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早々に中間地点の森に到着した俺達はソランツェの希望通り魔物の調査に行く事に。
周辺を鑑定すればどんな魔物がいるかなんてすぐに判ると思うんだけどとソランツェに言ってみたけど、現物を見なければうんたらかんたら語られた。
語り始めた時点でこれはどうあっても行くし俺も連れて行かれるんだろうなと諦めた俺は、そっかぁーとソランツェの話に相槌を打ちつつも右から左に話を流していたのでなんて言っていたか全然判らない。とりあえず対峙した時の感覚っていうのかな?現場感覚が大事とかって言いたいのだと思う。多分。知らないけど。
当初に比べれば力を使う事も魔物に対しても慣れてしまったのでまあいいかと思えばそうなんだけど、人里から離れている場所だから積極的に駆除する感じでもないし避けられるものは避けたいのは変わらないんだよなあ。
さてさて、某ドーム球場何個分だか判らないが広大な森の中をサクサク進み、地図上で近くに湖がある奥地までやって来た。
「お、ホワイトタイガー。のデカい版」
生えている植物で気になる物がないかと色々見ながら進んでいると前方約五〇メートル先二時の方向にデカい白い虎が寝ていた。見た感じワゴン車くらいの大きさだろうか。接近映像をパネルに映してみれば顔がはっきり判る。本当に虎。でも牙っていうか犬歯がデカく、その上犬歯だけ色はピンク色という違い。面白いな。
「つーか、ここら辺の魔物みんな大き過ぎじゃね?」
ここに来るまでに出て来た他の奴らも総じてみんなデカかった。黒地に黄色と赤の水玉模様の一つ目のデカい蛙、赤銅色のヘラクレスオオカブトっぽい外見のデカい虫、肩(?)から上は山羊その下はダチョウみたいなデカい鳥などなど。
「大きいだけでそんなに強くもないが」
「瞬殺過ぎて判んなかったけどな」
出て来る度ソランツェにより瞬殺されるので、現物を観察するんじゃなかったんか~い!と何回ツッコミ入れたかった事か。
実は隣国だからかガルゴドンに生息する魔物の種類もしっかりと把握していたらしいライアスによれば、どれもC~Bランクらしい。すごく弱い訳じゃないんだと。
ライアスの解説を聞きつつ、把握してるなら出発前に教えてくれればどうにか行かなくても済む道があったかもしれないのにと薄っすら思えば顔に出ていたらしく、知識としてだけ知っている物も多くやはり現物が見れるなら見たかったので、と微笑まれた。くっ……。
「あれはビヤリプティルという魔物です。ランクで言えばAランクですね」
「へぇ~」
虎だなあ。どう見たって。
「あの牙は加工しやすく少し磨くだけで美しく輝くので装飾品の材料になっていまして、高値で買取されている物ですね」
「ほぉ~」
象牙っぽいなあ。使われ方が。
「毛皮も敷物にされたりしていますね」
「ふぅ~ん」
カーペットかあ。あれどうかと思うんだよな。作り物であってもなんかヤダ。
「そして、その肉は食味も非常に良いので捨てる所がないと言われています。えぇと、そうですね、リヒト様が用意して下さる肉に近いかと思います」
「よし、狩るか」
俺、美味しい肉探したかったんだよな。やったぜ。
「リヒトがやるのか?」
「うん」
任せろ、虎。眠ったまま痛みなくやってやるよ。色々素材化して有効活用してあげるからな。
++++++
今日は湖のほとりまで行ってそこで一泊。いつも通り結界&馬車を設置して準備完了。
「あれ、これって……」
「ん? なんだ?」
「なんですか?」
湖のほとりにいっぱい生えている植物をよく見てみると見慣れた赤い実が……。すぐさましゃがんで手に取ってみるとそれはまさしく。
「苺!!」
どう見たって苺!野イチゴとかじゃなく見慣れたあの苺!
「うわ、マジか~!」
鑑定してみるとラリアフって書いてあったけど、苺でいい。苺で。しかも、可食は可能!ちゃんと食べられる!魔法で綺麗にしてからパクっと口に入れると甘酸っぱいあの苺の味!うおお。
元々苺ってそんなに食べていた物じゃないけど、元世界と同じものがそうそう簡単に手に入らない今となってはなんだかめちゃくちゃ嬉しいぞ。
「あぁ、まさかお前に出会えるとは……」
思わぬ発見にちょっと苺に頬ずりしたい気分、と二人を放ってうっとりしていると案の定困惑した声が聞こえる。
「これがどうしたんだ?」
「ラリアフが何か……?」
お、ライアスは知ってるっぽい?
「二人はこれ食べた事ある?」
ザルを取り出ししゃがんだまま手が届く範囲の物をどんどん収穫しつつ時たま口に放り込みながら訊くと
「いや……無いな」
「ラリアフは昔から乾燥させたものが止瀉薬として一応売られていますが……」
「ああ、あれか。聞いた事だけはあるな」
「さほど効果がみられないので使う者はほぼいないかと思います」
「へえ~」
ライアスの説明を聞きながら鑑定の説明文読んでみても同じ様な事が書かれていた。元世界の苺と一緒な訳じゃないんだな。薬として不人気なので収穫する人もほぼいないらしい。勿体ない……が俺にとっては好都合。
「じゃ、ここのは遠慮なく収穫しても大丈夫そうだな」
そうじゃなくてもこの場所は人里から離れているし、さっきのAランク魔物とかもいっぱい闊歩している場所なので簡単に来れるものじゃないからな、根こそぎいこう。
周辺を鑑定すればどんな魔物がいるかなんてすぐに判ると思うんだけどとソランツェに言ってみたけど、現物を見なければうんたらかんたら語られた。
語り始めた時点でこれはどうあっても行くし俺も連れて行かれるんだろうなと諦めた俺は、そっかぁーとソランツェの話に相槌を打ちつつも右から左に話を流していたのでなんて言っていたか全然判らない。とりあえず対峙した時の感覚っていうのかな?現場感覚が大事とかって言いたいのだと思う。多分。知らないけど。
当初に比べれば力を使う事も魔物に対しても慣れてしまったのでまあいいかと思えばそうなんだけど、人里から離れている場所だから積極的に駆除する感じでもないし避けられるものは避けたいのは変わらないんだよなあ。
さてさて、某ドーム球場何個分だか判らないが広大な森の中をサクサク進み、地図上で近くに湖がある奥地までやって来た。
「お、ホワイトタイガー。のデカい版」
生えている植物で気になる物がないかと色々見ながら進んでいると前方約五〇メートル先二時の方向にデカい白い虎が寝ていた。見た感じワゴン車くらいの大きさだろうか。接近映像をパネルに映してみれば顔がはっきり判る。本当に虎。でも牙っていうか犬歯がデカく、その上犬歯だけ色はピンク色という違い。面白いな。
「つーか、ここら辺の魔物みんな大き過ぎじゃね?」
ここに来るまでに出て来た他の奴らも総じてみんなデカかった。黒地に黄色と赤の水玉模様の一つ目のデカい蛙、赤銅色のヘラクレスオオカブトっぽい外見のデカい虫、肩(?)から上は山羊その下はダチョウみたいなデカい鳥などなど。
「大きいだけでそんなに強くもないが」
「瞬殺過ぎて判んなかったけどな」
出て来る度ソランツェにより瞬殺されるので、現物を観察するんじゃなかったんか~い!と何回ツッコミ入れたかった事か。
実は隣国だからかガルゴドンに生息する魔物の種類もしっかりと把握していたらしいライアスによれば、どれもC~Bランクらしい。すごく弱い訳じゃないんだと。
ライアスの解説を聞きつつ、把握してるなら出発前に教えてくれればどうにか行かなくても済む道があったかもしれないのにと薄っすら思えば顔に出ていたらしく、知識としてだけ知っている物も多くやはり現物が見れるなら見たかったので、と微笑まれた。くっ……。
「あれはビヤリプティルという魔物です。ランクで言えばAランクですね」
「へぇ~」
虎だなあ。どう見たって。
「あの牙は加工しやすく少し磨くだけで美しく輝くので装飾品の材料になっていまして、高値で買取されている物ですね」
「ほぉ~」
象牙っぽいなあ。使われ方が。
「毛皮も敷物にされたりしていますね」
「ふぅ~ん」
カーペットかあ。あれどうかと思うんだよな。作り物であってもなんかヤダ。
「そして、その肉は食味も非常に良いので捨てる所がないと言われています。えぇと、そうですね、リヒト様が用意して下さる肉に近いかと思います」
「よし、狩るか」
俺、美味しい肉探したかったんだよな。やったぜ。
「リヒトがやるのか?」
「うん」
任せろ、虎。眠ったまま痛みなくやってやるよ。色々素材化して有効活用してあげるからな。
++++++
今日は湖のほとりまで行ってそこで一泊。いつも通り結界&馬車を設置して準備完了。
「あれ、これって……」
「ん? なんだ?」
「なんですか?」
湖のほとりにいっぱい生えている植物をよく見てみると見慣れた赤い実が……。すぐさましゃがんで手に取ってみるとそれはまさしく。
「苺!!」
どう見たって苺!野イチゴとかじゃなく見慣れたあの苺!
「うわ、マジか~!」
鑑定してみるとラリアフって書いてあったけど、苺でいい。苺で。しかも、可食は可能!ちゃんと食べられる!魔法で綺麗にしてからパクっと口に入れると甘酸っぱいあの苺の味!うおお。
元々苺ってそんなに食べていた物じゃないけど、元世界と同じものがそうそう簡単に手に入らない今となってはなんだかめちゃくちゃ嬉しいぞ。
「あぁ、まさかお前に出会えるとは……」
思わぬ発見にちょっと苺に頬ずりしたい気分、と二人を放ってうっとりしていると案の定困惑した声が聞こえる。
「これがどうしたんだ?」
「ラリアフが何か……?」
お、ライアスは知ってるっぽい?
「二人はこれ食べた事ある?」
ザルを取り出ししゃがんだまま手が届く範囲の物をどんどん収穫しつつ時たま口に放り込みながら訊くと
「いや……無いな」
「ラリアフは昔から乾燥させたものが止瀉薬として一応売られていますが……」
「ああ、あれか。聞いた事だけはあるな」
「さほど効果がみられないので使う者はほぼいないかと思います」
「へえ~」
ライアスの説明を聞きながら鑑定の説明文読んでみても同じ様な事が書かれていた。元世界の苺と一緒な訳じゃないんだな。薬として不人気なので収穫する人もほぼいないらしい。勿体ない……が俺にとっては好都合。
「じゃ、ここのは遠慮なく収穫しても大丈夫そうだな」
そうじゃなくてもこの場所は人里から離れているし、さっきのAランク魔物とかもいっぱい闊歩している場所なので簡単に来れるものじゃないからな、根こそぎいこう。
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