12 / 18
11話
しおりを挟む
「違う!
断じて違う!
だが確かに疑われても仕方がないな。
今思い直すとローズ嬢の言う通りだ。
今のままではローズ嬢が恨まれるばかりだな。
だがだからと言って、ローズ嬢とガブリエルの好き勝手にはさせん。
二人の結婚だけは絶対に認められん。
弟子入りというのも止めてもらいたい!」
ダメ、なのでしょうか?
ガブリエル様と私は結婚できないのでしょうか?
最初は全然思ってもいなかった事です。
ですが、わずかでも可能性が見えてしまうと、執着してしまいます。
どんな悪逆非道な手段を使ってでも、誰を不幸にしてでも、ガブリエル様と結婚したいと思ってしまうのです。
「それはダメです。
貴族同士の約束です。
それを破ることは名誉にかかわる大問題です」
「王が頭を下げて頼んでもか?」
「そもそもその原因は国王陛下の私情により失政が原因です。
ローズ嬢と私の約束も、その私情の被害から仕方なく交わされたモノです。
それを脅してやめさせようというのですか?
さらにローズ嬢と私の国王陛下に対する忠誠と信頼は失われましたね」
ガブリエル様が国王陛下に対して、情け容赦のない言葉を叩きつけています。
これでは本当にこの場で殺し合いになってしまうかもしれません。
ガブリエル様が国王に負けるとは思いせんが、ここは王宮です。
王が指定した謁見場です。
王に有利になる仕掛けが数多く施されているはずです。
いざという時のために、ガブリエル様から先ほど教えていただいた、呪いの術式を準備しておきましょう。
「止めなさい、ローズ嬢。
むやみに呪いの術式を準備するモノではありません。
それにここは、暗殺防止のために魔術などを跳ね返す仕掛けが施されています。
危険だからやめなさい。
それにそんなに心配しなくても、私がもう準備してあります。
王家の防御魔法であろうと、術式反射の仕掛けであろうと、討ち破って殺してしまう用意をしてあります」
なんて用意周到な方なのでしょうか。
ここに呼び出されて急いで用意されたのでしょうか?
それとも、王城や王宮に来る時には必ず用意されているのでしょうか?
だとしたら、最初から国王陛下も王族も信用されていなかったのですね。
国王の顔色が真っ青です。
なるほど、そういうわけですか。
最初からガブリエル様と私を怒らせるつもりだったのですね。
私たちを怒らせて、魔法を発動させて、王家の仕掛けで殺すつもりだったのです!
でもそれを見破られていた上に、その上を行く魔法を準備されていたのです。
このままでは殺されると思っているのでしょう。
ですがガブリエル様の言う事は本当なのでしょうか?
ガブリエル様が嘘をつくとは思いませんが、嘘ではなく謀略とい事はあります。
断じて違う!
だが確かに疑われても仕方がないな。
今思い直すとローズ嬢の言う通りだ。
今のままではローズ嬢が恨まれるばかりだな。
だがだからと言って、ローズ嬢とガブリエルの好き勝手にはさせん。
二人の結婚だけは絶対に認められん。
弟子入りというのも止めてもらいたい!」
ダメ、なのでしょうか?
ガブリエル様と私は結婚できないのでしょうか?
最初は全然思ってもいなかった事です。
ですが、わずかでも可能性が見えてしまうと、執着してしまいます。
どんな悪逆非道な手段を使ってでも、誰を不幸にしてでも、ガブリエル様と結婚したいと思ってしまうのです。
「それはダメです。
貴族同士の約束です。
それを破ることは名誉にかかわる大問題です」
「王が頭を下げて頼んでもか?」
「そもそもその原因は国王陛下の私情により失政が原因です。
ローズ嬢と私の約束も、その私情の被害から仕方なく交わされたモノです。
それを脅してやめさせようというのですか?
さらにローズ嬢と私の国王陛下に対する忠誠と信頼は失われましたね」
ガブリエル様が国王陛下に対して、情け容赦のない言葉を叩きつけています。
これでは本当にこの場で殺し合いになってしまうかもしれません。
ガブリエル様が国王に負けるとは思いせんが、ここは王宮です。
王が指定した謁見場です。
王に有利になる仕掛けが数多く施されているはずです。
いざという時のために、ガブリエル様から先ほど教えていただいた、呪いの術式を準備しておきましょう。
「止めなさい、ローズ嬢。
むやみに呪いの術式を準備するモノではありません。
それにここは、暗殺防止のために魔術などを跳ね返す仕掛けが施されています。
危険だからやめなさい。
それにそんなに心配しなくても、私がもう準備してあります。
王家の防御魔法であろうと、術式反射の仕掛けであろうと、討ち破って殺してしまう用意をしてあります」
なんて用意周到な方なのでしょうか。
ここに呼び出されて急いで用意されたのでしょうか?
それとも、王城や王宮に来る時には必ず用意されているのでしょうか?
だとしたら、最初から国王陛下も王族も信用されていなかったのですね。
国王の顔色が真っ青です。
なるほど、そういうわけですか。
最初からガブリエル様と私を怒らせるつもりだったのですね。
私たちを怒らせて、魔法を発動させて、王家の仕掛けで殺すつもりだったのです!
でもそれを見破られていた上に、その上を行く魔法を準備されていたのです。
このままでは殺されると思っているのでしょう。
ですがガブリエル様の言う事は本当なのでしょうか?
ガブリエル様が嘘をつくとは思いませんが、嘘ではなく謀略とい事はあります。
13
あなたにおすすめの小説
もてあそんでくれたお礼に、貴方に最高の餞別を。婚約者さまと、どうかお幸せに。まぁ、幸せになれるものなら......ね?
当麻月菜
恋愛
次期当主になるべく、領地にて父親から仕事を学んでいた伯爵令息フレデリックは、ちょっとした出来心で領民の娘イルアに手を出した。
ただそれは、結婚するまでの繋ぎという、身体目的の軽い気持ちで。
対して領民の娘イルアは、本気だった。
もちろんイルアは、フレデリックとの間に身分差という越えられない壁があるのはわかっていた。そして、その時が来たら綺麗に幕を下ろそうと決めていた。
けれど、二人の関係の幕引きはあまりに酷いものだった。
誠意の欠片もないフレデリックの態度に、立ち直れないほど心に傷を受けたイルアは、彼に復讐することを誓った。
弄ばれた女が、捨てた男にとって最後で最高の女性でいられるための、本気の復讐劇。
王家の面子のために私を振り回さないで下さい。
しゃーりん
恋愛
公爵令嬢ユリアナは王太子ルカリオに婚約破棄を言い渡されたが、王家によってその出来事はなかったことになり、結婚することになった。
愛する人と別れて王太子の婚約者にさせられたのに本人からは避けされ、それでも結婚させられる。
自分はどこまで王家に振り回されるのだろう。
国王にもルカリオにも呆れ果てたユリアナは、夫となるルカリオを蹴落として、自分が王太女になるために仕掛けた。
実は、ルカリオは王家の血筋ではなくユリアナの公爵家に正統性があるからである。
ユリアナとの結婚を理解していないルカリオを見限り、愛する人との結婚を企んだお話です。
婚約者を奪われた私が悪者扱いされたので、これから何が起きても知りません
天宮有
恋愛
子爵令嬢の私カルラは、妹のミーファに婚約者ザノークを奪われてしまう。
ミーファは全てカルラが悪いと言い出し、束縛侯爵で有名なリックと婚約させたいようだ。
屋敷を追い出されそうになって、私がいなければ領地が大変なことになると説明する。
家族は信じようとしないから――これから何が起きても、私は知りません。
特殊能力を持つ妹に婚約者を取られた姉、義兄になるはずだった第一王子と新たに婚約する
下菊みこと
恋愛
妹のために尽くしてきた姉、妹の裏切りで幸せになる。
ナタリアはルリアに婚約者を取られる。しかしそのおかげで力を遺憾なく発揮できるようになる。周りはルリアから手のひらを返してナタリアを歓迎するようになる。
小説家になろう様でも投稿しています。
私を追い出したらこの店は潰れますが、本当に良いんですね?
真理亜
恋愛
私を追い出す? この店を取り仕切っているのは私ですが、私が居なくなったらこの店潰れますよ? 本気いや正気ですか? そうですか。それじゃあお望み通り出て行ってあげます。後で後悔しても知りませんよ?
完結 貴族生活を棄てたら王子が追って来てメンドクサイ。
音爽(ネソウ)
恋愛
王子の婚約者になってから様々な嫌がらせを受けるようになった侯爵令嬢。
王子は助けてくれないし、母親と妹まで嫉妬を向ける始末。
貴族社会が嫌になった彼女は家出を決行した。
だが、有能がゆえに王子妃に選ばれた彼女は追われることに……
生まれたことが間違いとまで言っておいて、今更擦り寄ろうなんて許される訳ないではありませんか。
木山楽斗
恋愛
伯父である子爵の元で、ルシェーラは苦しい生活を送っていた。
父親が不明の子ということもあって、彼女は伯母やいとこの令嬢から虐げられて、生きてきたのだ。
ルシェーラの唯一の味方は、子爵令息であるロナードだけだった。彼は家族の非道に心を痛めており、ルシェーラのことを気遣っていた。
そんな彼が子爵家を継ぐまで、自身の生活は変わらない。ルシェーラはずっとそう思っていた。
しかしある時、彼女が亡き王弟の娘であることが判明する。王位継承戦において負けて命を落とした彼は、ルシェーラを忘れ形見として残していたのだ。
王家の方針が当時とは変わったこともあって、ルシェーラは王族の一員として認められることになった。
すると彼女の周りで変化が起こった。今まで自分を虐げていた伯父や伯母やいとこの令嬢が、態度を一変させたのである。
それはルシェーラにとって、到底許せることではなかった。彼女は王家に子爵家であった今までのことを告げて、然るべき罰を与えるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる