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ーーー番外ーーー
〜幸せな夏目明楽の生活〜
しおりを挟む心地よい秋風が吹き抜ける秋、俺の旦那夏目直樹が働く職場の真逆の区画。産婦人科の病棟5066号室もゆっくりとした時の流れが少しずつ過ぎていく。こないだまで死ぬほど暑かったのにいつの間にか寒くなり始め、俺のお腹もパンパンになっていた。手を当てれば優樹の胎動が感じられ俺は思わず顔をほころばせる。
部屋に大量に置かれたベビーグッズはお義父さんのお陰でブランド物ばかりになってしまった。その息子であり俺の旦那、直樹も同じで暇さえあればマタニティーがつくものをかってくる。少し歳をとった直樹は皺のひとつも無くまだ二十代に見えると有名だ。かなり距離があるはずの病棟でもママ同士の交流は盛んに行われよく会話に「夏目先生が~」「小児科の佐野先生が~」というワードは必ず出てくるほど二人はイケメン医師らしい。もう出産を終えた雪也はひたすら家で家事に終われみるみるやつれて行く。佐野も例に漏れずいつもは雪也くんがやっている洗濯アイロンもやる暇がなく少しずつ身だしなみが崩れ、目にもくまができた。大好きなタバコもやめ、休み時間はただただ仮眠していると聞く。
「明楽、体調はどう?」
軽いノックと共に入ってきたのは白衣を脱ぎ普段着になった直樹だった。手には俺の着替えとタオル、ゼリー
「抱きついてもいいよ。今日もお疲れ様、夏目先生」
「喜んで抱きつくよ、夏目さん」
直樹の大きな胸にぎゅ、と抱かれた俺は直樹の首に腕を回し労わるように優しく背中を撫でる。闇を見れば闇もこちらを見ている、人の悲しい気持ちと向き合う直樹は人の心に触れた分だけ心を侵食されてく。それでもこの仕事を愛している直樹の姿はかっこいい。
夏目さん、ねぇ。俺はつい最近だが夏目明楽になった。半年経っても呼ばれ慣れないがとても気に入っている。だって、直樹と同じになれたからだ。
「着替えはいつもの所に入れとくからね。ゼリーはキンキンに冷えたやつ食べちゃダメだから、明楽何度言っても聞かないし。」
だってぇ…キンキンに冷えたの美味しいよね?
「わかったわかった。わかったから怒らないで!
それよりちゅーしよ」
「はぁ…もぅ、おっぱいも張ってきたね。痛くない?」
「…ん、らぃ、じょぶ。こらぃら、出してもらったから」
俺たちは互いの口の中を堪能し合いまた抱きつく。授乳のために張ってきた胸は一昨日、起きたら服の上からでも見えるほど母乳が染みていた。それを直樹に見られた俺は直ぐに隠すも、結局は直樹に吸われていた。あのいかにもえっちな触り方、好きだけど嫌いだァ!!!
「そんなに頬膨らませてどうしたの?リスみたいだよ」
「直樹が俺のおっぱい吸うから!」
応援ありがとうございます!
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みんなの感想(6件)
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誤字報告です。
13の所にお粥専門店の場面で夏目が棗になってました!
ありがとうございます!!修正入れます
はふ……///可愛すぎました!溺愛されて、幸せそうな姿がもうたまりません……///
いつか、家族エピソードも見てみたいです///
リクエストは死ぬ気で書きあげます!
これからもよろしくお願いします🙇♀️
こんにちは、作品に巡り会え感想まで頂けて幸せです。
こちらの表紙はPicrew(ピクルー)で作成したものなので自分で描いたものではありません。神絵師様が作ったパーツでキャラデザしキャラクターが作成できるというサイトです。
夏目&明楽には永久にくっついてもらいます。
また巡り会えることを祈ってます。