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第六章
第200話 淫魔学校名物☆ディルド挿入ローションバトル ~リリムVS合法ロリキューピッド~
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淫魔学校名物☆ディルド挿入ローションバトル。
淫魔学校名物☆ディルド挿入ローションバトル。
淫魔学校名物☆ディルド挿入ローションバトル。
正気を疑う言葉の響きに、レイエルはドン引きしていた。こんなことを真顔で言うリリムに、こちらの正気さえ持っていかれそうな気にさせられた。
(バカなのかこいつは。こんなことに付き合ってられるか!)
「言っとくけど逃げられないよ」
辺りをキョロキョロと見回すレイエルに、リリムは告げる。
視線を下に向けたレイエルは、ふと自分の服装が体操服とブルマに変わっていることに気が付いた。
(この格好は……あいつの魔法か! ロリキャラのレイエルちゃんには似合ってるけど……)
「その歳でブルマはちょっとキツいんじゃない、おばさん」
「殺す」
安い挑発に乗せられておっかないキレ顔で掴みかかってきたレイエルを、リリムは巧みに翼を動かし空中で回避。旋回してレイエルの背中をとり、羽交い絞めにして一緒にローションプールにダイブした。
「さあ、ここからが勝負だよ!」
自らもローションまみれになりながら、リリムは羽交い絞めにした体勢から腕をずらしていき、体操服を下から掴んで引っ張り上げた。
レイエルは後ろ手で抵抗しようにもローションで滑り、上手くリリムの腕を掴めない。完全にリリムのペースですっぽ抜くように体操服を脱がされ、白無地のブラを晒された。
「ぎゃーっ、このガキ!」
「ふっふーん、悔しかったら脱がせてみろー」
舌を出して余裕たっぷりで得意げに煽るリリム。
淫魔学校名物と銘打つだけあって、淫魔学校の女子生徒は皆この競技を体育の授業で行う。中でもリリムは元来の運動神経の良さもあって、クラスで一番強かったのである。
熟練したリリムと、未経験者のレイエル。勝負はリリムの圧勝になるかに思えた。
調子に乗って挑発したリリムは、次の瞬間には目を丸くしていた。
瞬時に伸びたレイエルの手がリリムの黒いビキニトップ中央を掴んで、結んだ紐を引き千切るようにして剥ぎ取ったのだ。
「げぇっ、こいつ握力強い!」
「ルナティエル一派戦闘員の実力、甘く見ないでよね」
薄っぺらな胸を晒されたリリムを、レイエルは煽り返した。
褐色の肌にちょこんと座った、ピンク色した小さな乳首。レイエルはちょっとイラっとする。
(肌黒い癖して乳首の色綺麗なの腹立つんだけど)
その怒りをパワーに変えて、今度はスカートに掴みかかる。薄っぺらいミニスカートは、掴めば簡単に脱がされてしまうだろう。
このゲームは物理的に脱がし合う関係上、ルシファーの脱衣ゲームのように脱がされれば敗北になる回数が決まっているものではない。つまり最初に着ていた服の枚数が多いほど有利。
その点で考えれば、リリムが勝負服でもあるサキュバス衣装を着てきたのは失策であった。トップスは一枚脱げたらもう裸。ボトムスは一応スカートがあるものの、命の灯火とも言える服の枚数は合計僅か三枚だ。
つまり既に一枚脱がされているリリムは、このスカートを奪われれば早くも王手を掛けられるということ。
だが当然リリムもやられっぱなしではいない。二枚の翼をオールのように動かしてローションプールを背中で滑り、レイエルの股の間に潜り込んだ。
股間を見上げながら両腕を上げてブルマを掴み、一気に引きずりおろす。否、リリムの指はショーツにも掛かっていた。二枚一度に持っていく、これぞ初期枚数の差によるハンデを覆すリリムの秘策だ。
ショーツの下は剃り跡も無い綺麗なつるつる。幼げな容姿と調和のとれたものである。
「ぎゃーっ!」
ブルマとショーツを膝まで下ろされたレイエルは悲鳴を上げる。
だが床についた膝に引っかかっている以上は、まだ脱がせた扱いにはならない。
そこでリリムは頭突きするようにレイエルを頭で押し倒した。背中と後頭部を床につけて仰向けに倒れたレイエルから、リリムはブルマとショーツをまっすぐ引っこ抜く。
「よっしゃー二枚ゲット!」
脱がせたブルマとショーツをリリムは両手の人差し指にそれぞれ引っかけて、ひゅいひゅいと回して遊び始める。
レイエルのショーツは白無地にデフォルメされた天界生物のバックプリント。ここまでするくらいロリキャラのキャラ作りには拘りがあるようだ。
わざわざ隙を晒して誘うリリムを、レイエルは恨めしげに睨む。ここで挑発に乗ればリリムの思う壺。果たしてどこで仕掛けるべきか、機会を窺っているのだ。
「どしたのー? そっちから来ないなら、最後の一枚も脱がしちゃうよ!」
指で振り回していたブルマとショーツを放り捨て、リリムの方から仕掛けた。レイエルに抱きつくように掴みかかって、背中に手を回しブラのホックを探す。
が、組み付いた状態であれば脱がすチャンスがあるのはレイエルも一緒。リリムの意識が背中に向いているのをいいことに、スカートを両手で掴み自慢の握力で一気に引き千切った。
「あーっ、ボクのスカート! 何でいちいち壊すんだよぉー!」
「その方が楽だからよ!」
「ええー……」
服には思い入れの強いリリムにとって、これほど嫌な相手はない。
ロリキャラぶってる脳筋二十九歳。だがそれができるだけの握力があるならば、理に適った戦術であることは確かだ。
リリムのショーツはローライズ気味な白の紐パン。可愛さと色っぽさを併せ持つ素敵な一品だ。
これでレイエルはブラ一枚、リリムはショーツ一枚。互いにあと一枚で全裸となる。だけども空気は妙にゆるく、緊張感には欠けていた。
組み付いた状態が継続したまま、レイエルはショーツの紐を掴もうとする。リリムはローションの滑りを利用して、身を屈めると同時にホールドから抜け出した。
瞬時に体勢を立て直し、軽やかな足取りでローションプールを駆ける。こういうローション上での足さばきや立ち回りの上手さもまた、熟練した技術である。
レイエルの背中に回り込んだリリムは、今度は後ろ手でなく正面からブラのホックを外しにかかった。
が、その瞬間だった。リリムの眼前に飛び出したのは純白の翼。リリムは「うわっ!」と悲鳴を上げる。レイエルが背中に収納していた翼を体外に展開し、リリムを遮ったのだ。
直後、大事な所が丸見えになるのも厭わない後ろハイキックがリリムの鼻先を掠めた。
「ちょっ、顔面狙いは無しだよ!」
「うっさい!」
怯んだリリムに追い打ちをかけるべく、レイエルは紐パンの右側の紐を即座に引き千切る。
「ああっ、ボクのお気に入りぱんつ! 酷いよぉ!」
流石にこれにはリリムも涙目。紐を千切られた側がぺろんと捲れて陰毛が見えてしまっているが、それでもまだ完全に脱げたわけではない。
リリムはまたしてもレイエルの胴にしがみ付いた。また背中に手を回してブラのホックを外すことを試みたのだ。
だがまたしても、レイエルの翼がそれを遮った。翼に手首を押さえつけられて、ホックまで届かない。
「だったら!」
リリムは踏み込みを入れてローションに足を滑らせ、自分が倒れ込む勢いでレイエルをなぎ倒した。背中の翼を打ち付けたローションプールに飛沫が舞う。
「そんなことをしても無駄よ」
レイエルがニヤリと笑った。拳を握った右手を、リリムの顔に近づける。リリムは目を丸くした。
その手に握られていたのは紐パンの紐。先程は左手で右側の紐を千切られていた。ということは。
リリムはばっと立ち上がった。両方の紐を千切られて支えを失った紐パンは、ローションプールにぽとりと落下した。
押し倒される瞬間に、レイエルがもう一方の紐も千切ったのだ。
「ああーっ! そんな!」
リリムの陰毛は髪と同じ赤色をした、ローライズからはみ出ないようにはしつつもナチュラル風に整えた逆三角形。
そしてリリムが全裸となったことで、天井からディルドが一本落ちてきた。このゲームでは全裸になっても負けではなく、それに加えて性器にディルドを挿入されて初めて敗北が決定するのだ。
起き上がりざまにすかさずディルドを手にしたレイエルは、勝利を確信したかのように笑う。
「これでレイエルちゃんの勝ちね。それにしてもあんた、ロリキャラやってる癖にパイパンにしてないの意識低いんじゃないの?」
「先生はこのくらいが好きって言ってたもん! それにボク、ロリキャラやるにしてもおけけは生えかけ派だしー」
絶体絶命のピンチにあっても、リリムは不敵に煽り返す。
「お気に入りぱんつの仇を討ってやる!」
「そんなことが言ってられる状況かしら?」
姿勢を低くしてリリムの股ぐらにディルド突っ込もうと動いたレイエルを、リリムはしっかりと見てバックステップでの回避。
「あ」
が、その瞬間リリムの口からそんな声が出た。後ろに跳ぼうと思ったらローションで足を滑らせ、バナナの皮を踏んだかのように仰向けにすっ転んだのだ。
それにより掬い上げるようなディルド挿入は回避できたものの、勢い余ってまんぐり返しの姿勢に。ぱっかんと八の字に開いた両脚。ディルド挿れられたら負けになる穴ももう一方の穴も、思いっきり丸見えになった隙だらけの姿をレイエルに晒した。
「これで終わりよ!」
レイエルはナイフのようにディルドを逆手に持ち替え、丸出しの股間目掛けて振り下ろした。が、それは途中で阻まれる。
まんぐり返しの姿勢のまま、両足での真剣白刃取り。足の裏で挟んでいる物が物であるため絵面は足コキのようであるが、いたって真剣な防御法だ。
「こいつ……」
「ふふん、ボクの足腰の強さ、甘く見ないでよね」
「ケツ穴丸出しで言ったって格好つかないわよ」
「そっちだって」
お互い下半身は丸出しなのである。見上げたリリムの視線の先には、レイエルの陰部が。まだブラを脱がせていないため今そこにディルドを挿れても勝利にはならないが、あれが自分が勝つための目的地だ。
そしてレイエルの視線も、自然とリリムの陰部に向いていた。乳首に続いて性器も肛門も自分のそれより綺麗に感じられて、謎の敗北感を覚える。
だがこの自然と視線を奪う丸出しまんぐり返しこそが、リリムの仕掛けた秘策であった。性的な要素を以ってして相手の油断を誘うのは淫魔の十八番。
リリムのお尻の上の窪みの辺りから黒く細長い尻尾が生えた。意識がそちらに向いていなかったレイエルは完全に不意を突かれた。リリムの尻尾は一瞬でレイエルの背中に回り、先端でブラのホックを外したのだ。
忘れがちであるが、淫魔には細長い尻尾が生えている。翼と同様に出し入れ自由であるため、ルシファーは基本体内にしまっている。
リリムはサキュバス姿では尻尾も出しているのだが、脱衣ゲームのアシスタントをする上ではあまり使わないのでほぼ飾り同然になっていた。
だが実はこの尻尾、淫魔にとっては第三の腕に等しい重要器官だ。関節が無く触手のように自由自在に曲げられる上、ある程度の伸縮も可能。流石に手の指ほどの器用さは無いが、拘束に愛撫にと用途は多彩である。
「なっ!?」
レイエルが驚いて振り返ったのも束の間、リリムは両脚に力を入れて、ディルドを掴んだレイエルの手を蹴り上げる。ローションで滑りやすくなったディルドは手からすっぽ抜けた。
その隙にリリムは勢いをつけて腰の力でぐるんと起き上がり、右手でブラの中央を掴んで引っ張り腕から抜き取る。同時に左手で空中のディルドを掴み取った。
「やりぃ! ブラもディルドもゲット!」
「くっ、このクソガキめ!」
だが、レイエルにもまだ秘策は残されていた。翼を広げ、ロケットのように勢いよく空へと飛び立ったのだ。
屋内とはいえ天井の高い体育館。飛び回れるだけのスペースは十分にある。
お互い一糸纏わぬ姿となったディルド挿入ローションバトルの最終局面は、有翼種族同士だからこその空中戦。リリムも翼を広げて飛び立ち、レイエルを追った。
(馬鹿正直に地上戦やってられるか! レイエルちゃんの空中機動はルナティエル一派一よ! 空中であいつを翻弄しまくって、ディルドを奪い下に回り込んでぶっ刺す!)
ここからの勝ち筋は、既にレイエルには見えていた。が、違和感に気付いたのはその直後。
(いつものスピードが出ない! まさか……翼がローションを吸って重くなってる!?)
レイエルは気付かされた。背中のブラホックを守るために翼を出したレイエルに対して、リリムが悪足掻きのように行った押し倒し。あれの本当の狙いは、レイエルの翼をローションまみれにすることにあったと。
羽毛の隙間に入り込んだローションは翼の重量を増し、飛行能力を低下させる。
同じくローションに触れていたリリムの翼は、天使のそれと違ってコウモリのような皮膜の翼だ。ローションを吸いにくく、飛行能力への影響は少ない。
真下から一直線に迫るリリム。ルシファー仕込みの高速飛行は、劣化したレイエルの飛行速度などゆうに超えている。
見下ろすレイエルは目を見開き、歯を食いしばった。ズブリと生々しい音が鳴り、同時にレイエルの喘ぎ声が出た。
股間にディルド突っ込まれたレイエルは力が抜け、ふらふらとローションプールに落下。
「ボクの勝ちだぁー!!!」
一人残った空中で、リリムはすっぽんぽんのまま力強くガッツポーズ。
ルナティエル一派の一角を、たった一人での撃破。猛々しい叫びは、領域の天井に何度も響いた。
淫魔学校名物☆ディルド挿入ローションバトル。
淫魔学校名物☆ディルド挿入ローションバトル。
正気を疑う言葉の響きに、レイエルはドン引きしていた。こんなことを真顔で言うリリムに、こちらの正気さえ持っていかれそうな気にさせられた。
(バカなのかこいつは。こんなことに付き合ってられるか!)
「言っとくけど逃げられないよ」
辺りをキョロキョロと見回すレイエルに、リリムは告げる。
視線を下に向けたレイエルは、ふと自分の服装が体操服とブルマに変わっていることに気が付いた。
(この格好は……あいつの魔法か! ロリキャラのレイエルちゃんには似合ってるけど……)
「その歳でブルマはちょっとキツいんじゃない、おばさん」
「殺す」
安い挑発に乗せられておっかないキレ顔で掴みかかってきたレイエルを、リリムは巧みに翼を動かし空中で回避。旋回してレイエルの背中をとり、羽交い絞めにして一緒にローションプールにダイブした。
「さあ、ここからが勝負だよ!」
自らもローションまみれになりながら、リリムは羽交い絞めにした体勢から腕をずらしていき、体操服を下から掴んで引っ張り上げた。
レイエルは後ろ手で抵抗しようにもローションで滑り、上手くリリムの腕を掴めない。完全にリリムのペースですっぽ抜くように体操服を脱がされ、白無地のブラを晒された。
「ぎゃーっ、このガキ!」
「ふっふーん、悔しかったら脱がせてみろー」
舌を出して余裕たっぷりで得意げに煽るリリム。
淫魔学校名物と銘打つだけあって、淫魔学校の女子生徒は皆この競技を体育の授業で行う。中でもリリムは元来の運動神経の良さもあって、クラスで一番強かったのである。
熟練したリリムと、未経験者のレイエル。勝負はリリムの圧勝になるかに思えた。
調子に乗って挑発したリリムは、次の瞬間には目を丸くしていた。
瞬時に伸びたレイエルの手がリリムの黒いビキニトップ中央を掴んで、結んだ紐を引き千切るようにして剥ぎ取ったのだ。
「げぇっ、こいつ握力強い!」
「ルナティエル一派戦闘員の実力、甘く見ないでよね」
薄っぺらな胸を晒されたリリムを、レイエルは煽り返した。
褐色の肌にちょこんと座った、ピンク色した小さな乳首。レイエルはちょっとイラっとする。
(肌黒い癖して乳首の色綺麗なの腹立つんだけど)
その怒りをパワーに変えて、今度はスカートに掴みかかる。薄っぺらいミニスカートは、掴めば簡単に脱がされてしまうだろう。
このゲームは物理的に脱がし合う関係上、ルシファーの脱衣ゲームのように脱がされれば敗北になる回数が決まっているものではない。つまり最初に着ていた服の枚数が多いほど有利。
その点で考えれば、リリムが勝負服でもあるサキュバス衣装を着てきたのは失策であった。トップスは一枚脱げたらもう裸。ボトムスは一応スカートがあるものの、命の灯火とも言える服の枚数は合計僅か三枚だ。
つまり既に一枚脱がされているリリムは、このスカートを奪われれば早くも王手を掛けられるということ。
だが当然リリムもやられっぱなしではいない。二枚の翼をオールのように動かしてローションプールを背中で滑り、レイエルの股の間に潜り込んだ。
股間を見上げながら両腕を上げてブルマを掴み、一気に引きずりおろす。否、リリムの指はショーツにも掛かっていた。二枚一度に持っていく、これぞ初期枚数の差によるハンデを覆すリリムの秘策だ。
ショーツの下は剃り跡も無い綺麗なつるつる。幼げな容姿と調和のとれたものである。
「ぎゃーっ!」
ブルマとショーツを膝まで下ろされたレイエルは悲鳴を上げる。
だが床についた膝に引っかかっている以上は、まだ脱がせた扱いにはならない。
そこでリリムは頭突きするようにレイエルを頭で押し倒した。背中と後頭部を床につけて仰向けに倒れたレイエルから、リリムはブルマとショーツをまっすぐ引っこ抜く。
「よっしゃー二枚ゲット!」
脱がせたブルマとショーツをリリムは両手の人差し指にそれぞれ引っかけて、ひゅいひゅいと回して遊び始める。
レイエルのショーツは白無地にデフォルメされた天界生物のバックプリント。ここまでするくらいロリキャラのキャラ作りには拘りがあるようだ。
わざわざ隙を晒して誘うリリムを、レイエルは恨めしげに睨む。ここで挑発に乗ればリリムの思う壺。果たしてどこで仕掛けるべきか、機会を窺っているのだ。
「どしたのー? そっちから来ないなら、最後の一枚も脱がしちゃうよ!」
指で振り回していたブルマとショーツを放り捨て、リリムの方から仕掛けた。レイエルに抱きつくように掴みかかって、背中に手を回しブラのホックを探す。
が、組み付いた状態であれば脱がすチャンスがあるのはレイエルも一緒。リリムの意識が背中に向いているのをいいことに、スカートを両手で掴み自慢の握力で一気に引き千切った。
「あーっ、ボクのスカート! 何でいちいち壊すんだよぉー!」
「その方が楽だからよ!」
「ええー……」
服には思い入れの強いリリムにとって、これほど嫌な相手はない。
ロリキャラぶってる脳筋二十九歳。だがそれができるだけの握力があるならば、理に適った戦術であることは確かだ。
リリムのショーツはローライズ気味な白の紐パン。可愛さと色っぽさを併せ持つ素敵な一品だ。
これでレイエルはブラ一枚、リリムはショーツ一枚。互いにあと一枚で全裸となる。だけども空気は妙にゆるく、緊張感には欠けていた。
組み付いた状態が継続したまま、レイエルはショーツの紐を掴もうとする。リリムはローションの滑りを利用して、身を屈めると同時にホールドから抜け出した。
瞬時に体勢を立て直し、軽やかな足取りでローションプールを駆ける。こういうローション上での足さばきや立ち回りの上手さもまた、熟練した技術である。
レイエルの背中に回り込んだリリムは、今度は後ろ手でなく正面からブラのホックを外しにかかった。
が、その瞬間だった。リリムの眼前に飛び出したのは純白の翼。リリムは「うわっ!」と悲鳴を上げる。レイエルが背中に収納していた翼を体外に展開し、リリムを遮ったのだ。
直後、大事な所が丸見えになるのも厭わない後ろハイキックがリリムの鼻先を掠めた。
「ちょっ、顔面狙いは無しだよ!」
「うっさい!」
怯んだリリムに追い打ちをかけるべく、レイエルは紐パンの右側の紐を即座に引き千切る。
「ああっ、ボクのお気に入りぱんつ! 酷いよぉ!」
流石にこれにはリリムも涙目。紐を千切られた側がぺろんと捲れて陰毛が見えてしまっているが、それでもまだ完全に脱げたわけではない。
リリムはまたしてもレイエルの胴にしがみ付いた。また背中に手を回してブラのホックを外すことを試みたのだ。
だがまたしても、レイエルの翼がそれを遮った。翼に手首を押さえつけられて、ホックまで届かない。
「だったら!」
リリムは踏み込みを入れてローションに足を滑らせ、自分が倒れ込む勢いでレイエルをなぎ倒した。背中の翼を打ち付けたローションプールに飛沫が舞う。
「そんなことをしても無駄よ」
レイエルがニヤリと笑った。拳を握った右手を、リリムの顔に近づける。リリムは目を丸くした。
その手に握られていたのは紐パンの紐。先程は左手で右側の紐を千切られていた。ということは。
リリムはばっと立ち上がった。両方の紐を千切られて支えを失った紐パンは、ローションプールにぽとりと落下した。
押し倒される瞬間に、レイエルがもう一方の紐も千切ったのだ。
「ああーっ! そんな!」
リリムの陰毛は髪と同じ赤色をした、ローライズからはみ出ないようにはしつつもナチュラル風に整えた逆三角形。
そしてリリムが全裸となったことで、天井からディルドが一本落ちてきた。このゲームでは全裸になっても負けではなく、それに加えて性器にディルドを挿入されて初めて敗北が決定するのだ。
起き上がりざまにすかさずディルドを手にしたレイエルは、勝利を確信したかのように笑う。
「これでレイエルちゃんの勝ちね。それにしてもあんた、ロリキャラやってる癖にパイパンにしてないの意識低いんじゃないの?」
「先生はこのくらいが好きって言ってたもん! それにボク、ロリキャラやるにしてもおけけは生えかけ派だしー」
絶体絶命のピンチにあっても、リリムは不敵に煽り返す。
「お気に入りぱんつの仇を討ってやる!」
「そんなことが言ってられる状況かしら?」
姿勢を低くしてリリムの股ぐらにディルド突っ込もうと動いたレイエルを、リリムはしっかりと見てバックステップでの回避。
「あ」
が、その瞬間リリムの口からそんな声が出た。後ろに跳ぼうと思ったらローションで足を滑らせ、バナナの皮を踏んだかのように仰向けにすっ転んだのだ。
それにより掬い上げるようなディルド挿入は回避できたものの、勢い余ってまんぐり返しの姿勢に。ぱっかんと八の字に開いた両脚。ディルド挿れられたら負けになる穴ももう一方の穴も、思いっきり丸見えになった隙だらけの姿をレイエルに晒した。
「これで終わりよ!」
レイエルはナイフのようにディルドを逆手に持ち替え、丸出しの股間目掛けて振り下ろした。が、それは途中で阻まれる。
まんぐり返しの姿勢のまま、両足での真剣白刃取り。足の裏で挟んでいる物が物であるため絵面は足コキのようであるが、いたって真剣な防御法だ。
「こいつ……」
「ふふん、ボクの足腰の強さ、甘く見ないでよね」
「ケツ穴丸出しで言ったって格好つかないわよ」
「そっちだって」
お互い下半身は丸出しなのである。見上げたリリムの視線の先には、レイエルの陰部が。まだブラを脱がせていないため今そこにディルドを挿れても勝利にはならないが、あれが自分が勝つための目的地だ。
そしてレイエルの視線も、自然とリリムの陰部に向いていた。乳首に続いて性器も肛門も自分のそれより綺麗に感じられて、謎の敗北感を覚える。
だがこの自然と視線を奪う丸出しまんぐり返しこそが、リリムの仕掛けた秘策であった。性的な要素を以ってして相手の油断を誘うのは淫魔の十八番。
リリムのお尻の上の窪みの辺りから黒く細長い尻尾が生えた。意識がそちらに向いていなかったレイエルは完全に不意を突かれた。リリムの尻尾は一瞬でレイエルの背中に回り、先端でブラのホックを外したのだ。
忘れがちであるが、淫魔には細長い尻尾が生えている。翼と同様に出し入れ自由であるため、ルシファーは基本体内にしまっている。
リリムはサキュバス姿では尻尾も出しているのだが、脱衣ゲームのアシスタントをする上ではあまり使わないのでほぼ飾り同然になっていた。
だが実はこの尻尾、淫魔にとっては第三の腕に等しい重要器官だ。関節が無く触手のように自由自在に曲げられる上、ある程度の伸縮も可能。流石に手の指ほどの器用さは無いが、拘束に愛撫にと用途は多彩である。
「なっ!?」
レイエルが驚いて振り返ったのも束の間、リリムは両脚に力を入れて、ディルドを掴んだレイエルの手を蹴り上げる。ローションで滑りやすくなったディルドは手からすっぽ抜けた。
その隙にリリムは勢いをつけて腰の力でぐるんと起き上がり、右手でブラの中央を掴んで引っ張り腕から抜き取る。同時に左手で空中のディルドを掴み取った。
「やりぃ! ブラもディルドもゲット!」
「くっ、このクソガキめ!」
だが、レイエルにもまだ秘策は残されていた。翼を広げ、ロケットのように勢いよく空へと飛び立ったのだ。
屋内とはいえ天井の高い体育館。飛び回れるだけのスペースは十分にある。
お互い一糸纏わぬ姿となったディルド挿入ローションバトルの最終局面は、有翼種族同士だからこその空中戦。リリムも翼を広げて飛び立ち、レイエルを追った。
(馬鹿正直に地上戦やってられるか! レイエルちゃんの空中機動はルナティエル一派一よ! 空中であいつを翻弄しまくって、ディルドを奪い下に回り込んでぶっ刺す!)
ここからの勝ち筋は、既にレイエルには見えていた。が、違和感に気付いたのはその直後。
(いつものスピードが出ない! まさか……翼がローションを吸って重くなってる!?)
レイエルは気付かされた。背中のブラホックを守るために翼を出したレイエルに対して、リリムが悪足掻きのように行った押し倒し。あれの本当の狙いは、レイエルの翼をローションまみれにすることにあったと。
羽毛の隙間に入り込んだローションは翼の重量を増し、飛行能力を低下させる。
同じくローションに触れていたリリムの翼は、天使のそれと違ってコウモリのような皮膜の翼だ。ローションを吸いにくく、飛行能力への影響は少ない。
真下から一直線に迫るリリム。ルシファー仕込みの高速飛行は、劣化したレイエルの飛行速度などゆうに超えている。
見下ろすレイエルは目を見開き、歯を食いしばった。ズブリと生々しい音が鳴り、同時にレイエルの喘ぎ声が出た。
股間にディルド突っ込まれたレイエルは力が抜け、ふらふらとローションプールに落下。
「ボクの勝ちだぁー!!!」
一人残った空中で、リリムはすっぽんぽんのまま力強くガッツポーズ。
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