 マナとガンナーが直接話を始める。

「確かに、今のパーティーなら10メートル級は皆に任せた方が良いわね」」
『そうだな、ガンナーのみのパーティー編成ならグレネードも悪くはないが、今は大型モンスターを倒せる戦士がいる。慣れているツインハンドで戦うのがいいだろう』

「機関銃とグレネードが無駄になってしまったわ。特に機関銃用に魔法弾を数珠つなぎにするのは微妙に手間がかかるのよね」
『ショップにレンタル品として納めればいい。機関銃や6連グレネードを撃ってみたい需要自体はあるし俺も好きな武器ではある。実戦で俺はアサルトとアンダーバレルグレネードを使うが、ベルトリンクの弾丸と機関銃、そして6連グレネードにはロマンがある』

 うわあ、専門用語がガンガン入ったマニアックな話が始まった。
 アンダーバレルグレネード=アサルトとかの下につけるグレネードだ。
 ベルトリンク=弾丸を機関銃が撃てるように数珠つなぎの帯型につなげるのをそう呼ぶ。

 その後、マナとガンナーは話を続けつつアサルト・手榴弾などを試し、最終的に携帯性能などの点からツインハンドに落ち着いた。

 俺も後で銃を撃たせてもらおう。
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