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七章
養殖始めました
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とんでもないお客様だった。
寝ている宿の主人(俺)にいきなり刃を向けてくるなんて。そしてエリザたちにも手を出そうとするなんて。
「うぅ、ちくしょう、またしてもおもてなしの心が裏切られてしまったぁ……なんで一号店にはとんでもない客しか来ないんだよぉ」
「お労しやご主人様……」
おもてなしの心が裏切られて傷つく。エリザに慰められて癒される。何度同じことを繰り返したことか。
残念ながら今回もそうなってしまったようだな。
「前を向いて生きましょうご主人様。あのならず者には、素晴らしい使い道があったのでしょう?」
「ああそうだね」
今回捕らえたならず者はダンジョンで飼うことにした。珍しいスキルを持つ奴で、男なのに女の子になれた。
最近仲間になったマーマンたちのお嫁さんにちょうどいいと思ったんだ。
スキル【強奪】と【性転換】。俺とエリザが持つ【吸血】と【変化】の劣化版といった所か。
【強奪】に関しては相手のスキルを封じるといったこともできそうで、【性転換】は元の性別を完全に女に変えられるといった点で微妙に違うけども。
まあでも性能を考えるに、劣化版と言って差し支えないだろう。使い道はなさそうなので、スキル欄の肥やしになりそうだな。
とまあスキル的には価値がなかったが、母体としては使えそうだ。
「バンデットと言ったか、あのならず者」
「ええ。確かそんな名前でしたわ」
「あの男――いや女のおかげで、マーマンの戦力が増やせそうだな」
マーマン戦力が増えれば、水軍戦力が増える。有事の際に役立つ。
この前眷属にした元ダンジョンマスターのスイとその息子の三兄弟、人魚のメロウとハーヴ(七章参照)。彼女らを中心に水軍戦力を編成することにしよう。
「そういやマーマンや魚人族は魚介類が好物だったんだよな?」
「ええそのようですわね」
「それじゃ、これを機にダンジョンの中で簡単な養殖事業でも始めてみようかな……」
ダンジョンのマーマン人口が増えるならそれに伴った環境整備をしなければいけない。思い切って養殖事業も始めてみることにしようか。
養殖事業はこの前エリザが言っていた「太らせて食う」から着想を得た。稚魚をとってきて太らせるのだ。しばらくはそんなことを繰り返してみよう。
卵から稚魚を孵化させて成長させてまた卵をとって孵化させる――いわゆる完全養殖は、いきなりするのは無理だろう。まずは比較的簡単な「育てること」から始める。
水産部門の人員には、生まれてきたマーマンの中で頭が良さそうな奴に当たらせることにしよう。
種馬となるマーマンの中にはマミヤの血を引いている奴が少なくないから、野生のマーマンより知能が高い子が生まれやすいに違いない。必要な人員はすぐに整いそうだ。
既に食料生産部門では多くのオーク娘たちが働いてくれている。イノコ指揮の下、農作業や畜産の仕事に携わってくれているが、実はイノコ以外はあんまり頭がよくないんだよね。物覚えが悪くて作業を覚えさせるのが大変だった。
たぶんシブヘイの血を引いているからかもしれない。まあ頭が悪い分、肉体は健やかだけれども。やたら性欲強いみたいだし。
オークは要領良くない上、手も大きいし、魚の採卵とか稚魚の扱いとか繊細な作業は大変そうである。そういうこともあって、水産部門の人員はマーマンに任せることにした。
「お魚が沢山食べられる日が楽しみですわね」
「そうだな」
養殖事業が軌道に乗れば、ダンジョンの生産能力はさらに上がる。多くの眷属を維持できるようになり、よりダンジョンが強固となる。
安定して魚が食べられることも楽しみだが、そっちの方が重要だな。この世界で永遠の存在になれるよう、頑張っていこう。
♦現在のヨミトのステータス♦
名前:ヨミト(lv.55) 種族:吸血鬼(ナイト)
HP:1791/1791 MP:1737/1737
【変化】【魅了】【吸血】【鬼語】【粗食】【獣の嗅覚】【獣の視覚】【獣の聴覚】【獣の味覚】
【剣術】【我慢】【起床】【睡眠】【威圧】【料理】【伐採】【裁縫】【農耕】【投擲】
【風刃】【天才】【火球】【洗脳】【狂化】【商人】【販売】【交渉】【売春】【性技】
【避妊】【癒光】【洗浄】【解体】【斧術】【槍術】【穴掘】【格闘】【毒牙】【硬化】
【舞踏】【鎚術】【怪力】【豚語】【咆哮】【免疫】【激励】【大食】【飢餓】【消化】
【暴食】【指揮】【弓術】【盾術】【騎乗】【魔笛】【血盟】【飼育】【夜目】【勇者】
【光矢】【集中】【雷撃】【短剣術】【堕落】【指嗾】【装備】【毒息】【火吸】【挑発】
【隠密】【奇襲】【冷息】【号令】【健脚】【水弾】【突進】【跳躍】【房中】【水泳】
【暗算】【海人】【魚語】【人化】【工作】【墨吐】【槍術】【流水】【幻唱】【演奏】
【歌唱】【音感】【魔性】【美貌】【清水】【耐圧】【浮袋】【魚の目】【魚の呼吸】【強奪】
寝ている宿の主人(俺)にいきなり刃を向けてくるなんて。そしてエリザたちにも手を出そうとするなんて。
「うぅ、ちくしょう、またしてもおもてなしの心が裏切られてしまったぁ……なんで一号店にはとんでもない客しか来ないんだよぉ」
「お労しやご主人様……」
おもてなしの心が裏切られて傷つく。エリザに慰められて癒される。何度同じことを繰り返したことか。
残念ながら今回もそうなってしまったようだな。
「前を向いて生きましょうご主人様。あのならず者には、素晴らしい使い道があったのでしょう?」
「ああそうだね」
今回捕らえたならず者はダンジョンで飼うことにした。珍しいスキルを持つ奴で、男なのに女の子になれた。
最近仲間になったマーマンたちのお嫁さんにちょうどいいと思ったんだ。
スキル【強奪】と【性転換】。俺とエリザが持つ【吸血】と【変化】の劣化版といった所か。
【強奪】に関しては相手のスキルを封じるといったこともできそうで、【性転換】は元の性別を完全に女に変えられるといった点で微妙に違うけども。
まあでも性能を考えるに、劣化版と言って差し支えないだろう。使い道はなさそうなので、スキル欄の肥やしになりそうだな。
とまあスキル的には価値がなかったが、母体としては使えそうだ。
「バンデットと言ったか、あのならず者」
「ええ。確かそんな名前でしたわ」
「あの男――いや女のおかげで、マーマンの戦力が増やせそうだな」
マーマン戦力が増えれば、水軍戦力が増える。有事の際に役立つ。
この前眷属にした元ダンジョンマスターのスイとその息子の三兄弟、人魚のメロウとハーヴ(七章参照)。彼女らを中心に水軍戦力を編成することにしよう。
「そういやマーマンや魚人族は魚介類が好物だったんだよな?」
「ええそのようですわね」
「それじゃ、これを機にダンジョンの中で簡単な養殖事業でも始めてみようかな……」
ダンジョンのマーマン人口が増えるならそれに伴った環境整備をしなければいけない。思い切って養殖事業も始めてみることにしようか。
養殖事業はこの前エリザが言っていた「太らせて食う」から着想を得た。稚魚をとってきて太らせるのだ。しばらくはそんなことを繰り返してみよう。
卵から稚魚を孵化させて成長させてまた卵をとって孵化させる――いわゆる完全養殖は、いきなりするのは無理だろう。まずは比較的簡単な「育てること」から始める。
水産部門の人員には、生まれてきたマーマンの中で頭が良さそうな奴に当たらせることにしよう。
種馬となるマーマンの中にはマミヤの血を引いている奴が少なくないから、野生のマーマンより知能が高い子が生まれやすいに違いない。必要な人員はすぐに整いそうだ。
既に食料生産部門では多くのオーク娘たちが働いてくれている。イノコ指揮の下、農作業や畜産の仕事に携わってくれているが、実はイノコ以外はあんまり頭がよくないんだよね。物覚えが悪くて作業を覚えさせるのが大変だった。
たぶんシブヘイの血を引いているからかもしれない。まあ頭が悪い分、肉体は健やかだけれども。やたら性欲強いみたいだし。
オークは要領良くない上、手も大きいし、魚の採卵とか稚魚の扱いとか繊細な作業は大変そうである。そういうこともあって、水産部門の人員はマーマンに任せることにした。
「お魚が沢山食べられる日が楽しみですわね」
「そうだな」
養殖事業が軌道に乗れば、ダンジョンの生産能力はさらに上がる。多くの眷属を維持できるようになり、よりダンジョンが強固となる。
安定して魚が食べられることも楽しみだが、そっちの方が重要だな。この世界で永遠の存在になれるよう、頑張っていこう。
♦現在のヨミトのステータス♦
名前:ヨミト(lv.55) 種族:吸血鬼(ナイト)
HP:1791/1791 MP:1737/1737
【変化】【魅了】【吸血】【鬼語】【粗食】【獣の嗅覚】【獣の視覚】【獣の聴覚】【獣の味覚】
【剣術】【我慢】【起床】【睡眠】【威圧】【料理】【伐採】【裁縫】【農耕】【投擲】
【風刃】【天才】【火球】【洗脳】【狂化】【商人】【販売】【交渉】【売春】【性技】
【避妊】【癒光】【洗浄】【解体】【斧術】【槍術】【穴掘】【格闘】【毒牙】【硬化】
【舞踏】【鎚術】【怪力】【豚語】【咆哮】【免疫】【激励】【大食】【飢餓】【消化】
【暴食】【指揮】【弓術】【盾術】【騎乗】【魔笛】【血盟】【飼育】【夜目】【勇者】
【光矢】【集中】【雷撃】【短剣術】【堕落】【指嗾】【装備】【毒息】【火吸】【挑発】
【隠密】【奇襲】【冷息】【号令】【健脚】【水弾】【突進】【跳躍】【房中】【水泳】
【暗算】【海人】【魚語】【人化】【工作】【墨吐】【槍術】【流水】【幻唱】【演奏】
【歌唱】【音感】【魔性】【美貌】【清水】【耐圧】【浮袋】【魚の目】【魚の呼吸】【強奪】
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