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あっけに取られた、が正しい。そして、次の瞬間、不覚にも、わたしは噴き出してしまった。
だって、それは、赤ちゃんとか、幼い子供に向かってやるしぐさ。それを、こんないい歳をした女性に、いい歳をした男性が恥ずかしげもなくやってのけるとは、まったく夢にも思わなかったのだ。
不意を突かれた、と言うか、なんだかこちらのほうが気恥ずかしくなってしまった。
そして、それから、不可思議な気持ちに胸が満たされた。
以前にも、同じことが、あったような気がする。
わたしは彼を見た。優しげに微笑むその顔は、今日初めて見たもののはずなのに、どうしてか懐かしさを感じる。安心感が込み上げる。
とたんに、わたしには知らないものがある、と思い出した。頭の中で、風船が破裂したような衝撃に近い。唐突なことだった。だけど、怖いとは思わない。そうじゃない。ただ、ただ、胸が詰まる。
知らないものの正体を、探りに行くように、わたしは指先を静かに伸ばした。彼の頬に触れる。知っている、この感覚。初めて、彼が表情を失くしていた。
眉間に光が走る。それに向かって手を伸ばす。掴む。
「――――征、ちゃん……?」
崩れるように、目の前で、征嗣が泣き出した。
(fin)
だって、それは、赤ちゃんとか、幼い子供に向かってやるしぐさ。それを、こんないい歳をした女性に、いい歳をした男性が恥ずかしげもなくやってのけるとは、まったく夢にも思わなかったのだ。
不意を突かれた、と言うか、なんだかこちらのほうが気恥ずかしくなってしまった。
そして、それから、不可思議な気持ちに胸が満たされた。
以前にも、同じことが、あったような気がする。
わたしは彼を見た。優しげに微笑むその顔は、今日初めて見たもののはずなのに、どうしてか懐かしさを感じる。安心感が込み上げる。
とたんに、わたしには知らないものがある、と思い出した。頭の中で、風船が破裂したような衝撃に近い。唐突なことだった。だけど、怖いとは思わない。そうじゃない。ただ、ただ、胸が詰まる。
知らないものの正体を、探りに行くように、わたしは指先を静かに伸ばした。彼の頬に触れる。知っている、この感覚。初めて、彼が表情を失くしていた。
眉間に光が走る。それに向かって手を伸ばす。掴む。
「――――征、ちゃん……?」
崩れるように、目の前で、征嗣が泣き出した。
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いい雰囲気から一変、どうなっちゃうのという場面に。
この先どうなるか気になるところですね。
あー景綱さん!
また読みにきてくださったのですね!
ありがとうございます(;´Д⊂)
短編なのですぐに終わりますが、少しの間お付き合いください♪