僕の婚約者は悪役令嬢をやりたいらしい

Ringo

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【大人風味】結婚式と初夜

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夜明けはどんより雲に覆われていた空が、スパンッと晴れて今は一面青空。

花嫁姿は式が始まるまで見られないのだと言われ、今か今かと祭壇の前で扉を見ているのだが、落ち着きなさいと司祭から注意を受けた。


ポーン─────


花嫁が扉前に到着したことを知らせるオルガンの音が鳴り響き、ゆっくりと開く扉の向こうに逆行に照らされたラシュエルが姿を現した。


「ラシュエル…」


真っ白な生地で仕立てられたドレスは、ラシュエルの体のラインに添って作られており…普段は隠せている箇所がまざまざと露になっているせいで、男性たちが喉を鳴らしているのが分かる。どうしよう、怒りが沸きそうだ。

それでも、ラシュエルが纏うドレスは銀糸とスカイブルーの糸で精巧な刺繍が施されており、それはベールも手袋も同様だった。

…むしろ白のままである箇所の方が少ないんじゃないかと思えるほど、全体的に刺繍されている。


(とんでもない独占欲だ)


どんなデザインなのかは当日のお楽しみだからと教えて貰えなかったが、これは…抑えきれない笑みが溢れてしまう。


(今日くらいいいよね)


念願の結婚式に、愛しい花嫁が独占欲全開で臨んでいるのだから僕だって全力で応えたい。

そんな僕のタキシードも独占欲を全開にしたもので、白い生地が埋め尽くされるほどの刺繍が施されている。使用した淡い色合いの金糸とピンクゴールドの糸はもちろんラシュエルの色。

打ち合わせたわけでもないのにこれなのだから、本当に僕達は似た者同士だ。


「殿下…宜しくお願いしますよ」


こんな時まで圧力をかけてくる公爵義父に苦笑してしまうけれど、逆の立場なら確かにそうなるかと頷いた。


「必ず幸せにします。おいで、ラシュエル」

「はい」


少し緊張している感じの声は可愛くて、小さく震えている手を優しく握って祭壇へと並び立つ。



『らしゅえる・のびえりゃともうします』


まだ舌ったらずだった君は、初めて会った時から天使のごとく可愛らしくて僕の心を掴んで離さない。あの日から僕は、ずっと君に恋している。


『らしゅえる、きすしよう』


おしゃまさんだった君はキスが何かを知っていたし、ポッと頬を染める姿が可愛らしくて…つい深めてしまったり長引いたりしては周りの大人に怒られたっけ。


『マリウスさまのおよめさんになるのはラシュエルなのよ。だからほかの女の子となかよくしないで。おはなしもしないで』


少し成長してからは、分かりやすく嫉妬したり束縛してきたりしたけれど、泣きそうになりながら耐えている君を見るのも実は結構好きだった。

妙な小説に感化されて悪役令嬢になろうとしたり、なりきれなくて自己嫌悪に陥ったり…そのどれもが僕を愛する故なのだから愛しくて仕方ない。どこまで僕を夢中にさせるんだろう。

殺すまで傍に居て…なんてふざけた願いにも、君は満面の笑みで応えてくれた。


「───誓いますか?」

「はい、誓います」

「ラシュエル・ノビエラ───」


この宣誓が終われば、指輪の交換と誓いの口付けをしてふたりで退場…そのあとはパーティーまで少しの休息…理性を失わないようにしなければ。


「───誓いますか?」

「はい、誓います」

「では、指輪の交換と誓いの口付けを」


この日のために、ふたりでデザインを相談して作成してもらった夫婦の指輪。

この国では夫婦の証として指輪をする習慣は無かったけれど、異国の風習を耳にしたラシュエルが自分達もやりたいと強請ってきた。

もちろん、ラシュエルとお揃いなんて僕は嬉しいだけだから反対なんてしなかったよ。

ラシュエルの細い指には、既に婚約祝いで贈っていた大きなアクアマリンの指輪が嵌められていて、ふたりで揃えた結婚指輪はそれに重ね付けするらしい。

今までにない【指輪の交換】を目にする参列者達が何事かと興味深く見ているから、きっと今後の流行りとなるだろう。

自分のゴツゴツとした指に細い指輪が嵌められて、なんだか擽ったい。シンプルな銀色の輪っかに見えて、内側にこっそりピンクサファイアが埋め込まれている。

そして、ラシュエルの指輪の内側にはアクアマリン…ふたりだけの秘密だ。


「……っ…」


ベール越しにも、嵌められた指輪に感動しているのが分かる。ポタッ…ポタッ…と落ちているのは涙なんだろうけれど、君の泣き顔は男を煽るからベールをあげたくないなぁ。

それでも君との口付けを見せつけたいから、意を決してベールをあげる。


「……っ…」


今度は僕が泣きそうになった。


「ラシュエル…綺麗だ……」


準備があるからと三日前から部屋を別にされ、肌をまっさらにする為だからと赤い花を散らすことは二週間前から禁じられた。

だけどその我慢も今日まで。


「ラシュエル…僕の可愛い奥さん」

「マリウス…わたくしの素敵な旦那様」




愛してる。死ぬまで…死んでからも離さない。





******





コンコン──


「入っていいよ」


ラシュエルとの初夜に向けてリニューアルした王太子夫妻用の部屋…の王太子用居室兼執務室に備わっている浴室で身を清め準備をしていると、珍しく恐縮した様子のサミュエルが入ってきた。


「悪い…こんな時に……」

「いや、ラシュエルの憂いとなるものは早急に排除すべきだからね。問題はないよ」

「教会に侵入しようとしていたシェラトン伯爵令嬢はその場で捕縛。その旨を伯爵家に通達したところ直ちに除籍申請が行われました。二日後には貴族籍から抜かれる為、既に扱いも平民として対応しており貴族牢から地下牢へと移動済みです」

「そう…じゃぁ、一週間後くらいに会いに行くからそれまで生かしておいて」

「御意……頑張れよ」


まったく…コロコロと口調も変えて器用だな。


「言われなくとも」

「じゃぁ、一週間後に」


そうは言ってもサミュエルはゆっくり休んだりなんてしないんだろうけれど。

さてさて。


コン──コン───


初めて過ごす王太子夫妻用の寝室の扉を叩き、向こうで待っているであろうラシュエルの姿を想像しながらゆっくりと開いていく。

もう既に薄暗く調整された部屋…寝台の淵にちょこんと腰かけているラシュエルを見つけ、思わず駆け出しそうになるのを抑えた。


「……お待たせ」


近付いてラシュエルの髪に指を通せば、するすると肌触りよく滑り落ちていく。上目遣いでこちらを見る様子に耐えきれなくなり、予定していた流れなどぶっ飛んでそのまま押し倒した。


「っ、、ふっ、んんっ……」


荒く漏れる息遣いは果たしてどちらのものなのか、そんな風にどうでもいい事を考えないと理性など木っ端微塵になりそうで…


「んっ、、まって──」

「いやだ」

「ちが、、んんっ……マリウス!!」


思いの外強い力で押し返され、最早塵屑ほどしか残っていなかった理性を繋ぎ止める。


「夜着っ…これ……見て欲しくて…」


あぁ、そうだった…これを着るラシュエルを見たくて贈ったのに、危うく破り捨てるところだった。アブナイ、アブナイ。

だがしかし。僕の息子は超臨戦態勢で待機しており、夢にまで見たラシュエルの【初夜用夜着】姿を見てプッツンしそうな気がする。


「ユリフィナ様がね、宝石を縫う糸すべてを銀糸にしてくださったの。ね?よく見ると分かるでしょう?ここはね───」


…どうしよう。楽しそうに話すラシュエルは可愛いのだけれど、それはそれとしてもう破り捨てたいと思えてきてしまった。

だって脱いでしまえば関係ないだろう?

あれ?初夜ってもっと甘くて蕩けたものじゃないんだっけ?こんなに普段通りみたいな会話が繰り広げられるものなの?僕の息子…マリはヨダレまで垂らしっぱなしなのに。


「それでね…マリウス、ここの紐解いてみて?」


ぶっ飛びそうな理性を必死で掴みつつ、膝立ちになったラシュエルに言われるがまま、向かい合って言葉すら発せずにただただ指示通り胸元にある結び目を解いてみると……


ハラリ────


と夜着の前部分が大胆に開き、刺繍と宝石で絶妙に隠されていた胸の尖りが露になって……


「次…肩の紐……」


またも言われるがまま、ただし視線は豊満な胸元に釘付けとなったままで…


パサリ───


夜着が滑り落ちて全てが露になったラシュエルは、いつもついている僕の印なんて一つもなく、薄暗いのに何故か光輝いて見えて…使用人達に特別な褒美を与えたくなった。


「ラシュエル…僕の女神……」

「マリウス…優しく……でもたくさん愛してね」

「もちろんだ」


そのまま組み敷いて、好き放題全身に口付け舐め回して…消えてしまった分を取り戻す勢いであちらこちらに赤い花を散らし…もう何度も口付けてきたはずの秘所も夢中になって舐め啜り…我に返った時にはラシュエルが気を失っていて、それが達しすぎたせいだと分かるまでワタワタしながらひとり冷や汗をかいた。


「ん…」

「っ…ラシュエルっ!」


暫くして目覚めたラシュエルに『気持ち良すぎて意識が飛んだ』と言われた瞬間、もう辛抱たまらん!と小マリの先端をラシュエルの秘口にペタッとくっつけてみれば、キラキラうるうると目を潤ませ輝かせている愛しい人。

僕との関係を心の底から望んでくれているのが分かって、僕の心も幸せで満たされていく。

どんな困難もラシュエルとなら乗り越えられる。

どんな苦しみもラシュエルとなら取り除ける。


「ラシュエル…僕と結婚してくれてありがとう」


今まではほんの少ししか入れなかったけれど、漸く君の奥まで思う存分飛び込むことができる。


「っ、、いたっ、い、、」

「ラシュエル…っ」


君を守り続けていた壁も突き破り、痛いと訴えて泣く姿すら愛おしい。


「ラシュエル…」


痛みに耐えるべくしがみつく君が可愛くて…小マリがぎゅうぎゅうに締め付けられる痛みなんか…ちょっとツラい。


「ラシュエル…僕の可愛い奥さん」


気を逸らしたくて優しい口付けを繰り返せば、少しずつ強い締め付けが解れて心地好いものへと変化していく。これはこれで…ヤバい。


「マリウス…大好き」

「っ……っ、、」

「愛してる…もっとぎゅってして」

「っ、、ちょ…っ……」


うねうねと気持ちいい…なんて快感に耽っていたら、ラシュエルが何か言うたびにきゅうっと優しく締め付けられて…モタナイ。


「ラシュエル…っ」


……なんてことだ。一生の不覚。


「マリウス…あったかい……」


気付かれた。


「ふふっ…私の中は気持ちいい?」

「……物凄く」

「まだまだ愛してくれる?」

「……何度でも」


ラシュエルの優しさに救われて、暴発は初めてならではのうっかりで誤魔化せた。決して僕が早漏なわけではない!疑似の時はもっとこう!!

だってラシュエルの中は気持ち良すぎる!


「愛してる…いっぱい子供作ろうね」

「マリウスに似た男の子がいいわ」

「僕はラシュエル似の女の子がいい」


銀髪を持とうが持たなかろうが構わない。こんな幸せな気持ち、ラシュエルとしか叶わないから。


愛してる。





******




ぼんやりと目が覚めて、一番最初に感じるのが愛する人の体温であり静かな寝息であることが嬉しくて仕方ない。こんなに幸せでいいのだろうか。


「…ラシュエル」


ラシュエルの中に埋め込んだまま寝て、今も変わらず居座っている…僕達はなんと寝相がいいのだろう。そんなことも嬉しくて、ムクムクと小マリも反応してしまった。


「んん……」


後ろから抱き締めているから、ラシュエルがどんな顔をしているのか分からないけど…まだ寝てる?それにしては中がうねうねと…っ


「ラシュエルっ…」


この一晩で何度呼んだか分からない可愛い名前。


「ラシュエル…っ…はっ、、ん…っ……」


どうしよう。一週間で終わらせるなんて出来ない。延長可能?少しくらいしらばっくれても平気なんじゃない?ダメだって言われたら…ラシュエルも同じ執務室に滞在させる?そうすれば気の向くまま……


「ん…マリウス?あっ、、」


はうっ!ゆるゆる楽しんでいたのに、ラシュエルが起きた瞬間に強い締め付けに!!


「ごめんっ、、」


そこからはもう無我夢中。一晩で何度も馴染ませたとは言え純潔を散らしたばかりのラシュエルに無理をさせてしま…っ……た?


「もうっ…ちゃんと起こしてくれればいいのに」

「あぅ…ごめん……その……」


あれ?聞いた話によると初夜の翌日って多分に漏れずクタクタになっているはずなのに…何故ラシュエルはこんなにも元気?もしかして僕の力不足?技術不足?独りよがり?


「マリウス…お風呂に入りたい」

「あっ、うん」


純潔を散らした証のシーツは渡してあるし、眠る前に一応体は拭いたけどスッキリしたいよね。お腹もすいたから何か食べたいし。


「お風呂は準備されてるから行こう」

「うん…」


ん?両手広げてどうした?


「立てない…抱っこして」

「っ!!」


抱き上げて浴室に連れていき、試しに立たせてみようとおろしたらカクンと崩れ落ちそうになり、涙目で非難してくるので慌てて抱き上げ直した。

その時の僕は自分でも分かるくらいに顔がにやけてしまい、膝の上に乗せて丁寧に洗ってあげて、移動はすべて横抱きの特別待遇。


「落とさないでね」

「落とすわけない。むしろこれからも移動は僕が必ず抱いて歩きたいくらいだ」

「…ほかの女の子にはしないでね」

「瀕死でもしない」


我ながらクズだと思うけれど、本当にそう思うのだから仕方ない。


「お腹すいたでしょ?何か食べてもう少し寝よう。まだまだ時間はたっぷりあるしね」



それからの一週間は見事にベッドの上で過ごし、降りるのは湯浴みする時くらいだった。

結局勝手に三日ほど延長したのだけど咎められることもなく、こうなることを見越して対応されていたのだと、執務に復帰して知ることとなった。




ちなみにの小話───


『いい?ラシュエル。もしもマリウスが興奮のあまりした時にはこう言いなさい』


“私の中は気持ちいい?”


絶倫溺愛夫を持つ先輩の助言は確実に活きました





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