18 / 20
トップになる
しおりを挟む
「ヒナちゃん、最近気合の入り方が違うけどなにかあった?」
光と半ば強引に約束を取り付けた日から一週間が経過していた。
今のところヒナの最高順位は5位のままだ。
「ちょっと、真剣に仕事をしているだけです」
マキにそう返事をしながらも、化粧直しをする手は止めない。
ふたりはトイレで立ち話をしている最中だった。
「マキさん!」
突然大きな声になったヒナにマキが目を丸くする。
「どうしたの?」
「どうやったらナンバーワンになれるんですか?」
「ナンバーワンになりたいの? ヒナちゃん、そういうのには興味ないと思ってた」
確かにそれほど興味はなかった。
ただ、光に恩返ししたいという気持ちだけで今まで頑張ってきたのだ。
でも今は違う。
光を振り向かせるために、ナッンバーワンになりたいと思っている。
「お願いします! 教えてください!」
トイレで頭まで下げてくるヒナにマキもたじたじだ。
「高いボトルをいれてもらうのが早いけれど、それでもやっぱり大切なのはお客さんへの誠実さじゃないかしら。上辺だけで会話をしているとすぐにバレちゃうでしょう?」
そうかもしれない。
オウム返しもいいけれど、返事ができるときにはちゃんと自分の言葉で伝える必要があるのかも。
「あとはイベントの時が書き入れ時ってことはもうわかってるわよね?」
そう言われてヒナはハッとした。
今月はバレンタインデーイベントがある。
それはあと一週間後に迫ってきているのだ。
ヒナは大きく頷いた。
あのイベントを利用すれば、ヒナがトップに立つことができるかもしれない!
「でも、私も負けないからね」
マキはそう言うとひらりと手を振ってトイレを出ていく。
むっ。
私の敵はかなり手強いマキさんなのかもしれない。
ヒナは闘志を燃やしてマキの背中を見つめたのだった。
☆☆☆
バレンタインデー当日のノアールは終日満席だった。
客たちはみんなお気に入りの嬢からチョコをもらうために来店してきている。
ヒナもこの日のために沢山のチョコレートを用意してきていた。
光からチョコレートは店で準備すると言われたけれど、他の嬢たちと同じようなことをしていてはトップに立てないと判断したのだ。
ヒナは自分でチョコを準備したことを、樹連客さんたちにメッセージで知らせていた。
「ヒナちゃんがチョコレートを買いに行ってくれたんだって?」
「そうなの! 気に入ってもらえるといいけれど」
照れくさそうな表情を浮かべて小ぶりなチョコレートの箱を取り出す。
持ち運びしやすいサイズにしたけれど、ちゃんしたブランドチョコレートだ。
そのへんはお店のイメージを崩さないように選んできた。
「嬉しいなぁ! こういうのって心がほっこりするよね」
ヒナからチョコレートをもらったお客さんたちはみんな少し高めのボトルを入れてくれた。
それがお礼ということになるからだ。
「ヒナちゃんはホワイトデーになにがほしい?」
「う~ん、マシュマロかな」
「そんなんでいいの!? ヒナちゃんは可愛いなぁ!」
他の嬢たちの中にはお返しとしてブランド物の財布やバッグをねだることもある。
だけどチョコレートのお礼といえば飴とかマシュマロが主流だ。
ここでガツガツ出ない方が可愛く、そしてしおらしく見られる。
それにお客さんも学生時代のバレンタインデーやホワイトデーを思い出して懐かしい気持ちに浸ることができた。
「じゃ、また来るからね!」
「待ってるね」
最後のお客さんを全員でお見送りして店内へ戻ると嬢たちの脱力したため息で満たされる。
だけどこの日のヒナはまだ緊張感を保っていた。
光が1日分の売上集計を終えて店に戻ってくるのをかたずを飲んで見守る。
「今日はイベントお疲れ様。売上は昨日の3倍になる。みんな、よく頑張ったな」
光の言葉にボーイたちが拍手をする。
「それでは今日の売上ランキングを発表する」
ヒナは胸の前で両手を組んで祈るようなポーズを取った。
今日1日自分でも信じられないくらいに頑張った。
少しでも成果がでていれば、それでいい。
でも、できればナンバーワンになりたい。
気がつけばヒナの隣にマキが立っていた。
マキはまっすぐに光を見つめている。
「第3位は……ユウリ!」
拍手が湧いて、派手めな嬢が前に出ていく。
普段は10位以内にも入らない嬢の名前が出て店内がざわついた。
「ユウリは今回、上質な客ばかりに連絡を入れて来てもらってたんだな。客数は少なくても客単価で3位にのし上がってきた」
光がファイリングされたデータを見ながら説明した。
ここでユウリの名前が出てくるとは思わなかった。
もしかしたら今日はどんでん返しがあるんじゃないだろうか。
ヒナも頑張ったけれど、他の嬢が1位2位を独占している可能性もある。
またチラリと隣のマキへ視線を向けて見るけれど、マキに動じた様子が見られなかった。
さすが、毎月ナンバーワンを保持しているだけはある。
「第2位!」
ヒナはごくりと唾を飲み込んだ。
せめてナンバー3までには入っていてほしい、
そうすれば、光と付き合えなくても努力を認めてもらうことはできるはずだ。
「マキ!!」
隣のマキの名前が呼ばれてヒナは大きく息を吸い込んだ。
マキは小さくお辞儀をしてヒナへ視線を向ける。
そして……「第1位、ヒナ!」その声が聞こえてくると同時に「おめでとう」と、微笑んだのだった。
☆☆☆
1日だけとはいえ、自分がノアールのナンバーワンになった。
それが信じられない気持ちのまま、日奈子は住居スペースへ戻ってきていた。
ふわふわとした気持ちのままソファに身を沈めていると、すぐに光も戻ってきた。
「今日はよく頑張ったな」
さっそくねぎらいの言葉をかけてくる光の前に日奈子は立ち上がった。
ナンバーワンになったら付き合ってもらう。
その約束を忘れたとは言わせない。
「私、ナンバーワンになったよ」
ドキドキしながらそう言うと光は頷いた。
「あぁ。まさか本当になるとは思わなかった。マキを追い越すなんてな」
「そんなことはどうでもいいの。約束どおり、私と付き合って」
強気で良い柄も日奈子の心臓はドキドキと早鐘を打っている。
なにを言われるのか怖くて仕方ない。
光はジッと日奈子を見つめてそして息を吐き出した。
「言わなかったか? ノアールは恋愛禁止だ」
「え?」
予想外の言葉に日奈子はとまどう。
「ここへ来る前に伝えたはずだ」
「そんな、でも……!」
ここへ来たときは心身消失状態で、光からお店の説明を受けてもほとんど聞いていなかったことを思い出した。
そういえば、恋愛禁止と言っていたような気もする。
その瞬間日奈子の顔から血の気が引いていった。
「じゃ、じゃあどうしてキスしたの!? どうして、あんなに優しくしたの!?」
つい、声が大きくなる。
あんなことをされれば勘違いしてしまうに決まっている。
「落ち着け。ちゃんと俺の話を聞け」
光に腕を掴まれたけれど、咄嗟にそれを振り払っていた。
「いや!!」
強く拒絶されて光が目を見開く。
「やっぱりお店に引き止めるための嘘だったんだ!」
日奈子はそう叫ぶと部屋から逃げだしたのだった。
光と半ば強引に約束を取り付けた日から一週間が経過していた。
今のところヒナの最高順位は5位のままだ。
「ちょっと、真剣に仕事をしているだけです」
マキにそう返事をしながらも、化粧直しをする手は止めない。
ふたりはトイレで立ち話をしている最中だった。
「マキさん!」
突然大きな声になったヒナにマキが目を丸くする。
「どうしたの?」
「どうやったらナンバーワンになれるんですか?」
「ナンバーワンになりたいの? ヒナちゃん、そういうのには興味ないと思ってた」
確かにそれほど興味はなかった。
ただ、光に恩返ししたいという気持ちだけで今まで頑張ってきたのだ。
でも今は違う。
光を振り向かせるために、ナッンバーワンになりたいと思っている。
「お願いします! 教えてください!」
トイレで頭まで下げてくるヒナにマキもたじたじだ。
「高いボトルをいれてもらうのが早いけれど、それでもやっぱり大切なのはお客さんへの誠実さじゃないかしら。上辺だけで会話をしているとすぐにバレちゃうでしょう?」
そうかもしれない。
オウム返しもいいけれど、返事ができるときにはちゃんと自分の言葉で伝える必要があるのかも。
「あとはイベントの時が書き入れ時ってことはもうわかってるわよね?」
そう言われてヒナはハッとした。
今月はバレンタインデーイベントがある。
それはあと一週間後に迫ってきているのだ。
ヒナは大きく頷いた。
あのイベントを利用すれば、ヒナがトップに立つことができるかもしれない!
「でも、私も負けないからね」
マキはそう言うとひらりと手を振ってトイレを出ていく。
むっ。
私の敵はかなり手強いマキさんなのかもしれない。
ヒナは闘志を燃やしてマキの背中を見つめたのだった。
☆☆☆
バレンタインデー当日のノアールは終日満席だった。
客たちはみんなお気に入りの嬢からチョコをもらうために来店してきている。
ヒナもこの日のために沢山のチョコレートを用意してきていた。
光からチョコレートは店で準備すると言われたけれど、他の嬢たちと同じようなことをしていてはトップに立てないと判断したのだ。
ヒナは自分でチョコを準備したことを、樹連客さんたちにメッセージで知らせていた。
「ヒナちゃんがチョコレートを買いに行ってくれたんだって?」
「そうなの! 気に入ってもらえるといいけれど」
照れくさそうな表情を浮かべて小ぶりなチョコレートの箱を取り出す。
持ち運びしやすいサイズにしたけれど、ちゃんしたブランドチョコレートだ。
そのへんはお店のイメージを崩さないように選んできた。
「嬉しいなぁ! こういうのって心がほっこりするよね」
ヒナからチョコレートをもらったお客さんたちはみんな少し高めのボトルを入れてくれた。
それがお礼ということになるからだ。
「ヒナちゃんはホワイトデーになにがほしい?」
「う~ん、マシュマロかな」
「そんなんでいいの!? ヒナちゃんは可愛いなぁ!」
他の嬢たちの中にはお返しとしてブランド物の財布やバッグをねだることもある。
だけどチョコレートのお礼といえば飴とかマシュマロが主流だ。
ここでガツガツ出ない方が可愛く、そしてしおらしく見られる。
それにお客さんも学生時代のバレンタインデーやホワイトデーを思い出して懐かしい気持ちに浸ることができた。
「じゃ、また来るからね!」
「待ってるね」
最後のお客さんを全員でお見送りして店内へ戻ると嬢たちの脱力したため息で満たされる。
だけどこの日のヒナはまだ緊張感を保っていた。
光が1日分の売上集計を終えて店に戻ってくるのをかたずを飲んで見守る。
「今日はイベントお疲れ様。売上は昨日の3倍になる。みんな、よく頑張ったな」
光の言葉にボーイたちが拍手をする。
「それでは今日の売上ランキングを発表する」
ヒナは胸の前で両手を組んで祈るようなポーズを取った。
今日1日自分でも信じられないくらいに頑張った。
少しでも成果がでていれば、それでいい。
でも、できればナンバーワンになりたい。
気がつけばヒナの隣にマキが立っていた。
マキはまっすぐに光を見つめている。
「第3位は……ユウリ!」
拍手が湧いて、派手めな嬢が前に出ていく。
普段は10位以内にも入らない嬢の名前が出て店内がざわついた。
「ユウリは今回、上質な客ばかりに連絡を入れて来てもらってたんだな。客数は少なくても客単価で3位にのし上がってきた」
光がファイリングされたデータを見ながら説明した。
ここでユウリの名前が出てくるとは思わなかった。
もしかしたら今日はどんでん返しがあるんじゃないだろうか。
ヒナも頑張ったけれど、他の嬢が1位2位を独占している可能性もある。
またチラリと隣のマキへ視線を向けて見るけれど、マキに動じた様子が見られなかった。
さすが、毎月ナンバーワンを保持しているだけはある。
「第2位!」
ヒナはごくりと唾を飲み込んだ。
せめてナンバー3までには入っていてほしい、
そうすれば、光と付き合えなくても努力を認めてもらうことはできるはずだ。
「マキ!!」
隣のマキの名前が呼ばれてヒナは大きく息を吸い込んだ。
マキは小さくお辞儀をしてヒナへ視線を向ける。
そして……「第1位、ヒナ!」その声が聞こえてくると同時に「おめでとう」と、微笑んだのだった。
☆☆☆
1日だけとはいえ、自分がノアールのナンバーワンになった。
それが信じられない気持ちのまま、日奈子は住居スペースへ戻ってきていた。
ふわふわとした気持ちのままソファに身を沈めていると、すぐに光も戻ってきた。
「今日はよく頑張ったな」
さっそくねぎらいの言葉をかけてくる光の前に日奈子は立ち上がった。
ナンバーワンになったら付き合ってもらう。
その約束を忘れたとは言わせない。
「私、ナンバーワンになったよ」
ドキドキしながらそう言うと光は頷いた。
「あぁ。まさか本当になるとは思わなかった。マキを追い越すなんてな」
「そんなことはどうでもいいの。約束どおり、私と付き合って」
強気で良い柄も日奈子の心臓はドキドキと早鐘を打っている。
なにを言われるのか怖くて仕方ない。
光はジッと日奈子を見つめてそして息を吐き出した。
「言わなかったか? ノアールは恋愛禁止だ」
「え?」
予想外の言葉に日奈子はとまどう。
「ここへ来る前に伝えたはずだ」
「そんな、でも……!」
ここへ来たときは心身消失状態で、光からお店の説明を受けてもほとんど聞いていなかったことを思い出した。
そういえば、恋愛禁止と言っていたような気もする。
その瞬間日奈子の顔から血の気が引いていった。
「じゃ、じゃあどうしてキスしたの!? どうして、あんなに優しくしたの!?」
つい、声が大きくなる。
あんなことをされれば勘違いしてしまうに決まっている。
「落ち着け。ちゃんと俺の話を聞け」
光に腕を掴まれたけれど、咄嗟にそれを振り払っていた。
「いや!!」
強く拒絶されて光が目を見開く。
「やっぱりお店に引き止めるための嘘だったんだ!」
日奈子はそう叫ぶと部屋から逃げだしたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
守護契約のはずが、精霊騎士の距離が近すぎて心拍がもちません―― 距離ゼロで溺愛でした。
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済:全8話⭐︎
ーー条項:心拍が乱れたら抱擁せよ(やめて)
村育ちの鈍感かわいい癒し系ヒロイン・リリィは、王都を目指して旅に出たはずが――森で迷子になった瞬間、精霊騎士エヴァンに“守護契約”されてしまう!
問題は、この騎士さまの守護距離が近すぎること。
半歩どころか背後ぴったり、手を繋ぐのも「当然」、心拍が乱れたら“抱擁条項”発動!?
周囲は「恋人だろ!」と総ツッコミなのに、本人たちは「相棒です!」で通常運転。
守護(と言い張る)密着が止まらない、じわ甘コメディ異世界ファンタジー!
幼馴染に10年片想いしてたら、冷酷御曹司にプロポーズされました
ほーみ
恋愛
春の匂いが、駅前の並木道をくすぐる。満開の桜の下、私はひとり歩いていた。駅までの道は、高校時代、彼とよく歩いた道だ。
制服姿の学生が笑いながらすれ違っていくのを横目に、私はスマホを見下ろした。
「今日、伝えるって決めたんじゃなかったの?」
送信したきり返信のないメッセージ。画面には「既読」の文字があるだけだった。
――渡瀬 湊。私が10年間片想いをしている、幼馴染。
半年間、俺の妻になれ〜幼馴染CEOのありえない求婚から始まる仮初の溺愛新婚生活〜 崖っぷち元社畜、会社が倒産したら玉の輿に乗りました!?
とろみ
恋愛
出勤したら会社が無くなっていた。
高瀬由衣(たかせゆい)二十七歳。金ナシ、職ナシ、彼氏ナシ。ついでに結婚願望も丸でナシ。
明日までに家賃を用意できなければ更に家も無くなってしまう。でも絶対田舎の実家には帰りたくない!!
そんな崖っぷちの由衣に救いの手を差し伸べたのは、幼なじみで大企業CEOの宮坂直人(みやさかなおと)。
「なぁ、俺と結婚しないか?」
直人は縁談よけのため、由衣に仮初の花嫁役を打診する。その代わりその間の生活費は全て直人が持つという。
便利な仮初の妻が欲しい直人と、金は無いけど東京に居続けたい由衣。
利害の一致から始まった愛のない結婚生活のはずが、気付けばいつの間にか世話焼きで独占欲強めな幼なじみCEOに囲い込まれていて――。
『階段対策会議(※恋愛)――年上騎士団長の健康管理が過剰です』
星乃和花
恋愛
【完結済:全9話】
経理兼給仕のクラリスは、騎士団で働くただの事務員――のはずだった。
なのに、年上で情緒に欠ける騎士団長グラントにある日突然こう言われる。
「君は転倒する可能性がある。――健康管理対象にする」
階段対策会議、動線の変更、手をつなぐのは転倒防止、ストール支給は防寒対策。
全部合理的、全部正しい。……正しいはずなのに!
「頬が赤い。必要だ」
「君を、大事にしたい」
真顔で“強い言葉”を投下してくる団長に、乙女心を隠すクラリスの心拍数は業務超過。
さらに副団長ローレンは胃薬片手に「恋は会議にするな!!」と絶叫中!?
これは健康管理?それとも恋愛?
――答え合わせの前に、まず“階段(概念)“をご確認ください。
年下男子に追いかけられて極甘求婚されています
あさの紅茶
恋愛
◆結婚破棄され憂さ晴らしのために京都一人旅へ出かけた大野なぎさ(25)
「どいつもこいつもイチャイチャしやがって!ムカつくわー!お前ら全員幸せになりやがれ!」
◆年下幼なじみで今は京都の大学にいる富田潤(20)
「京都案内しようか?今どこ?」
再会した幼なじみである潤は実は子どもの頃からなぎさのことが好きで、このチャンスを逃すまいと猛アプローチをかける。
「俺はもう子供じゃない。俺についてきて、なぎ」
「そんなこと言って、後悔しても知らないよ?」
呪われた姿が可愛いので愛でてもよろしいでしょうか…?
矢野りと
恋愛
我が国の第二王子が隣国での留学を終えて数年ぶりに帰国することになった。王都では彼が帰国する前から、第二王子の婚約者の座を巡って令嬢達が水面下で激しく火花を散らしているらしい。
辺境の伯爵令嬢であるリラ・エールは王都に出向くことは滅多にないので関係のない話だ。
そんななか帰国した第二王子はなんと呪われていた。
どんな姿になったのか分からないが、令嬢達がみな逃げ出すくらいだからさぞ恐ろしい姿になってしまったのだろうと辺境の地にまで噂は流れてきた。
――えっ、これが呪いなの?か、可愛すぎるわ!
私の目の前の現れたのは、呪いによってとても愛らしい姿になった第二王子だった。
『あの、抱きしめてもいいかしら?』
『・・・・駄目です』
私は抱きしめようと手を伸ばすが、第二王子の従者に真顔で止められてしまった。
※設定はゆるいです。
※5/29 タイトルを少し変更しました。
義兄に恋してたら、男になっちゃった!? こじ恋はじめます
桜 こころ🌸
恋愛
恋と変身が同時進行!? 波乱すぎる兄妹(仮)ラブストーリー♡
お兄ちゃんが好き。でも私、ドキドキすると“男”になっちゃう体質なんです――!
義兄・咲夜に片想い中の唯。
血はつながっていないけど、「兄妹」という関係が壁になって、想いを伝えられずにいた。
そんなある日、謎の薬を飲まされ、唯の体に異変が――なんと“男”に変身する体質になってしまった!?
ドキドキするとスイッチが入り、戻るタイミングはバラバラ。
恋心と秘密を抱えた、波乱の日々が始まる!
しかも、兄の親友や親友の恋心まで巻き込んで、恋はどんどん混線中!?
果たして唯は元に戻れるのか?
そして、義兄との禁断の恋の行方は……?
笑ってキュンして悩ましい、変身ラブコメディ開幕!
お母様が国王陛下に見染められて再婚することになったら、美麗だけど残念な義兄の王太子殿下に婚姻を迫られました!
奏音 美都
恋愛
まだ夜の冷気が残る早朝、焼かれたパンを店に並べていると、いつもは慌ただしく動き回っている母さんが、私の後ろに立っていた。
「エリー、実は……国王陛下に見染められて、婚姻を交わすことになったんだけど、貴女も王宮に入ってくれるかしら?」
国王陛下に見染められて……って。国王陛下が母さんを好きになって、求婚したってこと!? え、で……私も王宮にって、王室の一員になれってこと!?
国王陛下に挨拶に伺うと、そこには美しい顔立ちの王太子殿下がいた。
「エリー、どうか僕と結婚してくれ! 君こそ、僕の妻に相応しい!」
え……私、貴方の妹になるんですけど?
どこから突っ込んでいいのか分かんない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる