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---夏目と番になる---

【14】

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「なつめ…」


俺はまだ食べてる夏目に寄りかかり頭を撫でられる。なんか頭がほわほわして寒い。季節の移目は寒かったり暑かったりでわずらわしい。


「大丈夫?熱ない?」


夏目は俺のおでこに手を当てるとそう言った。多分気のせいだろうけど夏目はバッグから体温計を探し始める。


「どうした?」


「明楽熱っぽい。ホテルに体温計忘れちゃったみたい。秀和持ってる?」


佐野は自分のバッグから体温計を出すと俺に渡した。やはり医者は持ち歩くのか?そんなはずない。二人はきっと重度の職業病なのだろう。

俺は脇に体温計を挟まれると急に頭に霧がかかりはじめ目眩がしてきた。病は気から、多分。自分で熱と気づいたら負けだ。気が滅入ってもっと酷くなる。


「なつめ、頭くらくらする」


佐野は向かいの席で正座して吊り下げられた鍋から食べていたが食べるのをやめこちらに来た。6畳ほどの個室だったの幸いし俺は体を横にされ、夏目の膝に頭を乗せる。夏目は大きなバッグの中から脈拍計、血圧計を夏目に渡した。


「明楽、口開けろ」


「あー」


佐野は自分のバッグからプラスチックに包まれた木のヘラを出すと俺のスマホの光で中を見ながらヘラで舌をおさえた。


「喉も少し腫れてるな。夏目、この数値はいつもか?」


流石に二人ともお医者様なだけあって対応が早い。佐野は初めて見る俺の血圧の低さに驚きを隠せない。低血圧は元からだからもうどうしようも無いし、脈も不安定だが体に異常はない。

慌ただしくなる中雪也くんは何も出来ないと察したのか佐野のご飯に手をつけ始める。この子まだ食べるの。佐野は咎める様子も無く『大人しくしてろ』と追加で甘いものを雪也くんに頼んだ。


「危ない状態ではないけど心配だから俺と明楽は朝イチで帰るね。」


それは申し訳ない。夏目の腰に手を回し俺は嫌がる。けど小児科の佐野が言うにはこの時期だし早めのインフルの可能性もあるから帰れだった。せっかく遊びに来たのに、大体は夏目が女の子に絡まれてめんどくさい展開しか無かった。まだ何もやってないのに…


「かぇりたくなぃ…なつめぇ、おれやだ」


「また来るから今回は帰ろう?」







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