正反対の恋人

2.教室

校門をくぐると、何人かクラスと名前が書いてある紙の前に集まっているのが見えた。
きっと、今日入学する新入生だろう。
樹はその紙を見てクラスを確認した。
「C組かぁ。」
そう呟いたあと、さっきの少女のもとへ向かい、
「ねぇ、名前何ていうの？僕が君のクラスはどこか探してあげる。」
と、息を切らしている少女に言った。
しかし、
「いいわ。私が自分の目で確認するから。それより、時間は大丈夫なの？」
と、断られてしまった。
樹は少女の言葉を聞いて慌てて時間を確認すると、もう教室へ行かなくてはならない時間だった。
「もう行かなきゃだめな時間だった。ありがとう教えてくれて。」
そう少女に微笑みながら言って、樹は校舎に向かって歩いていった。

ガラガラとドアを開けるとほとんどの人は揃っていた。
「あと何人で揃うんだ？もう話を始めたいんだが。」
不機嫌そうな顔をした先生らしき人物がそういうとすぐに生徒の１人が、
「あ、あと１人ですっ。」
と、慌てているような声で答える。
その後ろの席に座った樹はその生徒に、
「どうしたの？なんかあった？」
そんな言葉をかけているうちに、ガラガラとドアが開く。
「すみませんっ。遅れました。」
さっきの少女だ、同じクラスだったんだ。
樹はそんなことを心の底で思っていた。
するとすぐに、
「よし、揃ったな。」
と、話が始まった。