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4章。限界突破の外れスキル《バフ・マスター》で世界最強
60話。アンジェラ王女、バフ・マスターの配下となる
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「アンジェラのお母様を交渉で取り戻す? そんなことが本当にできるの?」
リディアが目をパチクリさせる。
「もちろん。フォルガナは、そもそも国境のミスリル鉱山の所有権を主張して、喧嘩を吹っかけてきた訳だろう?
今回の勝利でミスリル鉱山は、僕たちのモノになった。この所有権を渡す代わりに、アンジェラのお母さんをよこせとフォルガナ王に交渉する」
「破格の条件すぎるわ! な、なぜ、そこまでするの……?」
アンジェラはあ然とした。
「それならフォルガナ王はのってくると思うけど……いくらなんでも、私のお父様が納得するとは思えないわよ?」
リディアの指摘はもっともだ。
ミスリルは強力な武器防具や、魔法のアイテムの材料になる。ミスリル鉱山を失えば、アーデルハイド王国の国力は大きく低下するだろう。
だが、それは短期的な視点で考えた場合だ。
僕は父上から、常に長期的視点に立って考えろと教えられた。
「資源よりも今のアーデルハイドに必要なのは魔法使いの人材だと思う。アンジェラにルーンナイツに入ってもらえれば、こちらの戦力は相当に強化される。
アンジェラ、どうかな? 降伏するだけでなく、こちらに寝返ってもらえないか?」
「そ、それはっ……」
「アベル様。それはさすがに無茶すぎます!」
ティファが勢い込んで反対してくる。
彼女はアンジェラを敵意のこもった目で見ていた。
「アンジェラに任せたいのは魔法の教師役だ。暗黒魔法の使い手は貴重だし。これ以上の人材はいないだろ?」
「……それも、そうね」
リディアは腕組みをして唸った。
「それにアンデッドを率いることができるのなら。魔王領内をアンデッドに探索させて、資源の発掘調査をすることができる。
それで新しいミスリル鉱山を見つけて確保すれば良いんじゃないか?
資源の発掘もアンデッドにやらせてしまおうと思う」
王国を荒らすゴブリンなどの魔物をアンデッドにすれば、民からの反発も起きないハズだ。
「それなら確かに。長期的に見てアーデルハイドは大きく発展しますね」
リディアとティファが、尊敬の眼差しで僕を見つめた。
「さすがは私の旦那様! もうすでに名君としての才能がありありね!」
「アベル様は一領主の器に収まらないお方だと思っておりましたが、これほどとは……おみそれしました」
ティファは頷いたが、感情的には納得しかねるようだ。アンジェラを見る目は冷たく、彼女が何かしたら、いつでも剣を抜けるように身構えていた。
まあ、これは仕方ない。いきなり打ち解けろという方が無理だ。
「アンデッドを戦力ではなく、労働力として活用するなんてっ……お父様でも思いつかなかった発想だわ」
アンジェラは声を震わせた。
「フォルガナ王にとっては……悲しいことだけど。アンジェラもお母さんも、もう要らない存在なんだろ?
それなら、ほぼ確実に交渉に乗ってくると思うけど、どうかな?
アンジェラがルーンナイツに入ってくれるなら。キミとお母さんが、迫害されるようなことは絶対にさせない。
次期アーデルハイド王の名にかけて誓おう」
僕は力強く断言した。
「わかったわ……私とお母様のために、そこまでしていただけるなら……
私の騎士に命じて、魔物の軍勢は撤退させます」
アンジェラは、ドレスの裾を摘んで優雅にお辞儀した。
「それではアベルは、今から私のご主人様よ。これより死す時まで。あなたの家臣として、あなたに付き従うことを誓いますわ」
リディアが目をパチクリさせる。
「もちろん。フォルガナは、そもそも国境のミスリル鉱山の所有権を主張して、喧嘩を吹っかけてきた訳だろう?
今回の勝利でミスリル鉱山は、僕たちのモノになった。この所有権を渡す代わりに、アンジェラのお母さんをよこせとフォルガナ王に交渉する」
「破格の条件すぎるわ! な、なぜ、そこまでするの……?」
アンジェラはあ然とした。
「それならフォルガナ王はのってくると思うけど……いくらなんでも、私のお父様が納得するとは思えないわよ?」
リディアの指摘はもっともだ。
ミスリルは強力な武器防具や、魔法のアイテムの材料になる。ミスリル鉱山を失えば、アーデルハイド王国の国力は大きく低下するだろう。
だが、それは短期的な視点で考えた場合だ。
僕は父上から、常に長期的視点に立って考えろと教えられた。
「資源よりも今のアーデルハイドに必要なのは魔法使いの人材だと思う。アンジェラにルーンナイツに入ってもらえれば、こちらの戦力は相当に強化される。
アンジェラ、どうかな? 降伏するだけでなく、こちらに寝返ってもらえないか?」
「そ、それはっ……」
「アベル様。それはさすがに無茶すぎます!」
ティファが勢い込んで反対してくる。
彼女はアンジェラを敵意のこもった目で見ていた。
「アンジェラに任せたいのは魔法の教師役だ。暗黒魔法の使い手は貴重だし。これ以上の人材はいないだろ?」
「……それも、そうね」
リディアは腕組みをして唸った。
「それにアンデッドを率いることができるのなら。魔王領内をアンデッドに探索させて、資源の発掘調査をすることができる。
それで新しいミスリル鉱山を見つけて確保すれば良いんじゃないか?
資源の発掘もアンデッドにやらせてしまおうと思う」
王国を荒らすゴブリンなどの魔物をアンデッドにすれば、民からの反発も起きないハズだ。
「それなら確かに。長期的に見てアーデルハイドは大きく発展しますね」
リディアとティファが、尊敬の眼差しで僕を見つめた。
「さすがは私の旦那様! もうすでに名君としての才能がありありね!」
「アベル様は一領主の器に収まらないお方だと思っておりましたが、これほどとは……おみそれしました」
ティファは頷いたが、感情的には納得しかねるようだ。アンジェラを見る目は冷たく、彼女が何かしたら、いつでも剣を抜けるように身構えていた。
まあ、これは仕方ない。いきなり打ち解けろという方が無理だ。
「アンデッドを戦力ではなく、労働力として活用するなんてっ……お父様でも思いつかなかった発想だわ」
アンジェラは声を震わせた。
「フォルガナ王にとっては……悲しいことだけど。アンジェラもお母さんも、もう要らない存在なんだろ?
それなら、ほぼ確実に交渉に乗ってくると思うけど、どうかな?
アンジェラがルーンナイツに入ってくれるなら。キミとお母さんが、迫害されるようなことは絶対にさせない。
次期アーデルハイド王の名にかけて誓おう」
僕は力強く断言した。
「わかったわ……私とお母様のために、そこまでしていただけるなら……
私の騎士に命じて、魔物の軍勢は撤退させます」
アンジェラは、ドレスの裾を摘んで優雅にお辞儀した。
「それではアベルは、今から私のご主人様よ。これより死す時まで。あなたの家臣として、あなたに付き従うことを誓いますわ」
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