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第160話

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 ダミーファック改の腕から繰り出される攻撃に刀を合わせる。
 ダミーファック改の変化した腕は伸びず、リーチは短剣程度だ。

 俺の攻撃範囲に踏み込む前に俺は刀を合わせて何度も攻撃を繰り返す。
 こちらはダメージを受けず、ダミーファックに何度も攻撃をヒットさせる。

 刀・極のコンボ効果は攻撃間隔が1秒以内ならコンボが確定する。
 俺は何度も攻撃をヒットさせ、刀の攻撃は強くなっていく。

 更にアオイが死角から回り込むようにダミーファック改を攻撃する。
 さっきのガードオーク戦で俺達のレベルは上がっている!

「ソニックタイム!ショートスティング!ロングスティング!」

 アオイがソニックタイムのスキルで速度をアップし、ショートスティングとロングスティングの強力なアーツ攻撃を決めた。

 俺の超強化弾丸、その効果が切れる前に勝負を決める!

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

 刀の攻撃力200%

 攻撃のモーションスピード200%

 更にコンボで200%の攻撃力をキープしてダミーファック改に連撃を叩きこみ続けた。

 ダミーファック改が倒れてドロップ品と魔石を吐き出す。

『レベルが160から173にアップしました』

 4人でパーティーを組んでいるのにレベルが8も上がった。
 ダミーファック改のレベルは200くらいか?

 カムイとセイコウコウボウを見ると、カムイパーティーが1体を倒し、次の1体に攻撃を仕掛けていた。
 セイコウコウボウは囲まれながら1体を倒すが、頭から血が出ていた。
 まずい!

 俺は回復弾丸を使った。

『武具の耐久力とツインハンドガンの弾数が回復しました』

 俺はセイコウコウボウを囲むダミーファック改にツインハンドガンを20発撃ち込んだ。

 全弾ヒットし、2体の防御力が10%減少した。
 ターゲットが取れないか!

 更に残りの回復弾丸を使いながら走る。

『武具の耐久力とツインハンドガンの弾数が回復しました』

 更に他の2体にツインハンドガンを放つ。
 2体の防御力が10%減少した。

 俺は刀に持ち替えてセイコウコウボウを囲む9体のダミーファックの内一番近い1体に後ろから斬りつける。

「こっちを向け!俺を見ろ!俺が相手をする!」

 1体が俺にターゲットを移した。
 ちょっとやそっとの攻撃ではターゲットは取れないか。

 俺は後ろに下がりながら打ち合う。
 超強化弾丸!持ってくれ!

『超強化弾丸の残り時間が、残り100秒です』

 呼吸が苦しい!

 腕が痺れて来た!

 ハイリジェネのスタミナ回復を超えて、俺はスタミナを消耗していく。

「カースウォー・ギフト!」

 ヒメのカースウォーで俺は黒いオーラをまとった。
 俺の攻撃力・防御力・速度が40%上昇し、俺は黒いオーラをまとった。

「ハヤトさん、行きます!きゅう!」

 サミスの背中に張り付いていたきゅうが光を放ち、俺に高速で走って来る。

「きゅう~!」

 そして俺の背中に飛び乗った。
 俺を光のオーラが包む。
 サミスのソウルスキル、『きゅう』の効果で、俺はすべての回復力が上昇した。

 腕の痺れが消え、呼吸が楽になる。
 超強化弾丸とサミスのきゅうの相乗効果により、俺が全力で動いても体が回復していく。

 ヒメの黒いオーラと、サミスの使ったきゅうによる光のオーラで、黒と白のオーラが混ざり合うように光る。

 ヒメによってさらに強化された俺はダミーファック改を何度も何度も攻撃する。
 サミスのきゅうによってスタミナを気にせず全力で攻撃する。

 ダミーファックは俺に攻撃されるたびに後ろに下がり、下がらないようにアオイは後ろから槍で何度も突く。

 ダミーファックが倒れる。

『レベルが173から182に上がりました』

 周りを見ると、ファルナ・エリス・シルビアの3人がかりでダミーファック改1体のターゲットを取っている。
 恐らく、倒す事は出来ない。
 時間稼ぎの為に前に出ているのだ。

 早く倒す!

『超強化弾丸の効果時間が残り30秒です』

 俺は次のダミーファック改に攻撃を仕掛けた。
 こいつらはまるで自分が駒のように動いているようだ。
 セイコウコウボウを殺す事を第一にして動いている。

 ダミーファック改と打ち合う。

 ダメージは与えているが、時間が無い。

『超強化弾丸の効果時間が残り10秒です』

 くそ!後30秒あれば!
 何度もダミーファック改に攻撃を食らわせた。

『超強化弾丸の効果が切れました』

 一気に攻撃力が弱くなる。
 
 ヒメのカースウォーとサミスのきゅう。
 この2つの力で何度お何度も何度も刀を振り、攻撃を当て続けた。

 攻撃が遅い!

 攻撃力が低い!

 俺の意識に体がついてこない!

 ヒメのカースウォーが切れて、ヒメが倒れた。
 きゅうの効果も切れてサミスの元に戻っていく。


 俺は、時間をかけてダミーファック改を倒した。

『レベルが182から189に上がりました』

 後5体、いや、カムイとセイコウコウボウが1体ずつ倒して残り3体だ。

 もう、大丈夫だ。

 セイコウコウボウと俺達、そしてカムイパーティーでダミーファック改を1体ずつ倒すだけでいい。
 もう、時間を掛けなくていい。
 俺はファルナ達が戦うダミーファック改の元に向かおうとした。
 ファルナ達はボロボロだがギリギリ間に合った。

 その瞬間に俺とアオイが反応した。

「また敵が来るわ!サミス!回復弾丸をセイコウコウボウに全部撃ちなさい!ヒメを運ぶのはその後!」
「わ、分かりました!セイコウコウボウさん!回復弾丸を撃ちます!避けないでください!」

「分かったよー!」

 サミスが4発の回復弾丸を撃ち、セイコウコウボウの傷が多少治った。
 残ったダミーファック改3体が後ろに下がっていく。
 まさか、回復する気か!

 そして入れ替わるように4体のエクスファック、いや、エクスファック改か?
 それと、おでこから1本の角を生やしたエクスファックが現れた。

「エクスファック改が4体!そして、真・エクスファックが1体よ!真・エクスファックはエクスファック改よりさらに強い上に強力で広範囲に及ぶ状態異常を仕掛けてくるわ!」

 なん、だと。
 何とかダミーファック改13体を退けたと思ったら、それより強いエクスファック改が4体も出てきた!

 しかも更にそれより強い真・エクスファックまでいるのか!
 ただ角をつけただけだと思いたかったが、そうはいかないか。

 俺達はポーションを飲んだ。



「ファルナ!戦士隊を下がらせろ!」

 カムイが叫んだ。
 そう、技量と魅力の値が低いと戦士隊は全滅しかねない。
 遠くから魔導士が攻撃しても、タンクタイプには有効とは言えない。
 それ以前に魔導士たちは疲弊し、魔法攻撃を連射する力は残っていないだろう。
 皆魔力ポーションの飲み過ぎで具合が悪そうだし、魔力ポーションのストックも枯渇しつつある。

 真・エクスファック1体はエクスファック改より強く、強力な状態異常を広範囲に使える。
 エクスファック改4体はタフで、HPが半分になるとMPを消費して再生力を上げてくるタンクタイプだ。

 5体はセイコウコウボウに迫り、俺とカムイはセイコウコウボウの元へと走った。
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