魔法武士・種子島時堯

克全

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本編

征服

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1535年5月『大隅・国分清水城』種子島左兵衛尉時堯・7歳

「皆の者面を上げよ」

「「「「はっはぁ~」」」」

 「今日は特別のはからいを持って父上様との直答を許すが、まずは私との問答をして気にかかる所を父上様がご下問される。その場合は直接父上様に話しかけることを許す、あい分かったか?」

「「「「はっはぁ~」」」」

「さて、改めて申し聞かせることがある、それは今後の種子島領内でのご政道じゃ。年貢は4割として民を慈しむこと、それに反する者は余が直々に成敗する!」

「「「「はっはぁ~」」」」

 薩摩国への侵攻制圧は簡単だった。坊津商人からの侵攻要請を受けて、即座に種子島家と交易している商人全てに薩摩国の国衆・地侍に降伏勧告を依頼した。まあ細かい話は止めておくが、打ち続く天災と戦乱で国衆・地侍は戦費を調達するのに商人から莫大な借金をしている。

 現状の領地収穫だけでは、どう考えても返せないくらいの借金がある国衆・地侍も多いのだ。そんな者は、近隣の領地を奪いそこの収穫を返済に充てるか、他国に逃げるしかない。だが商人も武装して戦闘力もある者が多いから、追いかけられて捕まり奴隷にされてしまう場合もある。

 そんな商人から強く降伏を勧められては断ることが難しい。まして俺が、領地を種子島家に献納すれば借金を全て肩代わりし、能力に応じて決まった給料を支払うと約束したのだ。戦闘力はあっても統治能力がない国衆・地侍は喜んで降伏臣従してきた。

 将来を見通す能力と内政能力があって、借金がないもしくは返済可能範囲の借金でおさまっている国衆・地侍は、領地を引き続き支配出来る事を条件に降伏臣従してきた。この戦国の世に、負けると分かっている主君に忠誠を尽す者は極少数しかいない。

 その極少数の国衆・地侍も、俺が城の周りを飛んでみせて城門を打ち壊した時点で降伏臣従を誓った。それにそもそもこの時点で、薩摩国には小作農も自作農もほとんどいなくなっていた。つまり農民兵がいなくなっていたのだ。みんな玄米が喰える種子島家に逃げ込んで、足軽として屯田していたのだ。いたのは納税義務の代わりに、戦闘参加を義務付けられた半農半武の地侍だけだ。

 だから島津家が兵を集めようとしても、国衆・地侍も農民兵を集める事が出来ず、自分たちだけで駆けつけることしか出来なくなっていた。そんなわけで薩摩の島津家・国衆・地侍は戦わずして種子島家に降伏臣従したのだ。

 この後で長々と種子島家の掟を言い聞かせたが、どうせろくに覚えていないだろう。だがら紙に書いて壁に張らすようにした。1枚では心許ないので、各家の家老たち用も作ったし想定されるあらゆる状況に応じた対応を書いた巻物も多数用意した。

 最終的に薩摩国の9割が種子島家の直轄領となり、僅か1割が国衆・地侍の領地となった。
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