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平成へ戻る編
穏やかなモーニングセット
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私達は職場復帰をした。
亮さんはすっかりいつもの亮さん。
あの昭和40年代の記憶は全く無いみたい。ただ何故か私を真由と呼ぶようになった。
「おいっ真由 朝ご飯行くぞ」
「はい」
夜勤明けなぜか帰りに一緒に行くようになった朝ご飯。
帰り道にある喫茶店のモーニングセット。
私達は歩いて15分の小さなマンションに引っ越した。田中もいる病院の独身寮的なもの。
歩きながら背伸びをする亮さんをみて、マーガレットやみんなの顔が浮かぶのは私だけかぁ。
キスまでしたのになぁー。無かったこと.....か。
私一人だけの記憶だから、もしかしたら昏睡状態で見た壮大な夢なんじゃないかと、思えてきた。
「モーニングセットA2つお願いします」
不思議なくらいに穏やかな時間。目の前に涼しい顔の男前がコーヒーを飲む。
そして、私のゆで卵をとり
「自分でむきますよー。」
「だめだ。いつもボロボロにするだろ」
剥いてくれる.....。
トーストにバターを塗る。
「ジャム」
私のジャムは亮さんにあげる。
決まった流れが心地良い夜勤明け。
「亮さんって、ギター弾けますか?」
「ギター?」
「はい。アコースティックの」
「あぁ。家にある」
「へぇ。音楽するんですね」
「歌うしな」
「歌!!聞きたいです!」
「いや」
「え」
言っといてイヤとか.....。聞きたいなぁ。あの時聞いた歌声はめちゃくちゃしびれるくらい素敵だった。
「真由は?」
「私?あぁ鍵盤系だけですね。ほらレクで弾いてますし。小さい頃ちらっとピアノ習ってたくらいです。」
「歌は?」
「歌.....母は歌手になりたかったって。私は普通です」
「へぇじゃ今度お母さんに歌ってもらおう」
そうだった。母はすっかり亮さんを気に入ってる。
「真由 どれくらい人と付き合ってない?」
どれくらい、人と、付き合ってない?!どういう意味。お母さんの歌のくだりから、人付き合い?入院してたから?
「病院ではせいぜい田中とか、りょ」
「田中?!?」
「はい?」
なんでそんなに驚くんだろう。せいぜい田中、亮さん、崎山さん。病院外はほぼ人付き合いなんて無いし。
店を出て歩きながら前より話すようになった亮さん。
「大丈夫か?真由。最近立て続けに色んなことあったろ」
そうですよ。昭和行くわ刺されるわ恋は虚しく実らず、事故にあいまた昭和、一緒に過ごしたはずの亮さんはそんな記憶は無し。私だけの夢。そして、私がこうなる前からずっと亮さんにキュンキュンしてるのをあなたはずっと知らないでしょ?
って言いたいけど言えません。
「大丈夫です。私、事故の昏睡状態でまるでまたばあちゃん時みたいにタイムスリップしたみたいな夢みたんですよ。」
「どんな?」
「うーん。素敵な人に会いました。無口だけど優しくて、カッコよくて。頼りになって守ってくれる王子様。アコースティックギター弾く彼が素敵だったから、聞いてみたんですっ。さっき亮さんも弾けるか。」
「王子様かぁ。現れたらいいな」
亮さん、あなたでしたよ。その王子様.....。
マンション寮に着く。私達は隣の部屋。そして
「おはようございます!あっまたモーニングいったんすか。たまには呼んでくださいよっ」
「朝から田中は見たくない」
「わっ浅井さんひどいっすね。細谷さんのことは、夜勤明けでもまだ見続けたいんすね。」
田中は角部屋。
「角部屋替われ」
亮さんは田中に厳しい。
「いってらっしゃい!田中~」
「じゃあな。ゆっくり寝ろよ」
「はい。亮さんも」
亮さんはすっかりいつもの亮さん。
あの昭和40年代の記憶は全く無いみたい。ただ何故か私を真由と呼ぶようになった。
「おいっ真由 朝ご飯行くぞ」
「はい」
夜勤明けなぜか帰りに一緒に行くようになった朝ご飯。
帰り道にある喫茶店のモーニングセット。
私達は歩いて15分の小さなマンションに引っ越した。田中もいる病院の独身寮的なもの。
歩きながら背伸びをする亮さんをみて、マーガレットやみんなの顔が浮かぶのは私だけかぁ。
キスまでしたのになぁー。無かったこと.....か。
私一人だけの記憶だから、もしかしたら昏睡状態で見た壮大な夢なんじゃないかと、思えてきた。
「モーニングセットA2つお願いします」
不思議なくらいに穏やかな時間。目の前に涼しい顔の男前がコーヒーを飲む。
そして、私のゆで卵をとり
「自分でむきますよー。」
「だめだ。いつもボロボロにするだろ」
剥いてくれる.....。
トーストにバターを塗る。
「ジャム」
私のジャムは亮さんにあげる。
決まった流れが心地良い夜勤明け。
「亮さんって、ギター弾けますか?」
「ギター?」
「はい。アコースティックの」
「あぁ。家にある」
「へぇ。音楽するんですね」
「歌うしな」
「歌!!聞きたいです!」
「いや」
「え」
言っといてイヤとか.....。聞きたいなぁ。あの時聞いた歌声はめちゃくちゃしびれるくらい素敵だった。
「真由は?」
「私?あぁ鍵盤系だけですね。ほらレクで弾いてますし。小さい頃ちらっとピアノ習ってたくらいです。」
「歌は?」
「歌.....母は歌手になりたかったって。私は普通です」
「へぇじゃ今度お母さんに歌ってもらおう」
そうだった。母はすっかり亮さんを気に入ってる。
「真由 どれくらい人と付き合ってない?」
どれくらい、人と、付き合ってない?!どういう意味。お母さんの歌のくだりから、人付き合い?入院してたから?
「病院ではせいぜい田中とか、りょ」
「田中?!?」
「はい?」
なんでそんなに驚くんだろう。せいぜい田中、亮さん、崎山さん。病院外はほぼ人付き合いなんて無いし。
店を出て歩きながら前より話すようになった亮さん。
「大丈夫か?真由。最近立て続けに色んなことあったろ」
そうですよ。昭和行くわ刺されるわ恋は虚しく実らず、事故にあいまた昭和、一緒に過ごしたはずの亮さんはそんな記憶は無し。私だけの夢。そして、私がこうなる前からずっと亮さんにキュンキュンしてるのをあなたはずっと知らないでしょ?
って言いたいけど言えません。
「大丈夫です。私、事故の昏睡状態でまるでまたばあちゃん時みたいにタイムスリップしたみたいな夢みたんですよ。」
「どんな?」
「うーん。素敵な人に会いました。無口だけど優しくて、カッコよくて。頼りになって守ってくれる王子様。アコースティックギター弾く彼が素敵だったから、聞いてみたんですっ。さっき亮さんも弾けるか。」
「王子様かぁ。現れたらいいな」
亮さん、あなたでしたよ。その王子様.....。
マンション寮に着く。私達は隣の部屋。そして
「おはようございます!あっまたモーニングいったんすか。たまには呼んでくださいよっ」
「朝から田中は見たくない」
「わっ浅井さんひどいっすね。細谷さんのことは、夜勤明けでもまだ見続けたいんすね。」
田中は角部屋。
「角部屋替われ」
亮さんは田中に厳しい。
「いってらっしゃい!田中~」
「じゃあな。ゆっくり寝ろよ」
「はい。亮さんも」
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