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蘇生編
14話アルフレッド視点
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「アルフレッドさん、なぜ今回の依頼を受けられたんですか?」
バルトが不思議がっている。
まあ当然だろう。
俺の事情を知っていたら、断ると思って当然だ。
「そうですよ。
ガイア嬢は敵の婚約者だったんですよね?
ガイア嬢はその敵を蘇らせるために素材集めを依頼していたんでしょ?」
確かに、ガイア嬢はトンマーゾの婚約者だった。
だが俺が会ったのはガイア嬢ではなかった。
ガイア嬢の妹であるサーラだった。
サーラは姉ガイア嬢を殺された恨みを晴らすために、トンマーゾ王太子とルディーニ公爵たちを殺してくれた。
本当は俺がこの手で殺したかったが、相手が強大過ぎて手が出せなかった。
代わりに敵を討ってくれたことは、正直うれしさ半分悔しさ半分だ。
だが少なくとも感謝はしている。
と同時に心配もしている。
俺にも破れなかった強大な護りの魔法を突破した、桁外れの魔力にたいして、対人の駆け引きや守りが弱すぎるのだ。
周りが全然見えていないのだ。
だから簡単に秘匿すべき情報を俺に知られてしまう。
一番大切で全てを知っている、グレタの護りが弱すぎるし、自由にさせ過ぎだ。
グレタの娘の友達から近づき、魔法を使って友達・グレタの娘・グレタと簡単に近づくことができで、秘密まで簡単に話させることができてしまう。
まあ、でも、それも、生い立ちを考えればしかたがない。
生まれて直ぐに地下牢に閉じ込められ、一日に一度だけ、短時間グレタと接する以外は孤独に育ったのだ。
人間関係の難しさも脆さも、実感したことなど一度もないだろう。
むしろよくあれだけの人間性が備わったと感心する。
「いや、それは勘違いだった。
トンマーゾを生き返らせるより、第二王子や第三王子の婚約者になる方が簡単で安く済むからな。
モンタギュー公爵もガイア嬢もその予定で動いている」
「だったらなんで高価な素材を大枚はたいて依頼したんです?」
「非常用の素材を使って生き返ったからだ。
カルラと同じように、トンマーゾに殺されたんだ」
「「「「え!」」」」
「家督争いだそうだ。
ルディーニ公爵がモンタギュー公爵家を乗っ取ろうとして、ガイア嬢を殺したのだが、モンタギュー公爵家には蘇生の魔法と素材が秘匿されていたのだ」
「そうだったんですか!
だったらトンマーゾやルディーニを蘇らせたりしませんね。
カルラさんの御遺体が残っていたら、アルフレッドさんの力で蘇らせて差し上げることができましたのに……」
「おい!」
「あ、すみません!」
バルトがドルフの余計な言葉をしかりつけてくれる。
以前なら本気で不機嫌になっていただろう。
今もいい気分ではないが、以前ほどの苛立ちはなくなった。
トンマーゾとルディーニたちが皆殺しになったからだろう。
こういう違いが実感できるから、サーラには感謝している。
俺がカルラを蘇らせてやれない分、サーラにはガイア嬢を蘇らせてやりたい。
久しぶりに本気で竜狩りをしてやろうじゃないか!
バルトが不思議がっている。
まあ当然だろう。
俺の事情を知っていたら、断ると思って当然だ。
「そうですよ。
ガイア嬢は敵の婚約者だったんですよね?
ガイア嬢はその敵を蘇らせるために素材集めを依頼していたんでしょ?」
確かに、ガイア嬢はトンマーゾの婚約者だった。
だが俺が会ったのはガイア嬢ではなかった。
ガイア嬢の妹であるサーラだった。
サーラは姉ガイア嬢を殺された恨みを晴らすために、トンマーゾ王太子とルディーニ公爵たちを殺してくれた。
本当は俺がこの手で殺したかったが、相手が強大過ぎて手が出せなかった。
代わりに敵を討ってくれたことは、正直うれしさ半分悔しさ半分だ。
だが少なくとも感謝はしている。
と同時に心配もしている。
俺にも破れなかった強大な護りの魔法を突破した、桁外れの魔力にたいして、対人の駆け引きや守りが弱すぎるのだ。
周りが全然見えていないのだ。
だから簡単に秘匿すべき情報を俺に知られてしまう。
一番大切で全てを知っている、グレタの護りが弱すぎるし、自由にさせ過ぎだ。
グレタの娘の友達から近づき、魔法を使って友達・グレタの娘・グレタと簡単に近づくことができで、秘密まで簡単に話させることができてしまう。
まあ、でも、それも、生い立ちを考えればしかたがない。
生まれて直ぐに地下牢に閉じ込められ、一日に一度だけ、短時間グレタと接する以外は孤独に育ったのだ。
人間関係の難しさも脆さも、実感したことなど一度もないだろう。
むしろよくあれだけの人間性が備わったと感心する。
「いや、それは勘違いだった。
トンマーゾを生き返らせるより、第二王子や第三王子の婚約者になる方が簡単で安く済むからな。
モンタギュー公爵もガイア嬢もその予定で動いている」
「だったらなんで高価な素材を大枚はたいて依頼したんです?」
「非常用の素材を使って生き返ったからだ。
カルラと同じように、トンマーゾに殺されたんだ」
「「「「え!」」」」
「家督争いだそうだ。
ルディーニ公爵がモンタギュー公爵家を乗っ取ろうとして、ガイア嬢を殺したのだが、モンタギュー公爵家には蘇生の魔法と素材が秘匿されていたのだ」
「そうだったんですか!
だったらトンマーゾやルディーニを蘇らせたりしませんね。
カルラさんの御遺体が残っていたら、アルフレッドさんの力で蘇らせて差し上げることができましたのに……」
「おい!」
「あ、すみません!」
バルトがドルフの余計な言葉をしかりつけてくれる。
以前なら本気で不機嫌になっていただろう。
今もいい気分ではないが、以前ほどの苛立ちはなくなった。
トンマーゾとルディーニたちが皆殺しになったからだろう。
こういう違いが実感できるから、サーラには感謝している。
俺がカルラを蘇らせてやれない分、サーラにはガイア嬢を蘇らせてやりたい。
久しぶりに本気で竜狩りをしてやろうじゃないか!
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