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昭和48年編
夢?また??
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点滴製剤づくり、夜勤明けの申し送りを終え、私達は外へ出た。
「だいぶ止んだな」
空を見上げた黒いライダーズジャケットを羽織った亮さんは駐輪場へ。
私はついて行った。
「絶対に駄目です!」
雷や豪雨で空襲を思い出し、何かが怖くなった私はしきりにバイクで帰ろうとする亮さんを止めた。
「おまえこそ、滑ってころぶなよ」
「じゃ、私も送ってください」
そう言って私は亮さんのでっかいバイクの後ろに勝手に飛び乗った。
「降りろ」
「駄目です」
「しつこいぞ」
「無理です」
結局、人の言うことに耳を貸さない性分の彼は、意地をはった私にもヘルメットをかぶせ、まだ雨がしとしと降り続く暗くどんよりとした空の下を走った。
心なしか、ゆっくり走っているよう。さすがに転ぶとタダでは済まない。
キ―――――――――――――――
反対車線のスリップした車が回転しながら突っ込んでくる.....視界がゆっくりと回り始め空を仰ぐ
―――あっ
+++
目を開けた。太陽の光が目を突き刺すくらいに差し込んできた。また病室?
そうだっ、バイクで私達は事故に.....亮さんは?亮さん.....。
私を覗き込む派手なリップの女性
「はい。もう大丈夫ね。今日は帰っていいわ。しっかり食べるのよ。」
はい?帰って良い?事故にあったのに?
起き上がり、周りを見渡す.....喫茶店?
えっ。喫茶店?
奥で、なにやらガチャガチャ音がする。
さっきの女性が食器を片付けている。
「あのぉ。私はどうしてここに?」
「そうだわ。真由、レコードだけセットしてね」
「レコード?」
すんごいレトロな喫茶店で素敵ですけど...なにこれ。夢だね.....今回ばかりはきっと。
「もー」
そうぼやいて、女性がレコードをつける。フォークソングっぽいのが流れ出した。
髪はボブに黄色いカチューシャ?スカーフ?を頭に巻いている。ちょっと化粧が濃く、でもどこか上品な雰囲気。30歳くらい、タイトなひまわりだかマーガレットの花柄ワンピース。
「あのぉ。私は何故こちらに?」
「どうしたの?真由。あなたさっきお腹減り過ぎて倒れたのよ。分からないの?まぁっ」
大げさに口を抑えるこの女性はなんなんだ.....。
「いいわっ。あなたは細谷 真由 25 ?だったかしら。
うちの喫茶店で働いてる。住み込みでね。ほらぁ、歌手目指してがんばってるじゃないの。まさか、空腹で記憶を無くしたなんて.....」
住み込み?歌手?!
「あの、今は平成25年ですよね?」
「ん?」
「平成25年 ですよね?」
「何年て?昭和48年でしょ。ほんとどうしちゃったの。早く休みなさい。」と上を指差す。
私は2階へ続くギシギシと頼りない階段を登る。屋根裏部屋のような、天井の低い2階.....。やたらとカラフルな内装が目をチカチカさせる。
大きな鏡に、ショッキングピンクの布がかかっている。恐る恐る布を取り、自分の姿を見た。
.....私だ。でもなにこのボサボサロングヘア。
部屋に無造作に置かれた服は、ラッパズボンや民族衣装みたいな服。
昭和48年.....また昭和。
でも、今回は真由と呼ばれた....。あっバイクの事故で私、私、死にかけ??
「えー!!!ッどうしよッ えー!!!」
叫びすぎた。下からあの人が叫ぶ
「どうしましたぁ?真由~」
はぁ。
亮さん!亮さんは?!
私はまた下に降りて「亮さん知ってますか?浅井 亮」
「さぁ。聞いたことないわね」
「だいぶ止んだな」
空を見上げた黒いライダーズジャケットを羽織った亮さんは駐輪場へ。
私はついて行った。
「絶対に駄目です!」
雷や豪雨で空襲を思い出し、何かが怖くなった私はしきりにバイクで帰ろうとする亮さんを止めた。
「おまえこそ、滑ってころぶなよ」
「じゃ、私も送ってください」
そう言って私は亮さんのでっかいバイクの後ろに勝手に飛び乗った。
「降りろ」
「駄目です」
「しつこいぞ」
「無理です」
結局、人の言うことに耳を貸さない性分の彼は、意地をはった私にもヘルメットをかぶせ、まだ雨がしとしと降り続く暗くどんよりとした空の下を走った。
心なしか、ゆっくり走っているよう。さすがに転ぶとタダでは済まない。
キ―――――――――――――――
反対車線のスリップした車が回転しながら突っ込んでくる.....視界がゆっくりと回り始め空を仰ぐ
―――あっ
+++
目を開けた。太陽の光が目を突き刺すくらいに差し込んできた。また病室?
そうだっ、バイクで私達は事故に.....亮さんは?亮さん.....。
私を覗き込む派手なリップの女性
「はい。もう大丈夫ね。今日は帰っていいわ。しっかり食べるのよ。」
はい?帰って良い?事故にあったのに?
起き上がり、周りを見渡す.....喫茶店?
えっ。喫茶店?
奥で、なにやらガチャガチャ音がする。
さっきの女性が食器を片付けている。
「あのぉ。私はどうしてここに?」
「そうだわ。真由、レコードだけセットしてね」
「レコード?」
すんごいレトロな喫茶店で素敵ですけど...なにこれ。夢だね.....今回ばかりはきっと。
「もー」
そうぼやいて、女性がレコードをつける。フォークソングっぽいのが流れ出した。
髪はボブに黄色いカチューシャ?スカーフ?を頭に巻いている。ちょっと化粧が濃く、でもどこか上品な雰囲気。30歳くらい、タイトなひまわりだかマーガレットの花柄ワンピース。
「あのぉ。私は何故こちらに?」
「どうしたの?真由。あなたさっきお腹減り過ぎて倒れたのよ。分からないの?まぁっ」
大げさに口を抑えるこの女性はなんなんだ.....。
「いいわっ。あなたは細谷 真由 25 ?だったかしら。
うちの喫茶店で働いてる。住み込みでね。ほらぁ、歌手目指してがんばってるじゃないの。まさか、空腹で記憶を無くしたなんて.....」
住み込み?歌手?!
「あの、今は平成25年ですよね?」
「ん?」
「平成25年 ですよね?」
「何年て?昭和48年でしょ。ほんとどうしちゃったの。早く休みなさい。」と上を指差す。
私は2階へ続くギシギシと頼りない階段を登る。屋根裏部屋のような、天井の低い2階.....。やたらとカラフルな内装が目をチカチカさせる。
大きな鏡に、ショッキングピンクの布がかかっている。恐る恐る布を取り、自分の姿を見た。
.....私だ。でもなにこのボサボサロングヘア。
部屋に無造作に置かれた服は、ラッパズボンや民族衣装みたいな服。
昭和48年.....また昭和。
でも、今回は真由と呼ばれた....。あっバイクの事故で私、私、死にかけ??
「えー!!!ッどうしよッ えー!!!」
叫びすぎた。下からあの人が叫ぶ
「どうしましたぁ?真由~」
はぁ。
亮さん!亮さんは?!
私はまた下に降りて「亮さん知ってますか?浅井 亮」
「さぁ。聞いたことないわね」
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