吸血鬼のお宿~異世界転生して吸血鬼のダンジョンマスターになった男が宿屋運営する話~

夜光虫

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六章

宿泊者名簿No.19 転生者マミヤ4/7(我が世の春)

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 百螺吹――彼女のことは、この世界ではスイと呼んでいる。だからこれからはそう表記することにしよう。

 スイを監禁すること数ヶ月。彼女はついに完全に屈服するようになった。

 混乱ポーションやスキル【幻唱】の必要もなく、僕の言うことを聞くようになった。それを確認した僕は、調教の仕上げ段階に入ることにした。

「スイ。ダンジョンマスターとしての権利の放棄を宣言しろ。そして僕の眷属となるんだ」

 ダンジョンマスターとしての権利を放棄する宣言。

 それは転生者にとって最大の権益の喪失を意味する。ダンジョンを作る能力、眷属を生み出す能力、眷属契約を結ぶ能力、ショップ機能が使えること、バッドスキルを受けない特権――それらを全て放棄するということだ。

 つまり、この世界に同化して一般人(正確には一魔物であるが)になるということである。

 普通は死んでもその権利を手放さないだろうが、僕に裏切られて心が折れたスイは、簡単にその権利を手放すことになった。スイは能面のような表情で言うことを聞くだけだった。

「……わかりました」

 スイは迷うこともなく宣言の準備に取り掛かった。メニューコマンドを開き、複雑な諸手続きを進める。

 ゲームアカウントを削除する時のように、何度も確認を繰り返しているようだった。

「……私、百螺吹はここに、ダンジョンマスターとしての全ての権利の放棄を宣言します」

 スイの心からの宣言により、その宣言は神によって有効とみなされる。彼女の心臓付近がピカリと光る。ダンジョンマスターの力の失効に伴う特別な効果光らしい。

「そして、私、百螺吹はマミヤ様の眷属となることをここに誓います」

 それからスイは眷属契約の手続きに入った。僕の眷属になることを宣言し、僕の手の甲にキスをした。

 程なくして、彼女の腕に僕の眷属の証である紋様が浮かび上がった。

 調教完了だ。これでスイは完全なる僕の駒となった。マスター命令を使えば何でも言うことを聞く。裏切られることもない。最高の関係が築けた。

「スイ、これからはもう酷いことは何もしないよ。一緒に僕たちの楽園を作り上げていこうじゃないか」
「はい。マミヤ先輩」

 こうして僕とスイは心から信頼し合えるパートナーとなった。転生してから一年が過ぎた頃の話だ。

 島を支配することができた。スイも手に入れることができた。次なる目標に向けて動き出す時が来た。

(さあいよいよ人間の領土に足を踏み入れるとしようか)

 いよいよ海の向こうに見えるイティーバなる町に向かおうと思った。だがそれには元手になるものが必要だ。

 だから僕たちはまず沖を通る漁船などを襲うことにした。漁船襲撃でさらなる力をつけつつ、通貨を得ようと考えたのだ。

――経験により、スキル【水泳】を取得した。

「なるほど。DMを消費して覚える以外にもスキルを得る方法はあるのだな」

 漁船を襲う前に、十分な予行演習を積む。流れの早い沖で泳ぎを繰り返すことで多種多様なスキルを身に着けることができた。

 部下のマーマンたちにも訓練を施して習得させていく。DMを消費してスキルを身に着けさせるよりも手間がかかるが、その分貴重なDMを消費しなくて済む。

「かかれッ!」

 部下たちを鍛え、それなりに戦闘に耐えうると判断した後、漁船襲撃計画を実行に移した。

「なんだ!?」
「マーマンだぞ! マーマンが襲ってきた!」
「こんなに大量かよ!?」
「ぐわああッ!?」

 十分な予行演習を積んだこともあり、計画は予想以上に上手くいった。僕たちは船乗りたちを一人残らず抹殺すると、船にある物資を根こそぎ頂いていった。

「フハハ、順調だな」

 しばらく漁船襲撃を続け、力と富を蓄えていった。

 ダンジョンというチートな拠点がある限り、人間たちは僕たちの存在に気づけない。

 なんてボロい商売なのだと考えていたのだが、世の中そう上手くはいかなかった。僕たちは恐ろしい船と出会うことになった。

「魔道砲、てぇええ!」

――ドドンッ、ドドンッ、ドガガガッ。

「ご主人様、危険です!」
「ちっ、あの船は諦めるぞ! 撤退する!」

 所詮中世時代の船だから大したことないかと思ったら、まったくそうではなかった。

 武装船と呼ばれる船。その船には魔道砲と呼ばれる大砲が積み込まれていた。それなりに連射もできて脅威だった。

 せっかくハイクラスまで育てたマーマンが一瞬で海の藻屑となってしまった。

「武装船の数が増えてきたな。もう漁船襲撃による旨みは少ないか」
「マミヤ先輩、どうされますか?」
「武装船襲撃班は全て食料調達班へと回せ。人間に化けられるメンバーだけでイティーバに向かう」
「わかりました」

 海賊行為に旨みがなくなってきたので、いよいよイティーバの町に乗り込むことにした。

「周囲に人の気配はないな。スイ、上陸するぞ」
「はい」

 これまでにレベリングを重ねてきたので、海峡を渡りきる体力は十分だった。変化が使えるので思ったよりも現地人に溶け込むのは簡単だった。すぐに冒険者登録を済ませ、漁船襲撃で溜め込んだ金を使って拠点を構えることができた。

 それからしばらくは、イティーバを拠点として冒険者としての活動をしつつ、この世界の見聞を広めた。冒険者の地位を高めながらさらなる力を蓄える日々を送った。

「マミヤ様が沖のクラーケンを倒してくれたぞ!」
「流石マミヤ様だ!」
「イティーバが生んだ英雄だぜ!」

 イティーバ近海でクラーケンと呼ばれる魔物を討伐した時は周囲から喝采を浴びた。冒険者登録から異例のスピードで鋼等級とやらに出世できた。

「武芸だけじゃなくて音楽の才能もあるのか」
「マミヤ様って天才だな。あんな素晴らしい曲を作れるんだもんな」
「見目も美しいし凄いな」

 酒場では前世で知っていた曲を僕の曲として披露している内、天才作曲家マミヤとしても知られるようになった。そうしてイティーバの町で僕のことを知らない人間はいないくらいとなった。

「キャー! マミヤ様よ!」
「カッコイイ!」

 僕に惹かれて女の子が沢山寄って来る。前世では色々なことを考えて諦めるばかりだったがこの世界では違う。

「君、僕に抱かれなよ」
「え、嬉しい♡」

 気に入った女の子は片っ端から手をつけていくことができた。僕の容姿と話術、それからスキル【幻唱】を使えば容易いことだった。特に気に入った子は眷属とし、僕専用の妾として後宮で囲うことにした。

 誰も彼もが僕のことを賞賛してくれる。夢の異世界転生俺TUEEEハーレム生活を手に入れた。

 素晴らしい。素晴らしすぎる。元の世界ではどんなに努力したとて決して手に入らなかった、そんな夢の世界が広がっていた。

「マミヤ様は本当に素晴らしい曲をお弾きになるのですね」

 この世界に転生してから三年目のことだった。見目麗しい令嬢が僕に声をかけてきた。俗に言う逆ナンというやつだ。

「ヴェスと申します。以後お見知りおきを」

 この町の富豪の娘で、名をヴェスと言った。容姿教養共に揃った才色兼備の令嬢だった。ちょうどいい相手を見つけた。

「ヴェス、君は可愛いな。僕の婚約者にしてあげよう」
「マミヤ様っ、んんあっ♡」

 僕はすぐにヴェスを自分のものとし、スキルで操って眷属契約を結んだ。そしてヴェスを通じて彼女の父親に近づき、会社を乗っ取ることにした。

 それはヴェッセルという大手の会社だった。他国との貿易から水産会社の経営まで色々と手を出している、かなり大きな会社だった。

 何よりも、あの魔道砲と呼ばれる兵器を積んだ武装船を持っている所だ。

「ぐぁあっ、何故だ……何故ワシを殺す……ヴェスの父であるこのワシを……」
「邪魔だからですよ。僕のハーレムに男は必要ないですから。ヴェスは僕が幸せにするんで安心して死んでくださいよ」
「くっ、なんということだ……我が娘ヴェスはとんでもない悪魔を家に引き入れてしまったのか……がは」

 僕はヴェスの父を殺し、ヴェスの父親に成りすまし、僕自身がその会社の経営者になることにした。ダンジョンマスターとしての力を行使すれば簡単なことだ。

「ふふ、これでこの会社は僕のものだ。確固たる基盤を手に入れることができたぞ。フハハ!」

 喜ぶのも束の間のこと。この世界で確固たる地盤を手に入れて喜んでいる矢先、とんだ邪魔者が入ることとなった。

「査察官のシャンだよ。アンタんとこの会社、こんなに魔道砲を仕入れてどうするつもりだい? まさかどこかに横流ししてるんじゃないだろうね? アンタんとこの船の装備品の数と仕入れ数が全然合わないんだよ、どうなってんだい!」

 一人の女が会社に査察としてやってきた。美人でスタイルがいいものの、顔についた大きな傷が残念な強面の女だ。

「何か悪いことしてんじゃないだろうね? 反乱でも企んでるんじゃないだろうね?」

 その女はロキリア王国海軍所属の下級貴族で上級警備兵の女だった。僕の乗っ取った会社ヴェッセルが魔道砲を他国やテロ組織に横流ししているのではないかと勘繰って調べにきたのだった。

(あのシャンという女、中々勘がいいな。確かに魔道砲は僕のダンジョンに横流ししているからな)

 魔道砲は強力な兵器だ。ダンジョンの防衛などに使えると思ったので多めに仕入れていた。

 なるべくバレないように仕入れたつもりだったが、眷属化してない従業員の誰かが密告したようだった。あるいは眷属の縛りが緩かった連中の誰かがうっかり漏らしてしまったのだろう。

(賄賂も通じないとは面倒な女だ。潰しておくか)

 このままでは拙いと思った僕はシャンという女を謀略で消すことにした。

(こうすれば、あの女を潰して金も頂ける。一挙両得の計だな)

 僕はスキル【変化】を使い、そのシャンという女に変装し、軍の金庫から少なくない金を盗んだ。【変化】はこの世界では相当レアなスキルらしく、誰もシャンに変装した者による犯行だとは気づかなかった。

「上級警備兵シャン、公金窃盗の疑いで拘束する!」
「そんな!? 何かの間違いだよ! アタシはそんな金盗んでないよ!」
「しらばっくれるな! 複数の証言があるんだ! 警備用魔道具の映像にも残っている! 観念しろ!」
「嘘だッ!?」

 シャンはまんまと捕まり、貴族位を剥奪され、奴隷にまで落ちぶれた。僕は金の力を使い、その身柄を買い取った。

「いいザマだなババア。僕に逆らった罰だよ」
「貴様ァッ、貴様の仕業だったんだな!」
「今頃わかっても遅い。お前は永久にこき使ってやるよ。この僕のダンジョンの奴隷としてな。アハハ!」

 一通り嬲って楽しんだ後は、ダンジョンの奥でマーマン共の母体となってもらうことにした。僕の邪魔をした者には相応しい末路だろう。

「やーい、犯罪者の娘!」
「泥棒猫の娘! 生きてて恥ずかしくないのかよ!」
「母さんはお金なんて盗んでない! 何かの間違いよ!」

 シャンという女を潰してしばらく経ったある日。町を散策していると、ある少女が町の悪ガキ共に苛められていた。

 話を聞いていると、その少女はあのシャンという女の娘らしかった。

(ほうあのババアに似て顔が整ってるな。よし手篭めにするか)

 僕はスキル【変化】を使い見知らぬ男に変装すると、少女を強引に拉致して乱暴することにした。

「マリンに何するんだっぺ――ふぐッ!」
「眠ってろクソザコ。田舎臭い顔しやがって」
「お兄ちゃんッ!?」

 少女の家に押しかけ、兄と思われる男をワンパンで沈めた後、少女の意識を奪いダンジョンに連れ帰る。

「さあ楽しませてもらおうか」
「い、いやぁあああッ!」

 その後は言うまでもない。異世界パコパコタイムのお時間である。そして一週間くらい監禁して飽きるまで楽しんだ後、町のゴミ捨て場に捨てた。

 通りすがりの可愛い子を手篭めにする――それは前世では絶対にできなかったことだ。

 やったら最後、世間から後ろ指を差されまくって死ぬほど追い込まれる罪科だ。間宮グループの御曹司がそんなことをしたとあっては一族から追放され、二度と日の目を浴びることはなくなる。それほどの禁忌だ。

 だがこの世界では罪に問われることすらない。世界を支配する法理が違うのだ。この世界の法理は僕に自由にせよと言っているようなものだ。僕を裁く者など誰もいない。

 最高だ。異世界転生最高すぎる。

「ハハハ、僕は本物の王侯貴族だ! チートを与えられた僕は何をやっても許されるんだ!」

 DMさえあれば自分の思うがままの空間を作り出すことができる。絶対従順な生命体を生み出すこともできる。便利な新しい力を手に入れることもできる。注文して即届く超便利な通販みたいな機能も利用できる。何でもできる。

「僕はこの世界の支配者だ! いや、僕こそがこの世界の神なんだ! 選ばれし存在なのだ! あはははは!」

 ダンジョンマスターの力は神にも等しい力だ。僕こそが神――そんな気分に酔いしれていた。
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