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第二部
25,宰相の仕事〔3〕
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もう一つ、宰相の仕事として厄介だなと思ったのはアポロ教会との交渉である。
アポロ教会は世界で最も広く信仰者のいる教会で、別にヒトはサルから進化したという種の起源の話を否定するわけでもないが、創世神話というのはある。
ただ、そこからアダムとイブが、みたいな話もないし、インテリジェント・デザインと呼ばれる、世界が神ではなく「知性ある何か」によって設計されている、みたいな考えでもない。
チャールズ・ダーウィンの有名な『種の起源』、その中でよく知られている「進化論」と呼ばれる考え方は、宗教的な理由で海外では教えられていない地域がある。宗教の教義と科学的知見との整合性の問題である。インテリジェント・デザインは、神ではなく「知性ある何か」にスライドさせていき、進化論の考え方を学ぶという実情がある。
しかし、サル以外から進化したと思しき人間がいるというのがこの世界の不思議なところである。
ヒトという種は動物界・脊椎動物門・哺乳網・霊長目・ヒト科・ヒト属のヒトである。
ヒトやサルたちの先祖は白亜紀終わりの原始食虫類まで遡る。
この原始食虫類は胎盤を持つ全ての哺乳類の先祖であり、ツパイと呼ばれる動物に似ており、ネズミくらいの大きさの生き物である。ツパイはキネズミ、リスモドキとも呼ばれる。
そこからキツネザルなどへと進化をして、木の上で生活をすることが多かったようだが、さらに多様に進化していったのが霊長類である。
しかし、この世界のヒトはどこまで共通の祖先を同定できるのかが怪しいし、髪の毛や瞳、それ以外の身体能力や魔法使用時の疲労などに鑑みれば、どこかの段階で何らかの飛躍や特別な進化を促すような手、つまりインテリジェント・デザインのような介入があったと仮定した方がいいような気もする。
このことの証左として、長さや時間、質量などの物理量を示す単位が地球と酷似しているという事実がある。いったい誰が言い出したのか、謎に包まれている。
今では違うが、メートルは「地球の子午線の赤道から北極までの長さの1000万分の1」だった。驚くべきことにこの世界にもこれと同じ長さの単位がある。
しかし、この世界にはバラード王国のある大陸以外にも大陸はあるのだが、未開、未調査の大陸ばかりである。計量や測量から割り出した単位ではないはずだ。ひゅっと天下りのようにやってきた単位である。
もしかしてこの星は小さいのかというとそうでもない。
1年間が365日、1日が24時間というのは、どれほどの奇跡的な確率であるものだろうか。
私のいた地球を、太陽系を、銀河系を元にした世界にいくつかのアレンジを加えたのがこの世界である、今はそう判断するしかない。サイエンス・フィクションの世界である。
ところで、「ヒトと霊長類」あるいは「人間と霊長類」という並べ方や表現には問題がある。
以前に生物学者の講演を聴いたことがあるのだが、その学者は「『人間と動物』という言い方はおかしい。正確には『人間と人間以外の動物』である」と述べていた。
妻も一緒に聴いていたのだが、「そういう表現が蔓延しているってことは人間があらゆる動物よりも優れているという無意識の思い込みがある」ということだった。
いろいろと考えることは多いが、とりあえずこの世界では神々が世界を作ったと言われる。
ただ、アポロ教会はとりわけ光の大精霊と光の精霊を強く信仰しており、それと契約して力を持った「聖女」をあがめ奉るということをやっている。
私はその光魔法の効果を見たことはないが、同じ魔法でも土の精霊や水の精霊だけでも信仰するに足るものがあると思う。けれど、アポロ教はなぜか光の精霊たちを重視して祀る。アポロ教会から離れれば、土や風の精霊を祀る部族もいる。
国家とアポロ教との対立もあって、聖女をどう丸め込んで抱え込むか、そういうことを互いにやってきていた。
酷い話があって、これはもう過去の話だが、教会内に聖女を閉じ込めて外の世界に出さない、そういう歴史があったという。もちろん、これは教会の人間が言ったわけではなく当時の噂の域である。
教会は国を越えた大きな組織だが、さすがに全国家と対立するほどの力もなく、聖女の扱い方については無茶なことはしてはいけない、ということになっている。
だが、それが本当に守られるのか怪しいと思う。この疑念は私だけではなく、何人かの人間もそう考えている節がある。
実際に教会には聖女はいたし、かつては別の国には教会ではなく国家が聖女を大々的にアピールしていたという。だから、光の精霊と契約した者は命の危機から誰にも言わないということもあるようだ。
風の精霊と契約している護衛のハートでさえ待遇が酷かったが、一般に光の精霊以外の精霊と契約したという事実だけではあまり重視されないのだろう。
その肝心の聖女だが、光の精霊と契約したら光魔法が使えるくらいで、浄化効果のある奇妙な魔法もあるのだが、治癒魔法は限りなく上級ポーションに近い中級ポーションほどの効果である、と言われている。
中級と上級の効果が今ひとつわからないが、集めた情報によれば、通常酷い肉体の損傷、たとえば四肢がもげたりした場合、生えてくることはない。
が、もげた腕や脚を胴体にくっつけた状態で中級なり上級ポーションを呑むと、くっつくようだ。
中級と上級との違いはその後遺症の有無にあるのかどうか、それは未検証だが、確かにこういうのがあるだけで随分と怪我人の治療は楽になる。
ただ、破損した部位の消毒なり殺菌がないままにくっつけるというのはかなり危ないように思う。だからなのか、そういう酷い怪我から癒えてすぐに動けるようになって魔物を討伐して危機回避ができるが、それから数日間はぐったりとするらしい。よく死ななかったなと思う。
そしてこれは検証もできないしすることもないだろうから一つの思考実験なのだが、たとえば一瞬だけ首と胴体とが切り裂かれて二つに分かれたとしても、その瞬間は死ではない、と思う。
「火は熱い」という表現はよく耳にする。常識である。
だから、「火は熱くない」と言う人がいたら、よほどのやせ我慢か、すでに違う世界の扉を開いているか、「火」「熱い」などの言葉の意味を知らない人だろう。
だが、「火は熱くない」と言える時もある。
たとえば、一瞬だけ火の中に手を入れてもそれは熱いと感じない。この意味ではその瞬間瞬間は「火は熱くない」。
感じる火の熱さは高速に動く原子や分子の動きと関係があって、触れた時間に比例して熱いと感じる。
氷の場合は逆である。動きが鈍い。
温度というのはこうした粒子の動きの平均の熱エネルギーである。
そして、原子や分子などの動きである熱運動が停止する理論上の温度が一般に絶対零度と呼ばれ、およそ-273℃である。正確には273.15℃である。
だから、上限はないが下限はある。10000℃はありえても、-10000℃はありえないのである。
現代音楽のピアノ曲、ジョン・ケージの「4分33秒」は273秒であり、しかもピアノを弾かないことは有名である。その沈黙状態は絶対零度環境の比喩であり、その沈黙に観客がどう反応をするのかを楽しむわけである。
原子や分子である観客が絶対零度環境で、沈黙を破って反応するということが一種の矛盾である。この曲名については妻に教えてもらった。
しかし、これは古典力学の話で、素粒子や電子などの微視的な世界の現象を研究する量子力学では矛盾しない。零点振動と言って、停止はしないのである。
通常ならば考えられないが、私はこの世界の魔法という現象は量子論の立場から考えてみてもいいのではないかと密かに思っている。
そういえば、昔は飲み会で煙草の火を指で消すのをやっていた若者たちもいた。失敗して火傷をしている者もいた。熱かっただろう。
さて、その死をどう定義するかは難しいが、心臓が止まるか、脳を損傷するか、あるいは別の魂なるものを想定してそれが傷ついて肉体から離れるか、いくつかある。
首と胴体が離れた瞬間、おそらく数秒は生きていると見なしたならば、その数秒以内に上級ポーションを首部分の顔の口か、胴体の首の部分から流し入れ、すぐに首と胴体をくっつけた場合はどうなるのか。試せないが、興味は湧く。興味は湧くが、そんな状況は訪れないでほしいものである。
アポロ教会は世界で最も広く信仰者のいる教会で、別にヒトはサルから進化したという種の起源の話を否定するわけでもないが、創世神話というのはある。
ただ、そこからアダムとイブが、みたいな話もないし、インテリジェント・デザインと呼ばれる、世界が神ではなく「知性ある何か」によって設計されている、みたいな考えでもない。
チャールズ・ダーウィンの有名な『種の起源』、その中でよく知られている「進化論」と呼ばれる考え方は、宗教的な理由で海外では教えられていない地域がある。宗教の教義と科学的知見との整合性の問題である。インテリジェント・デザインは、神ではなく「知性ある何か」にスライドさせていき、進化論の考え方を学ぶという実情がある。
しかし、サル以外から進化したと思しき人間がいるというのがこの世界の不思議なところである。
ヒトという種は動物界・脊椎動物門・哺乳網・霊長目・ヒト科・ヒト属のヒトである。
ヒトやサルたちの先祖は白亜紀終わりの原始食虫類まで遡る。
この原始食虫類は胎盤を持つ全ての哺乳類の先祖であり、ツパイと呼ばれる動物に似ており、ネズミくらいの大きさの生き物である。ツパイはキネズミ、リスモドキとも呼ばれる。
そこからキツネザルなどへと進化をして、木の上で生活をすることが多かったようだが、さらに多様に進化していったのが霊長類である。
しかし、この世界のヒトはどこまで共通の祖先を同定できるのかが怪しいし、髪の毛や瞳、それ以外の身体能力や魔法使用時の疲労などに鑑みれば、どこかの段階で何らかの飛躍や特別な進化を促すような手、つまりインテリジェント・デザインのような介入があったと仮定した方がいいような気もする。
このことの証左として、長さや時間、質量などの物理量を示す単位が地球と酷似しているという事実がある。いったい誰が言い出したのか、謎に包まれている。
今では違うが、メートルは「地球の子午線の赤道から北極までの長さの1000万分の1」だった。驚くべきことにこの世界にもこれと同じ長さの単位がある。
しかし、この世界にはバラード王国のある大陸以外にも大陸はあるのだが、未開、未調査の大陸ばかりである。計量や測量から割り出した単位ではないはずだ。ひゅっと天下りのようにやってきた単位である。
もしかしてこの星は小さいのかというとそうでもない。
1年間が365日、1日が24時間というのは、どれほどの奇跡的な確率であるものだろうか。
私のいた地球を、太陽系を、銀河系を元にした世界にいくつかのアレンジを加えたのがこの世界である、今はそう判断するしかない。サイエンス・フィクションの世界である。
ところで、「ヒトと霊長類」あるいは「人間と霊長類」という並べ方や表現には問題がある。
以前に生物学者の講演を聴いたことがあるのだが、その学者は「『人間と動物』という言い方はおかしい。正確には『人間と人間以外の動物』である」と述べていた。
妻も一緒に聴いていたのだが、「そういう表現が蔓延しているってことは人間があらゆる動物よりも優れているという無意識の思い込みがある」ということだった。
いろいろと考えることは多いが、とりあえずこの世界では神々が世界を作ったと言われる。
ただ、アポロ教会はとりわけ光の大精霊と光の精霊を強く信仰しており、それと契約して力を持った「聖女」をあがめ奉るということをやっている。
私はその光魔法の効果を見たことはないが、同じ魔法でも土の精霊や水の精霊だけでも信仰するに足るものがあると思う。けれど、アポロ教はなぜか光の精霊たちを重視して祀る。アポロ教会から離れれば、土や風の精霊を祀る部族もいる。
国家とアポロ教との対立もあって、聖女をどう丸め込んで抱え込むか、そういうことを互いにやってきていた。
酷い話があって、これはもう過去の話だが、教会内に聖女を閉じ込めて外の世界に出さない、そういう歴史があったという。もちろん、これは教会の人間が言ったわけではなく当時の噂の域である。
教会は国を越えた大きな組織だが、さすがに全国家と対立するほどの力もなく、聖女の扱い方については無茶なことはしてはいけない、ということになっている。
だが、それが本当に守られるのか怪しいと思う。この疑念は私だけではなく、何人かの人間もそう考えている節がある。
実際に教会には聖女はいたし、かつては別の国には教会ではなく国家が聖女を大々的にアピールしていたという。だから、光の精霊と契約した者は命の危機から誰にも言わないということもあるようだ。
風の精霊と契約している護衛のハートでさえ待遇が酷かったが、一般に光の精霊以外の精霊と契約したという事実だけではあまり重視されないのだろう。
その肝心の聖女だが、光の精霊と契約したら光魔法が使えるくらいで、浄化効果のある奇妙な魔法もあるのだが、治癒魔法は限りなく上級ポーションに近い中級ポーションほどの効果である、と言われている。
中級と上級の効果が今ひとつわからないが、集めた情報によれば、通常酷い肉体の損傷、たとえば四肢がもげたりした場合、生えてくることはない。
が、もげた腕や脚を胴体にくっつけた状態で中級なり上級ポーションを呑むと、くっつくようだ。
中級と上級との違いはその後遺症の有無にあるのかどうか、それは未検証だが、確かにこういうのがあるだけで随分と怪我人の治療は楽になる。
ただ、破損した部位の消毒なり殺菌がないままにくっつけるというのはかなり危ないように思う。だからなのか、そういう酷い怪我から癒えてすぐに動けるようになって魔物を討伐して危機回避ができるが、それから数日間はぐったりとするらしい。よく死ななかったなと思う。
そしてこれは検証もできないしすることもないだろうから一つの思考実験なのだが、たとえば一瞬だけ首と胴体とが切り裂かれて二つに分かれたとしても、その瞬間は死ではない、と思う。
「火は熱い」という表現はよく耳にする。常識である。
だから、「火は熱くない」と言う人がいたら、よほどのやせ我慢か、すでに違う世界の扉を開いているか、「火」「熱い」などの言葉の意味を知らない人だろう。
だが、「火は熱くない」と言える時もある。
たとえば、一瞬だけ火の中に手を入れてもそれは熱いと感じない。この意味ではその瞬間瞬間は「火は熱くない」。
感じる火の熱さは高速に動く原子や分子の動きと関係があって、触れた時間に比例して熱いと感じる。
氷の場合は逆である。動きが鈍い。
温度というのはこうした粒子の動きの平均の熱エネルギーである。
そして、原子や分子などの動きである熱運動が停止する理論上の温度が一般に絶対零度と呼ばれ、およそ-273℃である。正確には273.15℃である。
だから、上限はないが下限はある。10000℃はありえても、-10000℃はありえないのである。
現代音楽のピアノ曲、ジョン・ケージの「4分33秒」は273秒であり、しかもピアノを弾かないことは有名である。その沈黙状態は絶対零度環境の比喩であり、その沈黙に観客がどう反応をするのかを楽しむわけである。
原子や分子である観客が絶対零度環境で、沈黙を破って反応するということが一種の矛盾である。この曲名については妻に教えてもらった。
しかし、これは古典力学の話で、素粒子や電子などの微視的な世界の現象を研究する量子力学では矛盾しない。零点振動と言って、停止はしないのである。
通常ならば考えられないが、私はこの世界の魔法という現象は量子論の立場から考えてみてもいいのではないかと密かに思っている。
そういえば、昔は飲み会で煙草の火を指で消すのをやっていた若者たちもいた。失敗して火傷をしている者もいた。熱かっただろう。
さて、その死をどう定義するかは難しいが、心臓が止まるか、脳を損傷するか、あるいは別の魂なるものを想定してそれが傷ついて肉体から離れるか、いくつかある。
首と胴体が離れた瞬間、おそらく数秒は生きていると見なしたならば、その数秒以内に上級ポーションを首部分の顔の口か、胴体の首の部分から流し入れ、すぐに首と胴体をくっつけた場合はどうなるのか。試せないが、興味は湧く。興味は湧くが、そんな状況は訪れないでほしいものである。
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