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「すまないな、聖女エルサ。
陛下と兄は何者かに操られているようだ。
いや、兄の愚かさは生まれ持ってモノのかもしれんが、最近特に愚かさに拍車がかかってな、どうにも歯止めが利かなくなったのだ。
あれでも幼い頃は優しい兄だったのだが」
「いえ、謝っていただかなくて結構です。
愚かでも優しいところがあったのは、私も覚えていますから。
ですが、最近はその優しさもなくなっていたと、ジュリアン殿下は申されるのですね?」
「ああ、聖女エルサも聞いているのではないか?
後宮に下女として入ったアリスという女が、側室に遇されたというのを」
「その女が、陛下と王太子を誑かしたと申されるのですか?」
「恐らくは……」
「どうなされますか?
簒奪の汚名を恐れず、この国のために立たれますか?
それとも傍観されますか?」
「傍観するつもりなら、陛下を搭に幽閉などしない」
「だったら父王陛下を退位させて、王位に就かれるのですね?」
「ああ」
そこからは電光石火の動きでした。
アリスという女を捕まえようと後宮に押し入りましたが、すでに逃げていました。
恐ろしいほど逃げ足の速い女でした。
次にリーアム王子の逮捕に向かいました。
王都からそれほど離れていない宿駅町で逮捕する事ができました。
随分と騒いで暴れましたが、容赦せずに逮捕しました。
そして直ぐにスケフィントン王国に国使を送り、神明裁判を行うので全権大使を派遣して欲しいと伝えました。
スケフィントン王国のルーカス国王も驚いたのか、直ぐに傍系王族を吐けしてくれましたが、もしかしたらリーアム王子の悪行を知っていたのかもしれません。
思っていた通り、リーアム王子が最初に友情を裏切り、絶対に勝てる馬を用意して、酔わせたヴィンセントと競馬勝負をしたそうです。
当然ですが、スケフィントン王国の守護神ミスラ様の怒りに触れると同時に、フェラード王国の守護神ヘルメース様の怒りも買いました。
スケフィントン王家はリーアムを勘当したうえに、賠償金を支払ってくれました。
リーアムは二柱の神が話し合われ、恐怖と苦痛の夢を見ながら死出の旅に出ることになりました。
私達が眠るリーアムに食事を与え生かし続ける限り、その恐怖と苦痛の夢は終わらないそうです。
「聖女エルサ。
貴嬢を公爵に封じ、王太子だったヴィンセントの台所領を与える」
「謹んでお受けいたします」
まあ、しかたりませんね。
王家が踏みとどまった以上、見捨てて国を出て行くわけにはいきません。
その代わりと言うわけではありませんが、他国の王侯貴族と博打をする許可はもらいましょう。
陛下と兄は何者かに操られているようだ。
いや、兄の愚かさは生まれ持ってモノのかもしれんが、最近特に愚かさに拍車がかかってな、どうにも歯止めが利かなくなったのだ。
あれでも幼い頃は優しい兄だったのだが」
「いえ、謝っていただかなくて結構です。
愚かでも優しいところがあったのは、私も覚えていますから。
ですが、最近はその優しさもなくなっていたと、ジュリアン殿下は申されるのですね?」
「ああ、聖女エルサも聞いているのではないか?
後宮に下女として入ったアリスという女が、側室に遇されたというのを」
「その女が、陛下と王太子を誑かしたと申されるのですか?」
「恐らくは……」
「どうなされますか?
簒奪の汚名を恐れず、この国のために立たれますか?
それとも傍観されますか?」
「傍観するつもりなら、陛下を搭に幽閉などしない」
「だったら父王陛下を退位させて、王位に就かれるのですね?」
「ああ」
そこからは電光石火の動きでした。
アリスという女を捕まえようと後宮に押し入りましたが、すでに逃げていました。
恐ろしいほど逃げ足の速い女でした。
次にリーアム王子の逮捕に向かいました。
王都からそれほど離れていない宿駅町で逮捕する事ができました。
随分と騒いで暴れましたが、容赦せずに逮捕しました。
そして直ぐにスケフィントン王国に国使を送り、神明裁判を行うので全権大使を派遣して欲しいと伝えました。
スケフィントン王国のルーカス国王も驚いたのか、直ぐに傍系王族を吐けしてくれましたが、もしかしたらリーアム王子の悪行を知っていたのかもしれません。
思っていた通り、リーアム王子が最初に友情を裏切り、絶対に勝てる馬を用意して、酔わせたヴィンセントと競馬勝負をしたそうです。
当然ですが、スケフィントン王国の守護神ミスラ様の怒りに触れると同時に、フェラード王国の守護神ヘルメース様の怒りも買いました。
スケフィントン王家はリーアムを勘当したうえに、賠償金を支払ってくれました。
リーアムは二柱の神が話し合われ、恐怖と苦痛の夢を見ながら死出の旅に出ることになりました。
私達が眠るリーアムに食事を与え生かし続ける限り、その恐怖と苦痛の夢は終わらないそうです。
「聖女エルサ。
貴嬢を公爵に封じ、王太子だったヴィンセントの台所領を与える」
「謹んでお受けいたします」
まあ、しかたりませんね。
王家が踏みとどまった以上、見捨てて国を出て行くわけにはいきません。
その代わりと言うわけではありませんが、他国の王侯貴族と博打をする許可はもらいましょう。
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