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しおりを挟む恋人がいるってこういう気分なんだろうか。
さきほどまでの時間を思い出しながら、ぬくもりに浸るようにベッドにごろりと寝転んだ。
あの後、お互い別々にシャワーを浴びて、すばるくんが夕飯を作ってくれたからそれを二人で食べて、手を繋いで、言葉は少なかったけど…体を寄せ合って過ごす時間は心地よくて、なんだか心が満たされていくようなそんな気持ちになった。
…これが恋人と過ごす時間ってやつなのかな。すごい勉強になる。
次の撮影は『恋人と過ごす日常』だし、これで今度のMVはきっとうまくいく。
すばるくんはすごい。やっぱり天才だな…オレが知らなかったことをしっかり教えてくれる。本当にすごい。
それに比べてオレはだめだな…
すばるくんに甘えてばっかりで。
今日だって、キスしたくてたまらなくてすばるくんに…あんな…
指で唇に触れる。
自分の指は冷たかった。
でも、すばるくんの唇は……
そこまで考えてハッと我に返る。
だめだめだめだめ…またすばるくんのこと考えてた。
いくらすばるくんとのキスが気持ちよくて、荒々しいのも嫌いじゃなかったとか、脳みそ溶けそうなくらいめちゃくちゃ良かったとか、本当は夕飯なんていらないからもっとしてたかったなんて思ったり…って、だからこの考えがだめなんだってば!!!!!
「あー…もう、オレ本当に馬鹿…」
先程の出来事を思い出してしまい、ベッドにゴロゴロとローリングしながら悶える。
いくら優しいからってすばるくんにばかり甘えるのはよくない。だって、あれは勉強で…しかもそのおかげで色々と掴めてきてるし、感謝してもし足りないくらいなのに、甘えてばかりいてはさすがに呆れられるはず。
そんなのは嫌だ。
せっかく憧れのすばるくんと同じグループになれて、メンバーとして支えあえる関係になったのに、一方的に頼ってばかりじゃただのお荷物だ。
それに、頼られたいし、支えたい。
なのに
なのに、そんな真面目な反省しているというのにオレの馬鹿な体はさっきのことを思い出して反応しちゃってる!!!!!
ばか!ほんとばか!!!
自分ですることもほとんどなくて、淡白な方なんだね~なんて渚に言われたりしていたのに、なんでこんなにムラムラしちゃうんだ!!!?
……もしや、発情期?人間にもあるの?
どうしよう。渚なら知ってるかな…教えてくれるかな。でも、笑われるのは嫌だな…恥ずかしいし。
今日は一度出したというのに、馬鹿になってしまったオレの体は下半身の大事なところがムクムクと成長してしまっている。
なんでだ。欲求不満?すばるくんと一緒に出したのに…
すばるくんの熱っぽい瞳も色っぽい息遣いもなんかすごかったなあ…
すばるくんとの出来事を鮮明に思い出してしまい、ますます熱が体に籠もる。
だめだ。もうだめだ。しょうがないけど処理しよう。
散々したキスを思い出しながら、口を開けて指を舌に触れさせる。
痺れるような甘い記憶をそこに閉じ込めていたのかわからないけど、ゾクゾクと震えるような興奮が蘇ってくる。
ズボンを下げて、下着から取り出したソレははしたなく糸をひいて待ち構えていたかのように硬くなっていた。
「ふっ…、ん」
キスを思い出して口の中を指でくちゅくちゅとしながら、反対の手で竿を上下に擦る。
一人でする時は、本当に嫌でしょうがなく処理するという感覚だったのに、今はひどく興奮している。
『ナナ』
呼んでくれる声が甘く響いていたのを脳内で再生される。それが痺れていく体にさらに甘さを与えて、心臓がうるさくなっていく。
「んっ…ぁ」
口から手を退けて、濡れた手で鈴口に触れるて、両手で自分自身を慰める。
熱い、熱い、触れられたところを体が覚えているようにゾクゾクする。
いつもはただ淡々とどうにかすることだけを考えているのに、今は全然違う。
気持ちいい
一人でしてるなんて思えないくらいに
「……っんん!!」
興奮した体が熱を放つのは容易で、すぐに白濁とした欲望が手の中にやってきた。
「はぁはぁ…っ」
あがる息を整えるために胸いっぱいに息を吸い込む。
ヤバイ。これはヤバイ。
すばるくんとのこと思い出してしちゃった…
罪悪感で頭がずーんと沈む。
なんてことを…メンバーで友達で憧れの人なのに、なんて罪を…
手についたベタベタをティッシュで拭いながら気持ちは沈んだが、鎮まっていないモノに気づく。
………まじかよ。
萎えてないオレの相棒。
「嘘だろ…なんで…」
体がおかしい。こんなことありえない。なんで?なんで、どうして??やっぱり発情期??人間にも発情期あったのか…てか、これどうやって落ち着かせたらいいんだ…?
なんか、お腹のあたりもウズウズしてきたし…え、なんか変なもん食べた?
「どうしよ…」
いっそ無になってこのまま寝てしまってもいいけど、これ仕事に影響出るんじゃ…ハッ、もしかしてすばるくんとキスしたくてたまらなかったのも発情してたせい…?
と、いうか!人間にも発情期があるならちゃんと教えて欲しかった!!!学校で習った記憶がない!あ、でもあんまり学校行ってなかったからまさかその間に習った…?
「うー…」
萎えない。
ムラムラするし、熱い。
やっぱりこれは収め方を教えてもらわないと…
すばるくんには散々世話になりっぱなしだからさすがに迷惑はもうかけられない。
渚に聞くか。
渚は色々よく知ってるし、兄貴肌だからなんだかんだ頼りやすい。渚からも頼み事をされることもあるから言いやすいし。
うん、そうだ。渚に聞こう。
オレはそう決意すると、さすがに気まずいので手を洗って、下半身がわかりにくいと思われるゆるっとした大きめのシャツに着替えてから部屋を出た。
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