39 / 44
平成へ戻る編
あの日々の記憶は......
しおりを挟む
「真由 真由 真由」
―――――ピ ピ ピ ピ ピ ピ
お母さん?機械音と共に段々音が近くなる。
私は目を開けた。覗き込む母の顔。
「真由ー!!!」
「りょ 亮さんは?」
母の目が悲しい目。そんな......
「浅井さんは、まだ意識がないのよ。でも、お医者さんからはまだ分からないって。こういう状態から回復した人も沢山いるって」
バイクで前からスリップして来た車にかすり私達は転倒したらしい。
亮さんが私をかばうように抱きかかえていたと。
亮さん......どうしよう.....亮さん
私の視界は涙で歪んだ。
私はリハビリが始まった。亮さんの病室へ行くのを許された。
「亮さん......起きて。真由です。亮さん、戻ってきて」
この美男がいつも、キリッとした目で私をみてた。
上司の亮さん。
ギターひく亮さんだって。
全部の亮さんが私は愛しい。
お願い。もう他になにもいらない。亮さんだけは。
亮さん もう一度あなたに会いたい。
目を開けて。
私は毎日亮さんの病室を訪ねた。
ある日、私が意識を取り戻して2週間ほど経った日
医師が亮さんの手が動いたと。私は亮さんの手を握り話しかけた。
「亮さん起きて。ここにいるよ。私もみんなも。ナースでしょ。亮さん。仕事山積みですよ。亮さん.....。
亮さんに私もう一度会いたいよ」
私は亮さんの手を握りしくしく泣いてしまう。
あ 今私の手を握った。亮さんが。
目が開いた。綺麗な目がゆっくりと開いた。
「亮さん!亮さん!」すぐにナースコールを押した。
亮さんも無事に意識を取り戻した。
亮さんのリハビリも順調にすすんだ。
私は亮さんの病室に迎えに来て一緒にリハビリ室行く日々。
「悪かったな 俺がバイクなんか」
「私が乗ったから。無理矢理。」
あんな事故でこれで済むなんて。私はふと相手の方が気になった。
その後母に聞いた。
「うん。警察の検証では、あなた達を交わすように崖にハンドルを切ったみたいだって。たまたまかもしれないけど、バイクには少しかすっただけで、車は崖から落ちた。反対側なら山肌だったのにね....。
幸い、崖に落ちきらずに途中の木々で止まってたけど。強く頭を打って、足を手術もしたようよ。意識は今無いって」
「........そうなんだ。私退院したらお見舞い行っていいのかな。」
「そうね。一度行きましょう。」
次の日、田中、崎山さんが来た。
また田中は、泣いている。いいやつだなぁ。
「もう。浅井さんも細谷さんも15歳みたいなことしないでくださいよ!」
「いやバイク盗んでないけど」
亮さんが、さらっと言った。
「ご心配おかけしました。仕事もご迷惑を。」
「今助っ人でブラジルの実習生と、一般病棟からナース来てるんだけど、よけいやっかいよ。」
崎山さんが愚痴っている。あぁ良かった。またこうして生きてて。
ん?亮さんいつも以上に、無口。頭打ってるから心配。
「亮さん?大丈夫ですか?」
「あ うん。」
あらあら亮さんが、なんだか可愛らしくなった?
私は一足先に無事退院した。自宅療養の間も通院の日以外も亮さんの病室に通った。
「どうですか?ナースの入院生活は」
「.....ん。出たい。退屈」
ちょっと可愛いんですけど。亮さんの返しが。
「ご飯食べました?ここのご飯あんまり美味しくはないですよね。塩分考えてるからかな~それでももうちょ」
「よく喋るな 真由」
真由?真由と.....。
とりあえず、フリカケどうぞー。味気ないご飯の救世主を亮さんの引き出しに忍ばせて帰ることにした。
+++
亮さんも退院し、私達の職場復帰もすぐ近くまで来ていた。
亮さんにはあの日々の記憶がないようだった。
最後の族との戦いも。
―――――ピ ピ ピ ピ ピ ピ
お母さん?機械音と共に段々音が近くなる。
私は目を開けた。覗き込む母の顔。
「真由ー!!!」
「りょ 亮さんは?」
母の目が悲しい目。そんな......
「浅井さんは、まだ意識がないのよ。でも、お医者さんからはまだ分からないって。こういう状態から回復した人も沢山いるって」
バイクで前からスリップして来た車にかすり私達は転倒したらしい。
亮さんが私をかばうように抱きかかえていたと。
亮さん......どうしよう.....亮さん
私の視界は涙で歪んだ。
私はリハビリが始まった。亮さんの病室へ行くのを許された。
「亮さん......起きて。真由です。亮さん、戻ってきて」
この美男がいつも、キリッとした目で私をみてた。
上司の亮さん。
ギターひく亮さんだって。
全部の亮さんが私は愛しい。
お願い。もう他になにもいらない。亮さんだけは。
亮さん もう一度あなたに会いたい。
目を開けて。
私は毎日亮さんの病室を訪ねた。
ある日、私が意識を取り戻して2週間ほど経った日
医師が亮さんの手が動いたと。私は亮さんの手を握り話しかけた。
「亮さん起きて。ここにいるよ。私もみんなも。ナースでしょ。亮さん。仕事山積みですよ。亮さん.....。
亮さんに私もう一度会いたいよ」
私は亮さんの手を握りしくしく泣いてしまう。
あ 今私の手を握った。亮さんが。
目が開いた。綺麗な目がゆっくりと開いた。
「亮さん!亮さん!」すぐにナースコールを押した。
亮さんも無事に意識を取り戻した。
亮さんのリハビリも順調にすすんだ。
私は亮さんの病室に迎えに来て一緒にリハビリ室行く日々。
「悪かったな 俺がバイクなんか」
「私が乗ったから。無理矢理。」
あんな事故でこれで済むなんて。私はふと相手の方が気になった。
その後母に聞いた。
「うん。警察の検証では、あなた達を交わすように崖にハンドルを切ったみたいだって。たまたまかもしれないけど、バイクには少しかすっただけで、車は崖から落ちた。反対側なら山肌だったのにね....。
幸い、崖に落ちきらずに途中の木々で止まってたけど。強く頭を打って、足を手術もしたようよ。意識は今無いって」
「........そうなんだ。私退院したらお見舞い行っていいのかな。」
「そうね。一度行きましょう。」
次の日、田中、崎山さんが来た。
また田中は、泣いている。いいやつだなぁ。
「もう。浅井さんも細谷さんも15歳みたいなことしないでくださいよ!」
「いやバイク盗んでないけど」
亮さんが、さらっと言った。
「ご心配おかけしました。仕事もご迷惑を。」
「今助っ人でブラジルの実習生と、一般病棟からナース来てるんだけど、よけいやっかいよ。」
崎山さんが愚痴っている。あぁ良かった。またこうして生きてて。
ん?亮さんいつも以上に、無口。頭打ってるから心配。
「亮さん?大丈夫ですか?」
「あ うん。」
あらあら亮さんが、なんだか可愛らしくなった?
私は一足先に無事退院した。自宅療養の間も通院の日以外も亮さんの病室に通った。
「どうですか?ナースの入院生活は」
「.....ん。出たい。退屈」
ちょっと可愛いんですけど。亮さんの返しが。
「ご飯食べました?ここのご飯あんまり美味しくはないですよね。塩分考えてるからかな~それでももうちょ」
「よく喋るな 真由」
真由?真由と.....。
とりあえず、フリカケどうぞー。味気ないご飯の救世主を亮さんの引き出しに忍ばせて帰ることにした。
+++
亮さんも退院し、私達の職場復帰もすぐ近くまで来ていた。
亮さんにはあの日々の記憶がないようだった。
最後の族との戦いも。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
12
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる