吸血鬼のお宿~異世界転生して吸血鬼のダンジョンマスターになった男が宿屋運営する話~

夜光虫

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七章

晩餐会

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 毒蜘蛛の拠点を強襲し、囚われの身となっていたハンターやリサ、茸人族の娘たちを解放した。解放した皆を一旦俺のダンジョンで保護し、その後取引を持ちかけて、眷属になってもらった。

 茸人族に関しては数が多く、五百人もいるので、全員を一度に眷属にするのは無理である。なのでとりあえず、まとめ役の代表者だけ眷属になってもらった。

 眷属にするメリット、非眷属のまま維持するメリット、どちらもある。非眷属がダンジョンに滞在してればDMが稼げるからね。

 いずれは全員眷属にするにしても、しばらくは非眷属として維持して、眷属化にかかるコスト以上のDMを稼がせてもらうとしよう。

 マッシュ村を除いた外部とは交流がない一族だけに、非眷属状態でも秘密は守られるだろう。ひとまずそれで十分だと判断した。

「――ということなので、完全復旧までもう少し時間がかかりそうですね」
「わかりもうした。ヨミト様、茸人族の村の件、くれぐれもよろしくお願いします」
「勿論ですよ。何せ他ならぬカリドさんの頼みですからね。俺の利益にもなることですし」
「そう言ってもらうと助かりますよヨミト様。いえ今となっては、偉大なる我が主とお呼びした方がよろしいのかな?」
「あはは、いえいえ、前と変わらずでいいですよ。そんな堅苦しい呼び方をするのはライトたちだけで十分ですから」

 現在、ダンジョン内でマッシュ村の村長――カリド(ハンターの爺さん)と話している。

 カリドも今や俺の眷属だ。彼の家族、つまりマッシュ村の村長一家は丸々俺の眷属となった。

 村長一家には付け入る隙があったので、利用させてもらったよ。

 そう言うと人聞きが悪いが、別に悪いことをしたわけじゃない。村長一家、マッシュ村、茸人族、俺――皆が得をするように取引しただけだ。

(我ながら上手く取引できたな)

 当初、一足先にマッシュ村に帰還したエリザたちから茸人族の村が壊滅していたと聞かされた村長カリドは、絶望のどん底にいた。

 唯一の跡取りであるハンターが行方不明ということにもショックを受けていたようだが、それ以上に茸人族の村が壊滅していたということがショックだったらしい。

 マッシュ村は茸栽培が主産業である。ゆえに茸人族の協力が不可欠で、彼らの集落が壊滅となったら、連動してマッシュ村が沈みかねない。ここ数年ずっと茸人族の協力が得られないことで沈みかけていた所に、止めが刺されることになる。おまけに跡取り孫息子の失踪。

 それでカリドは酷くショックを受けていて、もうこの世の終わりだとばかりに絶望していた。

 そのことをエリザたちから伝え聞いた俺は、こっそりとマッシュ村に戻り、俺の代わりをしていたスイと入れ替わり、カリドに取引を持ちかけた。全ての真実を明かし、茸人族の村の復旧復興とマッシュ村の支援に手を貸すから村長一家諸共俺の眷属になれ、と持ちかけたのだ。

 カリドは人類の敵であるダンジョンマスターの眷属になることに少し悩んでいた様子だったが、ハンターが無事で既に俺の眷属になっていたことを知ると、取引を呑んでくれた。孫息子のハンターを救ってくれたという恩に加え、ハンターが眷属となっていることで実質人質のようになっていることがダメ押しとなったらしい。

 それに村の将来も考えると俺の力がどうしても必要とも思ったようだ。短期間で復旧するには正規の手段では到底無理である。法外の力を借りなければいけない。

 悪魔の齎す力の魅力には抗えなかったというわけだね。これまでに眷属にしてきた人たちと同じパターンだ。人間は欲望に抗えない生き物なのだ。

(とりあえず、茸人族の村の復旧が完了すれば一件落着かな)

 眷属となった村長一家やリサたちが色々と口裏合わせをやってくれたので、マッシュ村の騒動は一応片がつくことになった。

 表向きには、捕虜となったハンターが謎の協力者(毒蜘蛛内部の反乱ということにしてある)の助けを借りて捕虜たちを解放して毒蜘蛛一味を殲滅した――ということになった。

 その影響でハンターは村の英雄という風に祭り上げられている。捕虜という逆境に立たされながらもそれを見事に跳ね除け、婚約者と茸人族とマッシュ村の危機を救った英雄――ということになっている。

 全部嘘なのでハンター本人は凄い嫌がっているようだったが、俺の関与を隠すためにそのまま祭り上げられているようにお願いしておいた。

 チーム不死鳥は、ハンターがマッシュ村に無事に帰還したのを見届けた所で王都に帰還することにした。

 そうして王都の拠点に戻ったが、ダンジョンを通じてマッシュ村には何度も行ったり来たりしてカリドたちと話を重ねている。

 今日もそうだ。今日もこうして茸人族の村の復旧具合について話をしているというわけだ。

「――ヨミト様、この後お暇なら我が家で食事でもどうですかな? エリザ様もご一緒にどうです?」
「そうですか。ではご一緒しましょうか。エリザもそれでいいかい?」
「ええ構いませんわ」

 必要な話が済むと、カリドから食事に誘われた。誘われるままにお邪魔することになった。

「イノコ、カリドさんで夕飯頂いてくるよ。何かあればそっちに連絡いれてね」
「はいかしこまりました。いってらっしゃいませご主人様」

 ダンジョンにいるイノコに言伝して、それからカリドと共に彼の家に向かう。

 転移陣を通れば、あっという間にカリドの家の地下室に出た。相変わらず便利なものである。

「我が家にこんな立派な地下室が出来たなんて未だに信じられませんよ。我が家がダンジョンに繋がっていて、王都にすら通じているとは。仮に村人に自慢したとしても、誰も信じますまい」
「王都に通じる転移装置なんて、普通に設置すれば莫大な金がかかるでしょうからねえ。家自体作り変えないといけませんし。まあダンジョンマスターの力を使えば簡単ですけど」
「まさに神業ですな。ダンジョンマスターとは神にも近い存在ですな」
「だから俺は神じゃなくて悪魔ですって。生き血を啜るのが大好きな吸血鬼ですから」
「アハハハ、そうでしたな」

 カリドと雑談しながら歩く。地下室から上がって隠し扉を通り、カリドの家の奥間に出る。

 村長宅だけあって田舎村にしては大きな屋敷だと、何回来ても思う。庭もあるし最高だ。今はもう冬に近いので枯れ木しか見えないけど、秋に来たら最高だろうね。

「ヨミト様、エリザ様、まずはさあご一献」
「こりゃどうも」
「いただきますわ」

 奥間で村長と酒を飲みながら待っていると、品の良さそうな婦人二人が料理を運びながら部屋にやって来た。

「ヨミト様、エリザ様。お待ちしておりましたわ」
「ふふ今宵も来てくださったんですね」

 村長の義理の娘で、メコナとブナシーという。ハンターのお母さんと叔母に当たる人である。

 いずれも先の騒動で夫を亡くして未亡人だ。色気たっぷりの美人義理姉妹である。

「それでは皆揃ったところで、改めて乾杯といきましょうか」
「あれ、ハンターは?」
「ハンターは友達の所に行くとかで今日はおりません」
「そうですか。では乾杯」

 村長宅で新たに働くことになったメイドさんたち(村の娼婦だったナン、ニマル、ツーイの三人。いずれも俺の眷属になった)も揃ったところで飯を食い始める。

「ヨミト様の配下になったおかげで、毎日の食卓が豊かになりもうした。まさか辺境の山奥の我が家で、海の幸が毎日のように堪能できる日が来ようとは」

 赤ら顔の村長が感慨深そうに言う。

「それはこっちも同じですよ。村長さんとこと茸人族たちが眷属になってくれたおかげで、茸料理がいつでも楽しめるようになりましたから。この村の茸は最高です。ダンジョンの皆も言っていますよ」
「そう言って頂けると光栄です。茸はこの村の誇りといっても過言ではありませんからなぁ」

 茸人族たちを支配下に置けたのは本当に嬉しいことだ。ダンジョンの食料生産能力が上がったし、【栽培】という茸栽培にも役立つスキルが手に入った。

 茸人族特有の【胞子】というスキルは残念ながらゲットできなかったけどね。【胞子】は植物系モンスターオンリーのスキルみたいで、吸血鬼では習得できなかった。スキルコレクターとしては残念である。

 まあその他に幾つも有用なスキルが手に入ったからいいんだけどさ。

「ヨミト様のお貸しくださったスライムのおかげで家の掃除も楽になって助かります」
「あれは便利ですよね。人前でスライムを使えない時は、掃除が億劫に感じちゃうほどです」
「アハハ、そうですなぁ。一度楽を味わったらもう元には戻れませんなぁ」

 酒を飲みつつ、茸料理に舌鼓を打ち会食を楽しむ。ダンジョンで生産した肉類も美味しいし最高の時間だ。

「それにしても、ラギリがあんなことをするやつだったとは……」
「そういえば前に声の出ないツーイにイタズラしようとしたことがあったのよね。危ういところは確かにあったわよね」
「『生まれてこの方、女に縁がない。出来心だった』と泣いて土下座したので哀れに思って厳重注意で済ませたが、あの時に村から追放しておれば……」
「……仕方ないですよ義父さん。まさかあそこまで最悪な人間だとは思わなかったから。ハンターと同い年で小さい頃から知ってるけど、可愛い子だと思ってたのに……。両親を早く亡くしてそれでも前向きに生きているとばかり……」
「ああ。人を信じすぎた私たちが愚かだった」

 村長たちは酒を飲みながらワイワイと話に精を出すが、一転してしんみりとした雰囲気となる。

 原因はこの家で働いていた下男――ラギリだ。彼は先日処刑され、無事スライムの餌となった。

 哀れな最期だったね。まあ裏切り者には相応しい末路だろう。

「まったくラギリのやつめ。恩を仇で返しおって」
「義父さん。もう過ぎたことよ」
「それよりももう一度ヨミト様に感謝を申し上げましょう。ねえ義姉さん?」
「そうねブナシー。ヨミト様、本当感謝していますわ。うちの息子を助けていただいて」
「ハンター君を救っていただき、義姉さんと私の旦那の死の真相も暴いていただいた上に、仇のラギリまで討って頂いて感謝してもしきれませんわ」

 メコナとブナシーの二人が感謝を伝えてくる。

 二人の旦那さんは突然死という形で少し前に亡くなっていたらしいのだが、実はその死に下男のラギリが関わっていたということがわかった。捕虜にした毒蜘蛛の構成員たちを拷問したことで発覚した事実だ。

 毒蜘蛛は茸人族たちの支配を維持している中で、村長の義理の息子二人が邪魔になったらしい。二人は茸人族との交流に深く関わっていたらしいからね。それでラギリが一枚噛んで殺したらしい。

「ヨミト様のおかげで我が村に漂っていた暗雲は過ぎ去りました。ヨミト様は我が村の影の英雄です」
「そこまで言われると面映いですよ。俺は俺の利益のためにやってることですから。ただの悪魔のダンジョンマスターですって」
「神に近い存在であられながらなんと慎ましいことか。ヨミト様のような方がこの国の王侯貴族であれば国はよりよいものとなりましょう」
「いやあ褒めすぎですって」

 村長たちによいしょされまくってやや恥ずかしい思いをしながら、宴の時間は過ぎていく。

「エリザ様、こちらもどうぞ」
「いただきますわ」
「こちらもどうぞどうぞ」
「いただきますわ」
「「くぅ~可愛い!」」

 会食中、食いしん坊エリザはマダム二人をずっと虜にしていた。

 カーネラといい、妙齢の女性を惹きつける何かをエリザは持っているようだな。カーネラ曰くバブみがあるらしいが、バブみってなんだよ。

「まったくウチのもんときたら。エリザ様はお前たちの人形ではないというのに」
「餌付けにハマってますね完全に」

 お嬢様吸血鬼の虜になっている二人を見て、俺と村長は顔を見合わせて苦笑した。

『村長さん、お風呂の用意ができました』

 食事も終わる頃、頭の中に直接言葉が流れ込んでくる。

 発信源はツーイだ。彼女に与えた【伝心】というスキルによるものである。

「おおツーイ。すまないな」
『いえ仕事ですので』

 伝心術はMPを消費することでテレパシー的に一方的にメッセージを送れるスキルだ。

 彼女は生まれつきのバッドスキル【無声】を持っていて喋れなかったのだが、【伝心】を得たことで言葉を直接他人の脳に送り込むことができるようになった。

 バッドスキルを消せば普通に喋れるようになるのでどうしようか迷ったのだが、バッドスキルはそのまま残し、伝心魔法を使えるようにすることでコミュニケーションがとれるようにした。

 ツーイの持つバッドスキルはメリットもあり、ある意味才能だと思ったからね。

 ツーイの持つバッドスキル【無声】は声が出なくなるというものだ。びっくりして思わず大声が出ても、全力疾走して息が荒くなっても、声が漏れない。

 隠密としては有能すぎる体質だ。なので、【無声】はそのまま保持させておくことにした。

 ツーイには伝心術の他に【短剣術】というスキルも与えたので、これから忍者っぽい子として育てていくつもりだ。しばらくは村長の家でメイドさんとして働いていてもらいつつ、ダンジョンに通ってもらって戦闘訓練などを受けてもらう予定。

 本人もやる気みたいだし成長が楽しみだね。
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