僕の婚約者は悪役令嬢をやりたいらしい

Ringo

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傀儡国家 ※重め内容注意

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トリスタン・モスキュート 伯爵家三男 
アーノルド・ヴィエラ   男爵家次男
コルト・モスノール    子爵家次男
リオネル・ユリネクス   男爵家四男
ミラン・シルベスト    子爵家三男



メリンダ・バークレイ侯爵令嬢の拉致、暴行の犯人として捕縛された貴族令息は5人。

罪の確定と裁きを行うのは、異例とも言える少数の人間…これは、メリンダとバークレイ侯爵家が受けてしまう醜聞と影響を最小限に抑えるため。

5人は後ろ手にされた上で、肩から足首にかけて隙間なくロープで縛り上げられて並ばされており、彼らの後ろにはそれぞれの両親が蒼白の面持ちで同じように並ばされている。


相対するのは……

国王陛下・王妃陛下・王太子殿下
宰相・法務大臣・近衛隊長
バークレイ侯爵・侯爵夫人・侯爵家嫡男
メリンダの初診を行った医師を含む医療従事者

ラシュエルは正式な王太子妃ではなくあくまでも婚約者の立場ではあるが、もうひとりの被害者でもあるアイシャとの繋がりと証言を持っているために参加を許可された。

近衛隊長がこの場にいることに驚きを示した5人ではあったが、捨て置かれたメリンダを保護したのが彼だと知り顔色を更に悪くさせる。

当時、少ない休日を利用して遠方の友人宅へ単身騎乗して出掛けていた彼は、帰り道にて倒れているボロボロの女性を発見した。

その時点で意識は朦朧として顔も酷く腫れていたが、その女性がバークレイ侯爵家のメリンダだとすぐに気付く。

メリンダは年齢を問わず女性達からの人気と支持が高く、王宮で開かれる茶会や夜会でも目立つ人物であった為である。

一目でメリンダが重症を負っていることが分かった彼は自身の上着で可能な限りメリンダの体を隠し、馬上の衝撃が最小限に抑えられるように抱き上げ駆け出した。

容態を考えれば馬車で運ぶべきとも思われたが、人通りの少ない道であったことと、何よりメリンダの状況を人目に晒すことを避けるために下した判断。

幸いなことに、そこから程遠くない場所には騎士団にも協力している医師の屋敷があることを思い出し、まずはそこでメリンダを保護してもらうように馬を走らせる。

医師の屋敷にメリンダを寝かせたのち、その足でバークレイ侯爵家に赴き事情を説明、その後すぐに国王への謁見を願い出た。

すぐに少数精鋭での調査が開始され、時期としてはその数日後にマリウスとラシュエルはアイシャから現状を聞いたことになる。

国王が調査した内容とマリウスが提出した資料を照らし合わせたことで5人の罪を確定と示し、異例とも言える早さで裁きが下されることと相成った。



***********



小説で語られる作り物の世界に入り込み、自分達の行いは正義であってメリンダこそが悪であると主張するトリスタンだが、その左右に並ぶ4人は両親と同じように顔面蒼白でガタガタと震えており、既に戦意を失った状態。

トリスタンも蒼白く震えてはいるものの、ここで罪を認めては終わりだと認識しているためか最後の足掻きをしようと声を張る。

それを止めようとする両親は逆に国王陛下に止められ、その対応に気を良くしたトリスタンは自分が間違っていないと気力を取り戻した。


「平民ながら優秀で美しいアイシャを虐め、陥れようと画策し実行していた悪女メリンダを排除すべきです!恵まれない家庭環境からの不満をアイシャに向けていたのでしょう、全くもって救いようのない女だ!」


普段から下位の者に対して傲慢な態度を取っていたトリスタンは、度々メリンダから諌められ注意を受けていたこともあり、ここぞとばかりにメリンダを糾弾する。

ベラベラと喋り続けるのを止める気配のない国王陛下。

自分の正義と存在こそ価値があると勘違いを起こしているトリスタンは気分よく喋り続けるが、それが間違いであることに気付かない。


自分達側の人間は、皆が気絶寸前であること。

相対する人間が怒りを必死で抑えていることに。


「私は伯爵家三男でありますが、悪を憎み弱き者を救う騎士道精神を強く持っております。卒業後は近衛騎士として王太子、のちの国王の側に仕える人間です。ですから、」

「もういい」


その場が崩壊するのではないかと思うほど、地を這い揺れ動かすような国王陛下の低い声が響いた。

途中から自身の売り込みに転じて王太子に熱い視線を送っていたトリスタンは、言葉を遮られたことであろうことか国王陛下をジロリと睨み付ける。

か弱き女性に暴行を働いた男から《騎士道精神》と発せられたことに、近衛隊長は青筋を幾つもたててトリスタンを睨み付けていた。


「己の罪を罪とも思わず、罪なき女性を欲望のままに傷付けたお前に王太子の側に仕える価値も権利もあるはずなかろう」

「それはっ、」

「黙れ!!」


国王陛下から発せられた怒号に、王妃を除く女性達と5人の両親はビクリと体を震えさせた。

トリスタンも、国王陛下の怒りを真っ向から受け止めたことで体の震えが止まらない。


「お前のような人間が王族に…しかも王太子や国王に侍るだと?片腹痛いわ!!」


ここにきて、国王陛下側から向けられる感情と視線の意味を正しく理解し始めたトリスタンだが、もう遅い。


「お前らに暴行を受けた令嬢の心身を保護するためにも、その存在が世に蔓延ることは許可出来ぬ。ペラペラとよく回る口で、ありもしない話を広められても迷惑なだけだからな。だが…その罪を償う為に簡単な方法として命を落とさせるのも国としては利益とならんだろう」


処刑されることは回避されたと喜色を浮かべた5人と両親…だがそれも、続く国王陛下の言葉で間違いだと知る。


「だが、令嬢の名誉を守ることを忘れてはならん。よって、お前ら5人は余計な事を喋らぬように舌を抜き、その腐った遺伝子を残さぬように男性器を切断、その上で最も過酷とされる鉱山での永久就労を命ずる。怪我や病気にかかる者も多い場所ではあるが、その治療を受けることも許可しない。もちろん…そこに勤務する専属の処理を受けることもだ」


鉱山には重罪を犯した女性が専属娼婦として存在しているが、彼らに彼女たちと接触させることは許されない。


「最も過酷な鉱山のなかでも最たる危険を孕む仕事がある…まぁ、運が良ければ半年は生き延びられるだろう。すぐに連れていけ」

「い、いやだ!俺はアイシャをっ」


愚かにも『アイシャを愛している!助けただけだ!』と泣いて叫び始めたトリスタンを含む5人には猿轡が嵌められ、屈強な男達に担がれて次々と退出していく。

残された両親達…夫人らは既に倒れているが、それを支える者はおらず許されもしていない。


「ヴィエラ男爵、ユリネクス男爵の両家は爵位返上の上で王都への立ち入りを禁ずる」


領地を持たぬ両男爵家は商売で名をあげていたが、どちらも王都での商売が出来ないとなれば生活の目処もたたなくなる。


「モスノール子爵とシルベスト子爵の両家は領地、爵位ともに返上とし同じく王都への立ち入りを禁ずる。既に嫁した娘については同罪としないが、万が一に他言するような事があれば嫁ぎ先も同罪として処することを忘れぬよう申し伝えよ」


どちらも娘がひとりずつ、既に嫁いで子供もいることから温情をかけたのは他でもないバークレイ侯爵とメリンダ。

その罪を忘れては困るが、どれだけ箝口令をしいても漏れ聞こえてくるであろう今回の事件。特に幼い子供達はこれから先で不遇の対応を受けることになる可能性もあり、それを一族の罰として受け入れることを望んだ。


「そして、モスキュート伯爵。貴様は息子が犯した愚かな行為を本人から聞き及んでいたのであろう?」

「そ、、、それは……」


調査の結果、父と息子のふたりで酒を酌み交わしながら『か弱く美しい女性を守るべく悪女を排除した』と会話が成されていたことが使用人から報告されている。

まさか、その悪女がメリンダであったことなど伯爵は知らない事実…それでも、ひとりの女性を集団で暴行凌辱するなど許されるはずがない。

初めて聞く話なのか、伯爵夫人は髪を乱しながら夫に掴みかかり、息子の鬼畜な所業を許容した夫を詰り始めた。


「あ、あなたは知っていたの!?まだっ…まだ僅か15歳の女の子をトリスタンがっ…あの悪魔がしたことを!!」

「まさかバークレイ侯爵令嬢が相手だなど知るわけがなかろう!知っていれば、」

「そう言うことじゃないわ!あなたもあの子と同じで最低の屑よ!!女性をなんだと思っているの!」


平手打ちをした夫人は、それでも行き場のない怒りから夫であるモスキュート伯爵を思い切り突き飛ばした。

本来なら国王陛下の御前で夫婦喧嘩など許されない行為ではあるが、誰一人止めることなくただ視線だけを向けている。

人前で尻餅をついた事に羞恥を覚えたモスキュート伯爵は顔を真っ赤にしながら立ち上がり、夫人の髪の毛を掴もうとしてその手を騎士に止められた。

女性に暴力を振るおうなど《騎士道精神》が許さず、隊長から目配せを受けていた部下の判断でもある。


「お、、お前のように愚鈍な女に言われる覚えはない!女は黙って男の言う通りにしていればいいのだ!女など夫の子供を孕むだけの価値しかないくせに!」

「あら…じゃぁ、わたくしの価値もそうなのね」


拘束されながらも喚き散らしていたモスキュート伯爵は、突如発せられた凛とした声に体を硬直させ、即座に震え上がる。


「わたくしも、ただ夫である国王陛下の言うことだけを聞いて子を孕むだけしか価値のない女…そう仰りたいのね?」


王妃陛下の手腕がいかなるものか…爵位を受けている者ならば知らぬわけもなく、それを持たぬ平民からも絶大なる支持を受けている最高位の女性。

極度の不快感から歪みそうになる口元を広げた扇で隠し、最大限の蔑みを視線に込めて伯爵を見やる。


「あなたのことはよく覚えているわよ。子をひとりしか生めずにいるわたくしの責を追及し、陛下に散々ぱら側妃を持つよう進言なさっておられたもの。そう言えば、その側妃候補の筆頭はあなたのご友人だったかしら?」


言外に、自分の愛人を側妃にあて国王陛下を裏で操り傀儡政権を目論んでいたと告げる。


「なっ、」

「わたくしが何も知らないと思ってらして?仮にも臣下が国のためにと望んで側妃を用意するならば、その人物を調査するのはわたくし王妃の務めなのに」


国王が側妃や愛妾を持つことになれば、それらを管理するのは正妻である王妃の役割。色と欲に溺れていたモスキュート伯爵は、それらの事実が頭から抜け落ちていた。


「お相手にと望んだのは当時子爵令嬢だったけれど、その後子爵家は横領や違法薬物の流通をしたとして没落しているわよね。ご令嬢はお元気にしているのかしら?たしかまだご結婚はされておらず…けれど、子供がふたりいるはずだわ」

「っ!!!!」

「こ…ども……?」


王妃陛下からの発言にモスキュート伯爵は言葉を失い、夫人は衝撃を受けた。

かつて、夫が夢中になっていた愛人が子爵の娘だったことを思い出し、まさか…と思考を整えようと試みるが、うまくいかずに狼狽えるばかり。

その状況を王妃は察するが、鬼畜な悪魔を育て上げた夫人にも怒りと不快感を覚えている為、追求を緩める気などない。

たとえ夫の浮気に傷付いていたからと言って、甘やかすだけの教育を施したのは夫人の罪でもある。


「あの時…あなたが彼女を側妃にと望んだ時には、既にあなたの子を宿していたのではなくて?不貞が知られることを恐れたあなたは、これ幸いにとわたくしの責を追及して自分の子を宿す女を側妃に押し上げようとした。王族への托卵は重罪よ?」


今まで黙してきた事実を述べたことで、国王は表情こそ変えないものの激しい憤りを感じている。

子がひとりしか出来なかったことで、愛妻が如何様に責められているのかは知っていた…それを慰めることしか出来ない男としての非力さに加え、悔しさも抱えている。


「ただ…あの方はそれを望まなかった。あくまでも腹の子はあなたの種であり、正妻も側妃も望んではいないと…そう言っていたわ」


嫉妬と悲しみから女性を調べあげたところで、傀儡国家に繋がる大罪を犯すような女なのかと疑問を感じた。

殆どが嫉妬から…愛する夫の子供を孕むかもしれない女に接触をはかり、その内情と心のうちを自分自身で確認したのだ。


「婚姻前からの関係だったそうね?財政が傾くあなたの家を支えるだけの資産もないことで身を引いたにも関わらず、言葉巧みに関係を続け…あろうことか王家への托卵までを目論んだ。それが成されず終わっても関係は断ち切らず、二人目が生まれたのは二年前よね?」


托卵を目論むなど大罪だが、女性の真意と未遂に終わったことから鑑みてのお咎めなし…と、王妃による独断で結論付けていた。


「彼女の罪はあなたのような屑を愚かにも愛し、子まで作ってしまったこと…そうも言っていたわ」


愛人は、その責を負うとして既に王都から姿を消している。認知もされていない子供達を連れ、辺境の地でやり直すだけの温情を王妃はかけた。

モスキュート伯爵は愛人との間にふたり、夫人との間に5人の子供を作ったにも関わらず、毎日のように娼婦を相手していた色欲魔。


「モスキュート伯爵……領地と爵位を返上させ、家族に対する処遇はその他と同様とする。そして…息子の所業を知っていたにも関わらずに親として諌めるどころか、男として立派だなどと褒めそやしていたそうだな。男たるもの女を侍らせ、子を生ませることに意義があると」


伯爵家に勤める者からの報告には、伯爵が若き頃から数多の女性使用人が性的被害にあっていたのだとあった。

権力に握り潰され、訴えを起こせなかった者達が多すぎる。


「貴様がこれまでに暴行や凌辱を働いた者達からの訴えを幾つも受けておる。その罪は重く、また精査するにも時間はかかる故…地下労へ連れていけ」

「なっ!私は貴族だ!」

「王家への托卵を目論むような大罪人にかける温情などない。地下牢でも甘いくらいだ」

「やっやめろ!俺を誰だとっ」


息子と同じように猿轡をされて連れていかれる伯爵。夫人はその後ろ姿を見ながら、力なくその場に座り込んだ。


「モスキュート伯爵夫人、そなたは逆らえなかっとは言え被害を受けた女性をそのままに捨て置いた罪がある。それらの精査もあるため、そなたは一般牢での収容とする」


たとえ同意なき行為だとしても、夫に求められる女達に激しい嫉妬を覚えて被害者を冷たく捨て置いていた夫人。

実家の資産によって手に入れた男に愛されることを望み、5人も子を儲けたのはその証とも信じていたのだ…ただの色欲だとは思わずに。

色欲に溺れる伯爵にとっては、避妊や妊娠を心配することなく行為に没頭できる《妻》と言う存在は、ある意味重要だったのだ。

本来なら続けざまに妊娠することは女性の体に負担をかけることなのに、夫人は結婚してから常に子を孕み続けていた。

おさまらない欲をぶつけられるのは妊娠中も変わらず、そのせいで流れた子もいる…それなのに、夫人は体を重ねる事だけでしか愛情を確認できなかったのだ。

子供が5人なのは、それ以上子を宿せない体となったから。そして、夫はそれを悲しむどころか『無駄に金の掛かる子供も増えず幸いだ』とばかりに夫人の体を求めることとなった。

そして、増える営みを愛情なのだと疑うことなく受け入れていた夫人…そのような歪んだ関係性に気付くのは、使用人のみであったという。







こうして、5人とその家族に対しての断罪は終了した。








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