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2話
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「ローズ、君には不貞の疑いがかけられている。
王家の派遣した侍女の告発だ。
言い逃れる事はできないぞ!
素直に罪を認めよ!
さすれば余にも慈悲の心が生まれるかもしれん。
さあ、今直ぐ罪を告白して慈悲を乞え!」
やはり、こういう手できましたか。
歴史的なワンパターンとしか言いようがありません。
権力者のやり方は二つです。
潰す相手が弱者なら、不敬罪を使って圧し潰します。
潰す相手が強者なら、不貞の罪を捏造して社会的に潰すのです。
今回は複合技ではありますが、ワンパターンに変わりはありません。
私の生家である強力なマルタン公爵家が、私を殺そうとしています。
アンナ自身が王太子妃になりたいのでしょう。
女公爵の独立した権力と、後々王妃となって振るえる権力。
それと、たぶん、王太子が王に戴冠したら暗殺する。
幼い自分の子供を傀儡として、裏の女王としてこの国を意のままにする。
アンナならそれくらい考えている事でしょう。
「何を黙っている!
今直ぐ謝らんか!
この売女が!」
王太子が私の頭にグラスに入った赤ワインをブチかけます。
私は頭からワインまみれになりました。
王太子の告発で水を打ったように静まり返っていた舞踏会場が凍り付きました。
アンナの逃げ出すのが目の端に映ります。
「この低能王太子!
ローズを怒らせるなと言ったのが分かっていなかったの!」
内心で吐き捨てられている、アンナの王太子への罵り声が聞こえるようです。
本当ならアンナを追いかけてブチのめしてやりたいです。
ですが、いまは、怒りを抑えるので精一杯です。
怒りと共に体内を駆け回る魔力が漏れないようにするだけで必死です。
死ぬ前にリュカが私に与えてくれた魔力と知識。
『竜殺し』の異名を持つリュカが、私が殺されないように与えてくれた切り札。
でも、そのあまりに強大な魔力は、私ごときに扱える代物ではないのです。
圧倒的な強さの竜を、たった一人で狩るほどの魔力です。
弱年の貴族令嬢がコントロールするのは至難の業です。
だからこそ、マルタン公爵家家臣団は私に手出ししなかったのです。
下手に手出しすれば、共倒れに、いえ、自分たちが滅びることが分かっていたからです。
今日まで待って、王太子に私を潰させようとしたのは、王家の権力で私を抑えようとしたのでしょう。
一応婚約者であった王太子が相手なら、私が自制すると考えたのでしょう。
王太子もそれほどひどい対応はしないと考えていたのでしょう。
いえ、アンナの事です。
一言一句まで打ち合わせしたいたはずです。
それを、この王太子は、アンナにいいところを見せようとして、自分勝手に私を罵り侮辱する内容に変えてしまったのでしょう。
あ、そう思ったら魔力が暴走してしまいました!
王家の派遣した侍女の告発だ。
言い逃れる事はできないぞ!
素直に罪を認めよ!
さすれば余にも慈悲の心が生まれるかもしれん。
さあ、今直ぐ罪を告白して慈悲を乞え!」
やはり、こういう手できましたか。
歴史的なワンパターンとしか言いようがありません。
権力者のやり方は二つです。
潰す相手が弱者なら、不敬罪を使って圧し潰します。
潰す相手が強者なら、不貞の罪を捏造して社会的に潰すのです。
今回は複合技ではありますが、ワンパターンに変わりはありません。
私の生家である強力なマルタン公爵家が、私を殺そうとしています。
アンナ自身が王太子妃になりたいのでしょう。
女公爵の独立した権力と、後々王妃となって振るえる権力。
それと、たぶん、王太子が王に戴冠したら暗殺する。
幼い自分の子供を傀儡として、裏の女王としてこの国を意のままにする。
アンナならそれくらい考えている事でしょう。
「何を黙っている!
今直ぐ謝らんか!
この売女が!」
王太子が私の頭にグラスに入った赤ワインをブチかけます。
私は頭からワインまみれになりました。
王太子の告発で水を打ったように静まり返っていた舞踏会場が凍り付きました。
アンナの逃げ出すのが目の端に映ります。
「この低能王太子!
ローズを怒らせるなと言ったのが分かっていなかったの!」
内心で吐き捨てられている、アンナの王太子への罵り声が聞こえるようです。
本当ならアンナを追いかけてブチのめしてやりたいです。
ですが、いまは、怒りを抑えるので精一杯です。
怒りと共に体内を駆け回る魔力が漏れないようにするだけで必死です。
死ぬ前にリュカが私に与えてくれた魔力と知識。
『竜殺し』の異名を持つリュカが、私が殺されないように与えてくれた切り札。
でも、そのあまりに強大な魔力は、私ごときに扱える代物ではないのです。
圧倒的な強さの竜を、たった一人で狩るほどの魔力です。
弱年の貴族令嬢がコントロールするのは至難の業です。
だからこそ、マルタン公爵家家臣団は私に手出ししなかったのです。
下手に手出しすれば、共倒れに、いえ、自分たちが滅びることが分かっていたからです。
今日まで待って、王太子に私を潰させようとしたのは、王家の権力で私を抑えようとしたのでしょう。
一応婚約者であった王太子が相手なら、私が自制すると考えたのでしょう。
王太子もそれほどひどい対応はしないと考えていたのでしょう。
いえ、アンナの事です。
一言一句まで打ち合わせしたいたはずです。
それを、この王太子は、アンナにいいところを見せようとして、自分勝手に私を罵り侮辱する内容に変えてしまったのでしょう。
あ、そう思ったら魔力が暴走してしまいました!
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